先生の『アンノウン』はだいぶ以前に拝読して好きな作品です。
本作は発売当時、レビューランキングトップだった時からずっと気になっていた作品。先日番外編が発売されたのを機にとうとう読んでみました。以下少々ネタバレありますので、未読の方はご注意ください。全230ページ。
オメガバースは好きなジャンルで、本作は特級αや、βの原因不明の生殖機能低下をΩの代理出産でカバーしている、などの独自設定が面白いです。
また高校時代の礼と司が、特級αとΩで両片想いなんだけど、いい意味でさっぱりとした友人関係でアオハルっぽさがいいな、と序盤は楽しく拝読していたのですが…。
まずは司が退学となるきっかけとなった北見。こいつが本当に無理です。オメガバでΩが襲われがちなのは重々承知してますが、こいつはβでラットになったわけでもなく、ただ性欲から生徒を襲った単なるドクズ教師。しかも特に制裁も受けずにのうのうと暮らし続けて、終盤にまたどの面下げての再登場。
この男が本当に不愉快だし、社会的に制裁を受けないのも受け入れられないです。
高橋さんがブン殴るシーンはかっこいいけど、そんな事で終わらせていい事じゃない。
また10年後再会した二人なんですが。心に傷を持つ司が礼に告白できないのはわかるのですが、特級αの礼がなぜいつまでも告白しないのか、ちょっとよくわからなかった。終盤でようやく告白したけど、これは司がヒート起こしてからだから、それまで見守ってたってことなのかな?自分には再会してからの展開がちょっと焦ったすぎるように感じました。(読解力の問題かも汗)
あとこれはもう仕方ないのですが、本作の絵柄、特に大人になってからの司のキャラデザが好みではありませんでした。礼もだけど、目が大きすぎる感じを受けて、顔のパーツのバランスなどが、すみません、好みではなかったです。
あと高校時代、司が北見に襲われた直後、司が礼の写真をSNSにたくさん上げたのは、これは北見の仕業なんでしょうか?一読してよくわからなかったんですが、「写真の事で北見とも揉めたらしい」という生徒のセリフがあるから、そういうことですかね。ちょっとわかりにくかった(読解力よ…汗)。北見どこまでクズなんだよ…。
大変高評価な作品で、きっと自分にも刺さるだろうと楽しみにしていたのですが、どうも本作は合わなかったみたいで残念でした…。
多くの方が絶賛レビューされている中、水を差すようなレビューで申し訳なく思います。
このような感じ方もあるんだなと思っていただければ(汗)。
電子 白抜き修正(濡れ場はほぼ修正不要な描き方。一コマだけ白抜き箇所あり)
大好きな作品です!4巻発売から7ヶ月。早めの発売で嬉しい♪
いつも驚く展開目白押しの本作ですが、5巻も凄かった…!ぜひネタバレ抜きで読まれることをお勧めします!以下なるべく決定的なネタバレはしないようレビューしてみますが、ネタバレ含みますのでご注意ください。(長文です、すみません汗)
5巻は3つのパートに分かれています。
①まずは4巻の続きの銅炉山編。
冒頭、南風(ナンフォン)と扶揺(フーヤオ)が登場。久々に4人のドタバタしたやり取りが楽しいです。とうとう南風は風信(フォンシン)、扶揺は慕情(ムーチン)だと明かされた。うん、みーんなとっくに知ってたww
雪山の雪崩を避けて、顔を隠した多くの神像がある洞窟に入る。これって花城が掘った謝憐なんじゃ…と思ったらその通りだったw
そしてとうとう、800年にわたる花城の愛が明きらかに!謝憐の反応を恐れて少し気弱な花城が可愛い。
二人の心が通い合う表紙のシーンは、言葉なく抱きしめ合う二人がロマンティックでキュンキュンします!
