いや~~すごい!!
おもしろかったです。
普段BL小説は読まないのですが、凪良ゆう先生のお話とのことで、買っちゃいました。
人間とセクサロイド(ドール)の近未来SF逃亡ラブ。
素直で純粋無垢なシンがかわいいです!
タイトルも秀逸ですね。読んで意味がわかる。
ちょっとクスッと笑えるシーンもあって、でもやっぱり不条理に切なくて……
アンドロイド問題を考えさせられました。彼・彼女らはモノじゃない。心があれば、それはもう人間なんだよな……。
10年前に書かれたお話なのに、戦争や物価高など、なんだか未来をみているかのような感じでした。近い未来、アンドロイドはないにしても、こうなるのかな…。
大学のドールサークルのみんなが良い人たちですごく好きです。
主人公の南里くんも、まっすぐ芯があってかっこいい。
イラストかわいくて素敵です。
エッチシーンのイラストはなし。
男の娘攻め本です。
最高!!
こんなにカワイイのに攻めです。
性癖開拓されること間違いなし♪
私が好きな攻めは、かっこいい男アイドルを目指していたのにひょんなことから男の娘アイドルとしてデビューしてるゆりちーでした。かわいいけど、男の子らしくて、包容力MAXなガチムチ眼鏡マネージャーを抱くシーン大好き。
あやなんも好きです!完璧に女性のようなふるまい&顔立ちなのにバリタチかつ性欲鬼強で、
ヤンキー風ファンを食い散らかす!
こんなに美少女風なのにチン○がデカいのも良いですね。
メインのかのんは、男の娘アイドルとして誇りがある男の娘。
成長するにつれ衣装が似合わなくなっていく、ガタイが良くなっていくことに恐怖を感じて泣いているシーンにどきっとしました。
でもバリタチ!社長をズコバコします。
純愛でした。
ツインテールあんまり好きじゃないのでハマらなかったんですけど、最後のソロ曲のお話はすごく好きでした。
レギュラーの雛木くんが補欠の初見先輩(女の子が好きなノンケ)に片思いして、ちょっかいかけたりするところから始まります。
二重の意味で補欠を自覚する初見先輩のシーンが切なかった!
雛木くんは明るく飄々としていますが、実はチームメイトから嫉妬でいじめを受けており……。
そのいじめというのが、カメムシを無理やり食べさせられるというもので…。
その描写自体はさらっとしていますが、キスの味を気にしたりといったのちのちの初見×雛木描写にも影響があって、うう~~~……悲しいしちょっとキツい……となりました。
現在リアルの甲子園でもいじめ問題が取り上げているので、ノイズというか……私の読むタイミングが悪かったですね…。
爽やかだけでは終わらない、えぐみのあるお話でした。
最後はハピエンなので、良かったです。
ヤマシタトモコさんとの対談目当てに買いましたが、個人的に浅野いにお先生の滅びの前のシャングリラの部分コミカライズが刺さりました。
世界観合いすぎ!!
山本文緒先生との対談もすごく良かったです。凪良さんが神と崇める憧れの作家さんに会って話している、そんな興奮が文章から伝わってきました。対談後に逝去されたことを初めて知ったのですが…。この対談で語っていた話が本屋大賞を受賞した「汝、星のごとく」なのはすごいなと思いました。
それ以外でもBLについてガッツリ語っているので、凪良先生が好きな人、BL小説が好きな人におすすめです。
物語を書くということについて深く語っているので、小説家を目指す人の参考にもなるかも。
ヤマシタさんがBLに女性キャラは出さなくていいですと編集さんに言われBLを描くのをお休みしちゃったという経緯の話が書かれてあり、うーーーーん……と複雑な気持ちになりました。
BLに女性キャラ、私はいても良い派なんですが、昔のBLって必要以上に女性キャラをいじわるい当て馬にしたりして不快なこともあったし、そもそも男性同士のBLを見たくて本を買っててるんだから女性に話をさかなくていい(女性視点BLみたいなテーマなら別ですが)、という意見もわかるので、かなり難しい。ガールズラブ(百合)で男キャラがでしゃばるのは禁物なのと同じような話だと思いますね。ヤマシタさんが今のBLに合わないと感じたならお休みして一般で活動する方が良いのかな、と思いますね…。