天国に手が届く

tengoku ni te ga todoku

天国に手が届く
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神35
  • 萌×219
  • 萌19
  • 中立3
  • しゅみじゃない15

--

レビュー数
18
得点
311
評価数
91
平均
3.6 / 5
神率
38.5%
著者
夕映月子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
価格
¥560(税抜)  
ISBN
9784403522628

あらすじ

登山が趣味の佐和は、憧れの登山愛好家・小田切に出向先で出会う。だが、彼はなぜか佐和に冷たくて――?
孤独な心に寄り添う、天上の恋。待望のデビュー!
(出版社より)

表題作天国に手が届く

小田切敬介,27歳,有名な登山家を叔父に持つ
佐和俊幸,27歳,登山愛好家

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数18

山の雄大さ

登山を軸に佐和のおおらかさで、頑なだった小田切の心を解してく。
命を預け合う、山の美しさや達成感を共有したい、そう思えるのは特別な相手だからこそ。山岳バディとしての信頼関係を築く過程、この気持ちの意味を考えちゃいけない、でも目を反らせない…と恋を自覚するとこ、しみる!

佐和の負けん気が強いけど素直で無自覚なこと言っちゃうとこ、時おり見せる無骨な小田切の穏やかさ、ストレートに煽っちゃう佐和、むっつりな小田切!!甘いわけじゃないのに二人のやり取りに魅せられる。山の雄大さも素晴らしくて素晴らしくて、爽やかな充足感!!木下けい子先生のイラストも雰囲気に合っててとっても素敵でした。

1

山を愛する男たち

これ、好きです!
こういう世界もあるんだなぁ、男同士の楽しみ方だなぁ……と、登山という未知の世界に引き込まれました。
景色やシチュエーションの描写が素敵。
ご来光や星空、明け方の空、夕焼けの空。
どの描写にも心躍りました。

男が男に惹かれる。
ノンケ同士なのに、それを当たり前のように感じさせてくれた所が素晴らしかった。
小田切と叔父の叶、佐和と小田切、叶と佐和。
それぞれの関係性にグッときてしまって、ラストの小田切と佐和の約束には涙が出ました。

小田切は、ずっと叶を探してたんですね。
そんな小田切が佐和に心動かされ、そんな自分を簡単には受け入れられない……といった、心の葛藤や変化が分かりやすくて共感しやすかったです。

しっかりと心に残る作品でした。
他の作品も読んでみようと思います。

1

すっごく良かった

登山?全然興味ないし……と思ってたんだけど、読んでみたら、ナニコレ!萌える!素敵!が続出でした。

考えてみたら危険と常に隣合わせの登山でパートナーを組むって命を預けるじゃないけど運命共同体みたいなもので、そこには予想もしてなかっためっちゃアツいものがあって目から鱗というか、登山いいわ〜!!山男同士いいわ〜!!と、新しい世界を開いた気分です。

幼い頃から父に連れられて山を歩いていた受けが、学生時代に山で見かけた攻めに憧れ、彼だけを目標にしてひたすら背中を追い続け、どうしたら一緒に登ってくれるか四六時中考えてるうちに恋に変わっていく……
そこに不自然さを感じませんでした。

ノンケが男を好きになるって現実は無理だろ……って思ってしまう自分がいるんだけど、彼の側に居たくて、登山のパートナーとして選んでほしくて寝ても覚めても考え続けているとか、もう恋と同じようなものでしょうと思えたし、その熱さが次第に恋に変わる過程がBLファンタジーではなく血肉の通った感じがして納得できちゃいました。

そして美しい風景描写がとても良かったです。
山に登らずして山の魅力を味わうことができました。

特に夜から朝へと刻々と変わっていく山の景色のシーンが好きです。
その天空のスペクタクルをただひたすら二人で見つめて、言葉を発したのはようやく30分も経ってから…というところが痺れた。
楽しくお喋りができることよりも、沈黙を共有できる存在って何よりだと思うので、この二人の関係性、尊い…と。

幼稚園生でも登れるという山くらいしか登ったことがないので、二人が歩く「奥穂高のジャンダルム」とやらをググってビビりました。
どひー!人間ってこんな所、歩けるんだぁ……みたいな目が点&尊敬の念。

一冊めちゃくちゃ楽しめたのですが、すんごく色気のない感想を一つだけ。
最後にようやく二人が体を重ねるシーン。
登山の途中で悪天候のためにテントを張った中で行われるんだけど、この人たち登山してから何日目?お風呂何日入ってないっけ??というのが気になって仕方なかったです……。
下山してお風呂に入ってからでも良かったと思う……。

4

山でも下界でもいつまでも

山々の神々しさ、美しさ厳しさ。登山家のパートナーの条件などなどとても興味深かったです。

佐和がひたすら小田切に憧れ尊敬し恋焦がれ、叶を失った小田切の心に寄り添いたい満たしてあげたい気持ちがずっと書かれていました。

やっと一緒に登山できて思いがけずいいパートナーでだんだん下界でも親しくなって。

佐和の葛藤が切なかったです。
自分の気持ちを知られたら、また小田切から大切な存在を奪うことになると。絶対に知られてはいけないと。

なのに!なんと小田切が佐和に告白。いや、嫉妬も一度だけ感じましたが。普通にお前に恋人ができても結婚してもお前を最優先するとか言ってたのに。

もうエッチはないかと思ったらテントでちゃんとありましたね。しかも何度も。歩けないほど致したみたいで。

デビュー作なのですね、作者さんの他にもある山のお話ほど萌えがなく。
ひたすら佐和の切なさと登山や山の描写が続きます。佐和の片想いで最高のパートナーとして終わるのかと思ったらやっと最後で告白がありました。

男なのにと苦しむのではなく男だから惹かれた、好きになった、求めた所が新鮮でした。

あとがきの後にも短編が。一生一緒にいてほしい感じが出てました。

1

俺たちゃ街には住めないからに

あれ?
全体の評価は高くて、レビューも多いのに『神評価』は私だけなのね……
確かにLOVELOVEしくはないお話だものなぁ。
でもね、心の全てを山に奪われている2人が、その心情を最も解り合える人に強く焦がれるのは、恋のひとつの形だと思うんですね。

小田切も佐和も、とことん山に魅せられている。
彼らの一番の恋人は、まず『山』なんだと思うのですよ。
でも、山はただ優しいだけの恋人ではないのです。
自分に力がなければその懐に入れない。優秀なアルピニストであったはずの小田切の叔父のエピソードに示される様に、非常に気むずかしくて無慈悲な一面を持っています。
だけど、って言うか、だからこそ彼らの山への熱愛は募ります。
彼らにとって、生きること=山に挑むことになっちゃっている様に思います。

そんな山に挑む時に誰とバディを組みたいか?
登頂した素晴らしい空気を誰と一緒に味わいたいか?
これって、何よりも大切な選択じゃないかと。
だって自分の一番大切なものを、自分の生きる意味を「シェアしたい」と思うことですから。
表だって見える訳ではなくても、実は、とても激しい恋だと私は思いました。

『激しい恋』なんて書いちゃったけど物語の中で2人がするのは、目指すものに対して同じ方向を向いて、お互いに尊敬し合って、相手の傷に気づいた時には大げさに手当をするのではなくそこにそっと手を当てる様な、静かな恋愛です。
そんな風だから、余計痺れちゃったのですよ!
目標を持って努力する人の、ストイックな恋愛模様がお好きな姐さま方に自信を持ってお薦めします。

