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表題作娼館のアリス

桧室敞之,娼館を相続した前オーナーの孫
有栖川琉璃,娼館「蔓薔薇の家」で暮らす高校3年生

同時収録作品敏腕秘書の多忙な日常

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

数年前に父を亡くしたうえ母も植物状態で寝たきりになってしまい、有栖川琉璃は呆然と公園で佇んでいたところを娼館を営む老人に拾われた。大人になったら働いて返すという約束で、入院費と生活費を援助してもらっていたが自分によくしてくれていた老人が亡くなり、孫である桧室敞之が娼館を相続することになる。オーナーが変わることによって最初は戸惑っていた琉璃。しかし、忙しい彼を癒そうと頑張るうち、自分の前でだけ無防備な彼に徐々に惹かれていく。そんな中、そろそろ18歳の誕生日を迎える琉璃は借金を清算するため、身請けをされる決意をするが…。

作品情報

作品名
娼館のアリス
著者
妃川螢 
イラスト
高峰顕 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344834675
3

(5)

(0)

萌々

(1)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
14
評価数
5
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

あざとさが無い

ドジっこ受けって好きじやないんですよ。
あざとい感じがして、応援する気がなくなるんです。
でも、この作品の受け、瑠璃はドジっこなのに可愛かった。
幸せにおなり、って背中を押してあげたくなりました。

中学生の時に父親を亡くし、母の看病を続ける瑠璃は篤志家の娼館オーナーに拾われます。
さまざまな教育を受けながら、娼館内で育ち、館の決まりとして、18歳になったら自分の将来を自分で決めなければならない。

瑠璃の18歳の誕生日前にオーナーが亡くなり、新たに娼館を引き継ぐべく現れたのが、攻めの桧室です。
この新オーナー桧室、やり手の実業家で、高慢ではないのですが言い方がキツめのため、最初は瑠璃を怖がらせるんですね。
ただし、早々に瑠璃を溺愛し始め、でろ甘になります。
そして、超鈍感ヤロウです。

瑠璃も早々に桧室に対する恋心を自覚し、好き好きオーラを垂れ流すのですが、桧室は瑠璃のことを「かわいい子ども」扱いから発展させない。
瑠璃に「親として」なんて発言し、瑠璃を絶望させた時は、私まで絶望しましたよ。
まぁ、ケナゲな瑠璃がきちんと自分の想いを告げて、お話はゴールに向かいますけど。

とはいえ、桧室サンの理性が強固だっただけで、最初から瑠璃のことをそういう目で見ていたのか、家族的な意味合いの情が、愛に変わっていったのか…。
そのあたりがはっきりしなくて、桧室の心情にもう少し迫って欲しかったなーと思います。

あと、スピンオフありきのキャラたちに、読んでいて食傷気味になりました。
みんな瑠璃のこと大好きで、甘やかしてくれるお兄さん的立ち位置なんですよ。
好感もてるのですが、背景が透けて見えるのが、どうにも鼻につくというか。

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