「俺を殺すつもりなの」
受け入れられた花城の喜びが伝わってきて、ちょっとうるっとしてしまった〜。゚(゚´ω`゚)゚。
過去仙楽国を破滅に導いた、四大害の白無相が生きていた!そんな緊迫した状況なのに、両想いになってソワソワした雰囲気の二人が可愛い。そしてやっとイチャイチャする二人が読めて嬉しい♡
法力を貸すという名目で深いキス、キャー(///ω///)
そして銅炉の中で、謝憐と白無相が戦い始める…ここで一旦現在編はおしまい。
②続いて「白衣禍世」というタイトルで、再び過去編へ。
仙楽国が滅びて、謝憐が人間に戻された後のお話。この辺り、謝憐、風信、慕情達に一体どんな過去があったのか、ずっと気になっていたので読めて嬉しかったです。
慕情がかなり早めに離れていったので驚いたけど、彼なりに考えはあったんだな。
謝憐は困窮する中必死に頑張っているけど、どんどん追い詰められていく姿が切ない…。゚(゚´ω`゚)゚。
しつこく付きまとう白無相の恐ろしい罠に嵌り、謝憐はまるで鬼のようになってしまう…!謝憐にここまで過酷な過去があったとは驚きました!しかし闇落ちするかと思われた謝憐が、たった一人の人の善意によって、自分を取り戻すシーンは、またまた泣けてしまった!
そして花城!800年前から、こんなに献身的に謝憐に付き従っていたとは…!!過去編の花城にもとてもキュンとさせられました♡
謝憐が二度目の飛昇後、すぐに下界に追放された事情も気になっていたので、そこも読めてよかった!色々なことが明らかになった過去編、大変面白かったです。
③最後は「天官賜福」というタイトルで、再び銅炉山へ戻る。詳しくは伏せますが特に終盤に大変驚きの展開が!
まずは謝憐が花城にキスで法力を借りながら、大きな神像を操り戦うシーンがダイナミック!4人の武神達が、ブツブツ言いながらも謝憐に力を貸す。二人のキスを見て困惑する神達が面白いww
苦戦する中、帝君も降りてきて白無相は悪霊を各地へ転送。
場所を変えて今度は悪霊退治していると、なんと懐かしい元風師と再会!風師は人に戻り、ひどい有り様だけど変わらず素敵な人で嬉しい〜!泣けてきちゃう…。
と謝憐が花城やその他の面々と協力して、白無相と戦っていたのですが…、ラストに驚愕すべき事態が!!これは本当に驚いたーーー!!
3巻で水師が死亡したり、4巻で霊文が逃亡したりした時以上の驚きでした!!
そしてラストは、ある人物の漢気を見せられて号泣しました……!!!
あーーーーなんてことーーーー!!!!(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
そんなところで5巻は終わり。また続きます。
それにしても、白無相はなぜここまで謝憐に執着するのだろうか、とずっと感じていました。まるで当て馬のようなしつこさだなぁと…。
しかし謝憐と花城の関係はとうとう一歩進んで、二人のイチャイチャやキスがたくさん読めて嬉しかった〜♡
ピンチに陥った謝憐や武神達…。この先どんな展開が待ち受けているのか…。6巻も楽しみです!
(6巻が最終巻なんですね!それで最終章のタイトルが「天官賜福」か〜。寂しいけれど早く読みたい!)
