• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作遠い岸辺

射場真二
下っ端ヤクザ(元マル暴の刑事),32歳
日夏晄介
地下経済の仕事師,42歳

その他の収録作品

  • 夢の岸辺
  • あとがき

あらすじ

マル暴の刑事でありながら傷害事件を起こした射場は
出所してから下っ端ヤクザとして自堕落に生きていた。
そんなある日、暴力団の企業舎弟、日夏晄介のボディガードを
任される。それはずっと憎んでいた男との再会でもあった。
ゲイではないと言いながら男を抱き、男に抱かれる日夏。
同性愛を嫌悪する射場は苛立つが、
一緒に暮らすうちに謎めいた年上の男に惹かれていく。
だが日夏の命を狙う何者かが現れ……!?
愛と憎しみ、死と魂の再生の物語、誕生!!

作品情報

作品名
遠い岸辺
著者
英田サキ 
イラスト
ZAKK 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
ISBN
9784813013099
4.1

(75)

(36)

萌々

(24)

(8)

中立

(3)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
15
得点
303
評価数
75
平均
4.1 / 5
神率
48%

レビュー投稿数15

傷を持つ2人の再生物語!

元マル暴ヤクザ崩れの番犬 ×裏社会の仕事師 美中年

癖強飄々な日夏に反発しながらもどうしようもなく惹かれ、
真正面から挑んでかわされてぶつかっての攻防!

ハードな設定なのに軽快!

お互いの拠り所になってくのとてもとても良かった!!

"微笑みながらすべてに絶望しているように見える"
タチもウケも女も男も、可哀想な人に優しく
でも一線引く日夏から目が離せない.

1人突っぱねてたとこに目で押してくる射場!!
掌で転がしてたのが絆されちゃうの楽しい。

のらりくらりと逃げ逃げ、どんどん囲い込まれて、
さらけ出すしんどさ乗り越えて、隣にいるのが居心地よくなってくの~~~良い!めげない、でも敢えての距離も取れる仏頂面気質大型ワンコな攻めの可愛さ~~~良い!!


英田サキ 先生の裏社会ものは容赦なく複雑に絡み合うとこもとても楽しい!

0

これぞ本物の男と男の愛の話

小説ってめちゃくちゃいいな…というか英田サキ先生すごい!本作ほんとに面白かった、「男が男に惚れる」とはこういうことだ!真のBL…
日夏さんの毒のような魅力にやられっぱなしでした…受けて攻めて女も抱く!最高!こういう人を待っていた!女性が出てくることによって男の色気が引き立つ!

とんでも設定のような気がするのにのめり込める〜!いつもは「ノンケが男に欲情するかよ?」って心の中の自分がツッコミんで来るんだけどそれが出ない。

ドライだけど甘い、冷たいのに甘い、この塩梅が最高でした。読み直す。

0

遠い岸辺

元マル暴の射場、ヤクザとも深い繋がりのある日夏。
過去の因縁がある2人がどうなっていくのかと。
この因縁がうそやろっ!っていうような。
最初の頃の射場は可愛げないし、仕方なしで日夏といる感じがするけれど、少しずつ軟化していって。
だんだんと大型犬に見えて、頑張れって感じた。
2人と、狛が心配でどうなるんや?気をつけろ!とドキドキハラハラしながら。
最後までノンストップで読みました。
面白くてとめられん。
いつか、2人のお店で穏やかに過ごすことが出来るように、祈りながら読了。

1

英田先生のスリリングもの

SHYノベルスの英田先生のスリリングものはエスとかデコイシリーズとか数々の名作があります。これもそんな雰囲気で32歳元刑事×ヤクザの企業舎弟の42歳という組み合わせ。年下ワンコ×他の男とも平気で寝るちょっと淫乱男でもあります。しかも受けには過去に攻めをレイプした経験ありというトンデモ設定。ちゃんと理由があったんですけどね。リバ要素ありになるのかな?
 
受けの日夏は美貌の40代って感じで金儲けの天才の所とか柴田よしきさんの「聖なる黒夜」の練ちゃんにちょっと似たキャラだと思いました。しかしBLなだけにビッチな日夏は口の中の性感帯に弱いという理由でキスをさせてくれないという甘エロな設定のある所が良かったと思います。

スリリングBLの時に私がよくやる癖ですが「これ最後まで死なないよね?大丈夫だよね?」と挿し絵だけを最後までチラ見して生存を確認します。

攻め受け共にトラウマ持ちの過去があり、苦しみもがいてたどり着いてお互いがお互いの岸辺のような存在になったといういい話だなあと思います。

1

地味ながら味わい深いストーリー

じっくり読みたい地味なお話だと思う。凝った設定が散りばめられているが、どれもこれも問題は静かに解決していく。敵の思惑とメインキャラの心情が絡み合った人間ドラマな感じ。日夏を軸にして読むと味わい深さを堪能できる気がした。

導入は射場視点。かつて自分をレイプした男が日夏で――?という始まり。最初こそそこにこだわる射場が描かれていたが、徐々に話の中心は日夏に移っていく。
日夏は、暗い過去や現在の仕事から人間関係まで設定が盛り盛り。性格もなかなかに掴み辛く、とても興味をひかれる人物だった。

ストーリーは裏社会でつながる大物たちの暗躍を特に楽しく読んだ。言葉の裏を読み合うあの独特の会話シーンが好き。後から事実が明かされ、パズルのピースがはまるような爽快感を得られるのが良い。
そこに食い込んでくる射場と日夏の駆け引きも面白く、まったく敵わず地団駄を踏み続けているような射場の番犬っぷりが日夏の魅力を引き立てていて、そこも良かった。

いよいよ解決へ、という終盤は、六戸部が意外にあっさり話に応じてしまい、ここはちょっと肩透かし。大物が次々登場しながら、暴力も激昂もない静かな幕切れ。もう少し緊迫した心理戦くらいは欲しかったが、日夏の立場的にはこれが一番ぴったりの解決方法になるのかな。いわゆる盃を交わしたってわけじゃないだろうし。

外狩の歪みには、BLとしてとても惹かれるものがあり、もっと深く掘り下げて欲しかった。ただし描かれていれば外狩が全部持っていく可能性があるため、仕方ないのかもしれない。射場が負けてしまうから(笑)

射場は重要なシーンで蚊帳の外感が出ていることがあり、メインカプの攻めとしては物足りなさを感じたのも正直なところ。日夏の救済に射場は必要不可欠だけど、交互視点で心理描写も書かれているのに、主役二人というより主役日夏と準主役射場みたいな。
どちらか一視点にした方がバランスに違和感がなかったかも……と思った。

と、不満はありつつ読み応えのある物語を存分に楽しんでいたのに、一点大きく好感度の下がるエピソードが。六戸部と狛の中途半端な匂わせは何だったんだろうか。
全てが綺麗に畳まれていく中で、ここだけ話が締まらない。しかもメインカプがまだ安定していないのにサブカプに意識を逸らせる悪手。シリーズものでない一巻完結作として見ると、この点が好みじゃない。スピンオフ狙いなら残念。
それ以外はとても良かった。

1

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP