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表題作惑愛に溺れて

生田目隆司,30歳,会社の社長で自称黒河の恋人
黒河炯,28歳,生田目をかばって記憶喪失になった男

その他の収録作品

  • あとがき 火崎勇
  • あとがき 嵩梨ナオト
  • shot story (惑愛に溺れて番外編・カバー下)

あらすじ

黒川は病院で目を覚ましたが、事故の影響により記憶を失っていた。
そんな黒川の一切の面倒を見てくれているのは生田目という男。
二人は都内の高級マンションに一緒に住んでいて、恋人同士だったという。
黒川は生田目の目の前で車に轢かれており、その事実は生田目のトラウマになっているせいで
必要以上に黒川を束縛しようとする生田目。
記憶が戻らない以上頼る相手もおらず、黒川は生田目との甘く苦しい生活に溺れていく。
だが、どこか違和感のある日々に黒川は疑問を抱き――?

作品情報

作品名
惑愛に溺れて
著者
火崎勇 
イラスト
嵩梨ナオト 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796408479
3.2

(17)

(1)

萌々

(6)

(7)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
6
得点
52
評価数
17
平均
3.2 / 5
神率
5.9%

レビュー投稿数6

記憶喪失サスペンス

あらすじ:
事故で記憶喪失になった黒河(『俺』・受け)は、彼の恋人と名乗る男・生田目(攻め)と一緒に暮らすことに。
優しく、時折威圧的な態度を見せる彼に惹かれていくが、彼を愛した記憶はなかなか取り戻せず…

帯でネタバレされていますが、黒河の正体はヤクザ。
そのことは彼が断片的に取り戻していく記憶により早い段階で予想がつきますが、彼がヤクザとしてどんな地位にあって、生田目とはどんな関係だったのか、という点は終盤まで明らかになりません。
黒河が徐々に過去の記憶と、生来のヤクザらしい性格を取り戻していく展開に、推理サスペンス的な面白さがある作品です。

生田目は、黒河を優しく甘やかしてくれる、一見紳士的な男性。
しかし、黒河の記憶が戻ることを恐れ彼を軟禁したり、彼を縛ってアナルバイブで乱れさせたり…と、ちょっとアブナイ一面も垣間見える人物です。

黒河が、いつもの優しい生田目ではなく、そうしたS寄りの生田目の方に欲情しているところもポイント。
甘やかされるより対等であることを望む黒河らしい恋愛観だと思いました。

ただ、黒河が生田目を庇うほど彼に惹かれた理由、そして記憶を取り戻した後すんなり生田目を受け入れた理由は、やや弱い気がしました。
記憶を取り戻してすぐ話が終わってしまい、恋人になった二人の日常のシーンが一瞬しかなかった点にもやや物足りなさが。
あとがきに書かれた色んなエピソードをぜひ本編で書いて頂きたかったです。

しかし、推理サスペンス的な展開にはなかなか読み応えがあり、楽しめる一冊でした。

11

受も攻も目付きが悪い

目覚めると記憶を失っていた。
病室に付添っていた生田目は、黒河とは恋人同士で、黒河は生田目を庇って交通事故にあったのだと言う。
何も思い出せない黒河は、生田目の申し出を受けて彼と一緒に暮らし始めるが・・・

生田目が黒河の記憶が戻って欲しくないと思っていることはすぐに分かります。二人が恋人同士だというのが生田目の嘘だということも、記憶が戻ったら黒河が去っていくと生田目が確信していることも。
ただ、記憶を失う前の二人の関係が、なかなか明かされない。それが知りたくて、最後まで一気に読んでしまいました。いやぁ、面白かった!
記憶喪失ものって、記憶を失ってから惹かれ、記憶が戻っても・・・という展開が多いような気がするのですが、今作はちょっと違う。
黒河が惹かれているのは、記憶を失ってから黒河に見せた、紳士で優しい生田目じゃないんです。時折見せる彼本来の、鋭く攻撃的で不敵で強い生田目なんです。記憶を失う前から、黒河は自覚しないまま生田目に惚れて惹かれていたのでしょう。
恋人同士になった二人の関係が、抱く抱かれる甘い恋人というより、互いに求め合う男らしいものになったのは嬉しかったです。カバー下の後日談もごちそうさまでした!

4

攻めの執着心◎!男同士の甘くない掛け合い

執着攻めが大好きなのでゾクゾクしました!
話の展開は読めていましたが、謎解きのように記憶を取り戻していくまでのドキドキ感がありました。
ただ、攻めがどうしてここまで受けに執着するのか、一目惚れとは言っていましたが、それだけだとちょっと腑に落ちなかったのと、記憶が戻ったあと攻めをすんなり受け入れて、愛してるまで言っちゃうのは、ちょっと駆け足過ぎたかなーと思いました。
大好きだったヤクザの兄貴分の報復とかもないですし、平和だなーって感じでした。
記憶が戻って受けを失ってしまうことを恐れてる攻めが可愛かったです。
カバー下に小説があるの珍しいですね!
レビュー見なかったら気付かなかったのでありがとうございました!
受けの例えがコヨーテなのが、なんだか笑えました。

4

甘くない二人の甘くない恋の始まり

記憶喪失ネタ結構好きです。
出し尽くされた感はあっても思いもしなかった展開に出会うと嬉しくなります。

あらすじを読んで木原音瀬さんのCOLDSLEEPシリーズを思い出しました。

生田目は黒河に甘えさせて閉じ込めて可愛がりたいのにちっとも頼ってくれないっと拗ねてるみたいで不憫なようなかわいいような…

はじめは記憶が戻った黒河は生田目を好きにはなるとは思えませんでしたが、黒河が生田目の装っている優しさではなくて本質を見て惹かれはじめたところで面白くなってきました。

金融業界の話とかちょっと難解でしたが興味深かったです。

なかなか記憶が取り戻せなくて残りページも少なくなってやっとという感じで甘さ控えめだったので物足りない感じがしてしまいました。
だからカバー下に後日談があるなんてすごくうれしかったです。
初版特典や後からでは手にはいらないSSを後から知って悔しい思いをすることが多いので歓迎です。

1

こんな愛も、いいかもしんない

目を開けるとそこは病院で、自分は記憶を失っていた──。

記憶がない黒河を、自分の恋人だと言って自宅に連れてきた生田目。
記憶がないから黒河のリアクションは薄く、そしてどこか生田目も胡散臭い。
生田目の必死さがどことなく伝わってきて、これは嘘をついてるなぁと予想。
最後まで読んで、案外純情なのかと黒河を手に入れる必死さに思わず微笑んでしまいました。

かっこいいです、二人とも。
最初から最後までまっったく甘さはありません。
恋人特有のいちゃいちゃラブラブ~はどこ?
雄としてぶつかる二人。けれど、こんな愛の形もありかも。
黒河も変わり者なので、ある意味お似合いなんでしょう。

カバーを外せば、そこに番外編があります。
生田目視点で書かれたそれを読んで、生田目がいかに黒河を欲していたか、そして愛しているかが伝わってきます。

なれ合うことはない、自立したかっこいい男の恋愛模様を堪能いたしました。

1

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