シーモア 挿絵なし キスまで
先生の『ちぐはぐなキス』『フェイクファクトリップス』が好きな作品。こちら作家様買いしました。全311ページ(大ボリュームでびっくり!)。以下少々ネタバレあります。
ゲームイラスト等の制作会社が舞台。
ある理由から、運命の出会いや永遠の愛は画面の中だけのもの、と思っている雪深(ゆきみ・受)。しかし後輩の芽吹(めぶき・攻)から、「攻略してもいいですか」と言われてしまい…というお話。
雪深はまるでゲームのキャラのように、スタイルが良くてクールな美人さん。芽吹は初めはダウナー系かと思いきや、実は一途な大型年下ワンコ(ちょっとクールめ)で、結構グイグイくるのが可愛いです。
ゲーム関連会社が舞台で、雪深のチームは乙女ゲームがメイン。お仕事の部分やイベントなども丁寧に描かれているので、乙女ゲームなどお好きな方はその辺りも楽しめそうです。
ページ数が多いだけあって、恋愛に興味を持てない雪深を、実はずっと雪深に憧れてきた一途な芽吹が、攻略しようと頑張る姿がじっくり描かれています。
お付き合いする前からえっちな展開になる作品も多いですが、本作は全くそのようなことはなく。一途な芽吹が雪深の凝り固まった気持ちを少しずつ溶かしていく、そんな恋がとても丁寧に描かれていて、好感を持てました。
恋愛に全く興味のなかった雪深も、そんな芽吹の一途で真っ直ぐな気持ちに絆されていく。
初めての恋を経験して、柔らかく変化していく雪深がとても可愛らしいです。
雪深だけでなく、なんと芽吹も初めての恋愛!キスだけで真っ赤になってる二人が可愛い♡
後半に攻め視点。
「絶対 誰にも取られたくなかったから」
そんな熱い気持ちが隠されていたのね、ときゅんとします。
終盤、誤解によってモダモダしちゃうけど、雪深が悶々とする気持ちを振り切って、「呪いは自分でとく」と芽吹に気持ちを伝えるシーンは、雪深の心の成長を感じられて、またまたきゅんとしました。
そして両想いになって雪深の家でキスするシーン。
雪深の「1回だけでいいの?」の後、玄関に入って激しくキスする!このシチュ大好きです!ドキドキしてしまう♡ 芽吹くんの雄味が良き♡ 我に返っちゃって残念〜w
しかしその後はなかなか手を出さない芽吹。恋愛初心者とはいえ10代じゃないんだからw
ラストにとうとう体も結ばれる。ここまで長かったな〜w
描き下ろしは、お互いに嫉妬し合う二人が可愛いです。そして長めな濡れ場が。本編はえち少なめなので、こちらで多めに描かれてます。エロティックな濡れ場で良きでした♡
恋愛不信だった雪深と、一途で恋愛慣れしていない芽吹の、ちょっと不器用な恋をとても丁寧に描いている作品でした。
ちょっと焦ったすぎる感じも受けたので、評価は神と萌2で悩みましたが、えちは少なめで、こんなふうにじっくり恋を描く作品もいいものだなと思ったので、神評価とさせていただきます。
シーモア 枠あり白抜き修正(最近真っ白な白抜きが多い中、形のわかる枠を付けてくれるのはありがたいなぁと思いました。)
先生の『冷蔵庫にネギがあったカモ』は既読です。本作は評価高めで試し読みもコミカルで面白かったので読んでみました。全199ページ。以下ネタバレあります。
火事で家とお金を失った大学生の友(ゆう・攻)が、便利屋を営む円(まどか・受)に拾われて、住み込みでバイトすることになり…というお話。
便利屋や探偵などのバディもの好きです♪
円はお金が好きなチャラ男(29歳)で、友をこき使う。あと風呂キャン界隈の人。お世話する友が大変そうww
友は助けてくれた美人な円に一目惚れして片想いしてる、20歳の年下ワンコくん。円のお世話で家事の腕が上がっていくw
そんな二人がバディを組んで、お客さんや円の知り合いの陣内から持ち込まれる依頼を解決していきます。
しかしタイトル通り、円には何か秘密があるようで、少しずつそれが匂わせられて、中盤ではなかなか重い過去が出てくる…。
