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表題作美しい義兄

宮下冬至, 庶務課平社員・義弟, 27歳
葛城司, 御曹司社長・義兄, 28歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

毎朝、定刻に出勤する後ろ姿を窓辺から見つめるだけ──。血の繋がらない弟に秘めた想いを抱く、老舗和菓子メーカーの若社長・司。義弟の冬至は同じ屋敷で育ちながら、父に疎まれ出世争いから遠ざけられていた。俺は嫌われて当然だ──。そんなある日、司の元恋人・堂本が本社に戻ってきた。冬至の優秀さを見抜いた堂本は、部下に引き抜き急接近!! 司は押し隠す激しい独占欲を煽られて…!?

作品情報

作品名
美しい義兄
著者
遠野春日 
イラスト
新藤まゆり 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199008733
2.6

(20)

(2)

萌々

(3)

(7)

中立

(1)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
4
得点
44
評価数
20
平均
2.6 / 5
神率
10%

レビュー投稿数4

こういう受け大好き

この小説のおかげで『傲岸不遜』という四字熟語をしっかり覚えました(笑)
すっっっごく好きなんですよね、こういう傲慢な美人受け…。
だけど心を覗いてみると素直になれず頑なに意地を張りつつも傷付きやすく…。
自業自得なところは多々あるのですが、どうにも放っておけない。
母親は出て行き難ありまくりそうな父親の元ではまっすぐには育たなかっただろうな…という仕方のない生い立ちもプラスしてつい情をよせたくなる。
人としてよくできている義弟にコンプレックスを抱きつつも惹かれてしまうという酷く生き辛そうな人間くささも好みでした。

でも正直リアルでいたらいくら顔がよくてもマジでないでしょ…ってタイプではあると思うんです。
父の介護をいくら本人が望むとはいえ義母に任せきりでろくに手伝わないどころか召使いとなんら変わりのない関係性。
好きな男には素直になれないどころか嫌われても仕方のない態度を貫くばかり。
だけど、遠野さんの書き方がとんでもなく嫌な男では決して終わらせず弱い部分だったりそうなってしまう内面を丁寧に書いてくれているので、感情移入して読めました。

そして何より攻め、冬至がとてもいい人なので色々救われていますよね。

両片想いからの結ばれをじっくり書いてくださっているので、お話にのめり込めました。
こういう受けの本もっと読みたいなー。

0

素直になれない美しいひと

タイトルからして、義弟視点で進むお話かと思ったのですが
義兄・司視点から始まったので
ちょっと面喰ってしまったのは私だけかもしれません;

司の、義弟・冬至に対する態度が素っ気なさすぎて
序盤から悲しくなりました…。
そうなったちゃんとした理由も回顧シーンで明かされますので
安心しておきたいところでしたが
その心の鎧はいつ脱いでくれるんですかとハラハラしてしまいました。
しかも形ばかりとはいえ結婚してますし!

冬至は、本当に良くできた人間で
昔から司の言動に打ちのめされるわけでもなく
微妙な距離を維持して健気どころの話ではありません!
冬至視点が無かったら読み進めるのがツラかったと思います。
両片想いとはいえ、自分がもし冬至だったら絶対挫けてますよww

司の父が、病に伏せながらも横暴なタイプで
後妻(冬至の母)もやはり気の毒でした。
こういう家庭だと誰一人幸せになれないのでは…。
でも根気強く情が深い冬至と
胸中では冬至を想っているのに極端に素直になれない司が
いつ結ばれるのか俄然ラストが楽しみになってしまうのです。

司は、昔付き合っていた堂本と社内で再会する事となりますが
この堂本がいい当て馬でしてね…。
仕事が出来る冬至の能力を適切に評価してくれますし
司に対しても昔と同様、もしくはそれ以上の愛を感じました。
強引にではなく、しっかり司を尊重してくれる姿勢が好ましかったです。

ラストでようやく二人が本音を吐露し合い、
心も体も繋げられるシーンでは
正直、萌えというよりホッとしましたが
冬至の雄くささと優しさが絶妙で
司も素直にならざるを得ないですよこれは…。

一度は離れても、真実の愛は容易に消えたりしないものですね。

2

攻めの扱われ方が不憫

う…うん(ー"ー)?
後半に差し掛かるまで、眉間にシワ1本2本と増やしながら読みました。

「両片思い」「すれ違い」の部分は萌えを楽しめ満足です。
だが、そこに至るまでの経緯に、腹立たしさが先に立つ。
萌えと趣味じゃないの間で中立です。


老舗和菓子メーカー社長宅の歪な家庭環境を中心に話は始まります。

傲岸不遜でワンマン社長の父親は後妻に収めた女性を家政婦として扱い。
後妻の連れ子は戸籍に入れず、そのくせ世間体を気にして「お義父さん」と呼ばせています。

実の母親が家を出てしまい、愛人が後妻になるのを複雑に見ていた実の息子も、
父親と同じように後妻とその息子を下に扱い…。
表向きは「家族」ですが、内情は、社長父子と下働きの母子という環境。
フィクションといえど、胸糞悪さを感じました。

攻めが連れ子の義弟、受けが実息の義兄、です。

攻めはびっくりするほど出来た人間。
そんな家庭環境なのに捻くれた部分もなく、自分の立場を理解し控えめに、家のために働く。
不平不満を漏らさず「育ててやった恩を返せ!」と言われるがまま尽くします。

受けは線が細く弱い人だな、と思いました。
感情任せで父親と同じように振る舞うけれど、悪い人になり切れず悶々と後悔。
だからと言って態度を改めることもできず、謝罪もできず。
受けのモノローグは言い訳ばかりが先立つ印象でイラッとしました。

そんな2人なので、
攻めは義兄から嫌われてるだろうと思っていて、
受けは義弟に好かれるはずもないと思ってます。

一つ屋根の下にいながら言葉を交わすことは少なく、両片思いを募らせていくお話です。


受けが攻めに惹かれるのはなんとなく分かるのですが、
攻めが受けを好きになる理由が今ひとつでした。
タイトル通り、キッカケは「美しい義兄」だから、なんですよね。

受けの態度は酷いものです。
本心でないとはいえ、上から威圧するように恩を被せて、ケチを付ける。
攻め曰く、そういう言葉でしか取り繕うことのできない不器用さが良いらしい…のですが、サッパリ理解出来ない( ̄▽ ̄;) 普通に嫌だよ、こんな義兄…。

受けがしっぺ返し食らうシーンがあって
本人も「今までしてきたことのツケ、自業自得」と自嘲しており。
そこからの巻き返しは良かったです。

両片思いのすれ違いは、誤解がとける瞬間が醍醐味(∩´///`∩)
後半はとっても萌えました!

攻めと受け以外に、当て馬ポジの同僚もいます。
「攻めと似てる」のがポイントで人柄が公明正大で裏表がなく真摯な人でした。
攻めも当て馬も良い人のせいか、受けの捻くれた性格がよりクローズアップしてたかな…。

6

(個人的ですが)遠野先生の真骨頂をお楽しみ頂きたい!

個人的に遠野先生の真骨頂である、「不器用で繊細なツンデレ美人受け」を存分に堪能できました。

両片想いが大好きなので、じれじれの関係もすごく楽しめたのですが、できれば2人のその後が!是非読みたいです!
この攻めさんは真面目な良い男ではありましが、案外受けさんをタジタジにしそうな香りがしますw

4

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