王の初恋と運命の黒翼

ou no hatsukoi to unmei no kokuyoku

王の初恋と運命の黒翼
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神7
  • 萌×23
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

269

レビュー数
3
得点
53
評価数
12
平均
4.4 / 5
神率
58.3%
著者
紀里雨すず 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
絵歩 
媒体
BL小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
価格
¥690(税抜)  ¥745(税込)
ISBN
9784778126001

あらすじ

アネハヅルの国の一つ〈氷晶国〉の若き王・雲英は、ある目的のため身分を隠し、ヒマラヤを越える“渡り”に生まれて初めて参加した。群れを指揮する編隊長は、アネハヅルには珍しい漆黒の髪と翼を持つ天青。自分は優秀だと信じていた雲英に対し、天青は「チビ」「飛ぶのが下手」と容赦がない。つい反発してしまう雲英だったが、野営や集団生活に慣れない自分をいつも当然のように助けてくれるのは天青で――。

表題作王の初恋と運命の黒翼

天青、雲英の渡りの群れを指揮する隊長27
雲英、アネハヅル種の「氷晶国」の若き王16

その他の収録作品

  • あとがき

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レビュー投稿数3

「アネハヅルのヒマラヤ越え」からは想像も出来ない、深い作品でした

こちら、鳥人BLです。
アネハヅルの主人公がヒマラヤ越えをするー。
と、斬新過ぎる設定に、好奇心が勝って思わず手にとってみたのですが。

ところがこれが、すごくすごく良かったんですよ。
自然の壮大さや美しさを感じさせてくれる情景描写に感動し、健気過ぎる主人公に思わず泣きそうになり、予想外の展開にビックリする。
そして、感動のラストに胸を熱くする・・・。
いや、ホントにこう来るとは予想だにしなかったからね。
そんなワケで、とても素敵なお話に、強く心を動かされました。



内容ですが、ヒマラヤ越えの「渡り」の隊長・天青×アネハヅルの国〈氷晶国〉の若き王・雲英による、旅する大陸ものになります。

ある目的のため、身分を隠してヒマラヤ越えの「渡り」に参加する事となった雲英。
群れを指揮する天青からの、「チビ」や「飛ぶのが下手」と言った容赦ない言葉にプライドを傷つけられ、反発心を抱きます。
しかし、共に過ごす事で、彼の懐の深さや器の大きさに気付き惹かれてゆく雲英。
でも、渡りの最大の難所「ヒマラヤ越え」は目前で、天青との別れは迫っていて・・・と言うものです。


で、こちら、とにかく雲英が健気なんですよー!!
実のところ、最初は彼に若干イラついたんですよね。
雲英ですが、国王夫妻である両親が亡くなり、王位争いに巻き込まれた事から、9年もの間軟禁生活を送ってきました。
で、今回、王になるための政権譲渡の許可を得るため、どうしてもヒマラヤを自分で越えて、大国・頑火国に行かねばならなくなったー。

雲英はですね、関わるのはほんの一部の使用人と言う環境だったため、最初は世間知らずの超甘ちゃんと言った印象なんですよね。
自分の実力を把握出来てない上に、やたら意地っ張りで可愛げが無いみたいな。
が、ここからどんどん分かってくる彼の内面ー。

こちら、人間は存在せず、鳥人の世界になるんですね。
ヒマラヤなんて固有名詞が出ては来ますが、それ以外は完全なファンタジーで。
で、鳥人にもイヌワシだのナベヅルだのそれぞれの種族があり、アネハヅルである彼等は、唯一ヒマラヤ越えをするー。
この、群れの皆で夜営なんかをしながら渡りをするパートが、とても素敵なのです。
世間知らずで飛ぶのも下手な雲英を、厳しくはあるものの面倒見よく世話を焼く天青。
二人で飛ぶ練習をしたり、野外で星を見ながら静かに語ったり・・・。
また、自然の過酷さと美しさ、そして壮大さなんかをありありと感じさせてくれる、ヒマラヤ越えの情景描写。
まるで目の前で繰り広げられるような臨場感が凄いと言うか・・・。
う~ん。
お見事です。

