これで終わりにできると思っているのか?

ハイスペックな彼の矜持と恋

high spec na kare no kyouji to koi

ハイスペックな彼の矜持と恋
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神78
  • 萌×243
  • 萌18
  • 中立3
  • しゅみじゃない29

--

レビュー数
14
得点
619
評価数
171
平均
3.8 / 5
神率
45.6%
著者
夕映月子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
香咲 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576171913

あらすじ

三十路を前にタチ専門の己に違和感をいだき始めた槙。
お試し相手のタカシは相性もテクニックも完璧だったが…。

外資系リサーチ&コンサルティングファームの調査員兼分析官の槙は、その界隈では「ハジメテはマキくんで」と言われるほど紳士的なタチ。
しかし三十路を前に、一度誰かに抱かれてみたい、完璧なタチの自分をぶち壊してほしい、という願望が芽生えてしまう。
偶発的に及んだ超肉食系エリートビジネスマン・タカシとのお試し行為は、槙の想像を超える快楽で…。
「男」の自分は死んだ――そう自覚した槙はタカシごと自分の性指向を封印するが…。

表題作ハイスペックな彼の矜持と恋

三隅崇,紳一郎と一夜を過ごした超肉食系エリートビジネスマン、35
槙紳一郎,外資系企業の調査員兼分析官で紳士的なタチだったが…?、29

その他の収録作品

  • ハイスペックな彼の矜恃と可愛げ
  • あとがき

レビュー投稿数14

抱き合う事に意味がある!!

めちゃくちゃ良かったです。「男の自分は死んだ」というあらすじを読んだ時は、「なんじゃそりゃ」と正直思いましたが。
作者さんの持ち味が、すごく良い形で出てる今作。いい意味で「面倒くさい大人の男の恋愛」です。


内容です。
エリートリーマンで、紳士的な「タチ」の槙。しかし30を目前に、自分の性指向に疑問を抱くように。
そんな疑問を解決するため、偶然知り合った超肉食系エリートビジネスマン・タカシと一夜を過ごしますが、凄まじい快感に自分のアイデンティティ崩壊の危機に。更に数日後、アメリカの本社から帰国した凄腕のコンサルタントとして「タカシ」と再会し-・・・。


こちら、二人ともタチを張れるハイスペックな男達です。
まさにスーパー攻め様と言った、超肉食系で自信に溢れた男・三隅(タカシ)と、完璧に仕事をこなし容姿端麗な紳士的な男・槙。

ずっとキレイ系や可愛い系のネコを抱いてきた槙が、自分の性指向に疑問を持つようになった所からお話はスタート。常に「格好いいタチ」として振る舞う彼は、心から自分を解放してセックスを楽しんだ事が無いんですね。そこで、本当は自分も抱かれたいのでは無いか・・・。でも、醜態を晒すのは恥ずかしいと悶々と悩んだ挙げ句、見ず知らずで抱かれてもいいと思えるような男・タカシと寝るワケですが、思いもよらず職場で再会と言う流れです。


最初はあまりにグダグダ悩んでいる槙に、ややうっとおしさを感じます。良くも悪くも「プライドの高い大人の男」なんですね。自分が組み敷かれるのには抵抗感があるのに、自分が「抱かれる」側だとも明確に理解してしまう。

そんな槙を超強気でグイグイ追い詰める男・三隅。ただ単に強引なだけの男かと思いきや、槙のプライドを決して傷付けない配慮だったり、その上での彼の「殻」を破る鋭い言動の数々。懐の深さを感じさせてくれるんですね。

一度のネコの経験から、自分のアイデンティティを守る為に仕事以上には三隅と関わるまいと逃げ腰の槙。それをかなりの執着具合と強引さで逃がすまいとするハンター三隅。
この攻防にも相当萌えるのですが、更に萌えるのが中盤以降。

こちらの作品はお仕事BLでもあり、その描写が結構面白くて格好いいのです。エリートビジネスマンの二人なので。
そんなおり、三隅達のコンサルティングチームが情報漏洩の疑いをかけられ業務停止の事態になります。
ここからがですね、ホント「神」。

常に自信満々で強気な男・三隅が、初めて「本音」の部分を見せるんですね。もちろん普段と変わりない態度なのですが、彼の意外な健気さだったり、なんでしょうね~。槙に格好いい価値のある男で見られていたいと言う、ここで分かる可愛げ。やせ我慢とプライドを男からとったら何も残らないと言ったりしますが、まさにそんな感じ。

そして、ここから非常に男らしい槙。ふっきれた後の彼は最強でして、「尻で抱いてやる」状態。
「抱く」とか「抱かれる」とか、もうどっちでもいいのです!抱き合う事に意味があるのです!!と、叫びたくなる終盤。
この終盤のエッチシーンも「神」!!
抱いてるのは三隅だけじゃなく、槙も「抱いてあげてる」んです、て感じの甘々エッチなんですね。エロが多めの今作でして、最初の方の槙の「殻」を破るような強引で濃厚なエッチも最高なんですが、この終盤の「尻で抱いてやる」エッチにも萌えまくりました。

大人の男だからこその、面倒くさくてややこしい恋愛。でも、存外可愛らしくもあるのです。ホント、最高でした!

