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エキスパートレビューアー2025

女性ぱるりろんさん

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まさかの小説、まさかのツーショット

「特務刑事オメガパンチ」シリーズの番外編。元作品はコミックですがこちらは小説です。りーるー先生は小説もお書きになるんですね。
元作品がコミックのため、目では文字を追っていても脳内に浮かぶのはコミックのあの二人なので、差し詰め二次創作の同人誌を読んでいるような気分でした。不思議な感覚です。
謹慎中の四門を週に一度連れ出して、どんな様子だったか報告するようにと上から軍資金までいただいてしまった岸が、やむを得ず二人でドライブをするというお話。片や無敵のハイアルファ、片や作品中は不遇だったアルファ。興味深かったです。
読む前はどうしてマンガじゃないんだろうと思っていましたが(購入するまで半信半疑だった)、確かに内容的に小説の方がいいかもです。というのは、事象としてはドライブが主のため運転しているだけで(一応PA寄ったりほかにも寄り道はありますが)主人公の岸視点でずっと内心の葛藤やら苛立ちやらツッコミやらが主に綴られているので、四門のハイアルファ的要素があまり出ないですし、マンガだとこの静かな可笑しみは伝わりづらいかもなどと思ったりしました。とはいえ、奥付の4コママンガはとても楽しくて笑ってしまったので、コミカライズ(という言い方がいいのかももはや謎です)を見たくもありました。岸はいいキャラですね。
このシリーズが好きなのでまたどんな形でよいので番外編や新シリーズを読むことができたら嬉しいなと思います。

テーマはホラーBLですが怖い話が苦手な方でも大丈夫

「ホラーBL」を共通テーマに3人の先生方が寄稿したアンソロジー。表紙も装丁もおどろおどろしい雰囲気で、よくみたら本文のフォントもレトロな明朝体で怖い感じです。でも内容は見た目と違って怖くないのでホラーが苦手な方にも安心です。
1作目「ルーム5」(木原音瀬先生)
舞台は病院の手術室で、霊がみえる先輩看護師と見えない後輩看護師のお話。後輩視点で話が進んでいきます。初めての準夜勤でこんな現象に見舞われたらトラウマになってしまいそう。しかも後輩氏のプライドが高くてプリプリしているだけにますます気まずそうです。ホラー味は薄かった。二人のこの先が気になります。
2作目「神秘探求家・久慈倫教 キョウカイノコ」(和泉桂先生)
タイトルの「キョウカイノコ」は本のタイトル鏡怪でした。鏡の中に映る自分の影と交代して鏡の世界に入る主人公。鏡の中で出会ったおじさんに開発されてしまい快楽にはまっていくというエロチックなお話。恋愛というよりも快楽にシフトしたBL。あとがきによれば主人公の久慈倫教は2作目とのこと。
3作目「王子様の恋人」(水壬楓子先生)
同じ著者のアンソロジー「アイドル伝説」収録の「多津木村伝説の謎を追え」の続編。またネバスクが出てきたのでびっくりしました(笑)。こちらは「多津木村~」と同じく礼衣と八雲がメインです。二人は同じアイドルグループ(ネバスク)のメンバーで恋人同士。ドラマ撮影中の礼衣のところに八雲が差入れを持って現れたのは、礼衣に粉をかけるプロデューサーの存在のため。ホラー味は薄かったけど鏡怪ではあったし(表紙イラストはこのお話か)八雲の執着がとても良かった。八雲の正体は礼衣にも秘密ですが本当は人外設定というのもとても好きです。

