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表題作翡翠の森の眠り姫

ヴィクター・ブルワー・リットン伯爵家長男
佐伯翠
16歳,接触恐怖症

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

「抱きしめて慰めたい。それが怖いならせめて、お手に触れてもよろしいでしょうか」

ロンドンの片隅で兄と身を寄せ合って暮らす少年・翠。
翠は接触恐怖症で、特に男の人が怖くて仕方がない。
だが、雨の中出会った貴公子のヴィクターは、翠の怖がることは一切せず、
豪奢な伯爵邸でただただ優しくもてなしてくれた。

翠は彼の甘やかな態度に心を溶かされ、抱きしめられたいとさえ願うように。

しかし、ある時、ヴィクターに拒絶反応を起こし、彼を深く傷つけてしまって――。

作品情報

作品名
翡翠の森の眠り姫
著者
弓月あや 
イラスト
幸村佳苗 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773088717
2.7

(12)

(0)

萌々

(3)

(5)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
2
得点
29
評価数
12
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

何度もに沈んでしまって、バスルームが怖くならないといいけど


接触恐怖症の翠(受け)は図書館からの帰り道、具合を悪くした老婦人を介抱した際、その老婦人の孫で銀髪のとても美しい男性ヴィクター(攻め)と知り合いになります。屋敷に招待された翠は、ヴィクターに優しくされ友達になりたいと言われるのです。

翠は両親を幼いころに事故で亡くし頼る身内もいない中、イギリスで兄の耀司と二人だけで暮らしています。接触恐怖症で学校にも行けない翠を気遣い、耀司が日々の糧を得てきてくれるのですが、兄ばかりに働かせていることを心苦しく思っています。
時々思い出したように、赤い悪魔が自分を食べにくる悪夢を見るのですが、それが何なのか思い出すことを無意識に避けています。

ヴィクターは伯爵家の嫡男ですが、両親を病気で相次いで亡くし、祖父母の伯爵夫妻に育てられました。祖父が亡くなった現在、伯爵位を継いでいます。
気難しい祖母が気に入った翠を気に入り、接触恐怖症も理解した上で翠と親しくします。
ヴィクターは男性を特に怖がる翠が女性である祖母やメイドを怖がらず仲良くするのに嫉妬したり、大人ながらも独占欲の強い部分をのぞかせるちょっと子供っぽいところもある、上流階級の人の割には気取ったところのない人です。


プロローグで見られる翠の悪夢の正体は接触恐怖症の原因であり真の出来事も大体想像できます。
両親を一度に亡くした二人は児童養護施設に保護されるのですが、所長に目をつけられた翠を救うため兄・耀司は翠を連れて逃げ出します。翠はすっかりそのことを忘れていますが接触恐怖症という形で残っています。
が、耀司の対人トラブルの際、耀司が過去の出来事も併せて話してしまいます。
ただ、何度もフラッシュバックしたり、接触されて過呼吸などの発作を起こすような翠に結構あっさり話たのはちょっと疑問でした。
あれだけの、心理状態なら本当のことを知ったら発作を起こして心が壊れてしまうのではないかと思ったのですが、思ったよりはひどい状況にならなかったのは、耀司の今までの愛情のなせるわざだったのでしょうか。

ヴィクターに大切にされヴィクターのことが兄と違う意味で好きだと気が付いた後も、身分の差とかでぐるぐるしたり、兄の怪我で我を忘れ今度は自分が兄を守らなければと見当違いな行動をしてしまったりと、翠が暴走してしまいます。
それでもヴィクターがいつも翠を見守り助けてくれるのです。


ただ、結局ヴィクターが翠のことを好きになったきっかけとは何だったのかとこ、絶対必要な後継者問題が全く無かったりとか、前伯爵夫人がいくら仲良くしたとはいえ身分の随分違う翠を家族だと断言するとか、ちょっと現実感の乏しいふわっとしたお話だったように思います。おとぎ話のような話ならいっそのこと、ヴィクターのお屋敷に引越ししてからのラブラブな話とかも読みたかったです。


おとぎ話のような世界と書きましたが、登場人物も優しい人ばかりでした。翠を早々に気に入るヴィクターと前伯爵夫人は言うに及ばず伯爵邸に勤める執事やメイドも、不安定になる翠を心配してくれる本当にいい人達でした。兄の耀司を傷つけた友人(恋人)でさえ憎めません。児童養護施設の所長だけがクズでした。

誰一人頼る人がいない中、翠を守るために今まで頑張ってきた耀司は大変だったと思います。翠を託す相手ができて肩の荷が下りた感じになるのでしょうか。
とはいえ、恋人も手のかかる人のようなのできっと彼の苦労はまだまだ続きそうです。でも、彼の場合そういう性分な気もします。
耀司も波瀾万丈な人生を送ってきたようなので、スピンオフで少しでも読めないかなと思いました。

2

寒くって・・・

翠色の素敵な表紙に惹かれて購入。春のような暖かなお話かと思いきや、寒かった・・・他社さんのですが、弓月先生の「うつくしき月」を思い出させるようなお話でした。猛烈に暖かいお話を求めていたことと、寒くてしょぼんとしてしまったので、先生すいません、中立でお願いします。
好みはさておき、萌えたか と言われると、受けの年齢がちょっと守備範囲外で・・・。the王子! という攻めと、健気!!な受けがお好みの方にオススメできます。
地雷は、ペドフィリア(被害者になる)、自ら売りにいっちゃう あたりでしょうか。

舞台はロンドン。「雨が降ってきた」の声に反応して、受けが図書館から帰宅しようとしたところ、途中で座り込んでいる老婦人に出会います。その老婦人をベンチに座らせ落ち着かせたところで、輝く銀髪、碧色の瞳をもった青年が車から走り寄り・・ と二人は出会い、お話は進みます。

攻め受け以外の登場人物は
エリザベート:攻めの祖母。受けがとても気に入る。
耀司:受けの兄。受けを養うため、収入の良い工場の夜勤で働いている。
後、お約束、攻めんところの執事だのお手伝いだの。

********** 以下は より内容に触れる感想

受けにも受け兄にも色々ありまして、とにかく甘さが足りなーいー。表紙のカッコいい「the王子」としか見えないイケメンのデロ甘攻撃をめちゃくちゃ期待していたのですが、後日談ショートみたいな部分も無い(泣)。
ハピエンです、もちろん。最後はなんと温室エッチ♡その部分は萌え~がありましたが、後日談甘々がもっと欲しい!!!!家に一緒に住んで、家庭教師つけるとか学校通うのに送迎を自らして、熱出したら家じゅう大騒ぎで医者呼びつけるような過保護満載・・・・・
すいません、個人的願望が過ぎました。

せつなさ満載、健気な兄弟が印象的な一冊でした。

6

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