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表題作複合獣と銀の麗人

バルド・ライカンゲル、旗騎士の義理の息子
アイヒ、禁忌の森に住む魔女の息子、18

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

魔女の館に住むアイヒのもとに騎士バルドが現れる。彼の目的はアイヒの慈しむオーリを連れ帰ること。ところがバルドには秘密が…。

作品情報

作品名
複合獣と銀の麗人
著者
今城けい 
イラスト
亀井高秀 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576180717
3.7

(13)

(3)

萌々

(6)

(2)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
47
評価数
13
平均
3.7 / 5
神率
23.1%

レビュー投稿数5

ロマンチックで幻想的な騎士ものです

こちら作者さん初のファンタジーです。

魔道により、その身に魔物を融合させられた青年・バルドと、禁忌の森で暮らす魔女の息子・アイヒの、幻想的な恋愛譚になります。
騎士ものが好きな方にもおすすめです!

内容です。
森で息を引き取った騎士から赤子・オーリを預かり、慈しんで育ててきた魔女の息子・アイヒ。
実は領主の息子であるオーリを迎えに、旗騎士の息子・バルドが現れます。
最初は強い反発心を抱くも、誠実で物静かなバルドと過ごす事に安らぎを覚えるアイヒ。
そこから、オーリを血縁の者達の元へ返す決心をして3ヶ月-。
とうとうオーリとの別れが近付き-・・・と言うものです。


まずこちら、穏やかで誠実な騎士・バルドと、気の強い美人・アイヒと言うカップリングです。
実は、最初はアイヒのあまりのツンぶりに苦手意識を持ったんですよね。
バルドが物静かで優しい分、「やな奴だな」的に。
それが間を置かず、アイヒのキャラクターに魅了される事となる。
基本的にツンなのですが、たまに見せるデレが可愛いんですね。
また、書物等から得た知識は持ってるものの、魔女の森で生まれ育ったアイヒはかなりの箱入りで世間知らずです。まさに純粋培養です。
当然、性に対する知識も疎い。
そのため、やたら無防備で、自分に向けられる欲情なんかに鈍いと申しましょうか・・・。
要はアイヒに恋情を抱くようになったバルドに対して、やたら無防備に煽る言動の数々をやってしまう。裸を平気で見せたりとか。
受け視点なのですが、読者側にはバルドが理性を総動員しているのが良く分かるように書かれておりまして。
バルド、可愛そうに・・・!!みたいな。

また、バルドは騎士の誓いをアイヒに立てます。
「あまえの忠誠などいらぬ」と言い放つアイヒに対して、「それでも俺の忠誠はお前のものだ」みたいな。
このシーンがめっちゃロマンチックでして。
あの、膝を付いた姿勢の騎士の、肩に剣を置いて「騎士に任命する」と言う奴です。
ここで見せるアイヒのデレが可愛くてですね~。ツンのあとだからこそ、はにかんだ笑顔が最大限生きるのですよ。

と、二人の萌えるエピソードのみならず、ストーリー自体もスペクタクル感があって面白いのですね。
アイヒが塔の上に囚われ、戦が始まり、またバルドの魔獣としての血が芽生えと言った感じで。
ファンタジーならではの壮大な世界観に酔いしれます。

あと、エロが好みで萌えました。ちなみに、獣姦もありです。
箱入りなアイヒなので、エッチの時にもその無垢さが萌えるんですね。
「そなたを全部くれ」と言われ、「お前に全部やってしまうと、私はからになるのか?」みたいな!! 偉そうなのに可愛いすぎる!!
事後のセリフもこれまた可愛い過ぎて、萌えまくりました。


ちょっと色々詰め込みすぎてゴチャゴチャしてる印象もありますし、ストーリーの流れが若干不自然に感じる所もあったりしますが・・・。
ただ、それを差し引いてもとても好みの作品で楽しく読めました。

