ヘル・オア・ハイウォーター3 夜が明けるなら

ヘル・オア・ハイウォーター3 夜が明けるなら
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神14
  • 萌×22
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

54

レビュー数
2
得点
78
評価数
16
平均
4.9 / 5
神率
87.5%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
新書館
シリーズ
モノクローム・ロマンス文庫(小説・新書館)
発売日
価格
¥1,000(税抜)  
ISBN
9784403560316

あらすじ

11年前CIAの密室で受けた拷問ーー悪夢から目覚めたプロフェットは、
部屋の中にかつての仲間で初恋の相手・ジョンの姿を見る。それが現実なのか、幽霊なのかわからないまま……。

EE社を辞めトムと一緒に暮らし始めたプロフェットはかつての上官・ザックからの依頼を受け、トムとともにアフリカのジブチに向かった。
だが待ち合わせのホテルで二人を待ちうけていたのは、CIAのランシングーーかつてプロフェットを拷問したあの男だった。
ランシングはジョンの関与を疑い、プロフェットを追っていたのだ。ジョンは生きているのかーー?
そんな中恐れていた体調の変化が起こり、ついにプロフェットはトムに秘密を打ち明けるーー。

情熱のバディ・ロマンス、第三弾!

表題作ヘル・オア・ハイウォーター3 夜が明けるなら

トム・ブードロウ,民間傭兵派遣会社勤務(元FBI・元保安官補),36歳
プロフェット,元海軍特殊部隊・元CIA工作員,31歳

評価・レビューする

レビュー投稿数2

ラストに用意された更なる大きな謎に次巻への期待が高まります

電子書籍で読了。挿絵有り。

2巻は地方巡業でしたが、お話は再び、軍やらCIAやらとテロリストがらみの本筋に戻りました。大河ドラマです。それも日本の川ではなく、合衆国の、スケールのどでかい、まさしく『大河』。
1~2巻で散らばされていた数々の複線が回収される巻で、これがまた見事な回収ぶりです。「最大の謎は次巻に」なのですが、それを期待させる、引き際のけれんみの利きぶりも素晴らしい!
このシリーズの面白さは、文章のリズムにもあると思います。私にとっては若干、解りづらい描写の部分もあるのですが、そんな小さなことは気にならないスピード感。翻訳の冬斗亜紀さんのM/M愛が滲み出ています。また、小山田画伯のイラストが、一枚絵としても美しいのですが、硝煙と汗の臭いが漂うような男臭い世界観を完璧に補完していると思います。
『男の闘いもの』がお好きな方は必読です。

2

シリーズ史上最高にアツい怒涛の展開…!

ヘルハイシリーズ第3巻。

今回は1巻から小出しに語られてきたプロフェットの過去と、彼を苛む「幽霊」の正体に迫る怒涛のドラマが展開されます。
原書を読んで以来邦訳版の刊行をドキドキしながら待っていましたが、読み終わった今も興奮さめやらぬ状態です…!

あらすじ:
トム(表紙右)と一緒に暮らし始めたプロフェット(表紙左)は、元上官の依頼でトムと共にアフリカのジブチへ。
そこで、11年前プロフェットを拷問したCIA局員・ランシングと再会。
更に、元恋人で裏切り者のジョンの行方を追う最中、目の病の進行という恐れていた事態に直面し…

2巻はトムの故郷が舞台ということで物語のスケールとしてはやや小さめでしたが、今回は謎多き男・プロフの過去に迫る物語。
任務でアフリカへ飛び一時休息、その後アムステルダムへ飛び帰国…と場面転換が多く、ハリウッド映画顔負けのドラマティックな構成となっています。

といってもアクション一辺倒という訳ではなく、要所要所でベッドシーンや帰宅後の二人の日常風景等が描かれるため、そこここで萌えたりギュッと切なくなったりとドラマ感もたっぷりの内容となっています。

見どころとしては、まずプロフとトムの今まで以上に親密でアツい関係性。
1巻では出会って数秒でケンカップル的雰囲気を醸し出していた二人。
本書でも喧嘩はありますが、互いを想うが故の衝突であり、既刊以上にラブ度の高い二人を見ることが出来ます。
トムがプロフを本名で呼ぶ瞬間の甘さや、洗濯などちょっとしたやり取りの可愛さなどそこここに萌があり、1巻から二人を追ってきたファンには堪らない内容となっています…!

