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大人しそうに見えて結構大胆だよな
YouTubeのボイスコミックチャンネルでこの作品を知って、あまりにも自分のツボを刺激するので購入してみました。
個人的には良い意味で、普通の物語なのでインパクトはほとんどないように感じますが、その代わり安心して見届けられる作品かなと思いました。(ネタバレ多し)
新木さんという30歳の男性(ゲイ)と、干潟くん(20歳)の二人、プラス猫一匹のお話です。
新木さんは黒髪眼鏡っ子という受けによくある容姿。冴えない地味な印象ですが、黒髪眼鏡受けブラボーな私としては無条件で高評価です。シンプルな線で描かれた作画も好みですし、か弱い雰囲気を纏っているものの、大人としての自覚や自分の軸をしっかり持っていて、見た目に反してそこまでナヨナヨしていない所も高ポイントでした。
若い男性が大の苦手で、テレビの情報だけで勝手に偏見を持ってしまっている新木さんですが、残念なことにその地雷であるワカゾーは隣の部屋に住んでいました。
攻めの干潟くんは美容師の専門学生で、敬語を使うのも使われるのも苦手という新木さんが一番苦手とするワカゾーくんです。ペット不可のアパートなのに猫を飼育しているのを注意するため、新木さんがお宅訪問することで二人の関係はスタートします。新木さんにとっては災難かもしれませんが、「隣に住んでくれてありがとう、干潟くん」とだけ言っておきます。
苦手意識が尋常ではない攻めとの会話に多少屈してしまったり、攻めに話す内容を練習したのに緊張してなかなか出てこないところが何とも可愛らしかったです。
そこから完全に干潟くんにロックオンされてしまい深い仲になっていく二人ですが、いろいろと不安になることも増えていきます。
チャラそうな年下の若い男が、自分なんかを本気で相手にするわけない!と疑心暗鬼に陥ったり、干潟くんの過去の女が登場したシーンではこの世の終わりみたいな雰囲気の修羅場も経験します。円滑に物語が進むわけではないのですが、そこまでシリアスになるわけでもなくて基本ベースがほのぼのでまったりしていたので終始読みやすかったです。突飛な出来事があるわけではない、だからこそリアリティがあって自然と物語に寄り添える、こういう作品大好きだなァ。
しっかりと随所にキュンポイントも散りばめられているので読み進めていくのも楽しかったですし、作品を読んだ後にしばらく干潟くんロスのような気持ちになってしまうほど。苦手な敬語を使って不器用に新木さんに告白する干潟くんには揺るぎない信念を感じました。よくやった!!
どんどんスパダリ感が滲み出てくる罪深い干潟くんと、年上の包容力もありつつただただ可愛らしい新木さん…。これだけ言わせてください。「ごちそうさまです」と。いやらしい要素もさほどなく、そのようなシーンですぐお腹いっぱいになってしまう自分としては個人的に有難かったです。
年の差あり、すれ違いもあり、価値観の違いあり…。それでもお互いの不器用さや至らなさを二人でフォローし合って、どんな愛の形にしようか?と模索していくような感じが読み終えた後の心地よさを格別なものにさせたと思います。
ペット不可のアパートにいる「シロヒゲ」という、少々ワイルドな名前の猫(メス)は干潟くんが拾ってきて、名前のセンスこそ壊滅的にないものの大切に育てられています。新木さんが注意をしにお宅訪問=出会いの発端になったヌッコなので、物語にも度々登場。不穏な空気から始まったこの関係から二人が互いへの親愛の気持ちを紡いで形にしていくまで、酸いも甘いも噛み分けた環境にいつもいたシロヒゲはまさしく恋のキューピット的な存在です。飼い主である干潟くんよりも新木さんにぞっこんなシロヒゲ…。
とんでもなく優秀でとんでもなく可愛いチロちゃん(新木さんがいつも呼ぶ名前)に癒されました。
違うお話の「ワンデーコンタクト」は男子高校生の物語です。
勘違いから始まる関係ですが、真面目で天使のような優しさを持つ受けに、順調に絆されていくやんちゃな男の子が微笑ましかったです。恋愛には発展していませんが、「その青春、大事にしなさいよ!!」と若さを忘れた自分からの喝を送りました。分量もないので軽く読めてよかったです。
チャラい年下×生真面目な年上
攻めのやる気なく横柄な態度があまり好みではなかったんですが、しろひげ(猫ちゃん)を介して干潟の人となりを知るうちに惹かれく様子やちょっとした優しさ、実は真面目な姿が見えて良いこやん…カッコいいやん…ってなりました。
新木もおどおどしてるかと思えば、潔いとこもあって!うぶな雰囲気なのに腹が座れば積極的なのもギャップにやられちゃいます。
あるある展開も可愛いが散らばってました!
