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表題作王は神の末裔に跪く

クラウディウス、同盟国であるアッシャール王国国王
ティファレト、始祖王伝説を有するアハティ皇国の皇子

その他の収録作品

  • あとがき:妃川螢、小禄

あらすじ

この地に神である始祖王が降り立った瞬間から世界の歴史は始まっている―――
始祖王伝説を有するアハティ皇国の皇子・ティファレトは金髪碧眼の類稀な美しさを持つ青年。
外遊に出ていた折り、王と王妃である両親の訃報を知らされる。
両親を殺したのは同盟国であり友好関係を結んでいたはずの
アッシャール王国国王・クラウディウスだった…!
復讐にとりつかれたティファレトはクラウディウスを殺すため楽士に扮して近づくが、
気に入られた末に愛人として囲われることになってしまい…! ?

作品情報

作品名
王は神の末裔に跪く
著者
妃川螢 
イラスト
小禄 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796411462
3.9

(12)

(4)

萌々

(5)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
46
評価数
12
平均
3.9 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数3

ファンタジーとしても恋愛ものとしても面白すぎます

始祖王伝説に、裏切り者の大国の王、そして復讐を誓う神聖な皇国の皇子ー。
と、本格派ファンタジーであり、壮大な大陸ものになります。

筋金入りのファンタジー好きですが、ここまで本格派のファンタジーって、久しぶりに読みましたよ。
もう、世界観だけで面白すぎる・・・!
また、自身の身体まで利用して、復讐の為に敵の懐に入り込む主人公に、何故か刺客だと知りつつ鷹揚に泳がせる王ー。
この二人のやりとりがですね、もう腐心を刺激しまくってくれて、萌え転がっちゃうんですけど。
「いつでも私の頸を狙うがいい」みたいな(≧∀≦)

と、最後まで息をつかせぬ展開で、一気に読ませてくれました。


内容ですが、同盟国で大国アッシャール王国の王・クラウディウス×始祖王伝説を有するアハティ皇国の皇子・ティファレトによる、本格派ファンタジーで大陸ものになります。

始祖王の血を引くとされ、金髪碧眼の美しい容姿が特徴のアハティ皇国の民。
その皇国の皇子・ティファレトは、同盟国でありながら裏切り、両親である王と王妃を殺したアッシャール王国国王・クラウディウスに復讐を誓うんですね。
旅の楽士に化けてクラウディウスに近付き、寵愛を得て復讐の機会を狙うティファレト。
しかし、クラウディウスと共に過ごして彼の人となりを知るに連れ、その憎しみが揺るぎ始めてー・・・と言うものです。

まずこちら、しっかり作り込まれた設定だったり、世界観が魅力だと思うんですけど。
始祖王の血を引くとされ、神聖視されるアハティ皇国に、同盟国としてそのアハティ皇国を守ってきた大国・アッシャール王国。
神話の続きに隠された、アハティ皇国とアッシャール王国の真実。
そして、盟約を覆し、突然裏切ったクラウディウスの真相ー。

こちら、主役二人の両視点で進みます。
ティファレトが、ナヌーク帝国に侵略され、墜ちた王宮で目にしたのは、アッシャール王家の紋章が入った剣に討たれた父王の姿だったんですね。
また、アッシャール王国軍が王宮を占領した事からも彼等の裏切りを知り、復讐を誓った。
対してクラウディウスですが、伝説の王の血を引くアハティ王家を守る事こそアッシャール王家の使命と心得ていて、北の野蛮なナヌーク帝国の侵略に対して精鋭部隊を派遣した。

果たして、あの日王宮で、一体何が起こったのかー。
と言うのがキモになるのでは無いでしょうか。

で、個人的に萌えまくったのが、楽士に扮したティファレトと、その彼を召し抱え、何故か鷹揚に泳がせるクラウディウスとの、緊張感溢れる関係。
いや、復讐に燃えて、隙あらば頸を取ろうと気を張りつめてるティファレトなのですが、クラウディウスの方は余裕綽々なんですよね。
ナイフで襲われようと、いとも簡単に取り押さえ、更に復讐心を煽るような言動ー。

これ、楽士でありながら気位が高く、命令にも平然と逆らうティファレトに、そんな彼に苦笑しつつも鷹揚と対応するクラウディウスー。このやりとりが、やたら萌えるんですよ。
また、自分の寝首を狙っている相手でありながら、クラウディウスのティファレトに対する愛情と言うのが透けて見えちゃってるのにもニヤニヤしちゃって。
まぁそんなワケで、ティファレトが命を狙って襲いにかかるシーンですら、印象としては甘くて萌えちゃうのです。
クラウディウスが寝入ったと見てナイフを取ろうとすると、すかさずその手を掴まれて抱き込まれる。
そして、抱きしめられたまま眠る羽目になるティファレト・・・みたいな。
もう、クラウディウスが一枚も二枚も上手だよ。ティファレト!

