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箱入りウサギ妊活中 ~もふもふオメガバース~

hakoiriusagi ninkatsuchu

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表題作箱入りウサギ妊活中 ~もふもふオメガバース~

高宮征爾、α専用男子校・聖陽学園生徒会長(α)
ユズ、兎族の国・ラキの第七王子(Ω)、17

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

ウサギ族の王子ユズは王族オメガの義務、三十匹の子を生すため人間界に降り立つ。転入早々生徒会長の高宮の匂いに悩殺されて…。

作品情報

作品名
箱入りウサギ妊活中 ~もふもふオメガバース~
著者
川崎かなれ 
イラスト
小路龍流 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576181134
2.9

(19)

(3)

萌々

(6)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
3
得点
49
評価数
19
平均
2.9 / 5
神率
15.8%

レビュー投稿数3

子種を求めて愛も得る

今回は文武両道で生真面目な生徒会長と
子作りするため人間界に来た兎族の第七王子のお話です。

攻様が受様の恋と未来を受け入れるまで。

受様は兎族の国の第七王子で
純白の耳と尻尾をもつオメガです。

この国には牡牝のとは別に
3つの性種があります。

頭脳、身体ともに優れた能力を持ち
国政を担う黒耳の王族アルファ、
平均的な能力で国民の大多数を占める
茶耳の平民ベータ、

そして牡牝問わず妊娠可能で
3種中唯一アルファとオメガを産める
白耳の王族オメガ。

アルファとオメガは生まれるとすぐに
王の養子として引き取られ
アルファは高い知性身体能力で
国防や国政を担いますが
兎族のアルファには生殖能力はありません。

そのためオメガは年頃になると
人間界に子種を探しに行く習わしで
人間のアルファと交尾して
優秀な子を生涯で30羽は産む事が
ノルマとして課されています。

たいていの王族オメガは
16歳の誕生日を迎えると同時に
人間界に旅立つのですが
受様は未だに発情期も迎えておらず
王宮に留まっていました。

しかし、
14歳の弟オメガが発情を迎え
人間界に送られそうになったことから
受様の人間界に行気が決定し
日本のとあるアルファ専用の
全寮制男子校に送り込まれます。

そこで受様のお世話役を仰せつかった
生徒こそが今回の攻様になります♪

攻様は学級委員で生徒会長で
文武両道な美丈夫ですが
生真面目な堅物である事を見込まれ
受様のルームメイトともなります。

18歳の誕生日までに
優秀な子種を入手して国に帰る事が
使命の受様は
早速攻様を子作り相手にロックオン、
攻様の子種をちょうだいと迫ります。

周囲の生徒たちが騒めく中でも
攻様は呆れた顔で溜息をついて
受様の言葉を一蹴します。

しかも、攻様には許婚がいて
誰彼構わず盛る気はないというのです。

果たして受様の妊活は上手くいくの!?

国情から早々の妊娠を望まれる受様と
Hは結婚相手だけと決めている攻様の
攻防が楽しいオメガバースになります。

子作りのために人間界に来た受様は
優秀なアルファが集まる学校でも
一番優秀な攻様の子種を求めるのですが、
なかなか上手くいきません。

というのも受様は発情期も未経験で
基礎知識も実践経験も皆無なので
どうやったら子作り出来るのかも
全く分かっていないのですよ(笑)

そんな受様ですが
素敵な匂いのする攻様にスリスリしたり
乗っかっちゃったりするので

攻様はすげなく断りつつも
ある時は鋼の意思と理性で
ギリギリ耐えるという場面もあって

攻様が受様を憎からず思っているのは
明らかなのですが

兎族のオメガとして
受様に課せられている使命と未来は
攻様が思う家族や未来とは相容れず
なかなか2人の仲は進展しません。

兎族の出生環境と
人間界のオメガバース性の違いも
2人の思考や事情に絡まっていて

受様のズレた求愛にクスクス、
攻様の固い思考にジレジレしながら
とても楽しく読めました。

作中で2人には
可愛い子兎が誕生していて
攻様が溺愛系に変化しちゃってるのも
すごく面白かったです (^-^)

今回は攻様がもふもふな受様に迫られるお話で、
朝香りくさんの
『俺様にゃんこ、極道のもふもふになる』は
いかがでしょうか。
誤解が誤解をよぶラブコメディです♪

4

攻が男気ある!

