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表題作の「しるされしアイ」と「ヤングアンドラブリー」が収録されています。
「しるされしアイ」では、世話好きの南と喧嘩で怪我ばかりの桜田がメインです。
南は明るく、世話好き。道を踏み外そうとする友達をこちら側にひっぱり戻したりします。そんな南が一目見てタイプだったのが桜田です。
喧嘩で怪我ばかりの桜田を南は放っておけず、しかし嫌われたくもないので猫ちゃんに接するように少しずつ少しずつ、距離を詰めていきます。
ある事件がきっかけで、2人の関係は変化します。
両思いとなり、仲を深める2人ですが、あることが南はずっと引っかかっています。だけど、それがなんなのか、気づきたくない、、、。
桜田も、進路選択の時期になったことで南に対しあることが気になるようになります。
2人とも、お互いのことを想い合っているが故に苦しいです。
私の印象に残っている大好きなシーンは、南が大学受験することになり、桜田は就職することになっていつもの4人組で帰っているシーンです。
「お前なんか落っこっちまえ」と、苦しそうに頬を赤らめながら桜田が南に言うんです!
それがとても可愛くて意地らしい!
最高です!
「ヤングアンドラブリー」では、地元で同棲を始めたノンケの勇とゲイであることを隠す大樹のカップルのお話です。
これ、読んでてすごく苦しかったです。でもあたたかい話でもあります。
大樹はゲイであることをまわりに隠しているんですね。そんななのに地元で同棲はしんどすぎるだろ!って何回も思いました笑。
勇は大樹が嫌がるから言わないっていうスタンスです。それくらいだから大樹が悩むことになります。友人から勇との関係について吹っかけられるんです。意味深な言葉で。
大樹はひとりで思い悩みます。
この発端になった友人キャラが私はいまだに許せません笑。
こうならなければ勇と大樹はお互いのことを確認し合うことはできなかったかもしれないし、大樹も1人苦しむしかなかったかもだけど、本当に嫌な奴だと思ってしまいます笑。
最後は吹っ切れてすっきりした感じで終わるので後味は良いです。
あと、リバも見れます!最高です!
2作品収録。
「しるされしアイ」
中学時代から続く2人を描いているお話。
彼らの周囲はどうも治安が悪いようで、ヤンキーというよりももはや半グレ予備軍の落とし穴がすぐ足元にあるような日常。
わかりやすいヤンキーものと違って妙にリアル。
好きな桜田に「そっち」に行って欲しくないミナミの一生懸命の求愛。
でも必ずしも伝わらないすれ違い。
それらが「進路」と絡めて描かれていくんだけど。
ボタンのかけ違いが大きくなる前に誤解が解けてよかったなぁ、としみじみ。
この2人、性格も環境もあまりフィットしてないと思うのです。だから結びつきは本当にお互いの気持ちだけ。
そんな綱渡りの本気を、進学と就職という道別れの中でも堅固にしていこうとする2人を応援するしかない。
「ヤングアンドラブリー」
一方こちらはヒリヒリさせてくれる。
とある地方都市で同棲を始めた元同級生。周囲にはルームシェアと説明している。
カップルの片方・大樹は絶対秘密主義、お相手の勇は楽観主義で、大樹は勇がバラさないかといつもピリピリしている。
そんなある日、共通の友人から意味深な言葉を言われてから大樹が不安定になっていく…
オープンとクローゼット、どちらでも苦しい。自分の心と周囲の目。相手の気持ちと自分の許容範囲。
あー難しい。
ところで!巻末のおまけでなんとこの2人、リバーシブルに!不意打ちで超びっくり。最高です。こっちの話は「萌x2」。
◆しるされしアイ(表題作)
正直、序盤から中盤にかけてはあまりハマれませんでした。メイン2人の性的嗜好もあやふやなまま、その上このビジュアルですから、見た目で判断するのはナンセンスとはいえどもどうしても親友以上の関係にすんなりいけたのが不自然に思えて。ただ、亮がミナミの告白をなぜOKしたか、最後に語られるのでそこでやっと納得はできました。時間はかかったけれど、最後には萌えも。ただ、たなと先生の描かれる学園もので、何人かの友人同士でわちゃわちゃ会話しているシーンでどうしても集中が途切れてしまいます。理由は上手く説明できないのですが、私は大学生以上のキャラの作品の方が好きかも。
◆ヤングアンドラブリー
表題作より私は断然こちらがお気に入りです。攻めの勇に愛されていることをよく自覚しながらも、狭い田舎でゲイとして生活することに不安が拭えず、少しでも自分達の関係を匂わせるような言動は徹底的に控えたいと考えている大樹。彼の考えが悪いとは思わない。実際、悪意を持って噂を広める人もいるかもしれない。それでも、最初から疑心暗鬼になるのではなく、恋人の力も借りながら、少しずつ周りとの折り合いをつけていこうとしてみれば、意外と悪意ばかり集まっているわけではないことに気付けるかもしれません。勇の真っ直ぐな言葉が、大樹に響いて嬉しかったです。
顔面が好みのタイプっていうのとてもわかりやすくていい!!!気になりだす理由なんてそんなもんでいいんだよね。そこからの持ち前の世話焼き気質で大怪我してまで亮くんの進む道軌道修正するのがすごい。愛のなせる業ですよ。じゃなきゃあんなのトラウマものだと思う……そんなことがあった後に告白したことに対するOKの返事はそりゃあ怪我させたから同情で付き合ってくれてると思うのも無理はないですし、亮くんが自覚した理由もわかる……ってなって心の中が大運動会でした。
気持ちの流れみたいなのが自然な感じがして読みやすくて、それでいて心をぐっとつかんでくるので困ります。そしてこの話のいいところは、中学から高校、大学、大人と時間をかけて二人の関係を育みながら維持してるというのが感じられるところだと思います。
読んでよかったです。