「全部あげるから生きて帰って」恋も知らない戦神に注ぐ愛。

イキガミとドナー 下

ikigami to donor

イキガミとドナー 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神116
  • 萌×229
  • 萌7
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

18

レビュー数
16
得点
718
評価数
154
平均
4.7 / 5
神率
75.3%
著者
山中ヒコ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
電子発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784396785109

あらすじ

イキガミであるがゆえに孤独に生きてきた鬼道は、恋を知らぬままドナー・吉野に懐き、溺れるようにその体を抱いた。
やがて吉野への気持ちは恋だと知り、よりいっそう、彼との愛は深まっていく。
しかし、その一方で、生死をかけたパートナーシップを結んでいる自分たちの運命の厳しさが、鬼道の心に重くのしかかりーー。
「鬼道は俺が『好き』なんだよ」

表題作イキガミとドナー 下

鬼道慧,20歳,イキガミ
吉野優希,鬼道のドナー,中学校教師

その他の収録作品

  • bonus track(描き下ろし)
  • after words

レビュー投稿数16

君と鬼道が今とかわらずに想いあって笑いあって幸せでいられますように

上巻では主にイキガミとドナーの関係性や物語の世界観を描かれていて、下巻は鬼道と吉野の心情がより深く描かれていました。

冒頭からイチャイチャする2人。吉野の影響で「ありがとう」が言えるようになったり、傲慢だった鬼道が吉野のおかげで人間味のある男に変わっていました。
普通なら仲良しな2人を見て幸せな気分になるのですが、今作は2人が仲良くしている描写を見ると、これから起こりそうな最悪のシナリオが頭をよぎり純粋に見られませんでした(;_;)

特に揺さぶられたのが吉野が書いた10年後の自分への手紙。吉野の学校で生徒に出した宿題で自分達も書こうと提案します。吉野の手紙には鬼道との幸せな未来が描かれていますが、鬼道がイキガミでいる以上叶うはずのない未来です。鬼道は自分がイキガミでいる以上、吉野と幸せな未来が想像できず手紙を書けませんでした。

この後から物語が急加速。
なぜイキガミが生まれたのか。柴田の過去。敵国の襲来。
仲間を助ければ自分の、吉野の命が危険に晒される。見殺しにすれば2人の幸せな未来が待っている。
鬼道はどんな決断を下すのか。

2人は幸せになれるのか。

ぜひ、たくさんの人に読んで欲しいです!!
間違いなく、10年後にも残る名作です!!

4

唯一無二

近未来の設定

世界は変化してイキガミという超人が生まれて
武器を無力化するけれど
イキガミ同志で戦うと沢山の傷を負って
薬が効かない治療法もない

唯一効くのは一人しかいないドナーの
体液(血液も)や臓器

二人一緒にしか生きられない
お互いのかけがえのない存在に
おののき震えて
そして、共に生きる道を模索する

10年後の自分は手紙を書く吉野はひたすら暖かく
イキガミとしてしか生きていない鬼道は何も書けない…

山中先生は初読みでした
素晴らしかったです
涙しました

6

無償の愛を知る

イキガミの素質がずば抜けている、鬼道
しがない教師、吉野

神として称えられあらゆる補償を受けるイキガミ。
イキガミとして赴く人間は「守りたい」モノが個々にあったが、鬼道に関しては何も無い。ただただイキガミとしてだけ命を落としてでも全うするだけの日々だった。それを見ていた柴田は危うい鬼道を他のイキガミ以上に心配していた。

上巻で鬼道のたった一人のドナー吉野と出会い、自分を治癒させる人間としてしか見ていなかった吉野を大切な人として捉えていく変化を上下巻に渡って丁寧に描いており惹き付けられてやまなかった。

吉野のいるセンターを攻撃されて爆破された建物の下敷きになった吉野を見て呆然とする鬼道。
この戦いを終えたらイキガミを止めると宣言して赴いた戦いの途中に起こった……センターに戻ると凄まじい光景だった。血まみれの吉野。読み手にも衝撃なシーンであった。

だが鬼道の治療用に取ってあった吉野自身の血を輸血して一命をとりとめたのには安堵しました。

物語の回収もイキガミ、ドナーに対する扱いや他国との事も平和に向けた纏まりになってました。

吉野によって「愛」を知って、初めて「生きたい」「守りたい」が生まれ、徐々に変化していく鬼道をタップリと堪能して欲しい。
血が通ってないような表情から喜怒哀楽を見せる鬼道がとても印象深い作品でした。

6

BLというジャンルを超えて

BL云々んなもん関係ねーー!!!!