ラブも少しずつ進んでいって、どうやら円も友を憎からず思っている感じ。ウブな年下ワンコを年上美人が翻弄しちゃうw
仕事で円がセックスドラッグを飲んじゃったシーン。友が抜いてあげるんだけど、グズグズにな円に煽られても我慢した友が男前でかっこよかった!(勢いで致しちゃう展開よくあるよな〜。)
いい雰囲気になってきたと思ったら、後半友があることを誤解して円の家から出て行く。人の話をちゃんと聞かないとか、やっぱりガキだな〜(汗)
でも今度は陣内さんに拾われて…。陣内さん、すっごくいい人〜!ほっこり。
迎えに来た円、泣いちゃった。べしょ顔、めっちゃ可愛い♡
すったもんだあったけど、終盤に両想い。
始まりは友が円に救われたけど、一緒に暮らすうちに円も友に救われてたんだなぁ。
そして両想いになって初めてのえっち。
友は男は初めて、円は経験ありで久しぶり。なんだけど、円の反応が慣れてる感じじゃなくてトロトロにされちゃうのが可愛かった。そして友は、濡れ場では猛犬になった…ww
ラストの元相棒・明との再会シーン、ちょっとウルっとしたけど、明の恋人エリさんがいい味出してる。陣内さん、エリさんなど、脇役も魅力的なので、この人たちが出てくる続編を読んでみたい気持ちになりました。
ラストは素敵なタイトル回収。
「ひみつごと」は、円の「秘密事」と、友が「秘密ごと愛する」を掛けてるのかしら。お洒落だな〜。
描き下ろしは、友ワンコの円へのイタズラがえっちで良きでした♡
ストーリーはだいたい想定内の展開でしたが、コミカルなシーンは楽しく、ほっこりするお話でした。
作画、キャラデザは綺麗ですが、攻めにもう少し男らしさがある方がよかったです。
電子 ライトセーバー修正(形もよくわからない残念な真っ白発光(泣))
初読み作家様。
クラシック音楽やピアニストを描いた作品が好きです。本作も試し読みで素敵な導入に惹かれたので読んでみました。全240ページ。以下少々ネタバレあります。
依鈴(いすず・受)は才能あるピアニストだが、友人の当真(とうま・攻)が関わるある事情から、海外での活動ができずにいて…というお話。
まずは作画ですが、2冊目のコミックスのようですが緻密で美しいですね。本作のしっとりとした世界観ととてもマッチしています。
依鈴がえらい美人さんだなと思ったら、作家インタビューによるとハーフでした、なるほど。
依鈴と当真は高校時代からの友人で、お互いそれ以上の気持ちがあるのに、先に進めないでいる。それには過去のある出来事が影響していて…。
その出来事によって、依鈴は当真に罪悪感があり側を離れられず、海外で活動することができない…。
そんな込み入った二人の関係性を、とても丁寧に描いていきます。
過去の当真の弾くピアノをとても好きだった依鈴が、自分が原因でピアノを弾けなくさせてしまったというのは、とてもつらい状況だろうなと胸が痛みました…。
一見平和だけど停滞していた二人の状況が、依鈴の弟・巡の行動によって変化する。
海辺で当真が依鈴にあることを伝えるシーンが、切なくも美しいです。
過去の事件についてちょっと?と思ったのが、依鈴がされたことは、学校側にも報告しないで当真が退学したってことなんですよね。いくら周りの目が気になるとはいえ、学校にも報告しないのはどうなのと思った。当真が不憫すぎる…。しかも逆恨みまでしてきて、とにかくこの元教師がクズすぎて大変胸が悪くなりました…。
どんなにつらいことが起きてもピアノを手放せない依鈴。当真はそんな依鈴だからこそ好きなんだろうなぁ。
最後のコンクールの演奏シーンは、描写がとても素敵でした。そしてバルトークの曲を聴きながら読んでみたら、再びピアノを弾きたい気持ちを取り戻した、一皮剥けた依鈴にぴったりな曲調で、心地よい高揚感が得られました。
最後当真に「この手もはなさない」と力強く伝える依鈴は、男前でかっこよかった!涙する当真も幸せそう…。
