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表題作冷たい抱擁

池上英一・リーマン
速水省吾・カメラマン

その他の収録作品

  • その後の抱擁(書き下ろし)

あらすじ

ある日、省吾のカメラのレンズに映ったスーツの男・池上。
何故か彼に強烈に惹きつけられてしまった省吾は、彼の心が自分にないのは知りながら、身体だけの関係を結ぶ。
けれど、池上の心を求める気持ちは日々大きくなっていく。
そんな中、突然見知らぬ侵入者に襲われて負傷した省吾は、思いがけなく池上と一緒に暮らし始めるのだが…。
傷つけられても抱かれたい、狂おしい片恋。

作品情報

作品名
冷たい抱擁
著者
 
イラスト
亜樹良のりかず 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784877245009
2.8

(10)

(1)

萌々

(3)

(1)

中立

(3)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
3
得点
23
評価数
10
平均
2.8 / 5
神率
10%

レビュー投稿数3

面白かったです!

面白かったです。
たまたま機会があって読む事が出来ました。
正直読む前はあまり期待しておらず、
イラストもそんなに読みたい意欲がわかずっというものだったのですが、
面白かったです。
ファンタジックなものでもないし、
思いっきりトラウマがあるものでもない。
ドロッドロの人間の気持ちが渦巻いてるものでもない。
渦巻いてはいるんですけど、病んではいない。
ただ一途な男とほだされていく男のお話。
カメラマンの速水が偶然街で写真を撮っている時、
たまたま偶然に写り込んだ池上の表情が忘れられず、
その後の偶然の出会いで池上と出会う事が出来、
恋に落ちるというもの。

思いっきりネタバレしながらのレビューです。

始めは体だけの関係から始まるんですが、
すぐに速水は自分が池上に対して恋をしてしまっている事に気付いてしまう。
自分の事なんて全然、なんとも思ってないのは歴然、
セフレでももぅちょっと親しくはなるんじゃないの?っという関係から始まる2人。
もぅ会わない方がいい、傷付く恋愛なんてしたくないっと思うのに、
でももぅ池上に会うとどうしようもなくなってしまう自分がいるんですよね。
それが見ててせつない。
池上はなんだかんだありながら速水を大切にはしてるんですけど、
でも絶対に最後は自分に踏み込ませない、触れさせない。
ちょっとでも踏み込んだら即終わりっという関係。
なんだかなー。
そんなある日池上にはまだ好きな人がいる事が解り、
その人と抱き合ってる所も見てしまい、
速水は思わず池上に詰め寄ってしまいます。

「そんな元気があるならもぅ怪我の心配はないな」

あっという間に幸せな?関係も池上からの一言でもぅおしまい。
あぁ…もぉ……

そんな2人ですが、まぁ色々ありまして、
速水がもぅ堪えられなくなってしまいまして、
どうしようもない自分も認めて、腹くくって、

「俺をどう思っててもいい。面倒になったら言ってくれ。離れるから。だから抱いて欲しい」

と。
うわー、駄目だよー、そっちに腹をくくるんじゃないよー
っと思いながらも、なんか羨ましいと言いますか、
そこまで覚悟を決められる速水がカッコ良く見えました。

その後も、速水は池上から「俺に触るな」と言われてるもんだから、
抱かれてる最中も彼の背中に腕を回す事が出来ない。
されるがまま。
一度腕を回す事が許されたけど、
そんなのあの時だけなんじゃないかって思っちゃって、
回せるかな〜と思っても、つい回せないんですよね。
見てて本当せつないです。
でも速水は怖がってるだけじゃなくて、
立場は完全に下の立場だけど、池上を大事にしてるんですよね。
池上が寂しそうとか、今いて欲しいんだなとか、
池上が誰を大事にしているのか、それがどんな気持ちなのか。
なんか依存しきってないように見えて、それが逆に愛おしかったです。

さてはて池上が大事に思っているのは彼の叔父、池上博幸。
会社では上司?みたいな関係。
カメラマンである速水は仕事仲間の話からの話で、
博幸が企業ブローカーと接触しているのでは?という憶測が生まれます。
初めて池上を見かけた時に撮ってた街の写真を見返すと、
博幸と企業ブローカーが話している写真がある。
速水は池上を傷付けたくはないし、思い過ごしかもしれない。
でも黙ってて仕事が駄目になったらっとも思う。
色々と考えた末池上に話しに行くのですが、返ってきた言葉は

「確かにセックスの相手はしてやったが、思い上がるな」
「出て行け」

本当池上ひどいですよ。言い方ってもんがあるでしょう。
結局、池上にとっては博幸が大事な人なんですよ、
速水じゃないんですよ。
こんなに想ってても速水は池上に触れる事が出来ないんですよ。