とにかく、しろひげも可愛くって、とっても癒されました。ふてぶてしさと可愛さが絶妙~
一番身近な猫ちゃん視点の2人って仲良さが倍以上に伺える気がします!!
もう1つの短編は睨まれてると思ったら…の目が悪い人あるある!
攻めがちょっと身勝手だけども、DKにほっこり?
どちらもあるある展開、さらっとしてました。
連載で読んでましたが、とても気に入って単行本を購入。
タイトルが内容をよく表していますが、ゲイのさえないおじさんの隣にこしてきたチャラいワカゾーとの恋の話。
全体にテイストがほんわかしていて、でもその中に、ワカゾーの純情やおじさん(ごめん、30はおじさんじゃないよね)のずるくもかわいい逡巡があってキュンとします。
マンションだから飼えないけど、こっそり二人で猫を世話するところから始まります。くっついた後もご主人様達のいちゃいちゃをあきれつつ見守る猫がかわいい。
猫が取り持つ男と男の縁。うーんチロちゃん可愛い、描き下ろしは何と猫目線ですからね笑〜だにゃ〜するにゃとかほのぼのして癒されました。丸々表題作だったら神でした。
ペット不可のアパートで猫を飼ってる理由を知り、得体の知れない怖い若者ってイメージが変わって隣同士行き来するようになります。
ぶっきらぼうでチャラく見えるワカゾーの求めているのは癒しだったんですね〜年上の隣人へ向ける好意丸出しの表情が良くてキュンとしました。
酔った流れでキスしてからはお互いの事を着実に意識し始めるのですが、元カノの登場やペットの存在が大家にバレ出ていく事になったりとハードルがありました。
ワカゾー君が根はとても素直だし、年上の受けもきちんとダメなものはダメ!と優しく諭せる大人なのも良かったです。
一冊の中で割と色んな出来事が起こるのですが、終始ほのぼのとした雰囲気が崩れないのがスゴイなと。優しい絵柄とキャラのマッチングの妙でしょうか、とにかく癒されました。
2人のその後が描き下ろしで見られるのですがそちらも良かったです。お互いを尊重しながら穏やかなお付き合いが続いてる事にじんわり…そしてチロちゃんにほのぼの、でした。
表題作シリーズと短編が1作品収録されているのですが、私はたまたま短編の方を雑誌が電子配信されているときに読んで、ヤンキー物だったので記憶に残っていた作家さんでした。
単行本として読むのはこの作品が初めてです。
表紙の色と雰囲気が日常の一コマで優しい雰囲気で和みます。
手すりを猫ちゃんが歩いていますが、この猫ちゃんもこの作品の重要なキャラ。
たまたまアパートの部屋が隣になったなんの共通点もないような2人ですが、あることをきっかけに2人の距離がだんだん縮まっていく過程が良かったです。
お互いのいい所を認めて自分もそれを見習って2人とも成長していっています。
派手な出来事は起こらないのですが、日常の平凡な出来事が描かれていて身近に感じられる作品でした。
同時収録作品は学生モノで、優等生とちょっとヤンキーの学生のお話。
優等生が人が良すぎるのですが、ぽわ~とした子で可愛いです。