過去の不幸な出来事により、心が傷つき、関係が停滞してしまった二人の切ない恋が描かれる、美しい作品でした。
演奏シーンの描写もとても綺麗なんですが、後書きによるとそれぞれの演奏に当てた楽曲があるとのこと。ぜひどんな曲なのか知りたいなと思いました。Xとかで公開してくれないかなぁw
あと当真の飼い猫のほこりちゃんが、すご〜く可愛いくて動きがリアルで、先生の猫愛を感じました♡
しっとりした切ないラブストーリーをお求めの方に、ぜひおすすめしたい良作でした。
⚠︎注意⚠︎
作中でもしっかり注意喚起されますが、未成年への性的加害を示唆するシーンがあります。苦手な方はご注意ください。
電子 修正箇所なし(濡れ場は回想で3コマほど)
好きな作家様。『獣の王と狼面の番』『午前2時まで君のもの』『糸永くんの恋の糸』などが好きで、シリアスもありつつ、きゅんとする部分もある作風と思っていたんですが…。
ここ最近の『ゆらゆら揺れる』『Kの支配者』などは、かなりダークな作風で少々驚いていました。
こちらも試し読みでそのような印象を受けて、ダークな作品も好みなので拝読しました。
前編は全48ページ、後編は全58ページ。
以下ネタバレありますのでご注意ください。
まず一読して、Dom/Subユニバースのような印象を受けました。そしてかなりシリアス・ダークな作風で、ガチ兄弟ものです。
圧倒的支配者の父のいる家を15歳で出た龍蔵は、自身も支配者の性(さが)を持つ。父が死に13年ぶりに実家に戻ると、優しかった兄・龍彦は、まるで父のように暴力的になっていて、「ここはお前の居場所ではない」と冷たく突き放されるが…というお話。
前編は攻め視点。
攻めの龍蔵は支配者の性を持ち、Domのような人。相手の「人生の全てを支配したい」という欲求を抱いているが「その支配欲に誰も着いてこれない」と感じている。
龍蔵のキャラクター、圧倒的な雄味で冒頭からゾクゾクさせられます。
受けの龍彦は、妻子や使用人に暴力を振るい、かつての優しさは消えたようだった。龍蔵は「この家に居場所はない」とすぐに出て行こうとする。
しかし女中に激しい折檻をする龍彦を殴って止めたところ、兄の隠していた本性が明らかになり…。
この龍蔵が本当の龍彦を知る一連のシーンがもう圧巻というか…!自分の奴隷を見つけた龍蔵と、ご主人様と出会えた龍彦、二人のマッチングとエロスにゾクゾクさせられました…!
(ここまでが前編)
後編は受け視点。
龍蔵に支配される龍彦が、初めの頃とはまるで別人。支配され喜びに震える姿がドエロいです。
そして父に支配されてきた過去が語られる…。詳細は伏せますが、父の死の真相がなるほど!という内容で興味深かったです。
そしてそれまで頑張ってきた龍彦にご褒美を与える濡れ場がもう…!龍蔵の雄味に、支配されて歓喜に浸る龍彦…。大変激しく背徳的な描写に、ゾクゾクが止まらず震えます…。
(しかし白抜き修正はかなり残念でした。ここまでの作品なら、もうR18版でしっかり見せてほしかった…!)
終盤は、やっと全てを支配してもらえた龍彦と、望んでいたように全てを支配できる龍彦と家を手に入れた龍蔵、二人がすごく幸せそうで…。龍彦には「よかったね…」という気持ちになり、龍蔵の穏やかな表情にもきゅんとするものがありました。
とはいえラストページが不穏な雰囲気で…やはりこのまま平穏にはいかないのだろうかと、不安な読後感でした。
SM、Dom/Sub、兄弟もの、シリアスダークな作風がお好きな方には、ぜひおすすめしたい神作でした!
⚠︎注意⚠︎
他のレビュアー様が詳細に書かれている通り、ガチ兄弟、女性との絡み、SM的ハードプレイ、小スカなどなど、地雷要素がかなりあります。ご注意ください。
(2026年春に『Kの支配者』と本作が収録される短編集が発売とのことです!)
シーモア 白抜き修正(上記の通り、大変背徳的で激しいな濡れ場なので、良修正で読みたかった…残念!)
