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表題作憑いていきます

古渡伸輔,骨董屋店主,30歳
玉鬘,付喪神

その他の収録作品

  • あやかしは骨董屋を好む
  • あとがき

あらすじ

祖父から継いだ骨董屋 「百古堂」で店主をしている古渡伸輔の下に、ある日、太めの鶴首部分の内側に、半球状の粒が張り付いた変わった一輪挿しふうの壺が一見の客から持ち込まれる。その夜、水干姿の美青年が金髪男性三人組に襲われている所に遭遇した夢を見た伸輔は、目の前で繰り広げられるあまりに生々しく激しい行為に、慌てて止めに入る。しかし、被害者であるはずの美青年に余計なことをするなと怒られてしまい――!?

作品情報

作品名
憑いていきます
著者
白露にしき 
イラスト
篁ふみ 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
ISBN
9784778118822
3.2

(9)

(0)

萌々

(4)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
28
評価数
9
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

ドMで変態な付喪神様が最高

祖父の骨董屋を継いだ元商社マン・伸輔(攻め・30歳)は、客から古い壺を受け取った夜、奇妙な夢を見る。
外国人の男三人に犯される、水干姿の美青年。
助けに入ると、美青年は
「よけいなことしないでくださいっ!」
と怒り出し、自ら後ろを弄り始め……

ハチャメチャな冒頭部から『何だこれは!』と惹きつけられ、一気に読んでしまいました。
壺に宿った付喪神・玉鬘(受け)のエロエロっぷりが最高です。

玉鬘は、室町時代に作られた壺の付喪神。
壺の持ち主はイチモツを壺に入れて楽しむ変態で、彼の情念が壺に移った結果、玉鬘が生まれたんだとか。
自身を性具と認識する玉鬘は、常にセックスの相手を求めており、ウミガメだろうが雛人形のお代理様だろうが見境なし。
黙っていれば楚々とした美形なのに、中身は超ドMな淫乱誘い受けというギャップが堪りません。 

ノンケでSM趣味のない伸輔が、いつの間にか玉鬘にハマってしまうのも納得。
エロくて可愛くて健気で、下手ながら家事も一生懸命やってくれる神様なんて最高だと思いますw
ディルド、Uプラグ、亀甲縛りなどSMチックな道具プレイが多いですが、玉鬘が歪みなきドMなので痛い感じはなく、ラブ度高めな点も良かったです。

後半は、香炉に宿った薫衣という、これまた強烈なキャラが登場。
伸輔の先祖の戦国武将に惚れていたらしく、彼そっくりな伸輔に迫ります。
玉鬘と薫衣の口論や他愛ないお喋りは、大奥ドラマでも見ているようで、姦しいけど楽しかったです。
二人に挟まれ、夜も玉鬘との情事を薫衣にガン見される伸輔は気の毒ですが……w

玉鬘の強烈なキャラクターと、伸輔の優しい常識人(ツッコミ役)という立ち位置の相性が良く、BLとしてもコメディとしても大変面白く読めました。
白露にしきさんの次回作にも良い変態を期待したいです☆

7

規格外の神様でした

明るくて楽しくてエロエロなラブコメです。

受けになるのが付喪神なんだけど、今までの神様にない淫乱さとハチャメチャさで、ちょっと驚きました。持ち主の伸輔を愛してからは少しは収まったけど、相手が亀だろうがお内裏様だろうがノリノリでエッチを楽しむ姿にあんぐり…。おまけに、道具のあれこれを使ってしてるので、とっても勉強になります(笑)。されてる付喪神は気持ち良さそうだからサクッと読めるけど、不特定多数とやりたがるのが、好みとちょっと合わなかったです。
でも、それ以外は楽しく読めたので良かったです。

0

さらっと読めるライトコメディBL

初めて読むBL小説だったので、軽い物からと思い手に取りました。
辛口なレビューをしますが、描写が少々物足りないと感じてしまいました。
玉鬘を最初に見て人形のようと描写されていますが、どんな人形を想像すればよいのでしょうか。
ここでは尾山人形と例えたほうがよいのでしょうか、
掘りあげたようなとあることから陶器のフランス人形ではないことはわかりますが、日本人形とすると市松人形等ふくよかな顔や、雛人形のような麻呂眉を想像してしまいます。
次に主人公の伸輔の身長が高いとありますが、どのくらい高いのでしょうか。また、玉鬘は伸輔と比べてどのくらいの身長なのでしょうか。
最初に主人公の身長を明確にし、その主人公のあご、あるいは肩くらいと明記すれば大体の身長差はわかりますね。
女性に間違われるくらいですから、きっと平均男性と同じくらいか、あるいは小さいのでしょう。
場所の描写も薄く感じられます。自室、店ではなく、どのくらいの広さで何があるのでしょう。
主人公の自室は仕事をやめて引き継いだお店の奥にある自室ですので、おそらく子供の頃の物は仕舞っており、ベッドと机があるくらいの殺風景な部屋でしょう。
もしも主人公に趣味があったなら、そういった物が部屋に飾ってあり、プレイの一環として使えたと思います。
店もガラスケースとショーウィンドウがあるのはわかりましたが、そのガラスケースはカウンターの奥で、常連さんにお見せするような感じで置いてあるのでしょうか。いまいち位置がわかりません。
亀のシーンですが、これは無理がありませんか?
背中に乗った人間のお尻に、どうやって首が入りましょうか。
亀の首がくの字に折れ曲がっている状態なのでしょうが、入っているという描写しかありません。想像しづらいのです。
一番の問題点は店内でヤっているシーンです。
店内の一角とありますが、玉鬘と人間ほどの大きさになったお内裏様と五人囃子、そして離れた場所にお雛様と三人官女がいるのです。
店の一角に計11人がいる状態ですよ? どれだけ広いお店なんでしょうか。
東京のはずれのほうだとしても、そんなに大きな骨董屋が開けるのでしょうか。土地に関しては全く知らないのでなんとも言えませんが、私の中では東京にかなり大きい住居兼店舗の建物がある想像になっています。
長々と文句を言いましたが、このシーンには声を上げて笑わせてもらいました。
作中も声をあげて笑う箇所がいくつかありますので、ぜひ読んでお確かめください。
あと気になったところといえば、折角淫乱な設定があるのですからそれを生かして、エロシーンをもっと飛びぬけてしつこく描写してもよいのではないでしょうか。
最初のほうはよかったのですが、段々と荒くなっている気がします。ここは好みの問題ですね。ライトに書くならこのままでいいと思います。
それとネットスラングは使用すると安っぽく見えますのであまり好みではありません。
電子書籍版でなのでページ数はわかりませんが誤字も1か所。玉鬘を生み出した元凶が表れる緊迫したシーンにありますので、話の腰を折られた気分になりました。

散々文句を言いましたが、描写がうまいなと思ったシーンは、壺を求めに来た常連さんが自然に立ち去る様子はうまいと思いました。
主人公の心情の変化も急ではなく、私好みでした。
最後に描写については不思議な所が色々ありますが、疲れた時に笑ってさらっと読めるBLをお求めならおすすめです。

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