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陽ちゃん

狐の婿取りシリーズの第8弾。
涼聖と琥珀の愛され息子的存在である陽ちゃんを巡る少し不穏な騒動が描かれます。
ある日、陽ちゃんが夢の中で何者かに見初められたことで巻き起こる事件。
彼を全力で守ろうとする琥珀の深い慈愛、そして家族の強い絆に何度も胸が熱くなりました。
また、休暇をもぎ取って押しかけてくる白狐様のはっちゃけぶりや、大活躍も見どころで、いつにも増して賑やかで楽しい神様たちの交流が描かれています。
本編のハラハラ感を優しく癒やしてくれる、月草様と玉響様のお話も最高です。
相変わらずラブラブなメイン二人と、圧倒的な愛らしさで読者を虜にする陽ちゃんの魅力がぎゅっと詰まった、心温まるBLです。

子育て

人界での任務を終えて戻った七尾の稲荷の影燈が、なぜか幼狐の姿になってしまった幼馴染みの秋の波の育児担当に任命されるところから物語は始まります。
育児未経験な影燈が、夜泣きや不意のハプニングに右往左往しながらも、不器用かつ懸命に愛情を注ぐ姿がとにかく微笑ましいです。
ギャン泣きしたり甘えたりする秋の波ちゃんの破壊的な可愛らしさには、影燈でなくともノックアウトされてしまいます。
読んでいるこちらまで親バカのような温かい気持ちで見守ってしまいました。
切なくも、ほのぼのとしたトーンで描かれる二人のやり取りに終始胸がキュンとさせられます。疲れた心を優しく満たし、じんわりと温かい幸福感に包んでくれる、ファンタジーBLでした。

切なさと優しさ

人嫌いで孤独に生きてきた氷の辺境伯と、生贄として育てられた純真な第4王子。
重く切ない設定なのに、読み始めると不思議なくらい温かさも感じられて、一気に引き込まれました。

ミラがあまりにも健気で素直で、幸せになってほしいとずっと願いながら読んでしまう…。
言葉や文化の違う二人が少しずつ距離を縮めていく過程が丁寧で、ただ甘いだけではない心の交流に胸が熱くなりました。
グラントの不器用な優しさや、長い孤独ゆえの諦めも切なく、だからこそミラに絆されていく姿がたまらないです。
ファンタジー設定もしっかり作り込まれていて、妖魔や生贄の真実が明かされる終盤は読み応え抜群。ラストは爽快感もあり、読後感がとても良かったです。
シリアス寄りだけど、最後にはちゃんと幸せを感じられる素敵な異世界ファンタジーBLでした。

異世界

異世界転移から転生へとつながる壮大な設定がとても魅力的で、最後まで夢中で読めました。
単なる転生ラブではなく、王族や貴族社会の思惑、過去の因縁、身分差による葛藤までしっかり描かれていて物語に厚みがあります。

ヴィリとテオドールの関係性が本当に絶妙で、再会してからもお互いに踏み込みきれない距離感が切なく、少しずつ変化していく心情描写に何度も胸が締め付けられました。
特に、前世では“家族”に近い感情だったものが、今世で恋愛感情として育っていく流れがとても丁寧で良かったです。
終盤はこれまでの積み重ねが一気に報われるような甘さがあり、溺愛展開にニヤニヤが止まりませんでした。
シリアスと糖度のバランスも良く、世界観にどっぷり浸れる読み応えのある異世界転生BLでした。

野狐

物語としての大きな起伏というより、積み重ねてきたものが試されるような緊張感が際立つ巻でした。これまで当たり前のように隣にあった存在や時間が、実はとても不安定な均衡の上に成り立っていたのだと気づかされます。

特に、誰かを救うことと今ある幸せを守ることが必ずしも両立しない場面が描かれていて、
その選びきれなさがリアルに胸に残りました。
派手な感情の爆発ではなく、飲み込むような決断が続くからこそ、登場人物たちの覚悟が静かに伝わってきました。

また、優しさそのものが時に重荷になる描き方も巧みで、このシリーズらしい温度感のまま、
関係性の深さを一段掘り下げていて読み終えたあと、じわっと余韻が広がる一冊でした。

