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表題作ニライカナイ~此岸の徒花~

鉈弦,人形に変化できる大鉈,閻羅王の側近
池端清貴,骨董屋の元店主,一流企業の課長,40歳

その他の収録作品

  • 彼岸の劣情
  • あとがき

あらすじ

生者の心の声が聞こえる清貴の前に、地獄で殺戮の限りを尽くす閻魔王の道具・大鉈の鉈弦が現れて…。シリーズ第二弾!

作品情報

作品名
ニライカナイ~此岸の徒花~
著者
高岡ミズミ 
イラスト
斑目ヒロ 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫black
シリーズ
ニライカナイ~永遠の道連れ~
発売日
ISBN
9784592851349
3.5

(13)

(3)

萌々

(2)

(7)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
45
評価数
13
平均
3.5 / 5
神率
23.1%

レビュー投稿数1

人外と美形中年受けの再会愛

『ニライカナイ』シリーズ二作目。
前作受けの叔父・清貴が主人公です。

あらすじ:
甥の伊織同様、不思議な力を持つ清貴(受け・40歳)。
ある日、地獄の閻羅王に、霊山から解き放たれた悪鬼を捕らえる任務を命じられる。
王の側近の大鉈・鉈弦(攻め)と共に悪鬼探しに乗り出すが……

伊織は、年齢不詳の美形中年で、一見落ち着いていますが、実は内に篭もりがちな臆病な性格。
人の心が読める能力のせいで女性ともまともに付き合ったことがなく、職場でも誰とも深く関わらない彼は、サバサバした気質の甥とは対照的です。

鉈弦は、20年前は伊織の持ち物でしたが、閻羅王の命により王の側近に。
伊織は、自分を求める鉈弦から逃れるため、彼を騙して閻羅王に引き渡した過去があります。
再会した鉈弦は、昔と変わらず俺様で豪胆ですが、記憶を消され清貴のことを忘れており…というすれ違い。
それでも本能的に清貴を求め、守ろうとする鉈弦の一途さにグッときます。

切ないファンタジーですが、ラストの収拾のつけ方がやや駆け足なのが残念。
清貴は地獄で200年生きることに…という重い引きから、僅か3ページで清貴が人間界に戻ってくるのはいただけませんでした。
いくら地獄の100年が人間界の1年とは言え、もう少し地獄での清貴の苦労を描いてくれた方が、彼の鉈弦への想いや覚悟に説得力が増した気が。

しかしその後の、地獄と人間界との間で遠距離恋愛する二人のエピソードは微笑ましくて良かったです。
会えない間、互いの身体に刻んだ銘を通じ欲情し合ったり、実物大の張り型wをプレゼントしたり。
鏡で逐一、清貴の様子を観察している鉈弦の可愛さに萌えました。

斑目ヒロさんのエキセントリックで美しい挿絵も相まって、シリアスともコミカルともつかない不思議な空気感に魅力のある作品です。

7

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