第二に、プロフの抱える様々な問題について。
ランシングから受けたレ プのトラウマ、
元恋人で幼馴染のジョンの裏切り(恐らく)、
母親の精神状態など、
子どもの頃からあまりに多くのものを背負って生きてきたプロフ。
その半生に圧倒されるのと同時に、こんな境遇にあっても良心を失わない彼の強さ、優しさにグッとこみ上げてくるものがあり、
そんなプロフのことが益々(2巻以上に!)好きになってしまいます。

第三に、プロフの抱える遺伝性の目の病について。
将来的に失明する可能性があることは今までも示唆されてきましたが、
今回症状が進行し、失明or視力の大部分を失う未来がより現実的なものに。

※作中の説明によると、網膜色素変性症と黄斑変性症をミックスしたような症状で、フィクションとしてあえて2つの眼病を組み合わせたのかなと思います。

自殺した祖父や父の血と闘い、表向きは冷静に、失明に備え様々な準備を整えているプロフ。
常に強くあろうとする彼が、症状の進行に取り乱す姿は大変痛々しく、
プロフの目のことを知ったトムが、プロフにかける言葉が見つからず苦しむ姿にもただただ切ない気持ちに。
トムがプロフのいないところでこっそり涙するシーンには思わずもらい泣きしてしまいました。

プロフの目やPTSD等の問題で一時期レスになる二人ですが、その後のベッドシーンの激しさと甘さは格別。
言葉より行動で気持ちを表現することの多い彼らですが、今回は遂に!決定的な台詞が飛び出しており、ただのピロートークというにはあまりに尊すぎる貴重なやり取りに注目です。

第四に、魅力的な脇キャラたちについて。
プロフの海軍時代からの友人⚫マルと、
プロフの階下に暮らすイギリス人スパイ・キリアンが今回急接近。
プロフとトムに負けず劣らず曲者同士な二人の物語は、スピンオフのDirty Deedシリーズ(現在1巻のみ刊行。続刊はヘルハイ完結後になる予定)で詳しく読むことが出来ます。

役者が出揃ったところで気になるのが、死んだとされる「幽霊」ジョンの動向ですが、本書終盤で思わぬ事実が明らかに…!
クリフハンガーな引きに戦慄を覚えるのと同時に、プロフの最後の行動に胸が締め付けられる、まさに映画顔負けの秀逸なラストシーンです。

今回一番気になったのは、やはりプロフの目のこと。
病気や障がい設定で悲劇を演出するような作品は基本的に苦手ですが、本書の場合はこの設定が非常に効果的だと思います。
タフで有能で破天荒で、とにかく一貫して魅力的に描かれているプロフ。
そんなプロフにもどうにもできない遺伝性の目の病という設定を付け加えることで、彼も決して万能ではない生身の人間なのだということを読者に印象付けていると思います。

今まで幾多の試練を殆ど一人で乗り越えてきたであろうプロフですが、今回ばかりは誰かに頼るという形で試練を乗り越えざるをえず、
本書はそんな生き方の転換の様子が描かれた巻であったと思います。
プロフとトムが、互いを人生のパートナーとして改めて強く認識する様も描かれており、二人の等身大の三十代男性的なリアル感をより強く感じられる内容でもありました。

1巻から一貫してリバップルな二人ですが、読めば読むほど、この二人にはリバしかないという説得力が凄いです。
トムの方が年上で大柄なのに、傭兵としてはプロフの方が圧倒的に先輩で師匠的ポジション。
プロフがトムを甘やかす場面があったかと思えば、やんちゃなプロフをトムがフォローする場面もあり、
どちらが上とも優位とも言いきれない心身ともにリバーシブルな関係性が大変魅力的です。

そんな二人に次巻で早めに出会えること、ハッピーエンドに終わることを強く望みます!

※ちなみに原書の方は、番外編(3.5巻)を含めると全部で4冊出ており、
最終巻(4巻)は作者HPで2017年4月刊行予定とアナウンスされたものの、
7月現在音沙汰なしという状況です(必ず刊行されるものと信じていますが…!)。

作家さん側の事情は現状知り様がないので、とりあえず日本のファンとしては、3.5巻も何らかの形で邦訳版が出ることを願うばかりです(できれば小山田あみさんの挿絵付で!)。

12

この作品が収納されている本棚

PAGE TOP
  • 電子書籍
  • レビューを見る
  • 評価レビューする
  • 関連作品
  • 攻受データ