9

風景描写が魅力的

木下けい子さんの挿絵に惹かれて初読みした作家さんでした。
とにかく風景描写が魅力的で、印象に残るフレーズは思わずメモしようかと思うほど。
恋愛に関しては低温?低調?友情というかバディというか、
無理矢理BLにしてしまったファンタジー感があり少々置いてけぼりにされます。
元々ノンケ設定のようですし、Hシーンも特に色っぽさなどはない文章です。
とはいえ他の山岳作品も読んでみたいと思わされる綺麗な風景描写でした。

3

友情でいいんじゃないだろうか。

イラスト買いして一年程積んでましたが、新刊発売をきっかけに読んでみました。作家さまのデビュー作ということですが、着実にキャリアを積んでいらっしゃるようなので、率直に感想をしたためたいと思います。

ちるちるさんの特集記事にもありましたが、山岳BL初体験。山に魅了された男達の姿がとてもリアルに描かれていましたし、素人のわたしにも山登りの魅力が伝わってきて、胸を躍らせながら読み進めました。

しかしながら、山岳要素が素晴らしいだけに、BL要素が全くそそられないという残念な結果に…。作家さまのBL観というか、萌えポインツが個人的に合わないのかもしれない(泣

男女間ならまだしもです。元々ノンケの二人が、非日常空間である神聖な山で致してしまったとして、下山後も恋情として続いていくものなのか?っていう引っかかりがあるんですよね。普段気の合う者同士が、山登りでも相性がよくて、さらに…♡っていうのならなんとなくわかるんですが、山登りのパートナーとしてかけがえのない人が、人生のパートナーになっていくまでの説得力がわたしには物足りなかったです。

おそらく、二人を繋いだ叶(小田切の叔父)の果たした役割が大きいはずだと思うのですが、描写が少な過ぎました。特に叶を「尊敬している」小田切が、実際のところ彼をどのように思っていたのかが匂わす程度にしか触れられていないので、佐和をフィジカル込みで求めるのが唐突に感じてしまうんですよね。小田切は潜在的なゲイだったのかな。

好みだったのは、小田切が少しずつ佐和の実力を認めていき、叶の存在を通して彼に心を開いていく様子が丁寧な段階を踏んでいるところ。対して、エッチの流れが速すぎです。

どうも小説においてはエロス重視なので、作家さまの萌えに共感できないとどうにも辛いものがありますが、心の深い交流を描いたストーリーはとても好きでした。個人的にはエッチシーンはない方がよかったです。

挿絵が素敵〜。

4

穂高連峰の雄大な景色が目に浮かぶ様です。

なにこの読後の達成感!!
私が山に登ったわけではないのに。

昔会った事のある憧れの存在、小田切を社員食堂で見かけた佐和は思わず声をかける。だが、小田切の反応は冷たいもので、取りつく島もない。一緒に登山をしたいと願うものの、小田切の方は顔を合わせるのも、迷惑だと言わんばかり。
二人の距離が近づくきっかけとなったのは、奥秩父の山。
たまたま同じ日、同じ場所に居合わせた二人。落石により怪我をした佐和を、小田切が手当てして車で病院へ連れて行く。
落石の原因が小田切だったこともあり、彼は漸く佐和と登山へ行くことを了承する。

次の約束を取り付けるたび、嬉しそうな佐和が健気で可愛いです。一歩一歩登るごとに自覚していく小田切への恋心。けれど、それを伝えてしまえば、登山に於けるパートナーではいられなくなる。重すぎるジレンマを抱えながらも、必死で小田切のとなりにいようとする佐和が切ない。

一方、敬愛する叶を失った哀しみをなかなか消化できないでいた小田切は、佐和と登山するうちに少しずつ傷を癒していく。近いうちに、二人でアラスカへ行って叶さんの弔い登山をするんだろうなぁ。

