BLコミック&BL小説、業界最大級の品揃え!
愛しくて、憎い男……運命の出会いから数年。ずっと一緒にいたふたりだが!?
前半はそれほど急展開はなく、この作者さんにしては普通すぎるかも?と思う展開が怪しくなるのは中盤。
途中催眠療法の話が出て来た辺りで、察しのいい人は話の行方が読めそうな展開に。
そして終盤信じていた攻めや自分の周りの人間の真実に気づく(思い出す)受け。
人間てこんなもんだよ、と思うか。
人間てそこまで変わるのか?と感心するか。
そんな酷い人間が幸せになったら駄目でしょ?と思うか。
受けを幸せと思うか、不幸と思うか。
これは読んだ人の受け止め方次第。
考え方ひとつ。
BLてファンタジーだから……というのが私の感想です。
普通の展開(カップル)でないという意味で「神」作品。
すごくおもしろかったです(*^^*)
最初はふつうのカップルの話やんって思って読んでたんですけど、そこからのどんでん返しにびっくりしました。
まさかこんな重い過去が隠されていたなんてなぁ…
昔の渓舟ばかやろうですね。司のこと好きなくせに素直にならないからこんなことになるんだよ!って憤りぱなし(`ε´)
まぁ後悔した分、司にずっと尽くしていた訳ですけど若い頃の行動でも許されることと許されないことがあるんだよなぁ、と真面目に考えてしまいました。
渓舟は司に許されたのでよかったですね。一見弱そうに見える司の強さが見えました。
洋画家の渓舟と助手兼恋人の司。
渓舟は体の弱い司にいつも優しく過保護なくらい大事に接します。
幸せな二人の現在から話が始まっていったので、渓舟の美貌と才能を目当てにした人達に邪魔されながらも切り抜けていく二人の物語かと思いきや・・・。
司の過去があまりにも酷く衝撃でした。
こんな展開を描く樹生さんってすごい。
司の過去だけを思うとあまりに酷く痛い内容なのですが、
渓舟に大事にされている現在の司を知っているからか読むことができました。
今の二人が幸せであることが何よりの救いです。
そして深刻な話だけど、プチトマトのくだりとイラストは可愛くて微笑んでしまいます。
「答えて姐さん」のどこかで紹介されていて好きそうかも、とゲット。
新進気鋭と評判の画家である攻め様の渓舟と助手として一緒に過ごしている受け様の司。
読み始めて始めは、司を真綿で包むよう大事にしている渓舟の溺愛ぶり、渓舟の両親をはじめ、絵の師匠や渓舟の友人など、周囲の人間が2人の仲を認めて暖かく見守っている状況に、え!?何このこんなに幸せでいいの!?な状況、と驚きつつ、甘々大好きなので、ほくほくと読み進めていくと、半分ちょっと過ぎたところで驚きの状況に。
えーーー、なんなの、その重たい過去。
渓舟や悪友達の過去を、若かったから、で済ますんじゃないよ、と苦々しく思うけれど、今の司に見せる姿も本当なのだろうと思うし。
かと思えば、司以外に見せる、司との生活を奪おうとする人間に対しての苛烈さに対して、人間って変わらないんだなぁ、とため息をつきたくなるし。
ただ、司を失いたくない、愛されたい、と願う渓舟の気持ちは本物で、穏やかに愛情深く築いてきた数年間も本当な訳で。
渓舟の司に対する深い愛情を信じられるので、過去を知ってもイチ読者としては嫌いになりきれず、ともかくも、これからもしっかり司を抱きしめていけよ、とどやしつけたいです。
そしてまた、過去の罪を忘れて幸せに暮らすことをよしとせず、きちんと罪を背負って渓舟と生きていこうとする司の姿に物語の美しさを感じました。
読んでいる最中、ムカムカもしたし、これからも2人の生活を脅かす存在が現れたらまた容赦なく排除していくんだろうなぁ、とこの先の心配もして、評価に悩むところでもあったのですが、でもそう思いつつ何度でも読み返したくなる小説なので、やはり゛神゛だなぁ。
この作品を読んだのは約二ヶ月前です、執着系としてどなたかが紹介されていたので、興味が湧きました。が、期待していたのと違うなと、読み終えた感想は微妙の一言に尽きました。
主人公は相楽司。身体が弱く、家族もいない彼は若き洋画家の佐伯桂舟に愛されて暮らしています。冒頭のサナトリウムでのシーンからトリックが仕掛けられているのです、催眠療法による記憶操作、本当の司はひ弱な青年ではなく、桂舟も全く違う顔を持った男だった。
何といいましょうか、消化不良気味に思ったのですよね。司を助けようと登場したホストの和弥もボコられてフェイドアウトなのが可哀想だったし、その後が都合よく治まり過ぎなような、釈然としない読後感だったのです。濃い展開の割にはセックス描写に欠けるのも、助平な私には不満でした。
そーれーなーのーにー、忘れられないのですよ。作品全体に漂う奇妙な雰囲気が日増しに色濃く迫ってくるのです。
私、霧笛丸(新人)は定期的に本を処分していて、この作品も一度はドナドナ箱に入れたのですが棚に戻しました。
奈良千春先生の表紙といい、後からじんわりと余韻を引く、不思議な魅力がある作品です。