小説

  • ていこうなんて、しないから

ていこうなんて、しないから

teikou nante shinai kara

  • 電子専門
  • 電子書籍【PR】

表題作ていこうなんて、しないから

福永脩介・大学生・21歳
福永朔生・会社員・24歳

あらすじ

片思い中の三歳下のおとうとから告白されて嬉しいけど複雑な兄の朔生。可愛く甘えられて全然抵抗できない……暴走ブラコンラブ!

作品情報

作品名
ていこうなんて、しないから
著者
栗城偲 
イラスト
大槻ミゥ 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイデジタルノベルズ
電子発売日
3.3

(3)

(0)

萌々

(1)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
10
評価数
3
平均
3.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

『制服プレイ』の部分が秀逸

『小説b-Boy 2012年11月号』掲載作品の電子書籍化です。
リブレの主にb-Boy単発作品の電子化は個人的なツボにはまると、とんでもないヒットを飛ばすことがあって楽しみにしています。
今作も『兄弟もの』がお好きな方は大好きなんじゃないかと思える作品です。
年下攻めでとても王道。

両親の再婚で16年間、仲の良い兄弟として育った朔生と脩介。いつの頃からか兄の朔生は脩介に恋心を抱いています。脩介の誕生日に内定が決まったことを知らされた朔生は大喜び。「誕生日と内定祝いのプレゼントは何がいい?」と尋ねる朔生に、脩介はキスをし「兄貴」と答えます。嬉しい反面、男同士であり、兄弟として育って来たことで、自分の想いが脩介の枷になるのではと恐れる朔生は、自分の気持ちに封印をし、今までと同じ様に脩介とは家族として接しようと決めるのですが、脩介からのアプローチはどんどん過激になってきて……

このお話が楽しいのはディテールだと思うんですね。
怪我をした脩介の入浴を手伝うシーンとか(「あ、来るぞ、来るぞ。あれ」とニヤニヤして待っちゃいました)箪笥の整理をしたいたら出て来た高校の制服を手に取っている所を脩介に見られて、そのまま『制服プレイ』に持ち込まされちゃうとか、家族ならではの『あるある』がお上手です。

あとね、グイグイ来る脩介が朔生の抵抗に遭うと「そんなに嫌だった?(ショボン)」と手を引いちゃう。
これ、弟攻めの鉄板ですよね。
私はあまり『兄弟もの』が刺さるタイプではないのですが、制服プレイからここに至るシーンはグッと来た。
だって、年齢差、それも家族として側にいてずーっと感じていた『年齢の壁』は努力によって何とかなるものではないんですもの。『無邪気なオレ様』としてやりたい放題している様に見えた脩介の好感度が一気に高まりました。

波乱はありますが、落ち着き先が見えているので安心して読めます。

2

可もなく不可もなし



p70弱の短編です。
血のつながらない義兄弟の両片想いものです。
弟への恋をこじらせている兄が、弟の内定が出たことをきっかけに告白され両想いだと知っても、間違った道に連れて行くのはという抵抗もむなしく・・・といった話です。

<あらすじ>
小さい時に両親の再婚により兄弟になった美少年顔の会社員・朔生(受け)とイケメンの大学生・脩介(攻め)。
内定が出たという脩介はお祝いに朔生が欲しいと言い出します。
朔生は両想いだということが嬉しい反面、脩介が自分を好きだというのは自分がそういう目でみていたから勘違いしているだけだと思い、離れて住めば自分も脩介も落ち着くだろうと急遽引っ越しを計画します。

嬉しいくせに、自分は脩介を諦められないくせに、ブラコンで兄弟としての情もある朔生は脩介には普通に結婚してほしいと思っており、両親に申し訳ないとかいろいろと内心で言い訳しながら逃げようとします。
それなのに、脩介のおねだりに滅法弱い朔生は結局形ばかりの抵抗しかできないんですね。

脩介は脩介で朔生の前ではかわい子ぶっていて、朔生は天使だピュアだと盛大な勘違いをしていましたが、実際は随分黒い男です。
朔生の抵抗に巻き込まれた友人の有安が一番の被害者でした。
高校時代の朔生に彼女を紹介したことを恨まれ、彼女や好きな子を奪われまくり、バイト先にはいやがらせをされ、おまけに有村に好意を寄せる男性の手引きをされるのです。
朔生が唯一脩介に関する相談に乗って貰っていた貴重な友人だったのに、不憫でなりません。

結局、朔生は脩介を拒み切れず、収まるところに収まったという結末を迎えるのでした。両想いなので、とっととくっつけばいいのにと思いながらも、兄として無邪気に喜ぶわけにはいかない朔生の気持ちもわからないではなかったのですが、脩介の朔生への想いは朔生よりもずっと拗らせていたようなのでしょせん無駄な抵抗でしたね。
話は王道で読みやすいですが、先が読めてしまえるので安心して読めます。が、ひとつくらい意外性があっても良かったかな。

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