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表題作1秒先のふたり

曽根﨑仁虎 大学生 18歳
相馬瑞生 大学生 18歳 

あらすじ

高校インターハイに出場するほどの実力を持つ、短距離ランナーの瑞生。
けれど、不注意による事故で瑞生は怪我を負ってしまう。
それ以来、怪我は完治したのに、なぜか走れなくなってしまった瑞生は
鬱々した気分を抱え、大学に入学する。ところがそこで出会ったのは、高校時代の他高のライバル、
曽根﨑仁虎だった。陸上部に入った仁虎は、走れない瑞生がどんなに拒絶しても、
入部を迫ってきて…!?

作品情報

作品名
1秒先のふたり
著者
菅野彰 
イラスト
新藤まゆり 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199007927
3.4

(14)

(2)

萌々

(4)

(7)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
1
得点
47
評価数
14
平均
3.4 / 5
神率
14.3%

レビュー投稿数1

爽やかで切ないライバル同士のお話

一般小説ですが、かつて「風が強く吹いている」を読んで凄い衝撃を受け、それまであまり「走る」と言うことに関心がなかったのですがそれ以降は「走る人」に興味を持つようになりました。
実際に走ることにも興味はありつつも今のところはウォーキングのみのワタシですが^^;
書店で見かけて同じようなテイストかもと思い手に取りました。これでBLとなれば萌え確定です。

瑞生は短距離ランナーでインターハイ出場の実力があるが、ある事故がきっかけで走れなくなる。
高校時代のライバルの仁虎は常に隣のレーンにいた。だが、一度も話をしたことはなかった。
その仁虎と同じ大学で再び出会う。
事後の原因となった高校の同級生の智はけがは完治しているのに走らない瑞生に責任を感じ、陸上部への誘いをかけていた。
仁虎もまた瑞生に再び走ってほしいと願っていた。
だが瑞生が走れない原因は仁虎にあった。その仁虎に瑞生は壊してほしいと懇願し一線を越えるが…

なかなかに瑞生の複雑な想い、それはアスリートではないとわからない感情でもあるのかもしれません。
気持ちを追うのがとても難しいと思うところもありましたが、とても読み応えがありました。

言葉をかわしていないのにふたりの気持ちは競技に向けてもお互いに向けても同じだったその絆と言うか、そこまで想い合えるふたりに胸打たれます。
それだからこそ、瑞生は仁虎に対して今の自分の姿を見せたくないと苦しむのが切ないです。
仁虎も瑞生に無理をしてほしくはないでも再び走ってほしいと、瑞生に寄り添います。そのやさしさに切なさが募ります。
そして、きっと瑞生は走ることが出来るのだろうと予感させるラスト。

これは恋愛物語でもあり青春物語でもあり、ひとりの青年が障壁を乗り越える物語。
単純にライバルから恋人にということではない深いストーリーです。
イラストは爽やかなユニフォーム姿のふたり。素敵です。

8

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