テーマはブラックストーカー、白と黒で一対に

「ブラックストーカー」を共通テーマに3人の先生方が寄稿したアンソロジー。同じくホワイトストーカーをテーマにした「White Knight ~行きすぎた執着アンソロジー~」と対になっています。単体でも楽しめますが、裏表という意味でも両方味わいたいところです。
1作目「ストレンジャーズ・エンゲージ」(水壬楓子先生)
「ストレンジャーズ・エンカウンター」のスピンオフ。前作と同じ地続きの世界で、同じ種族の宇宙人のお話。エロかった(笑)。もうあれですよ、どこの星の人かわからないですけど、地球侵略は諦めた方がよさそう。地球防衛軍よりも桜田門と日本古来の人外の方が頼りになる世界観、好きです。
2作目「ぼくのかわいい人」(和泉桂先生)
「貴方はかわいい人」の視点変え、後日談。前作で散々牧丘の脇が甘いとか寧ろみっくんは大丈夫なのかとか思っていた私を嘲笑うように本作はみっくん視点で話が進みます。そしてみっくんの正体?を目の当たりにし思わず嘆息してしまったわけなのですが、事態は思いも寄らない方向へ。前作含めて騙し騙され、すごくすごく面白かったです。この後の二人の行く末が気になります。きっと一番みっくんがこんなはずではと思っていると思うけど、上には上が居るということで。
3作目「君の魅力にノックアウト」(木原音瀬先生)
「君に恋してロックオン」の視点変え、後日談。坂本が星の担当になって1年が経過。お仕事も二人の仲(恋人ではない)も順調。本作は坂本視点で綴られているので、坂本の星に対する敬愛や憧れは継続していて、1年経った今でも現状に感謝する真面目な人柄であることも、一片たりとも星を疑っていないことも分かるわけなのですが、終盤に「星さんは坂本くんのことが大好きだよね」という周囲の科白(それでも坂本はピンときていない)や最後の星の述懐からも、長い時間をかけて絡め取られていく様子がわかります。星はこのままの関係性でいいと思っている節もあるので(嫌われるくらいなら長く一緒にいる方を選びそう)、何事もなければ二人はずっとこのままニコイチかもしれません。坂本がマネージャーをやめるなどと言い出したら急転しそう。

どのお話も極上で続きを切実に希望

「フィギュアスケート」を共通テーマに3人の先生方が寄稿したアンソロジー。2018年発行の同人誌なので今とはスケート事情がちょっと違うところもありますが全く無問題で読めます。
1作目「きみは僕のスター」(杉原理生先生)
成績が伸び悩んでいる光流の目下のライバルは2個下の瑛太。子供の頃から自分に懐いていた瑛太は今や国際大会に出場して知名度も技術力も高くなってしまったのに、インタビューでは光流のことを憧れだと臆面も無く言ってのける、というお話。可愛いです。可愛いです。瑛太→光流の矢印が強々で大変によろしいのです。氷の王子様が光流の前ではただのわんこになるのがとても良いです。つ、続きはないんですか!切実に続きが読みたいです。
2作目「雪とスケート靴」(木原音瀬先生)
オリンピック選考で、国内選手権2位だった自分の生徒が出場選手に選ばれなかったことにショックを受けるアイザック。スケート連盟の選考委員の一人であるダニエルに食ってかかるが、かつて選手時代、同じくオリンピック選考で明暗を分けたライバルだった、というお話。二人は現役ではなくて教える側、滑る場面などないのに二人がどんな選手だったのかが手に取るように分かります。アイザックがダニエルに向ける敵愾心が少しずつ緩んでいく片鱗が見えて、今後二人の関係が変わっていきそうな予感とともにエンドマークなのが心憎いです。続きがあったらこのおそろしく不器用なダニエルの恋情も少しはアイザックに届いたりするでしょうか。
3作目「先輩神様恋人様」(名倉和希先生)
20歳の海斗は先の世界選手権で4位入賞という好成績を挙げた有望株。海斗のやる気の元であり心の支柱は7歳上の先輩スケーター伊吹で、海斗が小学生の時テレビで見てからずっと憧れの存在。打ち上げの二次会で「俺もそろそろ引退かな」との伊吹の呟きに逆上した海斗は引退しないでとせがみ、酔いも手伝って何か怒らせることをしたらしい(が覚えてない)というお話。面白かったです。海斗の先輩愛がうるさいくらい強すぎて、伊吹が「おまえ帰れよ」と邪険にしてもくっついて離れない。ぽんぽん言い合う二人のやり取りを聞いているだけで笑ってしまいました。先生も「続きが書きたいです」と書いてあるので、どこかで続きを読めることを祈るばかりです。1作目と3作目、似たようなシチュエーションなのに作風が全然違い、どちらもすごく楽しく読めて良かったです。
とにかく言えることは3本ともとても良作で読後にやにやが収まらないということです。良い本でした!

