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表題作ギブズ

原田,28歳,川口組のヤクザ
田中始,30歳,記憶喪失の元柳瀬組若頭

その他の収録作品

  • その後
  • あとがき

あらすじ

目覚めると土の中にいて、知らない男に抱きしめられていた。
男の名前は、原田。
自分は一切の記憶をなくしていた。

ヤクザだった過去と田中始という名前、組同士の抗争で殺されかけたことを知った始は、
同じ組の構成員だった原田に匿われることになる。
だが原田は「あんたはおれの恋人だった」と言って、強引に始を抱き……?

過去を語らない男と、過去を無くした男の仁侠ロマンス。

(出版社より)

作品情報

作品名
ギブズ
著者
山中ヒコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
発売日
ISBN
9784403663482
3.8

(96)

(38)

萌々

(26)

(21)

中立

(6)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
21
得点
363
評価数
96
平均
3.8 / 5
神率
39.6%

レビュー投稿数21

怖い程の愛

ヒコさんのヤクザもの!!
最近とみに切ないストーリーに磨きがかかってきたヒコ作品のような気がしますが、こんなシリアスなヤクザな世界を舞台にしただけに、半端ないシリアスさで、胸が痛くなるほどのとても深い切なさで迫ってきました。
本当に容赦がないんです。
詳しい胸の内のモノローグというのががっつりあるわけではないので、彼等の現在、そして過去のシーンとその瞬間の気持ちの描写で、物語の彼等の気持ちを推し量るしかないのですが、ラスト近辺に頻繁に出てくる言葉。
それだけで胸をギュっと掴まれました。
もう何をどう書いてこれを伝えたらいいかよくわかりません。
とにかく全てが、そして全てを表わすラストが、とてもとても秀逸なのです!

土に埋められていたところを原田という男に助け出された男は自分の名前も、前何をやっていたかも記憶がない。
原田は、彼を「田中始」という名前なのだと教え、そして「恋人」だったのだといい、無理矢理強姦する。
田中は河口組と敵対した柳瀬組の元幹部で、命を狙われているから決して外出してはいけないと言われ、監禁のような生活が続きます。
田中が欲しいと漏らしたモノは全て翌日に与えられるという、外出の自由以外は何不自由のない生活をさせてもらっているのだが、無断で外出してしまった田中に原田はその怒りを舎弟のスカイにぶつけます。
自由はないけど、原田は自分だけには優しい。
そんな時、再び外へ出てしまった田中が襲われ、かばった原田が怪我をします。

昔原田が田中のいた組に居た頃のエピソードが挟み込まれます。
そこに見る田中の姿に、親父への100%の信頼に原田はひょっとして嫉妬したのだろうか?
原田が埋められた経緯も、組の抗争とはいえ原田は裏で裏切っていた事を、考えるとそう見えなくもない。
そしてそこで川口組の組長にお願いした事。
この川口組の組長もとんでもなくヤクザだ。
物語の中に登場する人々に、スカイと何もわからない田中以外は、全てヤクザなところがすごいと思う!
いや、スカイでさえもどんなに痛めつけられても原田に忠義を尽くす犬として、或る意味ヤクザなのかもしれない。

田中が記憶が戻ったとかそういう記述は一切ありません。
だけど、何にも貸し借りをしない原田が、田中の為に尽くし身体を張り、そして弱音の本音を吐く。
それを田中は見て、感じたのですから。
そこで田中がどう思って何を考え、そしてどうしたのか?
それすらも匂わせるようなエンディングとなっているのですが、描き下ろしの「その後」で、きっと多分あんなことがあったのだろうという予測が。。。

激しい程の原田の執着愛は、ほんとうは尽くす愛情だったことは明白だと思うのです。
生きている田中を見つけた時の姿。
そして過去の原田と現在の原の対比。
それだけで何があるのか明白にわかる。
そこまでして原田は田中を自分のものにしたかったのに違いないと思えました。
本編のエンドが映画みたいで、とてもとても心にずっしりときます。
実に極道にふさわしいストーリーと展開だったと思います。
こんな渋い、シリアスなヤクザものは・・・とてもとても大好きです!!

そして、SHOOWAさんのパパ’sアサシンがゲスト出演してます♪探して見てくださいねw

11

面白かったww
というかですね、無情にも抱かれて、回数を重ねるほどに
慣れてくるというね、今の自分が生きていることを実感するとかね
萌えた(*´∀`*)←下衆
初めての感想をば私も聴きたいとか思った。
おいといて

お話は、ヤクザの抗争~関係から~なお話。
土の中に埋められていた受。
自分の名前すら思い出せない記憶喪失。
どうみてもカタギではない風体の男は自分にだけなぜか優しい。
危険と隣り合わせの生活。
しかしそれも長くはつづかず~なお話の中で、
許されないこと、許すこと。
読み進めるのがもったいないくらいなんだかジワっときました。
うもうも。

「自分のようになりますよ」な子供との会話のあとの攻が好き。
犬かwww犬かwww
最後の食卓シーンはシュールでなかなか面白かったですが
最終的に許されて、もういちど一つになる姿が見てみたいなとも
思ってしまいました。
妄想で補うしかないのかなとおもうとちょっぴり淋しい;

9

he gives...