初読み作家様。
ロマンティック・アセクシャル=ノンセクシャル(恋愛感情は抱くけど性的欲求は抱かないセクシャリティ)を描いた作品。これまで二作品ノンセクシャルを描いた作品を読んで、どちらも素晴らしかったので、本作も期待して読んでみました。全203ページ。以下少々ネタバレあります。
大学1年の末永は、あることがきっかけで人間関係に自信喪失中。演劇サークルの先輩・古葉はアセクシャルで、傷ついた過去があり恋愛を諦めている。そんな心に傷を持つ二人が交流し、恋に落ちていくお話。
二人がサークルの活動で、舞台の稽古をしたり、一緒に芝居を観にいったり、合宿に参加したり、少しずつお互いのことを知って恋していく様子が大変丁寧に描かれていて、とても綺麗なお話だなと感じました。
しかし一読して、あたたかい、いい作品だなとは思ったのですが、期待したほどは刺さりませんでした。なぜだろうと再読して考えてみました。
まず末永が高校時代、自分では陽キャの一軍と思ってたのに、実はノンデリで友達に嫌われていたという設定なんですが…。この子が他人の目を気にするようになったとはいえ、普通に健気で一生懸命ないい子で、高校時代のノンデリ陽キャの姿が全然浮かんで来ない、ピンと来ないんです。
後半に高校時代の友達が出てくる場面も、いいシーンだけどいまいち入り込めず…。
この点がしっくり来ないので、読んでいて時々気が散ってしまいました。
あとは、末永が健気で可愛い年下ワンコ攻め(仮)なんですが、可愛すぎる攻めには個人的に萌えを感じにくかった…かもです(汗)
本編はラストは「あ、ここで終わりか…」という感じを受けました。そして描き下ろしは交際している二人。
全体的に素敵なストーリーだなとは思うんですが、ラストと描き下ろしを読んでも、この二人がこの先ずっと一緒に居続けられるのだろうか…という疑問が生じました。
作中に古葉のしどけない寝姿を見た末永が欲情するシーンもあったし、セフレもいたし、普通に性欲のある末永が、ずっと恋人と性的な触れ合いができない状態に耐えられるんだろうか…そんな雑念が浮かんでしまい…。
どうにも両想いになってめでたしめでたし、という読後感を得られませんでした。
ノンセクシャルというのは、難しいテーマなんだな…と改めて考えさせられる作品でした。その点勉強になりました。
私はちょっと斜に構えて考えすぎるのかもしれません。
大学生の純愛を丁寧に描いた綺麗な作品でしたので、あらすじや試し読みで興味を持たれた方は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
⚠︎注意⚠︎
序盤に末永に女性のセフレがおり、性行為を匂わせる描写があります。行為の描写はなし。苦手な方はご注意ください。
電子 キスなどの性的行為はありません
初読み作家様。初コミックスの『居候の躾け方』が気になりつつ未読。本作は試し読みしてビビッ!ときたので読んでみました。全189ページ。以下少々ネタバレあります。
受けの上條は、ガタイのいい男前で同性に頼られる会社員。しかし実は少女漫画を描く趣味あり。攻めの雨京は女性にモテる王子的イケメン社員で、上條は密かに雨京をモデルに漫画を描いていた。ある時雨京にそのことがバレて漫画を手伝ってもらい、その対価として緊縛され写真撮影されてしまい…というお話。
試し読みでわかりますがギャグコメディです。
ずっとクスクス笑っちゃう楽しい作風です♪
上條はムチッとしたデカムチ体型で、スーツの上から緊縛されると雄っぱいがえっちです。雨京は上條より若干細め、身長も少し低めで、若干の逆体格差です。
雨京が漫画を手伝った日から交流を持ち始める二人ですが…読み進めるうちに、どうやら雨京が上條に執着しているらしいことわかってきます。
雨京の紹介でスーツを仕立てた上條を、徐々に追い込んで自宅へ連れ帰る雨京の手腕が見事ですw(「なんつーオトし方だ」byタクシー運転手ww)
