KindleUnlimitedで読みました。挿絵、あとがきなし。
表紙のイラストが素敵なので、中の挿絵も見たかった。ちなみに、杉原先生の作品はこれが初読み。
序盤から、くっついたり離れたりのモダモダがもどかしい。受けが攻めを簡単には受け入れられない理由として、信心深い親に育てられて自分の性癖を責められてるように感じて育った、との記述はある。が、それ以上の具体的なエピソードが語られるわけでもないため、そこにイマイチ感情移入できなかった。
攻めも攻めで、そこまで受けに執着する理由がよくわからない。受けの一人称なので、最後まで攻めの生い立ち、背景が見えないままだったせいか、何を考えているのか掴みきれなかった。
好きだと言い合って、体を重ねても、ずっとどこか不穏な空気を感じるストーリー展開がツライ。結局どちらのキャラにも感情移入できぬまま読み終わってしまい、ぶった切られたような結末にも呆然としてしまう。
この読者の想像に委ねたラストは、前半部分で受けが攻めの愛から逃げたのを見ているからか、どうにも「この二人なら大丈夫、乗り越えられる!」という確信が得られない。しんどさとモヤモヤばかりが残る読後感。
ちるちるさんの特集記事を見かけて、どんな話だったっけと思い再読。KindleUnlimitedで読めました。
途中、これ駄目だったやつだ…と思い出したのだけど、月日が経つとイケることもあるかと思い読了。
やっぱり私は、女性キャラが悲惨な目に合うBLは不快感を持ってしまう。男同士のイチャラブが見たいだけなのに、なぜそれと同時に不幸な女性の姿を見ねばならないのか…受けの元彼(というか…)がもうガチのマジでクズ過ぎて、真相がわかったところで救いになるようなものも感じられず、やりきれない気持ちしか残らない。
野原先生はほんわか〜とした作風というイメージなのに、ここまで嫌な人間を描ける引き出しの多さがすごい。
ミステリーとしては、最後の詰めが甘いというかなんと言うか。あそこまで証拠集めとか計画的に動いてたのに結局何がしたかったの…と思ってしまう。自分の正体をバラして、そこからどうしたかったのか、むしろストーカー行為よりそれからの方が大事なんじゃないかと思うのだが…。BLとしても、受けが攻めを好きになったポイントがよくわからず。攻めからは結局「タイプだった」って話で、何それ。
後半のお話ではラブラブなので、こちらはBLとして普通に楽しめる。二回読んでもタイトルの意味はよくわからなかった。
電子版挿絵あとがきなし。Kindleunlimited対象作品です(2020年12月現在)。
松田美優先生流の教師✕生徒モノ。松田先生らしく、教師と言えどオラオラ系で、受けの生徒も健気タイプとは真逆の、年上女性と援助交際してるような子です。
そんな受けがある日の放課後、攻めに手ごめにされ…という先生お得意のパターン。文章には力があって引き込まれるものがあるし、レイプシーン自体も、受けが女々しいタイプじゃないので平気なんだけど、いかんせん他に胸糞系の要素が多く、私の許容範囲をオーバーしてしまったので中立にします。
まず受けの家族が胸糞。家族が受けを疎外する理由は後半判明するが、到底納得ができなかった。実は血が繋がっていなかったとかなら、百歩譲ってまだわからなくもないが、実の母親があんな理由で、我が子を兄弟と差別し続けるなんてあり得ないと思う。
そして何より、攻めが胸糞過ぎ。
松田作品の攻めは強引で暴力的なのに、謎の魅力があるのだが、それを持ってしても、女子中学生とヤッたっていうのが本当に…。さんざん近親ものとか年の差ものとか読んでる私が言うのもアレだけど、中学生というだけでもう、私の心の中のBL倫理委員会は、完全にアウトな判定。
しかも浮気とかじゃなくて、「頼まれたから抱いてやった」みたいな開き直りが胸糞。人助けみたいな気でいるのがまたなんとも…。受けに対しても「俺を頼れ」って最初から言ってるし、不安定な子供を放っておけない何かがあるんだとは思う。でも何度も言うけど、中学生は(本当なら高校生も)アウトですから!
せめてラスト、受けを助けようと親身になってくれていた仲原先生(この作品の唯一の良心)は汚さないでほしかった……。これで仲原先生もドン引いたため、邪魔者は消えて無事共依存エンドになるが、そこまで綺麗にこのオチがまとまってるかというのも、うーん…。胸糞系、ダーク系がお好きな方には刺さるかも。
ただ本作からも、作品を通してこういうカップリング、こういう世界観を書きたいという熱意を感じられ、そこはグッとくるものがありました。
ちるちるさんの「衝撃的な結末のBL小説」の特集記事を読み、興味を引かれて手に取りました。
溺愛スパダリ攻めが実は…、はかなげ受けが実は…、というどんでん返しは面白かったのだが、後半の種明かしからが説明調で、キャラの心理の変化についていけなかった。
特に受けはもっと激昂してもよくない? 私はここからドロドロの愛憎劇を期待したし、攻めを一度突き放す、ザマア展開があってもよくない?と思った。なのに終わり方はあっさり。「受けは本当にいいんか、それで⁉」と思ったまま読み終えてしまった。
なんかなー。過去の攻めの、受けの扱いに愛情が感じ取れなかったのが、萌えきれなかった原因だと思う。性奴隷みたいに慰みものにされてたのに、思い出の場所を巡りつつ「ここであんなことされたよねー」とか言えちゃう受け、案外図太いな!?
攻めのしたことが、受けを救うためとは言っても、どうも脇役ごと、過去の悪行をなかったことにするためにしたようにしか思えなかったのも一因か。それでみんなして、「あれは若気の至りだ」で済ませてるのが、なんだかなーという感じ。
こういうどんでん返しのある「そうきたか⁉」的BL小説はいくつか読んだが、どうもご都合主義を感じたり、「プロットの面白さ>萌」になってしまうことが多く、自分とは相性が悪いのかもしれないと思った。ストーリーが凝っていて面白い、っていいことのはずなのに、残念。
丸木先生も義兄弟も3Pも大好物なんだけど、どうにも三人の間に愛が感じられないので中立にします。
お兄ちゃんが受けにほとんど一目惚れだった、最初は反発してた弟も急に手のひら返しのように好きだと言ってくる、バイト先の女の子まで受けに気があるみたい…と受けがやたらとモテモテなわりに、魅力がいまいち伝わってこなかった。
受けはエッチ自体は嫌いじゃないみたいで、あっさり二人を受け入れ、アレレと思っていたら後半のお話で兄が婚約。弟にも彼女ができて、そこで受けが二人への気持ちに気づくという流れに。
恋愛っぽいものを読み取るとしたらこのあたりなんだろうけど、切ないとかはあまりなく、恋だの愛だのいうよりは肉欲とか執着という風に感じられてしまって、残念ながら萌えられませんでした。
丸木先生の書く濡れ場は、攻めが激しく喘ぐのが結構好きなので、そこは楽しめました。