で、このヒマラヤ越えで、唯一お供として共に来たじいやがケガを負い、代わりに頑火国に付き添う事となる天青。

終始、雲英の視点で進みますが、彼には絶対果たさねばならぬ役目があり、天青への想いは諦めなければいけないのです。
共に居られるこの瞬間を、大切な思い出として胸に刻もうー。
そう、戦争で家族を亡くすと言う辛い過去を持つ天青に、自分の家族を持って幸せになって欲しいと心から願う雲英に、なんとも切ない気持ちにさせられたりして。
彼はですね、最初の印象とは大違いで、実はとても健気なんですよね。
愛する人の幸せを心から願う純粋な姿に、なんだか泣けてくると言うか・・・。

で、秀逸なのがここから!!
頑火国に辿り着いた雲英を待つ、過酷な現実ー。
また、信頼していた天青の予想外の正体・・・。
ここで見せる雲英の毅然とした態度と言いますか、真の器と言いますか・・・。
最初、なんで王がこんな自国のでもない渡りの群れに参加するんだよとか、軟禁状態から急に解放されるっておかしいだろ、みたいな引っ掛かりを覚えたのです。
が、ここで真実が分かってくる・・・。
全てを分かっていて、国の為にやって来た雲英に、純粋な驚きを覚えると言うか。
その痛ましくも毅然とした行動に、深い感動を覚えると言うか・・・。
いやもう、切ない! 切ないんだけど、彼の芯の強さに胸が熱くなるんですよ。
雲英の事、誤解してたよ! 表面しか見れてなかったよ!!

ここから更に、驚きの展開と言うか、胸がすくオチなんかが待ってるのですが!
で、ラストがとても素敵だったりもするのですが!!
ホント、胸アツのラストなので!!

と、すごく面白くて心を動かされる素敵な作品でした。
いやもう、「アネハヅルのヒマラヤ越え」からは想像も出来ない深い作品でしたよ。




9

秘めた決意で挑むヒマヤラ越え

今回は国に属さない渡り隊の隊長と
北の小国・氷晶国の若き王のお話です。

ある目的で初めて渡りをする受様が
旅の中で成長し、恋を掴み取るまで

「渡り」をする習性を持ち
ヒマラヤ山脈を越える渡りをする
アネハヅル種はシベリアから
アフリカ北東部までの中央アジア一帯を
生息地としています。

ヒマラヤ山脈を境とする
5つの「冬の国」と5つの「夏の国」は
長年、互いの国民の行き来を協力し合い
平和を保ってきましたが

15年前に「夏の国」の1つ頑火国を
武力で制した蛇紋王が王位に就くと
次々と他の4国を攻め滅ぼして
南国全体を武力で支配しています。

受様は冬の国の1つ「氷晶国」の
第一王子として生まれますが
7才の時に国王夫妻が流行病で亡くなり
新王として即位することになります。

しかし、野心家の大叔父右大臣が
摂政に就いた左大臣を失脚させて
受様を軟禁、国政を我が物と化します。

それによって豊かだった国は
貧窮し民の暮らしも貧窮していきますが
受様が17才で成人し行政権を取り戻す日を
国民皆が希望としていていたのです。

ところが様が成人を半年後に控えたある日、
「冬の国」をも属国扱する蛇紋王は
受様が直接挨拶に出向しなければ
右大臣からの行政権の委譲を許さないとの
命令書を受様の元に送りつけ

受様は子供の頃から仕えるじいを共に
ヒマラヤ山脈を越えて頑火国へと
初めての「渡り」をする決意をします。

王としての身分を隠しての旅のため
受様とじいはフリーの渡り隊に加わります。

その渡り隊の隊長こそが今回の攻様です♪

攻様は南の国の出身ですが
戦災孤児でありながらも
渡り守の養成学校を首席で卒業、
その後はフリーで渡り隊を組織している
孤高のエリートでした。

受様は攻様に
渡りの飛行術を知らず体力もなくて
本当に渡りができるのか
と訝しまれてしまいます。

確かに軟禁された生活とは言え
侍従たちに大切に育てられた受様には
実際の自分の技術と山脈超えの困難が
見えていませんでしたが

受様は自分を待つ国民のためにも
ヒマラヤ越えを諦めるつもりはありません。

受様の旅は一歩目から前途多難、
果たして受様は無事に渡りができるのか!?

