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今回はネタバレ無しで頑張ってみます。発売したての新刊ですから、いつもの私のように買うかどうしようか迷い中の方々がおられるハズ。
そんな迷い中に気になるでしょう絵柄と、ストーリーとキャラクターの3つのポイントに絞りレビュー致しましょう。
☆絵柄
これはですね、表紙の画風に惹かれたならこのクオリティーで一冊描かれています。いわゆる「表紙サギ」の心配はないです。
マッチョな男を求めてるんだ!という方のニーズには不向きと思いますが、表紙が気に入ったんだ!な方にはオススメです。
首絞めなどのプレイがありますが生々しかったりせず、攻めも受けも線が細いタイプですが、ちゃんと「男」です。
☆ストーリー
表題作「甘える首輪」と「揺れてふれるまで」の2作が収録されています。
甘える首輪は、あらすじにありますようにDVの性癖がある人気モデルの久保田と、デリヘルで働くプロのみよしのお話。
DVといっても殴るなどのハードな行為は出てきませんのでご安心を。
首絞めもあくまでプレイな感じですね。ネタバレになっては約束違反なのでこれ以上は控えますが一言、久保田にゲス要素はありません。
もう一作、揺れてふれるまでは美人のアゲハと、短髪男子勇一の物語です。
他にタクトという男がいて、アゲハはこいつと不倫関係になってます。
これも不倫というと、ヘビーなものがありますがドロドロ系ではないです。
みよしとアゲハと、すわる先生は美人受けを実に魅力的に描かれると思いました。
SMではないですが甘える首輪は若干それ寄りだったり、不倫だったり、重くなりがちな事をちゃかしはせず、自然にストーリーに組み込める作家さんではないでしょうか。
☆キャラクター
「甘える首輪」 攻めの久保田はプチSな感じ。ちょいおバカさんなので憎めない。
みよし ある意味、受けの鏡のような美形。飄々としている
「揺れてふれるまで」
攻めの勇一は好青年な印象。短髪、素朴系。
受けのアゲハは影のある美形。庇護欲掻き立てるタイプかも。
☆おまけの感想
この作品は、先月の作家さんインタビューを見たときから気になってました。買って正解でしたね。
粉子すわる先生、私はおバカに「しるこ」と読んでました。ええ、全然違いますネ。
美人受けが好き、綺麗な絵が好き、な方には特にオススメできます。
こ、これは!
正直このレーベルの装丁はかなり好みなのですが、内容は微妙なことが多くて期待しないで買ったのですが、何より絵が綺麗です!よかった、プロの絵だ。申し訳ないけれど、同人誌から引っ張ってきた作品が多い所為か、ガトーさんのコミックスで絵柄で安心できるレベルは少ない気がします。
表題作は個人的にはイマイチでしたが、もう一つのお話がいい!
こういう不倫話を読みたかったんですよ!(感涙)
文句なく、この話だけで神評価つけます。
不倫している美人受けに横恋慕する攻めの話が好きな方がどれだけいらっしゃるかわからないですが、そういう方にはオススメです。こっちが表題作ではないのは、インパクトの問題ですかねえ。
今後もチェックする作家さんに加えました。
まずこの作品は全体を通して、ライトに読めます。
後ろ暗い要素がありますが描写は重くはなく、ハピエンなので消化に優しいタイプです。
そしてなにより絵柄が綺麗でふつくしい!
表紙・設定を見て気になっているならば、重厚なものを続けて読んでいて食傷気味な時なんかによいと思います(*^^*)
ただ、内容やストーリー重視or設定がダメな方にはあまりおすすめはできないです。あと数羽の蝶が集まってるシーンがあるので苦手な方は要注意です。
『甘える首輪』
表題作で、DV持ちモデルの鈴とその発散役に選ばれたみよしさんのお話です。
鈴はDVというよりは痛いセックスに興奮する性癖を持つタイプなのですが、頭の中が空っぽの甘えたな子なので純粋な瞳でそれをしてます。一方相手役のみよしさんはある程度のルールを定め「いいよ、おいで」と言って鈴を受け入れます。
関係を持つうちに鈴はみよしさんが離れていくことを恐れ涙したりしますが、みよしさんの方が一枚上手なので二人はハピエンです♪( ´▽`)
『揺れて、ふれるまで』
友人タクトの結婚式でまるで黒アゲハのような佇まいの揚羽に目がとまる勇一と、タクトと不倫関係にある揚羽のお話です。
タクトはほんとわやで、男同士体だけだからノーカンみたいなノリで不倫してましたが揚羽にとっては違って(不倫はダメですが)、一人愛されたいと望み蝶のごとく脆く壊れそうな揚羽を勇一はほっとけなくて愛で満たしたくて…。そんな勇一の温かさに心動かされていくという感じです(´ー` )
そしてそれぞれ描き下ろしがあります。
甘える〜の方は泣き顔好きのみよしさんのかいあって(?)泣き癖がついた鈴のお話です。なんだかほっこりしました♪
揺れて〜の方は時間が経過して勇一の温かさのおかげでタクトをふっきることができた揚羽のお話です。「ただあいつに会いたい」がよかったです^ ^
この描き下ろしの各々の幸福感にこちらも満たされました!すごくよかったです!
「甘える首輪」
恋愛がなんだかわからないモデルの鈴は、セックスの時、相手の首を締めるのが快感。でも一般人で受け入れてくれる人は少なくスキャンダルの恐れもあり、事務所がウリ専・みよしをあてがう。
みよしは肌も髪も真っ白で、グーはダメだけどパーなら殴ってもOK、首絞めも死なない程度ならOKというのがミステリアス。
鈴はみよしとカラダを重ねていくうちに、「みよしには離れていってほしくない」という気持ちが芽生えはじめ…
恋愛までは発展せず、みよしに鈴が取り込まれた風にコミカルに話は閉じます。
今作は攻めの鈴視点で、そして続編『絡まる首輪』は受けのみよし視点で語られます。
「揺れて、ふれるまで」
男同士なんて気持ちよければそれで良いだろと結婚しても不倫を続けるタクト、タクトを想い切れず振り回されて傷ついていく揚羽、そんな揚羽の想いに触れ「あの瞳に自分を映したい」と願う勇一…
蝶の標本が溢れ、温室にも蝶が放たれた屋敷が、清楚だけど色香のある揚羽にぴったりで、作品全体が耽美な雰囲気で引き込まれます。
絵がとても綺麗で、人物の表情やシルエット、背景ひとつひとつまで丁寧に仕上げた作者さんの想いが伝わってくる本です。
絵が綺麗です。全体的に静かな雰囲気の中、お話が進みます。
表題作の「甘える首輪」では、DV性癖があり頭がからっぽな攻めの鈴くんが、受けのみよしさんへの気持ちから心の変化が現れる様子が描かれています。
優しいみよしさんに、鈴くんは無邪気に好きなことをしていますが、実は真に手綱を握っていたのはみよしさん、というのもブラックで面白かったです。とはいえ鈴くんが可愛いし、ホラーな感じではなく割とあっさりと終わっています。このあと二人の関係性がどんな風に変わっていくか知りたいです~!
この作者さんはシリアスでしっかりしたストーリーがお上手なのかなと思いましたので、ぜひ短編以外でも見たいなと思います!