兎族の王子、ユズちゃん、可愛い~。
ちょっぴしおバカな感じもまた可愛い。
箱入りなので天然というより天真爛漫な受ちゃんです♪
「もふもふオメガバース」と副題にある通りで尻尾とお耳がうずうずです。
子種を欲しがって交尾をねだって、あとびっくり行動(野〇〇)もあるけどそれもまた可愛いw

攻の高宮くん、高校生アルファなんだけど、とにかく男前!
誠実な感じがたまりません。
こんな高校生いたら最高です。

ちょっぴりうるっとくるところもありながら楽しませてくれました。
ユズちゃんが愛情を理解する過程もキュンっとなりました。
早漏描写も含めて可愛いカップルです。
そしてイラストも可愛くてお話の雰囲気にぴったんこでした♪

2

なんとも笑えて可愛い攻防です

こちら、モフモフ+オメガバースです。
デビュー作が好みだったので購入しました。

凄く可愛くて笑える作品かと思いきや、その裏にあるのはなかなか過酷な事実だったりと、しっかりとしたストーリーが魅力的でした。


内容です。
兎族の王子で、希少な白耳オメガのユズ。
生涯で30羽の子供を産む事を義務づけられていますが、じき18才になるのに発情が訪れません。
そこで18才になるまでに、優秀なアルファの子種を貰ってくるよう、アルファ専用男子校に送り込まれます。
寮の同室で生徒会長と、優秀な高宮に狙いを定めて迫るものの、堅物な彼は「好きな相手とするものだ」と全く相手にしてもらえずー・・・と言うものです。


まずこちら、キャラクターが魅力的です。
攻めの高宮ですが、堅物で真面目。
どれほど大胆にユズに迫られようと「性交は好きな相手とするものだ」と決して誘惑に屈しない。
かと思えばとても面倒見が良く、人間の世界に不慣れなユズの(迷惑をかけられつつも)世話をする。
あと、意外と照れ屋な所も可愛かったりします。普段とのギャップがよろしい。

対して受けであるユズ。
兎族が暮らす別世界から来た王子様です。
彼はですね、王子様だけあって超箱入りです。
あと兎族のアルファには生殖能力が無い為、唯一アルファとオメガを産める白耳のオメガは超希少。
その為、幼い頃から子供をたくさん産む事を自身のすべき事と認識させられています。
ただ、先にも書いたように、超箱入りで世間知らず。
誘惑するには抱きつくとか、お尻に子種を付けてもらうとかの、かなり中途半端な性知識しか持ち合わせていません。
そんなワケで、無邪気に「子種をちょうだい」だの「交尾しよう」だのと言い放つ。
そして欲しいとなったら躊躇せずに服を脱いで高宮の上に乗っかる・・・。
この二人の攻防が面白くてですね。
自身の信念(?)に従い、グラグラしつつも(男子高校生ですから!)徹底的に操を守る高宮に、なんとか子種を貰おうとあの手この手で奮闘するユズ。
なんとも可愛い上に萌える攻防です。

と、一見笑えて可愛いラブコメに思えるのです。
ところが、ユズが抱えている過酷な事実がございまして。
獣人は同じ相手の子種では妊娠しづらい為、次々と相手を変えて妊娠し続けなければならない事。
また、自分が子供を産まなければ、まだ14才の弟王子が子供を産まなければならないため、なんとしても18才までに身ごもりたい事。
そして、18才までに妊娠出来なければ、王が選んだアルファ達に強制的に種付けされてしまう事-。
「交尾してよ!!」の裏にそんな事情がある事を知らない、高宮とのすれ違いにヤキモキさせられと言った感じで。
ユズが誤解されてるのが切ないんですよね・・・。
いや、彼の言動が軽すぎるのが、主な誤解の理由でもありますが。

あと、高宮の親友とその兄で校医・大橋兄弟が超良い味だしてました。
受けに言い寄る魅力的な当て馬は大好きですが、それが兄弟で登場ですよ!


オチがですね、若干上手く行き過ぎな気はするのですが。
複数のアルファ達と檻に放り込んで、息子を妊娠させようとする無茶苦茶な王様が、そんな(わりと)アッサリ認めるか?と。

と、若干腑に落ちない部分はありますが、全体的には好みで楽しく読めました。
このタイプの受けて好みが分かれる気もするので、ひょっとして苦手な方もおられるかもしれません。ご注意下さい。



2

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