• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作愛人契約

早乙女浩二(38) 早乙女エンジニアリング社長
高橋涼(25) 翻訳家で愛人

あらすじ

亡くなった兄の代わりに、俺と契約しろ―。
翻訳家の涼の元にやってきたのは、青年実業家・早乙女浩二。
彼は涼が愛人をしていた兄の跡を継ぎ、社長に就任したという。
兄のスキャンダルを隠すため涼を秘書にすると、浩二は一方的に告げる。
強引に同居させたマンションや、締め切った社長室で繰り返される情事…。
けれど、最初は弄ぶようだった浩二の行為は次第に余裕を失っていき。

作品情報

作品名
愛人契約
著者
愁堂れな 
イラスト
水名瀬雅良 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199003431
2.8

(7)

(0)

萌々

(3)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
2
得点
18
評価数
7
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

愛だからこそ痛い

敏腕でガキ大将な俺様社長と、
物静かで穏やかな秘書。

穏やかな愛で涼を優しく愛してくれた俊一郎のおかげで、
ツライ過去も忘れるような緩やかな幸せを味わえた日々。
それなのに涼を残して急死した俊一郎。

そこへ現れた俊一郎の弟の浩二。
彼は涼を兄のお金目当てだとばかり思ってたので、
無欲な彼をみて興味が湧いて愛人にする事にして秘書にした。

見るからに俺様な態度の浩二は社内でも嫌われていて、
自分でも自分を鬼っ子だと言う、実は寂しく弱い人。
そんな一面に気づいたからかだんだん惹かれていく涼。

このあたりになると読んでる私も浩二っていい人かも、
な感じになってきて涼と心も通じ合う事を祈る気持ちでした。
あと浩二ってホントは優しい人だというエピソードも、
ところどころ書かれました。
なので彼は鬼畜でなくてあくまでもガキ大将。
しかも、とても優秀。俊一郎とは違うタイプだけど。

ラストはハッピーエンドなんですが、
そこでふたりの愛の違いに涼が気づいたのが良かったです。
浩二の愛は本物だけどだからこそ痛い。
そしてその違いを伝えたのも良かったと思います。
両思いというだけでなく人間的な面で、
本当に浩二良かったね、と思った愛の告白でした。

1

静かな恋愛物語

攻・早乙女浩二(38) 早乙女エンジニアリング社長
受・高橋涼(25) 翻訳家で愛人

浩二の兄・俊一郎の愛人だった涼。
涼の住む高級マンションに訪ねてきた浩二は、手切れ金代わりにマンションを買い取りたいと言います。
しかし涼は金もマンションもいらないから出て行くと。
欲張ったところを見せない涼に興味を持った浩二は、秘書として涼を雇います。

浩二のマンションの一室に間借りし、秘書として仕事を学ぶ涼。
会社では浩二の評価はとても悪く、優秀な故・俊一郎と比べて浩二を貶すばかりの秘書室長や社員達。
「お前も兄と比べているのか? だったら比べさせてやろう」
浩二は抵抗する涼を強姦します。

その時から、秘書の他に愛人の仕事もするようにと求められます。

涼と俊一郎は穏やかな愛情で結ばれていました。
会えば必ず抱き合うといったことは無く、ただ静かに寄り添うだけの日も多くある平穏で緩やかな、安寧を互いに求め合っている関係でした。

それは俊一郎が父親の期待に応えることに精一杯で疲弊していたからでもあるし、涼は囚われて脅迫でヤクザの愛人をさせられていた過去から逃れたいという思いがあったから。
お互いに求めるものが一致してて、必要としているものを与え合うことが出来たからの関係なんですね。

周囲の反発も無視し、精力的に新規事業を進める浩二。
何度も抱き合い、その強引さや身勝手さを恐れていたにもかかわらず、涼は浩二を憎んでいません。
時折見せる優しさや後悔の表情に、戸惑いながらも魅かれてゆくんです。

浩二は決して「出来損ないの息子」ではない。
父親が望む形に育たなかっただけで、優秀で才能のある人間なんです。
けれどそれを周囲は理解しないし、特に父親が浩二を全否定しているから…望む姿に成長した俊一郎だけを溺愛していたから、浩二は孤独だったんだすよね。
それを誰も気付かなかったし、浩二が気付かせようとしなかった。

涼にその片鱗を見せたのは…俊一郎と同じで、涼に安らぎを見つけたからじゃないかなぁ。

業績が上がると雑誌の取材も増え、秘書の涼まで記事になってしまいます。
その記事を見たヤクザ(かつて涼を囚えていた野々宮)が現われ、過去の強姦ビデオをネタに「スパイになれ」と脅します。
浩二に迷惑はかけられないと、涼はすぐさま逃げることを決めますが、当然、追いかけてくる浩二。

寂しくて不器用な大人たちの恋愛でした。

2

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP