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設定倒れ

半陰陽(アンドロギュノス)をオメガバースという設定に落とし込むために、あれこれ苦心して書かれた作品という印象。肉体関係を持っているのに、受けが攻めを受け入れず、拒否し続ける理由が不可解で、読んでいて不愉快な気持ちになる。結局、それが作品を盛り上げるための、そして半陰陽(アンドロギュノス)という設定に整合性を持たせるための「道具」になってしまっているからだと思う。

半陰陽は実際に存在する病気で、現在もインターセックスに悩んでいる方がいるにもかかわらず、それをネタにして、しかも矛盾を抱えた設定(アルファも半陰陽である)になっているので評価できない。

最後の犯罪がまるっと無視されている

他の方の評価が高いのが意外だと思いました。
攻めには現在進行形で彼女がいて、その問題も解決されないままお話が進んでいきます。
物怖じしない性格が帰国子女だからというこじつけも、該当する人たちに失礼だと思いました。

障害者をネタにしているのですから、泣けるのは当たり前です。
ちょっと感動ポルノ的なあざとさを感じました。

一番気になったのは最後の犯罪がまるっと無視されている点です。
障害やその他は地に足のついたリアリティーのあるお話なのに、ここだけ綺麗に無視されているのがあまりにもご都合主義的すぎて腑に落ちませんでした。
それをファンタジーというのなら、どうして障害をネタにしたのでしょうか。

都合のいい所だけをネタとして持ってきてツギハギをしたような内容に憤りを感じました。そして、攻めのキャラクターのどっちつかずな性格に最後までイラッとさせられました。

上質な昔話BL

読みやすく雰囲気のある文章。過度ではないが時代考証もきちんとなされており、すんなりとこの世界に入れる。不憫な受けと攻めが出会い、お互いの傷を癒しながら愛を育んでいくお話。エロも濃厚で様々なプレイが楽しめる。(木に括りつけたのは多少、可哀相だったが)方言も楽しめ、ファンタジー要素もあり、最後まで飽きずに読むことができた。体格差萌え、方言萌え、時代物萌えと様々な萌えに溢れているので嵌る人も多いのではないかと思った。続きが読みたい。

表紙に惹かれて

表紙に惹かれて購入。ずっと攻めだった男が受けになるお話。最初はマウントを取り合う話かと思いましたが、意外や意外、自分の人生を受け入れる真面目なお話でした。本来の自分を取り戻す、あるいは手に入れる、といった人としての本質的な部分に触れるストーリーでした。Hシーンも濃くてよかった。ラストのHはなかなか面白いものがありましたが、ネタバレになるので控えます。お仕事描写も楽しめるのでリーマンモノが好きな方にお勧めします。