3本立て

「世界一初恋~小野寺律の場合 21~」特装版に附属の小冊子。
本文32Pで、小野寺律の場合、羽鳥芳雪の場合、木佐翔太の場合の3本収録。
本編でいま一番浮かれていると思われる高野さんの一言「つまり結局なんでお前は俺のこと好きになったの」から始まる「小野寺律の場合」がやっぱり一番好きでした。悄然とした表情で「(語るのに)三日かかります」と告げる律も面白いですが、そこへ食い下がる高野さんは強い。この二人はつくづく色々あったなあ、とこちらも過去エピソードを思い出したりして、本当に高野さん良かったね、と思えたお話でした。
「羽鳥芳雪の場合」は、あの最中にアイディアを思いついた千秋と行為を中断して打合せするという社畜で受難な羽鳥さんのお話。「木佐翔太の場合」は、事後シャワーの時に好きな体位があるか質問してちょっと落ち込んでちょっと浮上する雪名が可愛いお話でした。

「青春狂走曲。」の後日談SS

「青春狂走曲。」の後日談SS。なんでもアニメイト無償特典4Pリーフレットの書き下ろしSSは、健人の妹みどりちゃんの結婚式での出来事が描かれているようですが、こちらはその翌年のお話です。
みどりちゃんの結婚式にえらく感動したスコットが「自分たちも挙式をしたい、場所はハワイがいい」と言って、翌年二人でハワイにやって来た、というお話です。
ウェディングフォトをとる日なのに雨が降り続き、落ち込むスコット。慰める健人。めっちゃ可愛いです。本編のすったもんだが嘘みたいに二人の仲睦まじさににやけてしまいます。素敵な写真が撮れるといいです。雨のハワイもいい思い出ですよね。
カードの片面は紗久楽さわ先生の表紙イラスト。表1の二人のみのイラストカードになっています。表4のオールキャラとても可愛かったのでちょっと残念でもあります。考えてみたら、紗久楽さわ先生の現代物(しかもパンクロック風衣装)はとても貴重ですね。

テーマはホワイトストーカー

「ホワイトストーカー」を共通テーマに3人の先生方が寄稿したアンソロジー。副題に「行きすぎた執着」とありますし、そもそもストーカーにホワイトとブラックがあるものなのかも謎ですが、その辺りは丸呑みして楽しみました。
1作目「ストレンジャーズ・エンカウンター」(水壬楓子先生)
アメーバ様の宇宙人が主人公という、いきなり頭を殴られたような設定のこの作品からスタート。以前捕獲したのに取り逃がした人間と再会した主人公。胸躍る感情は恋なのか食欲なのか、というのもニヤリとさせられましたしとてもエロかった。そしてこの落ちです。楽しゅうございました。
2作目「貴方はかわいい人」(和泉桂先生)
ストーカーGメンとして動画配信をしている牧丘のところへ、コンカフェ勤務の草加が相談に訪れるお話。すっかり草加にはまっていっている牧丘には分からないかもしれませんが、読んでるこちらや助手のみっくんには草加の狙いは分かってしまう。それよりむしろみっくんの身元は大丈夫なのでしょうか。牧丘さんの脇が甘くて暢気で心配です。
3作目「君に恋してロックオン」(木原音瀬先生)
所属事務所で実施するアイドルオーディションの候補生に気になる子をみつけた、先輩アイドルのお話。同じ著者のアンソロジー「アイドル伝説」に登場したネバスクが登場したときにおおっと思いました。主人公の星★キラリさんはオーディションの面接動画50人分を見た上で1人だけがドストライクだったわけなのですが、このお話だけだとまだ関係性自体は節度が保たれています。この先が気になりますね。もっともこの子への執着は並々ならず人には言えないアウトな行動をされてはいるのですが、確かにホワイトかもしれないと思わせられます。表向きには節度があるからで、それが逆に怖くもあり、この先どうなるのか知りたいです。