その一言に尽きる。
BLとしての萌えやら尊さやらそんなレベルの話じゃなかった。
自分じゃない誰かを大切に思う気持ち、誰かの為に自分を犠牲に出来る深い愛。そんなものに胸を打たれまくりました。いや、ほんとに、最後二人が幸せになってくれて良かっ、、、た、、!!

山中先生はさすが「ここ!」ってところでギュンギュン胸を締め付けてくださる。
大事な場面での台詞選びが秀逸で、ガチで何回も泣かされました。えーん。

設定はすごく斬新で、でも説得力もちゃんとある。一歩間違えたらトンデモ設定なんですけど、なんだろ、そこを気にさせないというか、、、山中先生がそこをメインに置いていないからかすんなり世界観に浸ることができました。
でももうちょい深く掘り下げて、全5巻くらいのボリュームで読みたい気もします。

はぁ、、、
すごく温かい気持ちになりました、、、ありがとうございます、、、

9

良かった〜泣

鬼道と吉野の仲が甘くなるにつれて、J国とイキガミを取り巻く情勢が一気に不穏な空気になって来ました。

もう嫌な予感に読むのが怖くて、でも先が知りたくてページをめくる手が止まらないんですよ。

吉野が生徒たちに出した課題のテーマがまた良くて、生徒たちはもちろん吉野も改めて自分の置かれている状況を考えるきっかけになるんです。

それを鬼道にも宿題として渡すんですね。これが最後に効いて来るんです。見事としか言えませんでした。

吉野によって人らしい感情を持った鬼道が、仲間とその環境にまで思いやれるまでになるんです。吉野先生流石‼︎って思ってしまいました。

鬼道には自分にも守りたいものと闘う理由が出来るのです。この辺りがタイミングがタイミングだっただけに切なくて、吉野の苦しみが手に取るように分かって辛かったです。

柴田によって明かされたイキガミの秘密と、世界を取り巻く力関係がまさにタイムリーな問題だったので、その辺りもとても面白かったですね。

「好き」という感情を知った鬼道が切なくて可愛くて、2人のその後の生活を読んで吉野のセリフに感動してとても素晴らしい読後感でした。


ボーナストラックの柴田と滝の結末も是非読んで欲しいです。

8

嬉しくて、嬉しくて、嬉しくて。涙。

凄い不穏なんです。苦しくて。胸が張り裂けそう。
ハラハラのし通しで。だいぶ持ってかれました。
人を人とも思わないこの国でイキガミと選ばれ、ただ死闘を繰り返すだけの鬼道たち。
そんな鬼道と少しずつ心を通わせて行く吉野。
吉野が中学校の教師という仕事をしていて。未来ある子供たちと常に触れている、という事が。
鬼道の心を救う一助になっていたのは大きかったと思うのです。
子供達には未来がある。吉野も、照れ臭いけど、鬼道との未来を語って見せる。
けれど、イキガミとして生きるしか術の無い鬼道にとって。それは描けない未来。
これまでも。イキガミに身体を提供する為だけに生きる事に精神を病んで、死んで行ったドナーたち。
ドナーが亡くなると、戦闘で傷付いても死ぬしか無いイキガミ。
ドナーが死ねばそれで終わる運命。
え⁈ やっぱり死ネタなの⁈ ねぇ死して別れてしまう運命なの⁈ いやああああ‼︎‼︎
と、ドキハラが止まりません‼︎

以前イキガミのドナーをしていたという柴田さんは、自らも大きな傷を負っている。負っているからこそ、彼等の未来を無理矢理にも切り開いて行こうとするキーマンとなって行く。
この不穏な世界は。イキガミとは。感染症から始まる物語だったのだ。
私たちはここで「あっ‼︎」と驚かされる。コロナ禍で不安に苛まされる私たちの社会を描いているかの様ではないかと。
この恐ろしい感染症は、免疫機能に害を及ぼしている事や。都市伝説的には、化学兵器ではないかと囁かれていることや。某国は交渉の為に既にセットでワクチンを保持しているのではないかという事。
もちろん。コロナに感染してもモンスターにはならないけども。
現実社会では白兵戦こそ身近では無いが、遠い国ではまだまだ戦争は起こっていて。
それは我々の未来に暗い影を落とす。世界には覇権争いは常に起こり、実は終わらない闘いの真っ只中にある。