34

エリートコンサルタント×リサーチャー兼データアナリスト

前半の元攻めの受け、槙の葛藤が悩ましくて良い。
仕事にプライドを持っていて且つデキル攻めとしてのプライドもあったけれど、誰かにこの高いプライドをへし折って欲しい。じゃないと前に進めないという悩みを(但し自分の認めた相手に限る)という言葉がつくのにも関わらず全てを攫っていくハイスペック攻め様のタカシが上位の雄として君臨している様が槙にとっても読者の私にとっても堪らなかった!

恋の敵対者が出てくるのではなく、受けの葛藤と恋愛面にスポットが当たってる話なのに仕事面にも力を入れてくれてる描写がよかった。それも受けのプライドに纏わるものが仕事でもあるからなんだろうけどそこがビジネスマンとして対等な男同士で欠かせない部分でもあるのでソコが見たかった私としては大満足。

さらに槙のプライドを傷つけないタカシの(作者様の)言葉選びが素敵。
個人的に「入れてくれると約束するなら〜」って受けが言っても違和感なさそうなフレーズなのに攻めが「入れさせてくれるなら〜」という言葉まわしじゃない所が上手いなぁと思って好ましかった(伝わりますか;;)
情事の面以外でも金銭面の奢る話も…奢られる事に抵抗がある受けはスーパー攻めとして今までかわいこちゃん達に奢ってきたからこそプライドに障ったのだろうけれど、それを加味してサラッと「次は君が払ってくれるといい」と言って対等に扱ってくれるところが本当に受けの矜恃も大事にしてくれてるのだなと思わせてくれた。

槙が『敵わない、だがそう思わせる男だからこそ寝る価値がある』と思うようにタカシの主義も『寝る価値がある相手としか寝ない』と、一見価値という言葉をつかって冷たく聞こえるかもしれないけれど読んでるうちに愛情に裏打ちされた言葉で、その心も身体も一級品の価値をお互いに見出しているんだなとわかって熱くなった。

「挿れて」って言葉は受けから言うだけの言葉じゃないんだな、とあらためて痛感。攻めに懇願させることによって受けの真価がわかる?!
攻めとして葛藤して受けになった槙だったけれど決して男の矜恃を捨てた訳ではなくてラスト『男としての征服欲』を満たされる場面がとてもお気に入り。
尻で抱くって最高だなぁって。増えて欲しい、もっと読みたい^^
作中の一文、『セックスから始って、いつの間にか感情が追いつき、追い越した』これがちゃんと書かれていて大好きなお話の1つになった!

アユムというキャラが若いな〜(苦笑)と思ったけど、すごく物語的にはスパイスがきいていてよかった(笑)

4

攻めも受けもスパダリ!

元々バリタチだった槙がかわいいネコたちの前でタチであろうとして疲れてしまい、そこでタチとしての自分に違和感を持ち性趣向を変えてみようと思い立つ。

槙の攻めてとしてのプライドが邪魔をして三隅に惹かれていくのを受け入れられない葛藤が素晴らしい。
相手の三隅もそんな槙の複雑な感情に配慮して強く攻めことはせずに槙が三隅を受け入れるのを待っているのがまさにスパダリ。
槙も三隅が好きという感情を受け入れてから受けだけど攻めのようなカッコよさがあってとても素敵です。

「特別に後ろで抱いてあげます」という槙の言葉がそこらにいるネコではなく自分を抱けるのは貴方だけなんだということを暗にいっているようで素晴らしい。

ハイスペックな大人の恋愛が楽しめる一冊ですね!

4

--

メモ
「ハイスペックな彼の矜持と恋」のSSが、著者ブログにおいてある。

春宵 ――『ハイスペックな彼の矜持と恋』SS
http://yueinfo.blog.fc2.com/blog-entry-98.html
  独占欲が強くて嫉妬深い恋人



1

矜持とは?

この作品、タイトルがとても気になっていたのですよね。
『出来る男の誇りと恋』……何かすんなり読めない、引っかかる感じがするのです。それも確信犯でやっている匂いがするんですよねぇ。
読んでみて、このタイトルの『ギクシャク感』と主人公、槙が悩む『グルグル感』が符合している様な気がしました。技巧的でちょっと嬉しい。

若いゲイ達にタチとして指南をしてきた槙が、タチで居続けることに疑問を持ったのが始まりなんです。で、スパダリ感満載の三隅に抱かれてめくるめく(笑)経験をします。でも、それを確認したら、もう終わりにしようと思っていたんですね。ところが、三隅は米国帰りの優秀な同僚(別部門)で、仕事の面でも私生活でも口説かれまくって、体を重ねる関係になるんですけれども。

途中まで、槙が三隅に対して感じる引け目は『抱かれる立場であること』っていうのがね、やっぱりあまり気分が良くはなかったですよ。
「抱く方が偉いんかいっ!?」って何度も突っ込みましたよ、心の中で。
だってこちとら、常にそうですからね(身も蓋もない書き方でごめんなさい)。

ヘテロの恋愛でもこういうことってあるんだと思うのです。
恋愛の対象が同じ仕事をしていて、自分よりも出来る人で、なーんか上下関係を感じてしまうこと。
これは大変気分が悪い。
だから、槙の気持ちが解らない訳ではないのです。

仕事をしていると『なりたい自分』に対して現実の自分は常に不足していると度々感じます。理想の自分なら出来るはずなのに、現実はそうじゃない。
そんな時、こんな風になりたいと思っている人が現実に目の前に現れたら、強く惹かれるのと同時に、強い劣等感を持ってしまいます。
自分に自信が無ければ、可愛がられることを素直に受け止められません。

お話の中で起きる事件で、槙が自分の得意とする所で三隅の役に立てたことで『抱く・抱かれる』立場の拘りを捨てることになった、というのはとても納得のいく結果でした。
その前も槙はプライドの高い人として書かれている訳なのですけれど、そのプライドに磨きがかかったというか、更に強靱になったというか、レベルが上がった様に思うのですよ。
あー、だから『矜持と恋』なのか!(今更ですが)

9

表紙に惹かれて

表紙に惹かれて購入。ずっと攻めだった男が受けになるお話。最初はマウントを取り合う話かと思いましたが、意外や意外、自分の人生を受け入れる真面目なお話でした。本来の自分を取り戻す、あるいは手に入れる、といった人としての本質的な部分に触れるストーリーでした。Hシーンも濃くてよかった。ラストのHはなかなか面白いものがありましたが、ネタバレになるので控えます。お仕事描写も楽しめるのでリーマンモノが好きな方にお勧めします。

6

BL小説としては模範的

BL小説として上手くまとまった模範的な作品でした。
私個人としては、もう少し捻りのある作品が好きだったりしますが、万人受けする一冊だと思いました。

ハイスペック同士の恋愛ですが、展開は王道でした。大人の社会人BLというより、リアルなゲイ事情も入ったメンズラブで楽しめました。大人の割り切った関係という事でエロシーンも多いのですが、不思議と退屈せずに読めました。そういう所も含めてBL小説として出来がいいです。
お仕事面は全体的に控え目でした。恋愛面に重きが置かれています。

少し難を言えば、槇も三隅も出来すぎたメンズなので、もう少し癖があった方がスパイスが効いて楽しめたかもしれません。槇も男としてのプライドがありつつ、それでも性指向がネコであるという葛藤も少しマイルド過ぎる気もしました。もっと唇を噛むような激情タイプの方が萌えたかも。それも二人とも育ちが良く、根が優しい事が起因しているのですが、物語として弱くなる部分もありました。

ゲイカップルは、男性の生まれ持つ闘争本能から互いにマウンティングをし合って難しいようで…。男同士の恋愛は男女カップル以上に色々気遣いが必要だと二人を見て感じました。職種も同じだと更に厄介そう。

今では死語となりつつある三高男子同士でしかも二人ともゲイという希少価値の高いカップリングが新鮮で良かったです。書き下ろしも非常に楽しめました。
今となっては、「マキ」という名字に反応してしまうのは、私だけでは無いはずww