11

明かされた秘密が更なる秘密の扉を開く

今回は身の内に複合獣を宿す騎士と
魔力を宿した森に住む魔女の息子のお話です。

受様が養い子とともに
国を二分する戦いに巻き込まれ
それが収束するまで。

受様は強い魔力のかけられた森にある
魔女の館に住んでいます。

代々の魔女が経て魔女が住み、
魔女の力を蓄えてきた館は
並の人間には目にすることも叶わず
森にうっかり入り込んでも迷うだけです。

受様は先代の魔女の息子ですが
彼自身に魔力はなく
母が殺された後は森の境界近くに住む
老魔女に育てられました。

今から4年前、
受様は森で死相が現れた騎士に遭遇し
赤子を託されます。

突然外の世界からやってきた赤子は
思いがけず受様にとって
大切な存在となりますが

ある時、
その養い子を探していたと
1人の騎士が受様の素を訪れます。

この騎士こそが今回の攻様です♪

攻様は受様の養い子は
国内を二分する戦いを繰り広げてる
ナターレン家の長子の遺児で
今のナターレン家の家長の甥に
当たるというのです。

受様は攻様を魔女の館に招く事で
攻様が赤子の頃に魔術師に売られ、
その身に魔獣を宿らされた過去を
知る事となります。

攻様は魔術師が事故死した後、
豪放磊落な騎士に引き取られますが
養父はナターレン家との盟約に基づき
遺児の探索を引受けたのでした。

受様は養い子を手放す決意をしますが
攻様に宝物を渡すことを条件に
3ケ月の猶予欲しいと訴えます。

攻様も受様が養い子を可愛がる様子から
その条件に理解を示し
ナターレン家の家長に伝えますが
彼は受様のもつ宝物と魔力に
興味を持ってしまいます。

遺児を連れ帰る時には
受様も連れてくるようにと
重ねての命を攻様に課すのです。

攻様はナターレン家の出した条件を
受様に伝えずに約束の時を過ごしますが
期日が近づいく事で
受様も知る事となります。

森から出た事のない受様を護る為
攻様は受様の騎士となり
ナターレン家の城に向かいます。

養い子を託したら
即帰るつもりだった受様でしたが
思いがけず己の出自を知る事となり!?

本作は今城先生の初ファンタジーで
魔女と魔獣、身分差に陰謀に戦いという
ファンタジーにはお約束な
萌え要素がたくさん詰まったお話です♪

ナターレン家の家長から
受様の父はナターレン家の次男であり
家長の次兄こそが母を殺した騎士だと
知らされる事になります。

家長は受様の養い子とともに
受様自身も甥として
手厚く遇すると言いますが
その瞳には憎悪が垣間見えます。

そんな時に敵襲があり
攻様は養父とともにかの地に
出向く事となってしまうのです。

案の定、
攻様が受様のそばを離れると
ナターレンの家長は
森の老魔女の身柄を拘束して
受様を手に入れようと画策、
受様は危機に晒されることに!!

受様が危機を脱し
国を二分していた戦いに
終止符が打たれるまで

ハラハラ&ドキドキな展開で
とても楽しく読めました。

森の中と言う小さな世界で
育った受様は他人の思惑に疎く
自らが正しいと思った事を
躊躇なく行うので

攻様が受様の魅力に
ぐっと我慢している処でも
素直すぎる言動で誘っちゃてるのが
とっても萌えました♡

まぁ、
ナターレンの家長の痛い所をついて
状況を悪くしたりもしますけど
ハラハラ要素を高めてくれているので
それはそれで私的にはグッジョブ(笑)

伝説になったという茶髪の騎士の
冒険譚もできたら読んでみたいですね。

また亀井さんのイラストも
お話の雰囲気にすっごく合ってて
表紙はもちろん、
中頁イラストもとても素敵でした (^○^)/

今回は本作同様ファンジーなお話で
朝霞月子さん『空を抱く黄金竜』は
いかがでしょうか?
騎士団のアレコレも楽しいですよ。

5

思いっきりファンタジー!

美麗な表紙イラストにも惹かれて。
ファンタジーは大好きなジャンルなので、とても楽しめました。
世界観もしっかり作りこまれているため彼らの物語世界にぐいぐい惹き込まれていきます。
世界観も見え、壮大な物語の始まりな感じで終わるのでまだまだ読みたい~っ!もっともっとという意味での飢餓感がありました。

鏡で語られたバルドの過去、切ないです。
また、アイヒの性というものに無知な故の素直さやナチュラルな言動・反応が私的にとってもツボでした!
可愛い!
そして、口絵にもある複合獣姿のバルドにベロベロされるの最高に好きです。

オーリも可愛い!すくすく育ってる感と一生懸命さやたどたどしい言葉も萌です。

スピンオフや続編でバルドやアイヒの過去もも少し見せて頂きながら、オーリ達の宮廷楽師に歌い継がれていく恋愛譚・冒険譚・・・と読みたいです!