吉野が死んでしまった、と思ってしまってからの。鬼神にも似た鬼道の無茶な闘いぶりが痛々しくて涙。もぅ。ずっとずっと涙。

感染症は病気なので。ワクチンで治す事も出来る。イキガミ製造をしている病んだ社会を公にして、彼等の人権を守ろうとする社会へと。世の中は少しずつ変わって行く。

鬼道は、イキガミを辞める事が出来たのに。実際には辞めてはいない。というのが、個人的にはとても切ない。組織を抜け、自衛隊の様な組織に入隊したというが。
闘うことしか教育されなかったから。他に生き方を知らないというが。
彼はまだ若いので、普通の人となって生活して欲しかったなぁ、と思うのだ。
物語の世界観の中で、異常なリアルさに寂しさがある。
けれど。流星群を間近で見たいという吉野を抱き抱えて夜空を飛ぶ美しいシーンは。
普通の人では出来ないことなので。このロマンティックなワンシーンの為だけに、イキガミである必要があったのかもしれない。なんて、思うのだ。
私たちはいつも。人智を超える能力に憧れと畏れを抱いている。
読み終えた今。彼等が生きている、という事に嬉しくて、嬉しくて、嬉しくて、涙。

bonus track では、辛い記憶から心を閉ざして来た柴田さんの、心をこじ開ける滝くんの。恋の成就にジワリ。後ろからハグされている柴田さんの、子供っぽい表情にほっこり。
鬼道達を見守って来て、ずっと大人でクールだった柴田さんにこんな表情をさせるなんて‼︎
ワンコ滝くんあっぱれです。

12

上下完結にはもったいない内容

 この世界観で最後まで描き切ってくださったことには神評価をつけたいです。設定は本当にしっかりしていたと思います。ただ、細かい点がいくつか気になって、個人的にはどハマりするまではいきませんでした。私はもう少し吉野の掘り下げが欲しいと思ったんですね。鬼道の孤独や感情を描くシーンは多々あったのに比べ、吉野というキャラクターがこういう思考回路に至った背景が私には足りませんでした。

 どうしてこんなに懐が深いのだろう、どうしてこんなに鬼道に献身的になれるのだろう。教師だから子供は愛おしい、孤独な心を知れば守ってあげたくなる、確かに十分なきっかけになるとは思うけれど、それで躊躇なく己を犠牲にできるとまで考える人は、けっして多くはないと思うんですね。嫌々付き合っていた時期から、恋人のような甘さで接するようになる時期まで、彼の心情の変化をもっと詳しく知りたかったな、と思います。

 あとは、下巻の中盤以降の展開がちょっと詰め込み過ぎにも感じ。滝と柴田の関係、柴田の秘密の暴露と復讐、凄惨な戦闘で露見した他国の事情、からのあっさりしたハピエン。鬼道と吉野には幸せになって欲しかったですからハピエンは嬉しいのですが、そこに辿り着くまでもう少し時間がかかれば余韻も大きかった気がします。ただ、この世界観を読めたことは本当に良かったと思っています。

9

ふたつでひとつ

"人間1年目"な攻め、または受けが、パートナーによって新しい世界・感覚・感情を知っていくお話が好きです。
今作で言うのなら、それは攻めの鬼道にあたりますね。

幼い頃からイキガミとしての能力を持ち、国を守るための訓練をひたすらに受け続けて来た。
戦うことしか知らず、守るものもなく、愛も知らない。
どうしようもなく孤独な彼に、少しずつ新しい世界を教えてくれた、吉野というかけがえのない鬼道のドナー。
吉野に対して、他の者とは違う特別な感情を持っているけれど、情を知らない鬼道にその感情につける名前なんてものは分かるはずもなく。
そのことまできちんと理解していて、少しずつ少しずつ、鬼道が混乱しないよう絶妙な加減でおしみない愛を与え続ける吉野。
部屋で待っている人がいて、おかえりと言ってくれる。
2人で並んで一緒に食事をする。
これだって今までの鬼道の日常にはなかったこと。
鬼道の表情がどんどん柔らかいものになっていく様子も、吉野が鬼道に贈る、日常の中にあふれる愛情の言葉もとても優しいんです。

「おかえり」と「ただいま」
この言葉がすごく優しくてあたたかくて、どうしようもなく好き。
おかえりのシーンと、なるべく怪我をしないで帰ってきてほしいという吉野の言葉を聞いて、鬼道が無傷で帰ってきたシーンの2人の表情、すごくないですか?
山中先生のキャラクターの感情が伝わる表情の描き方の上手さと、読み手が惹き込まれるような余白のあるコマ使いが素晴らしいです。
作中で何度か繰り返される言葉やモノローグでの表現も印象的で、ここぞという時にそれが効いてくるんですよね。

