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表題作ジェイド・タイガー

ライオット・シグル・ハリースタイン
カナエ・カイ・ディオクレティア・護衛艦艦長・20代

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

僚艦の自壊プログラムを起動した艦長のカナエ。死を待つ中で想うのは、かつて共に進もうと約束した唯一の相手・ライオットの姿で…。

作品情報

作品名
ジェイド・タイガー
著者
七地寧 
イラスト
蓮川愛 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
ISBN
9784829626399
3.6

(6)

(1)

萌々

(3)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
21
評価数
6
平均
3.6 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数2

BLで宇宙の旅!

あらすじ買い。そして蓮川先生の描かれる金髪イケメンにとにかく弱い。
七地先生のお話を手に取るのは、久しぶりだったので、どうだろう・・・とこわごわ読み始めたのですが、宇宙もの、本当に久しぶりで面白かった!2001年〇宙の旅がすごく好きなのですが、それを思い出させる部分があって何だか嬉しい。そして、二人の出会い部分は学校もののテイストがあり、そのあたりでもきゅんきゅん♡1冊で2倍といったお得感がありました(笑)
地雷は・・・ちょっとだけグロい部分の記載があることでしょうか。あんまり直接的な表現ではないですし量も少ないですが、念のため。
そして、とてもクールな「硬め」と私は思う文章なので、別作品ででも電子立ち読み等でご確認いただいた方がよいかもしれません。
ひたすら健気な二人の切なさたっぷり、ちょっとゆっくり進む物語、本編のみ280P超 です。

僚艦の掃射弾とその混乱により、カナエの艦の航行システムに狂いが生じ、総員退艦命令が出るところからお話は始まります。カナエの艦は軍の最新世代である人間的なコンピュータ、イリスが搭載されていて、イリスはカナエの命に従い、徐々に非常時の自壊手順を進めていき・・・
ともうのっけから、わっくわくでした。

攻め受け以外の登場人物(?)は
受けの家族(兄、弟、両親)少々、受けの部下たち、攻め受けの同級生等々と、コンピュータのイリスと数はありますが、お話は二人でほぼほぼ進みます。

蓮川先生の挿絵話を少しだけ。カラー口絵は軍服のお姫様だっこシーン♡
モノクロは全部で10枚、学生時代で犬と戯れる二人のシーンがとっても好き。眼福~です!

**************** 以下はより内容に触れるもの

割合、食べ物の記載が豊かなので、そのシーンは和みますし、連邦幼年学校の二人の記載は可愛らしくスクールものっぽいところもあり、楽しい。
各種設定(軍の構造とか)を説明せざるを得ない部分も多々あり、そのあたりはうーん読み疲れちゃうと思うのですが、それでもやっぱり面白かったです。
最後の終わり方がもっとも好きなパターンだったので、よりそう感じるのかもしれません。
いちゃこらシーンは少ないと思いますし、つゆだく ではないと思うので、甘さがないと嫌!と言う方はちょっと難しいかも ですが、せつなさ求めているなら一度ご検討いただいてもよいのではと思います。
離れていた時間が長いので再会シーンはきゅーーーんです。
あーたのしかった。

5

BL版、未知との遭遇ロマン

この小説は構成が大胆でした。感触的にBL成分は全体の5%くらい。残りはひたすらこの小説の舞台となる三次元世界の連邦国家の説明や連邦軍の内情をドラマティックに描くというより、淡々と事実が描写されていきます。その中で5%のBL部分が不思議と輝いて見えます。まるで砂漠のオアシスのように・・。

普段SFものを読まないせいか、最初の60ページくらいは、内容が頭についていかず苦労しました。最後まで読んだ後に読み返すと、主人公の乗る護衛艦が本来味方であるはずの空母艦に襲撃を受け、次元の狭間にのまれ、主人公の艦が遭難の危機にあう事が描かれていると分かるんですが、初読時は理解するのが難しかったです。
その後は主人公の生い立ちやパートナーとの出会いが描かれ、話に引き込まれていきました。ただ割と早く別離が待っています。その後はひたすら主人公の軍での軌跡を追う感じです。

遭難の危機的状況からパートナーとの運命の再会。次元を超えた愛なので非常にロマンチックです。二人とも互いをとても想い合っているのに、それぞれの使命を果たすため、敢えて別離を選ぶ所などストイックでかえって二人の愛が輝いて見えました。こういう異色なBLもいいなー。BLでは愛の逃避行が割と多いから(笑)新鮮でした。次元が愛の障害となるのも、壮大な話でロマンがあります。

AIが感情を持つというのも、将来的にありえそうな話ですね。AIが進化していく過程で人間が阻止しようとする面もあるというのも納得です。人間が指揮をとれなくなったら本末転倒だしなー。

全体を通して慣れないジャンルのせいか、読むのに苦労した部分はありますが、最後まで読んで読後感が非常に良かったです。おそらくハッピーエンドなんでしょうけれど、直接的な描写も無く、周りの描写から推察できる感じです。こういうBLもいいな・・。
色々特殊なので、こういう小説を敢えて商業BL小説として出版した出版社のチャレンジ精神に好感が持てます。作家さんの力量は言わずもがなですし。ただもう少し読者に理解し易いような歩みかけは欲しかったです。

0

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