3

ファンタジー

初読みの作家様でした。

物語は森の魔女の館や、魔女の息子アイヒ、魔獣の影を持つ青年騎士のバルドなどファンタジー要素満載でした。

時代設定は無いものの、騎士や領主達の言葉使いに古いものがあったり格式ばっているところがありました。作者様の読書量と知識が凄いのでしょう。

ただ単語が気になり、読み辛さもありました。現在にそった言葉遣いでも充分伝わる素敵な世界観だと思います。それが少し残念でした。


攻めのバルドが初めてアイヒを見て心惹かれる様子や、アイヒとオーリーとバルドと魔女の森の境地の家や森での生活。
ナターレンの城でのアイヒの窮地や、戦場に現れた複合獣姿のバルドの活躍。
王が鳥の王の導きで敵地から脱出した奇跡的な光景など、魅力的なシーンが沢山あるのです。

ツンツンなアイヒと武骨な騎士であるバルドとのセックスシーンは2回しかありません。甘々なシーンも後半にやっと少しです。

何でも見透かしたような魔女のおばあさんが良い味を出していたし、オーリーの素直さが要所で光ってました。

0

本当に銀の麗人が素敵

表紙に一目ぼれ。銀髪の麗人なんて超好み!と楽しみにしていました。今城先生、初ファンタジーとのことで、マイナスイオンたっぷり、森等の描写がとても好きでした。受けがやや天然?入っていたためか、BLとしての萌えをちょっと少なく感じたため萌。本編のみ320Pほど+あとがきです。中世ヨーロッパのような舞台のファンタジー、甘すぎず重すぎずシリアス路線なお話がお好きな方にはオススメです。今は獣姦にマークありますが、あちこちをベロンベロンなめなめ♡されてるだけです。

お話は、魔力で守られた深い森から森の境界にある家に、アイラが戻ってきたところ、家の前に見知らぬ男が立っていることに気付くシーンから始まります。警戒心あらわに「何の用だ」と誰何しているのですが、突如家のドアが開き、中からアイラに向かって駆け寄ってきたのは小さな子供で・・・とお話は続きます。

攻め受け以外の登場人物は
ばあちゃん(アイラの育ての親)、オーリ(♂、子供)、エーギル(攻めの義父、騎士)、国王(海外遠征中)、ヨーラン(ナターレン家当主)ぐらいかな。先生はエーギルがお好きだったようですが私はめちゃシブかった国王が絵的に大好き。あまり活躍ないですが。

********* 以下は内容により触れる感想


何より好きだったのは、アイラの容姿。銀髪、白い肌、紫水晶を思わせる瞳。そしてオーリに向ける愛情、鳥や獣を呼び寄せる能力。森の申し子とでもいうべき自然体な様子がとても素敵でした。ただ色事方面では駆け引きもできるわけなく、素直に可愛くおねだりします。健気で守ってあげたい という弱っちいタイプではなく、自立してるんだけど、あまり大人な社会を知らないので危なそうwという印象でした。

攻めさんは出自に訳あって獣に変身できますが、変身シーンは唯一最後の方のみで、そんなにおどろおどろしくはないです。影が獣になる等の理由により、周りから慕われるというタイプというより、寡黙で唯一の主に付き従うという印象です。亀井先生の素敵な挿絵だと、ちょっと陽性に見えて、どちらかというとその挿絵通りのタイプである方が好みなのですが、それだと獣化するという訳ありな部分と合わないしなー・・と思ったり。

お話は、攻めさんがナターレン家の血縁と思われるオーリを連れて帰り、受けさんと共にナターレン家のごたごたを片付け、ついでに帰るに帰れなくなっていた残念な国王まで助けちゃうという、めでたしめでたしなお話 と言ってしまえば身も蓋もないんですが、国王の大岡裁きにより読後感は非常にすっきり幸せなものです。後日談で、オーリが大きくなって「アイラは僕のもの!」とかって駄々こねるお話なんかあっても嬉しかったんだけどな、と少し思いました。

2

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