風の城

四歳にして、早くも将来の類まれな美貌をうかがわせた美童、春千代。能役者・金春竹禅の一子ながら、故あって女として育てられる。その秘密を知る者は、織田信長の妹で命の恩人でもあるお市のみ。だが、お市の侍女として浅井長政と出会い、運命は激変する。長政と無二の契りを結んだ後、春千代は信長と再会、信長がすべてを見抜いており、また、自分を愛していることを知らされる。元服し竹信と名を改め、小姓として信長に仕え始めるが、長政への想いは強くなるばかりだった…。