そして雨京宅でお酒を飲んだ後、緊縛・撮影される上條。顔を上気させて雨京に触られちゃう上條が、めちゃくちゃ色っぽくてエロいです♡
雨京がバグった距離感でグイグイ迫るので、ウブな上條はどんどん意識し出しちゃう。赤面で困り顔の上條がほんとにカワユイ♡ 雨京がムラつく気持ちわかる〜〜ww
初めは男前リーマンだったのに、雨京の前だと恋する乙女になっていっちゃう上條の可愛さにギャップ萌えです♡
(上條は少女漫画を描くのが好きなだけあって、心に乙女な部分なとこがあるってことなのかな〜w)
雨京と話す妹に思わず嫉妬しちゃった上條に、雨京がキスするシーン。すごくエロティックな描写でゾクゾクしました。
ギャグだけでなく、えっちなシーンはしっかりえっちなのも本作の魅力です♡
そして雨京の部屋へ行き、えっちなことをしつつ、色々明らかになりますが、この辺はネタバレなので割愛します。ただ雨京はなかなかのヤバさでしたwww
終盤に濡れ場がありますが、雨京はかなりSっ気があって言葉責めで意地悪する。一方上條は実はかなりのドMで、意地悪されて体が喜んでしまうタイプでした!大変えっちな濡れ場で良きでした♡
ガチムチ受けはそんなに得意じゃないと思ってたんですが、上條は恋して乙女みたいになるのがすごく可愛かったです。そして雨京のヤバいド執着も好みでした♡
ギャグコメ、緊縛、ガチムチ受け、雄っぱい、ド執着攻め、などにピンと来る方におすすめしたい作品です。
かなり好みの作風でしたので、今後の作品も楽しみにしています♪
『居候の躾け方』も読んでみようと思います☺︎
電子 白抜き修正(濡れ場は1回)
この続編が発売されたので、先日ずっと積んでいた1巻をようやく拝読しました。素晴らしかったのでこちらも読んでみました。全216ページ。以下ネタバレあります。
まず表紙、純多のルビーレッドと、牧瀬のサファイアブルーの結晶が舞っていて美しい♡
養護教諭でβの牧瀬と、十歳年下の元生徒の朱音純多(Ω)。付き合って9ヶ月目。
すごく真面目な牧瀬だけど、ヒートえっちの時は噛み癖があり、キスマの数も半端ない。想像してた通りの執着攻めだ〜w
純多が失恋した友人のα・叶芽と一晩飲み潰れてたら、なんと牧瀬が叶芽を殴ったのには驚いた!自分に厳しい分、他人にも厳しいのかな〜(汗)
今作では牧瀬のαの兄・翔(カケル)が登場!
初めは無表情でちょっとコワい感じだったのに、お話が進むにつれ、実はなかなかのブラコンてことが明らかになるのが面白かったw
あと兄の前だと牧瀬が子どもっぽくなるのも可愛いw
一方純多は、牧瀬との同棲とか婚約などの話が出てきて、このままの自分じゃヤバい!とハローワークに向かうも、大勢の人のフェロモンに当てられて体調不良に!フェロモン見えるの、こんなに大変だったのね(泣)
偶然、翔に助けられて色々話してるうちに、怖そうだった翔が、実はすごく弟を大事に思っていて、心配している姿にほっこりしました。
しかし翔のある偏見に純多がキレてしまう。
「これ以上好きになれる人なんかいない!」
と翔に啖呵切る純多は、男前ですごくかっこよかった!
そこに帰ってきたマキさんが、兄の前で純多にめっちゃキスして牽制する!独占欲どんだけ〜!ww
その後、純多が兄に好感を持ったことを感じて、心がざわざわしてしまう牧瀬。強すぎる独占欲に、初めはキュンとしてたんだけど…。終盤になり、その独占欲や嫉妬心は、萌を感じてる場合じゃない深刻さがあることがわかってきます。
牧瀬の中にある、優秀で優しいαの兄へのコンプレックス。βとして生まれ両親から顧みられなかった心の傷…。牧瀬の心の中にはそんなつらさが仕舞い込まれていて、βの自分がΩの純多を幸せにできるのか、という不安に繋がっていて…。
「不安なんだ マキさんも」
牧瀬の不安な気持ちを聞き、「返したい」と、βの牧瀬が大好きなんだって気持ちを、純多が一生懸命に伝えるシーンは、牧瀬と一緒に私もぽろぽろ泣いてしまいました…マキさん、ほんとによかったね…。゚(゚´ω`゚)゚。