本宮

一見いつも通りの穏やかな日常が描かれているようでいて、読み進めるほどにじんわりと不安が滲み出てくる巻。
大きな事件が起こるわけではないのに、空気の変化や些細な違和感の積み重ねで物語に緊張感が生まれているのが巧みでした。

とくに印象的だったのは、言葉にしきれない想いや距離感の描写。
涼聖と琥珀の関係は安定しているからこそ、ふとした瞬間の揺らぎがよりリアル。また、陽ちゃんの存在が無邪気な癒しに留まらず、物語の感情の振れ幅を広げる役割を担っている点も魅力的でした。

派手さはないけれど、確かな愛情と避けられない変化の気配が織り込まれていて、読み終えたあともじわじわ余韻が残りました。

雨は

シリーズの中でもややシリアス寄りで、これまでの穏やかな空気から一転、緊張感のある展開が印象的な一冊。
村に雨が降らない異変をきっかけに物語が大きく動き、琥珀の身に起こる出来事には思わず息を呑みました。

琥珀を救おうと奔走する涼聖の姿はとても頼もしく、これまで築いてきた絆の強さがしっかり伝わってきます。
一方で、陽の存在がよりいっそう切なさを引き立てていて、家族としての繋がりに胸が締めつけられました。

甘さだけでなく、命や存在の危うさに触れることで物語に深みが増して、シリーズの中でも特に感情を揺さぶられる巻。優しい世界観の中にしっかりとしたドラマがありました。

陽ちゃん

シリーズ続編として、穏やかな日常に少しずつ波紋が広がっていく一冊。
基本はほのぼの甘々ながら、寿命差や妖力の問題といった切なさも丁寧に描かれていて、優しい世界観の中にしっかりとしたドラマがあるのが印象的でした。

特に陽ちゃんの存在感が圧倒的で、可愛さだけでなく健気さに胸を打たれます。
子どもゆえの不安や寂しさが物語に深みを与えていて、思わず感情移入してしまいました。
一方で、涼聖と琥珀の安定した関係も健在で、甘さと安心感がしっかり補給できるのも嬉しいポイント。
大きな波乱というより、小さな揺らぎと成長を描いた優しい続編。癒しとほのかな切なさを求める人にぴったりの一冊でした。

死に戻り

この作品、ただのやり直しモノだと思って読み始めたら、後半の展開にボロ泣きしました…!
一度目の人生で、俳優の夏希は先輩俳優の三間に抱かれ妊娠するも、何者かに殺されてしまいます。
死に戻った二度目の人生では「今度こそ三間に関わらず、お腹の子と自分を守る!」とベータに擬態して必死に生きるんですが、
なぜか一度目とは違う執着を見せる三間にどんどん追い詰められて愛されていくのが、もう切なくて堪りません。
実はこの物語、夏希だけでなく三間側の視点が明らかになった瞬間に一気に世界が変わります。
ミステリー要素もあって「誰が犯人なのか?」というドキドキ感はもちろんですが、何より「未来の子供」が二人の絆を繋ぐキューピット的な存在になっているのが本当に尊い…。
絶望から、二人が手を取り合って希望を見つけ出すラストは、読後の幸福感がすごいです。
切ないけど温かい、魂を揺さぶられるようなオメガバースを読みたい人に全力でおすすめします!

生贄?

ギャップが面白すぎて、最後まで一気に読んじゃいました!
「自分はドラゴンの生贄になるんだ…」と悲壮な覚悟を決める落ちこぼれ王子のノアと、
彼を一目見た瞬間から「運命だ!」と執着しまくるスパダリ辺境伯フィンのすれ違いが最高です。

ノアが覚悟を決める代わりに言った「僕をちやほやしてください!」という願いを、フィンが文字通り「全力」で叶える姿はもう笑っちゃうくらいの溺愛ぶり。
朝から晩まで世話を焼き、お姫様のように大切に甘やかすフィンの紳士的な策士っぷりに、読んでるこっちもニマニマが止まりません。
平和で優しい世界観なので、不穏な空気にハラハラしすぎず、二人の可愛らしい勘違いと甘いイチャイチャを安心して楽しめます。
守護獣のピーちゃんもいい味出してる!「とにかく甘くて癒やされるファンタジーが読みたい」という時にぴったりの一冊でした。