それにしても、酸素の薄い標高三千メートルの峰でよくもまぁ……。

6

デビュー作とは思えないクオリティ

まずこの作品がデビュー作という事実に驚きます。
本当に最近の新人さんは文章が熟れているというか、上手いなぁ……と唸りました。
普通、初読み作家さんはどうしても最初に躓くと、読みにくいという印象が先立ってしまって時間が掛かってしまうのですが、この方の文章は非常に癖が無く読みやすかった。
するするする~とトコロテンを押し出すようなスムーズさとリズムに読んでて心地よかったです。

内容は登山ものです。
BLで登山……まさに初体験(笑)
私個人は登山に全く興味のない引きこもりなんですが、これを読んでると、山の空気や景色などといった、登場人物を通して見る世界がまるで自分にも見えてるような瑞々しい描写でした。
そこに攻と受が出会い、パートナーとなるまでの過程が無理なく描かれていて、さながら恋の山登り(自分の文章センスのなさが恥ずかしい)
いや、本当に険しい山をコツコツと二人が登っていく様子が、まるで徐々に【恋人】という山頂に向かって歩んでいるような感じなのです。
途中で休憩を入れたり、滑落しそうになったりもしますが、そういったものを全て乗り越えた先に見えた景色に涙ぐみました。

私も登山したくなっちゃった! なんてことはやっぱりないですが、それでもこの二人の見る景色をほんの少しだけ分けて貰い、元気が出ました。
これといった大きな事件が起こるような話ではないですが、たまにはコツコツゆっくりと楽しめるようなものもいいと思います。

でもね、エッチの最中に今1合目だとか8合目だとか言われたら吹いちゃうから。小田切さん、すました顔でムッツリだわ……と確信。

6

男って可愛いと感じました

夕映さんのデビュー作だそうで。
うーん、あまりのレベルの高さに脱帽です。
木下けい子さんのふわっとしたイラストが、山というハードさを緩和させ身近に感じられました。


受けの佐和は学生時代から登山が趣味の、なかなかのイケメンさん。
昔から羨望の眼差しで見ていた攻めである小田切を出向先の会社で見かけ、ファン心理のような気持ちで対峙する。

攻めの小田切はというと、登山の、そして人生の師でもあった叔父の叶が消息を絶ち、そこから時間が止まってしまったような生活を続けている。
今では単独クライマー。

叔父を亡くした後の小田切は、ひとりでトレーニングして、ひとりで山も登る。
完全にシングル。
パートナーは叶以外いないと、心を閉ざしています。
そんな小田切へ食いついて行くのが佐和。
彼も言うなれば山男。
諦めは悪く、粘り強い。
コツコツトレーニングをつみ、小田切とともに行っても迷惑をかけたくないという一心で登る。

佐和のベクトルは叶に過去にかけられた言葉もあり、自分よりも遥かに力のある小田切に対する憧れもあり、そして想像していたよりも初対面の最悪さもあり、始めから向きは決まっていた感があります。
が、小田切の方はクライミング中のトラブルを佐和と切り抜けたことで、やっと存在を認めたようなものなのかも。
ただ、ふたりの相性や山の好みが驚くほどあい、そこから小田切のベクトルが徐々に佐和へと向き始めた感があります。

男の子って一緒の趣味で盛り上がってくると、女の子なんてどーでもよくなっちゃう生き物なんですよね。
佐和なんて課の女の子に誘われても小田切優先。
何度か一緒に山へ行き、片方が行けなくともその話しを聞かせ、また、次の相談。
後半は、はたから見たら完全にパートナーですよね。

なんといいますか、ハッキリとしたカップルになる前のふたりの登山の様子が本当にリアル。
経験なくても山肌の感じや匂いを感じるような文章はすごいですね。

母が登山(というか山登りという可愛いいていど)経験があります。
「キツイけど、最後達成感がある」と話していたことがありましたが、わたしは「お母さん、マゾだね」なんて心の中で思ったものです…
この本を読んで登山してみたい!とはナマケモノ代表のわたしは思わないのですが、自分までその場で佐和達と一緒に経験しているような景色が頭に浮かんできてたいへん満足でした!

9

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