噴水の前で笑いあう二人は、十歳の歳の差なんて感じられない対等なCPに見えて、とっても素敵なワンシーンでした♡
ラストでは叶芽のおかげで、マーキング+チョーカーがα避けになりそうってわかって、二人の憂いが少しは解消されてよかったなぁ。
でもマキさん、これからずーーーっとマーキングし続けちゃうねw
1巻に続いて、2巻でも泣いてしまいました〜!。゚(゚´ω`゚)゚。
朔先生の作品には、いつも泣かされてしまいますw
素敵な続編をありがとうございました♡
電子 ライトセーバー修正(濡れ場は数回ですが、修正箇所は少ない描き方をされています)
連載開始時から大好きな作品。単話も読んでいますが単行本もお迎えしました♪1巻に続き今作も表紙が美しくてきゅんとします♡
全173ページ。以下ネタバレあります。
1巻で、王佳(おうけい)が陛下を意識し始めた続きです。
まずは冒頭で驚いたのが、陛下はまだ挿入はしていなかったんですね。王佳を気持ちよくしていただけだったとは!何をするのも許される立場なのに、心を伴わない行為はしたくないということかな。
行為について無知な王佳が、付人の端正に詳細を教わるシーン、コミカルで好きですw
そして身なりを美しく整え、陛下を迎えるけれど…。王佳は陛下に特別な気持ちを抱くけど、恋とはわからず言葉選びを間違えて、気持ちが行き違ってしまう…。この8話が大好きで、単話を何度読み返したことか…!両片想いが切ないです…。゚(゚´ω`゚)゚。
光河の視察について陛下の許しを得たので、気持ちがすれ違ったまま、王佳は同僚たちと一緒に出発する。9話からは再びお仕事編に。
二手に分かれて、王佳は男前上司の王悟と旅することに(先生によると王悟は当て馬です、ハラハラ)。旅に出ても陛下のことを考えてしまう王佳。
一方陛下も、王佳の不在を隠すため王佳の部屋で過ごし思いを馳せる。想い合う二人…。
王佳は王悟に、名は伏せて陛下への苦しい想いを打ち明ける。そして王悟の言葉により、陛下への気持ちが「恋」だと知る(ようやく!)。
街に着くと、王悟と王佳は必ず部屋を別々にするように、都から厳しい命令が。(陛下の意向だな、間違いないw)と思ったら…答えは描き下ろしにw
河の視察では問題が発生する。このままでは治水ができない?!
悩む王佳の元に、陛下から手紙が届く。
王佳への想いに溢れた美しい恋文に、涙する王佳。二人の純愛が美しくて、胸がギュッとしてもらい泣きしてしまった…。
治水の問題は、王佳の思いつきによって、解決策が見出される。そしてとうとう一行が帰京する!
陛下が王佳の部屋へ駆けつけると、王佳は美しく装って待っていた。出仕をせずに王貴人の部屋で待っていた理由が健気で可愛い♡
旅の間に陛下への気持ちを自覚した王佳が、陛下へ想いを伝える…
「誰かを好いて…その者に好かれる」
叶うまいと思っていた陛下の願いが叶ってよかった…また泣けてしまいました…。
そして閨を共にする二人。
このラスト、めちゃくちゃトキメキました…!読みながら心音がバクバクしてました!
「お前の心も私にくれ」…なんてロマンティック…!
単話の8話を読んだ時は、かなり切なくなったものでしたが、今作で12話を読み、自分の気持ちも昇華されました。ようやく二人の気持ちが通い合って、本当によかった……。゚(゚´ω`゚)゚。
2巻はいいところで終わってしまった〜!
13話はこの続きなんでしょうか?
治水のお仕事も進んでいくのかな?
続きも楽しみに待っています!
描き下ろしは、旅をする王佳と王悟の様子を聞き、陛下の心が暗黒面へ堕ちそうになるお話でした。めっちゃ笑ってしまった〜〜ww 王悟の無事を祈る!ww
カバー下の後書き漫画は、先生が歴史の学びを頑張ってらっしゃるお話。ガンバです!(ง⁎˃ ᵕ ˂ )ง⁾⁾
電子 白抜き修正(海王社さんのスペシャル修正が終わり、1巻では白短冊だったのに白抜きになりました…クスン。しかし以前購入した単話の8話を読み返したら、そちらは多めの白短冊でした)