吉野によって鬼道の人間的な感情が育っていく様子が本当に愛おしくて。
吉野からの愛が込められた言葉を浴びていたからこそ、"好き"の感情を鬼道は素直に理解出来たのではないでしょうか。
その感情は、吉野との日々の中でさらに育ち、やがて愛情へと変化していく。
愛を知らなかった人が愛を知る瞬間とは、なんて尊いものがあるのだろう。

"未来"について考えるシーンの回想に登場する、仁王というイキガミと、自殺をしてしまった仁王のドナー。
彼らのようになってしまう未来だってもしかしたらあり得たのかもしれません。
けれど、そうはならなかった。
これが別の人であったのなら、きっと違った結果になっていたと思うんです。
鬼道が吉野という唯一無二の存在と出逢えたからこそなのでしょう。
何のために戦うのか、何を守りたいのか。なぜ失いたくないのか。
大切な人を得て、愛を知ったからこそ気付けた大切なこと。
あの時、胸に灯った何かが鬼道を突き動かしたシーン。
戦場だというのにとても静かに見えて、なんだかすごく印象的でした。

もしかしたらラストは…なんてハラハラしていたのですが、明るいもので良かった。
イキガミはドナーの血液や体液でしか病や傷を治すことが出来ない。涙も体液ですよね?
吉野がこぼした涙で…なのかな、なんて。
吉野はなぜあんなにも優しい人なのだろう。
「また明日」という言葉が好きになる、素敵なお話でした。
2冊でひとつな装丁も、彼らの関係性のようで素敵。


個人的に、上巻がヒリヒリとした世界観で神評価だったのですが、下巻でのイキガミが生まれた理由や治療薬の件が突然な気がして。
とは言え、ここがなかったらお話が変わって来ちゃいますし、もう少し伏線があったらもっともっと良かったのになあなんて思ったり。
萌萌評価と迷いつつ、上下巻通して読んで素晴らしかったので、こちらの評価に。
山中先生ならではの世界観に浸れ、非常に読み応えのある作品でした。
好きです。

13

涙腺が死ぬ

ハッピーエンドでよかった!!!!!!!!!!

セックスは最初に2回。あとは無し。
キスはあり。えっちではない。

最後まで本当に心配しながら読んだ…まさかとは思いつつももしかしたらが拭えずにページをめくる手が震えた本は久しぶりでした。

上巻で構築した関係が、かえって鬼道を臆病にしてしまった。
幼い頃から恋焦がれていた自分のドナーにやっと会えて、その人が自分を受け入れて自分を思ってくれて…失うのが怖くなって当たり前…
というよくある感情の波が力技じゃなく丁寧に描写されている。
「ほら!わかるだろ?!こういう展開好きだろ?!」て煽ってくるような作品がたまにある気がするけどそこはさすがヒコ先生だった天才。

レビューに神評価が多すぎて「ほんとか?」「どの辺の層に神刺さりなんだ?」とソワソワしながら読み始めたけど、心理描写と距離感の描き方に大部分を振りつつもプラトニックではない(エッチシーンがある!)いい本でした。
ヒコ先生の作品が好きだった古の腐女子は好きと思います(個人の解釈です)

書き下ろしで滝くんと柴田さんのCPが描かれてたのとってもよかったですね~~!
ここもっと掘り下げて欲しい!柴田さんの過去が気になる!スピンオフ待ってます!

14

イキガミと歩く未来

上巻の引き込みそのままに下巻も突っ走ってくれました。
盛大にネタバレレビューですので、知りたくない方は読まないでください。

欲情と愛情の区別も知らない鬼道だったけど、吉野に好きだと言われ、抱きしめられて自分の気持ちが愛情だと知っていく。
だけど、二人の未来を書こうと吉野に渡された原稿用紙に何も書けない、イキガミとして育った鬼道には一年先の未来でさえも描けないでいた。

そこへイキガミとはウイルスの感染症であり、治療が出来るという展開が!
早よ注射して、今すぐイキガミやめて!と吉野に共感したし、イキガミで生きることしか知らなかった鬼道が吉野との未来のために不安ながらも、イキガミをやめたいと言うところで胸がギューっと押し潰されそうでした。
そこからの「この任務が終わってから…」
これアカンやつや、バドエンフラグやんって取り乱しましたね。
奇襲攻撃に遭い、吉野も命の危機に見舞われて…。
最後までヤキモキさせていただきました。

九死にに一生を得た二人…良かった(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
映画のようなドラマがあり、切なさあり、希望のある素晴らしいお話でした!

17

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