その後、まぁまたまたすったもんだありまして、
「好きな人を傷付けられるのは嫌だ」と改めて思い直し、
速水は博幸に会いに行きます。
もし企業ブローカーに、池上が関わっている仕事のデータを売るなら、
俺は証拠写真と共にこれを記事にするっと恐喝?しに行くんですね。
お金が欲しい訳じゃない。
池上の仕事を台無しにして欲しくない、
あなたに彼を傷付けて欲しくない。
速水からの要求はこれだけなんです。
ここの速水もかっこ良かったな〜。
というか池上気付けよ、大事にしろよ、素直に?なれよ〜、
でもそうはいかないのも恋愛なんだよな〜。
等と思いながら読んでいると、
ここで博幸は大馬鹿野郎もんでして、
此奴は速水を襲うんですね、最低だ此奴。
それでもって、ここに池上が現われまして、
池上が速水を助けるんですね〜。
ちょっと都合良すぎ?と思いながらも、
あぁ〜少し2人の関係もやっとっと思うんですが…そうはいかない。
まぁそりゃそうだ。
結局池上の目の前に真実が明らかになるっていうのは、
池上が博幸との仲を終わらせる事にも直接繋がる訳で…。
まして池上は学生時代から博幸が好きだったみたいで…。

最後はちゃんとハッピーエンドにおさまります。
良かった良かった。
しかも速水は池上の事が大好きでしょうがないんですけど、
依存はしていないんです。

最後の書き下ろし、あまあまカップルです。
池上、速水にぞっこんです、あんまり態度は変わってない?けど。
最後、速水に好きなようにさせてあげて、
「俺が誰のものか解ったか?」って…
おーい、読んでてこっちが恥ずかしいわ(笑)
ただずっと池上だけを見てきて、
辛かったろう速水の事も頭にあるので、
にやけながらも、良かったなぁ〜と、
思わず最後は微笑んでしまいました。

3

攻めの描写がもうひとつ

ある日雑踏の写真撮影を行っていた省吾は、カメラに偶然映った男に一目惚れ。ひょんなことからその男の名前と勤め先を知った省吾は、身体だけの関係を結ぶ。池上の心が自分にないことは知りつつも省吾はそんな関係をやめられない。そんな折何者かにに襲われて怪我した省吾は治るまでという条件で池上の家に居候することになるが・・・。
うーん、ちょっと始まりが強引すぎて最後まで話に乗り切れなかったです。偶然に偶然を重ねて、さらに誘ってみたら偶然にも男もいける口っていうのもいかがなものか。また、後半の叔父が出てくる件もぼんやりとしか描かれてないため攻めが随分と優柔不断な男に見えました。受けもちょっとアホっぽいし・・・。面白いんですけどもうひとつ何かが足りない作品でした。

1

やっぱり脇キャラが気になる…。

会社員・池上×カメラマン・速水

ある日、偶然レンズ越しに見た池上に強烈に惹かれた速水。
その後、ぶつかってカメラを壊されたのをきっかけとして身体の関係を結ぶことに。
どんどん惹かれていく速水は池上の心を欲しいと思うのだが…。

速水がなかなかの健気ちゃんでした。
触れられるのが嫌だと言われてそれに素直に従ったまま抱かれてみたり。
池上がどんなに冷たく、肉体関係だけのドライな関係としての態度をとっても。
それでも、速水はいつでも欲しがるし従順で。
池上の心がとにかく見えて来ないので不安になって当然。
それでも、池上が発する言葉はやさしくなく。
それもそのはずで、池上には別に想い人がいて。
それ以外はどうでもいいと切り捨てるような男で。
なのに…。
池上自身も気付かないままに流されていたのかどうなのか。
それとも、想い人の真実に気付きたくなかっただけなのか。
なかなかわかりづらい人で言葉になかなかしてくれない人でした。
その昔、叔父とデキてたってことですが、やっぱり池上が受だったんでしょうか?
今は池上、攻ですが。
どっちでもいいのかな?
それとも、まさかの叔父受!?
それもちょっと…。

あと気になったのは高野ですね。
結果的に去ることを選んだようですが。
途中まで読んで、この後、こんな展開になればいいのに…と思ってたら、まさにその通りで、セリフまで同じような感じでびっくりしました。
浅見は結局、元通りの生活に戻っちゃったみたいだけど、しばらくして高野のいない空虚感みたいなのに気付くような、必死で高野探しちゃうような展開になれば萌えるなーと勝手に妄想(笑)
なんだかんだで、一番好きなキャラは高野な気がします(笑)

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