王の初恋と運命の黒翼

ou no hatsukoi to unmei no kokuyoku

王の初恋と運命の黒翼
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×20
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
18
評価数
4
平均
4.5 / 5
神率
75%
著者
 

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イラスト
 
媒体
BL小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
価格
¥690(税抜)  ¥745(税込)
ISBN
9784778126001

あらすじ

アネハヅルの国の一つ〈氷晶国〉の若き王・雲英は、ある目的のため身分を隠し、ヒマラヤを越える“渡り”に生まれて初めて参加した。群れを指揮する編隊長は、アネハヅルには珍しい漆黒の髪と翼を持つ天青。自分は優秀だと信じていた雲英に対し、天青は「チビ」「飛ぶのが下手」と容赦がない。つい反発してしまう雲英だったが、野営や集団生活に慣れない自分をいつも当然のように助けてくれるのは天青で――。

表題作王の初恋と運命の黒翼

天青、雲英の渡りの群れを指揮する隊長27
雲英、アネハヅル種の「氷晶国」の若き王16

その他の収録作品

  • あとがき

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レビュー投稿数2

ヒマラヤ超え!

先生の商業2作目。1作目より前に投稿、webに参考掲載された作品を大幅改稿したようです。V字飛行をしている鳥の群れを見て思いついたお話とのこと。「ダー〇ィンがきた」を見ているような感動があったのですが、攻め受けにあんまり入れ込まなかったので萌2より萌にしました。本編260Pほど+あとがき。

舞台は中央アジア東部の平原。アネハヅルの鳥人である雲英(きら)がじいと二人で群れに合流するシーンから始まります。雲英はこの群れと共にヒマラヤを超え、南の国の蛇紋王に会いに行かなければならないのですが、群れの渡り守からはろくな飛び方もできないのに連れていける訳はないとけちょんけちょんに言われ・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
じい(受けの幼い頃からの側仕え)、灰簾(攻めさんの学校時代のルームメイト)、蛇紋王(名前でもろ分かり、悪党)といったところ。蛇紋王のビジュアルが無くて助かった・・

**以下は内容に触れる感想

ヒマラヤを超えるための飛行訓練や、翼、飛び方の記載、ヒマラヤ超えの記載などは、ワクワクブルブルする心地で素敵でした。ただ、上から目線的な物言いをする&実力ある攻めさんや、民のためにと行動をする素晴らしい王様である受けさんに、今一つ刺さるものが無かったんです。いい人達なんだけどな・・・
終わり方もなかなか良かったんですけど、王道だったからか、恋心方面できゅーんとシンクロするのが少なかったです。うーん。めちゃ残念。

0

「アネハヅルのヒマラヤ越え」からは想像も出来ない、深い作品でした

こちら、鳥人BLです。
アネハヅルの主人公がヒマラヤ越えをするー。
と、斬新過ぎる設定に、好奇心が勝って思わず手にとってみたのですが。

ところがこれが、すごくすごく良かったんですよ。
自然の壮大さや美しさを感じさせてくれる情景描写に感動し、健気過ぎる主人公に思わず泣きそうになり、予想外の展開にビックリする。
そして、感動のラストに胸を熱くする・・・。
いや、ホントにこう来るとは予想だにしなかったからね。
そんなワケで、とても素敵なお話に、強く心を動かされました。



内容ですが、ヒマラヤ越えの「渡り」の隊長・天青×アネハヅルの国〈氷晶国〉の若き王・雲英による、旅する大陸ものになります。

ある目的のため、身分を隠してヒマラヤ越えの「渡り」に参加する事となった雲英。
群れを指揮する天青からの、「チビ」や「飛ぶのが下手」と言った容赦ない言葉にプライドを傷つけられ、反発心を抱きます。
しかし、共に過ごす事で、彼の懐の深さや器の大きさに気付き惹かれてゆく雲英。
でも、渡りの最大の難所「ヒマラヤ越え」は目前で、天青との別れは迫っていて・・・と言うものです。


で、こちら、とにかく雲英が健気なんですよー!!
実のところ、最初は彼に若干イラついたんですよね。
雲英ですが、国王夫妻である両親が亡くなり、王位争いに巻き込まれた事から、9年もの間軟禁生活を送ってきました。
で、今回、王になるための政権譲渡の許可を得るため、どうしてもヒマラヤを自分で越えて、大国・頑火国に行かねばならなくなったー。

雲英はですね、関わるのはほんの一部の使用人と言う環境だったため、最初は世間知らずの超甘ちゃんと言った印象なんですよね。
自分の実力を把握出来てない上に、やたら意地っ張りで可愛げが無いみたいな。
が、ここからどんどん分かってくる彼の内面ー。

こちら、人間は存在せず、鳥人の世界になるんですね。
ヒマラヤなんて固有名詞が出ては来ますが、それ以外は完全なファンタジーで。
で、鳥人にもイヌワシだのナベヅルだのそれぞれの種族があり、アネハヅルである彼等は、唯一ヒマラヤ越えをするー。
この、群れの皆で夜営なんかをしながら渡りをするパートが、とても素敵なのです。
世間知らずで飛ぶのも下手な雲英を、厳しくはあるものの面倒見よく世話を焼く天青。
二人で飛ぶ練習をしたり、野外で星を見ながら静かに語ったり・・・。
また、自然の過酷さと美しさ、そして壮大さなんかをありありと感じさせてくれる、ヒマラヤ越えの情景描写。
まるで目の前で繰り広げられるような臨場感が凄いと言うか・・・。
う~ん。
お見事です。

で、このヒマラヤ越えで、唯一お供として共に来たじいやがケガを負い、代わりに頑火国に付き添う事となる天青。

終始、雲英の視点で進みますが、彼には絶対果たさねばならぬ役目があり、天青への想いは諦めなければいけないのです。
共に居られるこの瞬間を、大切な思い出として胸に刻もうー。
そう、戦争で家族を亡くすと言う辛い過去を持つ天青に、自分の家族を持って幸せになって欲しいと心から願う雲英に、なんとも切ない気持ちにさせられたりして。
彼はですね、最初の印象とは大違いで、実はとても健気なんですよね。
愛する人の幸せを心から願う純粋な姿に、なんだか泣けてくると言うか・・・。

で、秀逸なのがここから!!
頑火国に辿り着いた雲英を待つ、過酷な現実ー。
また、信頼していた天青の予想外の正体・・・。
ここで見せる雲英の毅然とした態度と言いますか、真の器と言いますか・・・。
最初、なんで王がこんな自国のでもない渡りの群れに参加するんだよとか、軟禁状態から急に解放されるっておかしいだろ、みたいな引っ掛かりを覚えたのです。
が、ここで真実が分かってくる・・・。
全てを分かっていて、国の為にやって来た雲英に、純粋な驚きを覚えると言うか。
その痛ましくも毅然とした行動に、深い感動を覚えると言うか・・・。
いやもう、切ない! 切ないんだけど、彼の芯の強さに胸が熱くなるんですよ。
雲英の事、誤解してたよ! 表面しか見れてなかったよ!!

ここから更に、驚きの展開と言うか、胸がすくオチなんかが待ってるのですが!
で、ラストがとても素敵だったりもするのですが!!
ホント、胸アツのラストなので!!

と、すごく面白くて心を動かされる素敵な作品でした。
いやもう、「アネハヅルのヒマラヤ越え」からは想像も出来ない深い作品でしたよ。




8

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