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表題作好みじゃない恋人

八木洋一郎/香月の同僚でライバル 
香月涼/ビール会社の営業 八木の事が好き

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

「どちらが先に後輩をオトすか、競争しないか?」。有能な営業マン・香月(かづき)と、営業成績のトップを争う同期の八木(やぎ)。精悍な容貌で行動派の八木に、香月は密かに片想い中。ところが、偶然会ったゲイクラブで、好みが同じ可愛い系と誤解されてしまう。香月は真実を告白できないまま、手強いライバルを演じることに。そんな二人だけの勝負を楽しむ八木が、ある日突然、SEXの誘いをかけてきて!? 
出版社より

作品情報

作品名
好みじゃない恋人
著者
 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199005152
3.5

(69)

(12)

萌々

(24)

(26)

中立

(3)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
15
得点
237
評価数
69
平均
3.5 / 5
神率
17.4%

レビュー投稿数15

抱き合ってるのに切なーーー!!

個人的ツボに、ネコなのに好きな相手からタチ認定されてしまう受けと言うのがございまして。
なまじ、背も高く引き締まった男らしい体型と美貌で、仕事も攻めと張り合えちゃうくらいバリバリ出来るため、完全にライバルと見なされちゃうんですよね。
で、密かに攻めの事を想いつつも「俺はこんなゴツくて、あいつが好きな華奢なタイプとはかけ離れてるから・・・」と、良きライバルや友人を演じてしまう。
そんな不器用で、クールな見た目とは裏腹に自分に自信が持てない受けと言うのがめちゃくちゃ好きなのです。
尊いのです。

と、私にとって名作なのですが、イマイチ華やかさに欠けると言うか、認知度が低い今作。
なんと、「腐っても朽ち果てない不朽の名作BL小説100選」にノミネートされていました。
さすがちるちるさん、分かってらっしゃる!
てか、推薦していただけた方が十中八九おられると思うんですけど、お目が高い!
まぁそんなワケで感動しつつ、微々たるものですがポイントになればとレビューです。

で、こちら、ネコなのにタチと攻めから誤解されてしまった主人公が、これまた同じ相手を落とそうと狙っているライバルと誤解されてしまう。
しかも、ひょんなキッカケから二人は寝てしまいー・・・と言うものになります。

これ、とにかく二人の間のズレや誤解が切なくてですね。
二人は営業成績を競う同期でライバルでもあるのですが、その調子で職場のかわいい新人をどちらが落とせるか競う事になるんですね。
それが第三者である同僚に持ってかれ、二人とも失恋する羽目になる。
そこで、「孤独な者同士で慰めあわないか?」と攻めから誘われ、寝てしまうと言う。

いやね、誘われた香月(受け)ですが、「冗談じゃない」「バカを言うな」と次々言葉は頭の中で出てくるものの、好きな相手からそんな風に誘われて、断る事が出来ないのです。
また、華奢でも可愛くもない自分が、どんな反応をすれば良いのか・・・。

こう、今夜だけでもいいからと、一心に八木(攻め)を求める心情が切ないのです。
「早く入れろよ!」と最初は強気に言うクセに、それが「もう入れて・・・」になり、「やめないで・・・」になる。
この「やめないで・・・」にセックスの事だけでは無い、香月の本音が潜んでいるんですよね。
くっ、抱き合ってるのにスレ違っていて、切なーー!

あと、香月がこれほどまでに自分に自信が無い理由ー。
義母から過去に言われた一言が、彼の心の傷となっています。
実は八木は八木でとある誤解をしていて、意図せずその心の傷をかきむしってしまう。
いやね、香月視点なのですが、八木の行動を見ていれば、彼の気持ちと言うのは分かるのです。
互いに完全に思い違いをしていて、相手の負担にならないように行動するのに、それが互いを傷つけてしまう。
そんな、王道とも言うべきスレ違いが秀逸な作品なんですよね。

ついでに、私は攻めより格上の当て馬と言うのが大好きなんですけど、今作に登場する舞原が、まさにそのタイプ。
八木の言動に深く傷付いた香月をですね、優しく穏やかに包み込む舞原にはめちゃくちゃ滾りました。
そして、舞原の台頭に嫉妬して感情を露にする八木には、「ザマァ」とスッとしましたよ。
いや、如何なる誤解があろうと、受けを傷付ける攻めは許されないのです。
言い訳無用なのです。

ところで、香月の心の傷となった義母の一言。
これのオチがですね、長い間「ちょっと強引すぎじゃないかい?」と思っておりましたが。
つい最近、この解釈自体間違えてた事に気付きました。
もう何十回と読み返してるのですが、ずっと勘違いしてた自分にビックリですよ。
しっかりとしたオチですよ。

と、超素敵な作品なのです。
洸先生にハマるキッカケとなった作品なのです。
グルグル思い悩む受けが苦手な方には合わないかもしれませんが、超王道のスレ違いものでリーマンものがお好きなら、ぜひオススメしたいです。