と、こんな日々を過ごすうち、クラウディウスへの憎しみが揺らぎ始めるティファレト。
そんな中、突然本国からの連絡が途絶えて・・・と続きます。

ティファレトですが、憎しみに目がくらんでいるだけで、決して愚鈍では無いのです。
クラウディウスが王として、また一人の人間として、どれほど有能で懐が広いのかも、本当は分かっている。
それでも、憎しみを糧にする事でしか、己を支える術が無かったー。

そんな彼がですね、初めて自身の素直な気持ち認め、クラウディウス相手に感情を爆発させるシーンにとても心を動かされて。
また、丸ごと受け止めるクラウディウスが、格好よすぎるんですよ。

これ、途中から明らかに、アハティ王を討った真犯人と言うのは分かってくるんですよね。
見当違いな恨みであると知りながら、クラウディウスが誤解を解かずに敵役を演じ続けた理由ー。
いやもう、格好よすぎるだろー!と。
ガチで器が大きすぎるだろーーー!!と。

この後、因縁の敵・ナヌーク帝国との対決に、神話に隠された真実と、怒涛の展開が続きます。
いやもう、面白い・・・!
ファンタジーとしても(真の)リベンジものとしても、めちゃくちゃ面白い!!

ラストがですね、とても印象的で素敵なものになります。
この先の展開は読者の想像の自由との事ですが、続編を激しく希望します。
そして、その続編では、二人のイチャラブをこれまた激しく希望ーーー!

最後に、主人公がかなりのツンになります。
いや、ストーリー上仕方ない事で、気持ちが通じ合えばデレも見せるんですけど。
そんなワケで、ツン過ぎる受けが苦手な方はご注意下さい。

12

ファンタジー

スパダリな王子×麗しい皇子のお話。

隣国の王子と皇子のラブ。しかも幼い頃に出会った事がある。という目線では王道だと思うのですが、受け様ティファレトが大陸の始祖である天上人の血脈で、神獣(しかも鷲と豹のダブル!)を従えていたり、ファンタジー色強めで楽しめました。
真っ白な鷲を腕に。真っ白な豹を足元に従える美貌、美声の受け様。
野蛮な北側の隣国に攻め入られ、両親を殺され。復讐の為に、共謀したと思われる南側の隣国に身分を隠して潜入。
麗しくもかわいそうで守ってあげたくなります。

そして攻め様クラウディウス。
誤解で受け様に命を狙われるのですが、全て分かった上で潜入させ、側に置き。水面下では大陸全土の平和に向かって画策しているのです。
策士で、騎士で、歳上の包容力で受け様を大事にしていて、現代風に言うならまさにスパダリです!

ファンタジーな世界観が楽しかったのでもっと味わいたい。
あとがきで、エンドマークのその先は、読み手それぞれの想像にお任せしますとあったのですが、続編に期待しています!

4

親の仇

先生買い。神話という感のある、しっかり直球どファンタジー、本編210P超+あとがき+小禄先生のあとがき。気の強ーい皇子様は好きだったのですが、ちょっとニヤニヤが足りなかったように感じたので萌にしました。

周辺諸国に遊説に出ている間に、北の国ナヌーク帝国に首都を落とされたアハティ皇国の皇子ティファレト。南のアッシャール王国を頼みにしていたにも関わらず、最後に見たのはアッシャール王家の紋章の入った剣に倒れた王と王妃であったため、その日からアッシャール王を親の仇と思い・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
バステト(純白のヒョウみたいな獣)、ククル(純白の大鷲)、ルキナ(受けの幼馴染、神官、♀)
、ディオニシオス(騎士団長、攻めの幼馴染)ぐらいかな。ヒョウと大鷲は喋らないですが、とてもお利口で受けの忠実な従者です。

**より内容に触れる感想

神の血をひくといわれるアハティ皇家の王子は、誇り高い=ひらたく言えば超ツン。デレが無い―。もちょっと甘々を見たいという気がするのだけど、本編全体がニヤニヤする感じが少ない、緊迫感漂うお話なので、やむなしというのも思うけれど・・。
攻めのクラウディウスも、スパダリ腹黒という印象より、ひたすら真面目に受けが心を開いてくれるのを待っているという感じなので、読み応えはあるけれども、やっぱりくすくす笑うお話の方が好きだなと思った次第です。

剣、弓、矢で戦い馬で走る、そんな国と国の攻防戦ありなお話が好きな方でしたらぜひぜひ。ファンタジーと言ってしまうより、「神話の世界を覗いた」という方がより正確に表現できている気のするお話でした!

2

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