山中ヒコさんの作品を読むのは初めてです。
初めてにして、この衝撃...
魅せられ、引きつけられ、どう足掻いても離さない力強さで
心を持っていかれました。

原田にとって大切なものは、お金。
"give and take"のヤクザの世界、彼はいつも"take"に重きを置き
いかに"give"よりも多く自分の懐に入れられるか、
それだけを勘定に入れ動いてきた男。
それは、彼の過酷で悲惨な過去が生み出した、
涙のない怪物のようなものに起因するのだと思います。

そんな彼が損得を考えず守りたいものがあった―
それが、”田中始”という男。

田中は記憶を失い、自分が何者なのか分からない。
危険な身の上だと原田に言われ、匿われて暮らす生活の中、
失われた記憶に対する他人事のような心細さを支えるものは
作った料理を美味しいと言われること、
それから、原田に優しくされること(後には抱かれること)への
安心に似た実感だった。

自分を二度救ってくれた原田にお礼じゃないキスをしたり、
原田の好きなトマト料理を作ろうとする田中の姿を見ると
やるせない想いがします。
そして、田中からキスをされ真っ赤になったり、
埋められた田中が息をしていることを知り涙を流す原田を見ると
胸がぎゅっと苦しくなります。
黒い事実さえなければ、幸せなはずの光景。

それでも、『その後』のふたりは
最良のふたりの姿だと、わたしは思います。
『それ(殴られたら殴り返す)より強いのは、殴ってきた奴を許す奴』
胸を突く原田の言葉。
ふと、辞書で"give"を調べてみたら
そこに”捧げる”と”許す”の文字があり、
原田は愛を捧げ、田中は許したのだと、自己解釈しました。

最後に...
重い雰囲気の中でも、癒しでいてくれたスカイくんのキャラが
とても良かった。田中や原田だけではなく、読者にとっても、
なくてはならない存在だったと思います。

読後の今はまだ、色々な想いが渦巻いていますが
出合えて良かったと思う気持ちは、これからも変わらないはずです。

7

givesという意味

裏切りと贖罪、そして赦し…が、テーマになっているように思います。
…途中、組関係の相関図に「?!」ってなってページ戻しまくったりしながら読みましたw
「え?そっちなの??マジで?!」的どんでん返し。

年下攻めです。
たまに敬語じゃなくなるところが堪りません(*´艸`*)
んでもって始がポソッと欲しいもの言ったら速攻購入www
打ち出の小槌っぷりが素敵ですwww
始からキスされただけで耳まで真っ赤にして固まっちゃうとかなんですかこれ。
自分からやるときは押せ押せモードのくせにー!!!
もうどんだけ始のことが好きなのよー!

原田が組を裏切ったの…利己的な理由というよりは…感情的なもののように思えます。
始の「親父が100で、他は0」…これが影響しているんじゃないのかな…って。
まーいえば嫉妬こじらせた←

…にしては始が失ったものは大きかったですよね…。
大切な存在である親父、そして「兄貴!」と慕ってくれる弟分たち…。
少し前までは土だったところがコンクリートになっている…親父の腕時計が見つかった場所…あの場面にはゾッとしました。
「原田はそんなやつじゃない」って生き残った弟分に言い聞かせていた始が…この事実を知った時の怒りとか悔しさ、悲しさ、やるせなさを思うと…。
赦せたのはあの記憶喪失の時の生活とかが大きいのかな…。

でも描き下ろしなかったら「・・・・・・・え?」ってなったと思います。
「その後」の話には始にガン無視されまくりの原田を見て、島のお子様が「早めに謝らないとあんなことに…!!!」となっているのがなんかちょっと楽しかったwww←
友達と喧嘩した子どもに「殴ることができる人間は強い。でもそれよりも強いのは赦せる人間」って語ったところから…始は原田を許したんだなーって実感を持つことができてホッとした。
まー…以前のような関係に戻ることはまだまだ無理そうだけれど。

にしても描き下ろし!原田は犬化してたwww
始の船が港につくまで待機。
船が着いたら猛ダッシュ!!!(完全スルーされまくってたけど)
そして食卓シーンはシュールwww
それでも同じ家に入れてもらえているだけ…ね。

脇役で原田の弟分的存在のスカイが癒やしでしたw
板挟み状態の彼は大変かもしれないですがwww

この本を読んで“give”という英単語を改めて調べたら色々な意味があるんですね…。

※カバー下にまさかのキャラがっ!SHOOWAさんのパパ'S (,,・ω『+』ゞ ハケ-ン!!

6

痛い


ヒコさん、流石です…。
もうかさぶたをガンガン剥いでいくくらいに『痛い!』ので、読み始めるまでにパラパラ捲っては躊躇っていました。
ただ…お話は本当に面白い!読み始めたら一気に読んじゃいました。
まず、分からないことだらけなんです。
『原田は一体なんなの?』
『二人はどんな関係だったの?』
と、半分以上まで種明かしされず、ハラハラします。
ヤクザものの『抗争』が今回のキーポイントです。だから、本当に、痛い(傷的に)!そして原田も痛い(心が痛い)!
凄くシンプルな絵の中に、原田が凄く始を大切にしているのがガンガン伝わってきて、とても胸が痛い!こんなやすっちい言葉にしたくないけど、その関係が萌える~!
やっぱり、疑問点が沢山あって、それを手探りに楽しみながら読むお話だと思うので、ネタバレはしたくないです。だから、ネタバレを読む前にハラハラしながら読んで欲しい!

面白かったです。



5

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