9

せつなさいっぱい

丸ごと一冊がひとつのストーリーでした。

この作品、ハッピーエンドなんですけど
最初からず~~~~~っと切なかったですョ!
だからと言って、泣けるというのとはまた違うんですけどね。
でも、そういうタイプ・・・切なくてきゅぅ~っとくるような
ストーリーがお好みの方にはGOODかも♪

勘違いから、切ないストーリーが繰り広げられるのですが
そうは言っても仲良しな2人なんですよね。
そこが切なくても読んでいて救われるところ。

ストーリーの中では、受け様の目線で心情がしっかり書かれていたのですが
攻めの八木サンの心の中も、あの時どんな気持ちだったのかしら?この時は
なんでこんな事言ったのかしら?と思う所が多々あったので
そこも読んでみたかったです!!

4

不器用物同士

本当は、好きなのに、勘違いからライバル視され、
一緒にどっちが後輩を落とせるか?といった勝負をする
2人の恋模様。どっちも女々しくないのが面白い。

特に受の香月は、本当は八木のことが好きなのに、
八木とは正反対な、かわいい系男子が好きだと
勘違いされてしまい・・・という点が面白い!

また、香月は、継母からのトラウマがあり、
その心の葛藤が、胸に刺さります。

是非2人のラブラブ後日談も読んでみたいです。

2

誰にとってのお好み?

今回は可愛い子が好きな意志が強くて自身溢れる営業マンと
自分に自信が持てないクールビューティ営業マンのお話です。

二人がお互いにゲイだと知って紆余曲折を経てまとまるまで。

主人公の二人はビール会社に同期で入社以来、
営業成績を競うライバル同士です。

攻様は人との付き合いで量販店を得意先とし、
攻様はこまめなデータを元に店舗のコンサルティングをする等、
違う点が目立つほど攻様に惹かれていく受様ですが、
友人と連れ立っていったゲイバーで出合った時に
可愛い容姿の友人を恋人と誤解されてしまいます。

誤解を解こうにも「彼好み」という友人は可愛いタイプ。
彼の好みとかけ離れた自分にかなりショックな受様は
強引に自分と同じ趣味だと決め付けられて
否定する気まで失せてしまいます。

ちょっと投げやりな受様の態度が
のちのち自分の首を絞めるのですが
それもまたお話を面白くする鍵ですね。

その誤解のままに
攻様は口説こうとしている後輩も受様に紹介し、
どちらが選ばれるのか競おうとまでされてしまいますが、
件の後輩は気になる彼が出来て攻様は失恋してしまいます。

すっかり意気消沈した攻様を慰めるうちに
良い雰囲気になった二人はなるようになってしまいます。
もうここからはお約束な展開ですね。

最初はセフレ。
でも身体を繋ぐうちに
攻様にとっても受様は特別になっていきますが、
なかなかうまく気持ちを伝えられません。

受様としては恋人になりたいと思っているのですが、
仕事の上でもよそよそしくなる攻様に
どう接していいのかさえ判らなくなってしまいます。

両思いなのにヤキモキしますね。
最後にまた一波乱あってハッピーエンドに。

今回私的に一番ドギトキしたポイントは実はお題です。
『好みじゃない』のは相手にとっての自分か、
自分にとっての相手なのか。

受様はずっと攻様が好きで
ハズミで関係をもったら攻様もメロメロになるという
王道な本作は最後まで安心して読めるお話かと思います。

こんなシチュエーションをお好きな方には
いとう由貴さんの『恋の誘惑、愛の蜜』もお薦めです。

6

ヘタレな美形

出合った時にちゃんと説明していればよかったのに…。
ゲイ・クラブで出くわした同僚八木に、連れの男がただの友達だと言えば、こんな賭けはなかったのに…。

八木の強引な誘いもあったけど、どこかで関わっていたい願望から、『武田を落とす』という八木の賭けに乗ってしまった香月。
本当に好きなのは八木なのに、ヘタレな香月には別れる事を想像して怖くて言えないのです。
体育会系で体当たりで感情をぶつけてくる八木と、胸の内を出さない静かな美形、香月。
二人は営業でコンビを組んだり、成績を競い合ったり、端から見てもいい関係なのです。
そして友情で築くはずの二人は、八木の突然の提案でセフレへと変わってしまいました。

この辺りの進み具合が心に痛いですね。
香月がヘタレなのも原因ですが、悪い条件が重なりすぎてどんどん方向が別の方へ…。
二転三転と、目まぐるしく変化していく環境にまるでジェットコースターな展開。
武田の元カレにも告白され、どうなる香月!…って感じでした。
コミカルなストーリーではないはずなのに、後半のテンポのよさと八木のノリはコミカルのように小気味良いです。

4

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