3

矜持、って男らしさへの縛り?もっと自由になろうよ

いや〜萌えました。
(私の年のせいか)やっぱり学生BLよりも、少しでも年上のリーマン設定に萌えますね。
設定は、今までタチとして可愛い系の男性を抱いてきた槙(マキ)が、「受けになりたい」という自身の心の奥底からの欲求を無視できず、遂により強いタチに抱かれる選択をする…
という、攻めから受けへの転化ものです。
視点は、今まではタチ、これからはネコ志願の槙なので、色々精神的な葛藤の描写が多く続きます。
リバーシブル大好きな私の視点から言うと、槙の心情として、今まではタチだった自分をネコにするのならばよりハイスペックでスーパーな男性でなければ!という縛りが大きすぎる感がある。
だけど、タチとネコ、攻めと受けは、スペックの優劣じゃない。と私は思っている。
だから本作にて、いわゆる優劣、抱く方が優位、と無意識かもしれないけれど固定観念を抱いているような槙に対して物申したい気になる自分がいる。
その意味で、2人のエロシーンには大いに萌えながらも、彼らの「関係性」に対しては疑問。
新たなスーパー攻め様としての三隅も、弱みや葛藤・等身大の自分を見せられる関係性でなければ、本当の意味でのパートナーになどなれないわけで。
2人とも攻めが上位・受けが下位、という従来の枠組みを壊しきれない窮屈さ、固定観念を感じるので、ここを突破してほしい!
私としては、攻めとして生きてきた自分から脱して今、新しい扉を開いた槙に限りないエールを送りたい!
その上で、三隅だって凝り固まったスーパー攻めの型を脱して、新たな攻め像を作れるはず。愛の形はひとつじゃない、CPそれぞれの独自のカタチをオリジナルで積み上げていってほしい。

2

エリートが陥った三十路前のクライシス

エリートvsエリート、スーツ、お仕事と個人的な好物が揃ってました。受が性のアイデンティティ問題でちょっと拗れてて面倒くさいことになってたのですが、この面倒くささが面白かったです。受も相当かっこいい男なんですけど、攻がそれを凌駕するさらにかっこいい男ってゆーので、年上攻特有のスケベにおける余裕や言葉攻めにグッときました。(”玉の輿”の印南を彷彿としてしまった。)

タチとしてゲイライフを謳歌してた槇が30目前にして、”このままタチでいいんだろうか…”と悩んでいたところ、最上位の攻(?)三隅に出会い、受の才能を開花させるわけですが、その槇の思考、セックスの概念に、ちょっとジェンダー的なひっかかりをおぼえる方は少なくないのかな、と思いました。そこは槇の単なる人物設定として捉えて読んだので、”自分はタチとして、ネコたちを喜ばせてきた”って古い武勇伝みたいなことに囚われているところとか、抱かれることで自分が考えている”男”じゃなくなったみたいだと思い悩む部分には、もはや滑稽さをおぼえました。そんなしょーもないプライドにこだわっていた槇が、三隅という仕事もできてスケベも上手い男に抱かれ、徐々に気持ちまで持っていかれて(やはり、そこはそもそも三隅にも勝算があったんだろうな~)、自分がこだわってた価値観のしょーもなさに気づき、最終的に解放されていくわけです。セックスにしても、喜ばせてやってる、じゃなくて、お互いに気持ちよくなりたいという視点に変わっていくところは尊いです。今まで”愛する”ことを知らなかったうえに、自分のスペックの高さもあって、どうしても人を見下しだちだった男が自信の拘りの矮小さに気づき、さらに、相手を慈しむという行為を知って、よりいい男になっていくわけです。三隅がピンチに陥ったときの逢瀬の場面で、射精しなかったけどいつも以上に満たされたという槇の気持ちの変化が印象的でした。

そもそもの槇の悩みが、”タチかネコか”ということではなくて、今までのセックスライフの虚しさと年齢的なところからくる、”そろそろ自分にふさわしい一人の人とじっくりお付き合いしたい”という欲求だったんじゃないのかなーと思いました。最後「わたしはあなたのものですが、あなたはわたしのものです」とあるのですが、これが今後の彼の矜持なんでしょうかね。三隅視点の話も読みたいです!

1

元攻め、開発される

面白かった!良い男と良い男の共演が読みたくてBL読んでるところがあるので、まさにそんな小説でした。王様と王子様。

7割ぐらいまで特に面白く読めたなと。槙が恋を自覚する辺りまでですね。そこからは失礼な話ですが槙がいわゆる受けっぽくなりまして、攻め×攻め的な面白さは半減してしまったように思う。告白できない…とか弱気なこと言い出す、しょぼしょぼした槙は可愛いけど。

この"ハイスペック"なお2人がコンビニ弁当だのカロリーメイトだの食べたり、缶ビールで喜んでるのは違和感ありつつ面白かったり。双方の自宅の描写が全然出てこないのも、色々チグハグしてるけど、元攻めが開発される描写が自分は好きです。

良い男と良い男(あるいは良い男ですよ〜と仕切りに描写されてる男とも言う。実が伴ってるかは微妙なところ)がベタベタ仲良くしてくれてるのを楽しんだので、相手を抱いてマウントだの支配欲を満たすだのは、まぁそういう考え方の人もいるかもねぐらいの気持ちでさっと受け流す。引っかかる人も多いのはそうだろうなと。リアリティ無視して楽しめてラッキーってことで自分は萌2。

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