雑誌社投稿にて「期待賞」受賞し
WEB掲載されたお話を加筆修正した本作は
ヒマラヤ山脈超えという壮大な旅が
メイン舞台のファンタジーです。

前作も思いましたが
とても独特な世界観をもった作家さんですね。

「鶴」の擬人化って初めてお目にかかり
私的にはチャレンジャーな気分で
手にした1冊でした。

受様は監禁された生活の中でも
民を守る王族としての使命を忘れず
夏の国を平定している蛇紋王の思惑も
判っていながら頑火国を目指します。

対する攻様は
家族を殺されて孤独の中で成長し
まわりとなれ合わなう事を良しとせず
しいての孤独を貫いています。

当初は反発し合う2人ですが
隊長として高い実力を示す攻様の姿と
自らの進むべき道に妥協しない受様姿に
お互いの蟠りは消えていき

受様は攻様へと急速に惹かれていくのですが
渡りの先で受様を待ち構える未来には
攻様と共にいる選択肢はありません。

攻様といられる時間を思い出に
渡りを終えようとしていた受様ですが

ヒマラヤ越えの最中のアクシデントによって
重傷を負ったじいの代役として
攻様に伴われて向かった頑火国で
蛇紋王の策略が詳らかになり…

まさか!? Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
な攻様の秘密(身分というか正体というか)に
ガツンと衝撃を受け…

更に暗躍する人々が現れて…

受様が右大臣から実権を取り戻し
平和な国の礎を築いた後に
攻様の腕に抱かれる日まで

ワクワク&ドキドキ&ハラハラ、
たいへん楽しく読めました♪

頑火国での攻様の行動の
最終的な結果は想定内でしたが

蛇紋王と攻様の関係や
攻様と友人の渡り隊の隊長の密約とか
受様が真に秘めていた決意とかは
かなり予想外でした。

当初の受様は
やるべき事をなす気持ちが先に経ち
少し空回りしていましたが

反発しながらも攻様の教えを受け
現在の自分をありのままに受け入れる
素直さがあったからこそ
渡りの旅で人として大きく成長でき

そんな受様だからこそ
攻様のいきかたまでも変えて
最後のハッピーエンドを迎えられたのかな
と思いました。

雄大なヒマラヤの
自然の驚異とそれ故の美しさ優しさ、
受様の切ない恋心がとても胸を打つ
素敵なお話でした。

今回は本作同様旅モノで
櫛野ゆいさん『サーベルタイガーの獣愛』
などはどうでしょうか。
本作と違ってHはがっつりです(笑)

3

ヒマラヤ超え!

先生の商業2作目。1作目より前に投稿、webに参考掲載された作品を大幅改稿したようです。V字飛行をしている鳥の群れを見て思いついたお話とのこと。「ダー〇ィンがきた」を見ているような感動があったのですが、攻め受けにあんまり入れ込まなかったので萌2より萌にしました。本編260Pほど+あとがき。

舞台は中央アジア東部の平原。アネハヅルの鳥人である雲英(きら)がじいと二人で群れに合流するシーンから始まります。雲英はこの群れと共にヒマラヤを超え、南の国の蛇紋王に会いに行かなければならないのですが、群れの渡り守からはろくな飛び方もできないのに連れていける訳はないとけちょんけちょんに言われ・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
じい(受けの幼い頃からの側仕え)、灰簾(攻めさんの学校時代のルームメイト)、蛇紋王(名前でもろ分かり、悪党)といったところ。蛇紋王のビジュアルが無くて助かった・・

**以下は内容に触れる感想

ヒマラヤを超えるための飛行訓練や、翼、飛び方の記載、ヒマラヤ超えの記載などは、ワクワクブルブルする心地で素敵でした。ただ、上から目線的な物言いをする&実力ある攻めさんや、民のためにと行動をする素晴らしい王様である受けさんに、今一つ刺さるものが無かったんです。いい人達なんだけどな・・・
終わり方もなかなか良かったんですけど、王道だったからか、恋心方面できゅーんとシンクロするのが少なかったです。うーん。めちゃ残念。

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