箍が外れてるけど仕方なし

恋に堕ちるまで0日だった20巻で完結しなかった本作。21巻の帯には「恋が始まる1日目。」の文字が。いつまでどこまで続くんでしょう。それにしても本の薄さに驚いています。例によって通常版と特装版の2種類発売しているのですが(表紙も違う)、特装版の小冊子と合わせてちょうど一般的なコミックス1冊分の厚さになるので、無理にわけなくても良かったのでは、などと思ってしまいました。
内容は、小野寺律の場合No.39と40、巻末に40.5(描き下ろし)。スペシャルミックスとして小野寺律の場合、羽鳥芳雪の場合、雪名皇の場合、横澤隆史の場合のSS4本が収録されています。スペシャルミックスは共通テーマがあるわけではなくそれぞれ単発物です。
さて、「恋が始まる1日目。」ですよ。ようやく付き合うことになった律と高野さんですが、元々セフレみたいなところからスタートしているので、いざ恋人同士になったといってもどうしたらいいのかお互いによく分かっていない、というなんとも可愛く微笑ましく甘ったるいようなむず痒いようなお話でした、2本とも。可愛い。この二人の場合はもう私は完全に高野さん贔屓なので、おいおいと思うような場面があっても、仕方ないよなこれまで高野さん辛かったしな、多少(多少か?)浮かれるのもやむを得ないよな、とついつい擁護してしまうのですが、まあ箍が外れてますよね。鬼編集長ぶりの描写は今回ないのですが、この作品の良さの一つにお仕事BLという要素があったので、またそういう展開が見られると嬉しいです。

ぐらぐら揺さぶられました

すごく良かったです。商人リーのボスが登場しましたが、まったく想像もしていなかった人でした。そして的確にジーノの足下を揺るがすキーパーソンでもありました。
この人に出てこられてしまってはジーノは言いなりになってしまうのでは、ボスの座を降りてしまうのではと、とても心配すると同時に、どんどん内向きになっていくジーノの思考を見るにつけ、縋るような思いで読み進めました。落ち込んで何度も昔のことを反芻するジーノが痛々しいし、気持ちは痛いほどわかるけど、そっちに行って欲しくない。
雨が降ったところから荒療治を経てようやくジーノの硬い殻にひびが入り、塞いでいた思いを吐き出して、ダンテの言葉が耳に届いた場面。この一連は極上の名場面だと思います。そしてこのときのダンテの言葉がとても良くて、何度も何度も読みました。後述しますがその後のテオとニコロの言葉も良かった。彼らがこれまで見てきたのは、信じてきたのは誰だったのか、ということに尽きます。
まだ招かれざる客の目的という謎は残されているし、このあとどんな風に決着を付けるのか次巻までお預けですが、きっとファミリー一丸となって難を避けることでしょう。
20年ぶりのお祭りというシチュエーション、ダンスも花火も素敵でしたし、最後の日にたくさんの花を抱えて街の皆さんに配ってまわったジーノも素敵でした。
ダンテもジーノも、自身にかかる大切なことは飲み込んで言わない傾向がありますが、ダンテの場合はこれまでと変わらない日々がこれからも続いていくように振る舞った挙げ句にひっそり身を引く自己犠牲的な側面があり、ジーノは全部飲み込んで納得できるまで一人で咀嚼するという違いがあるなと感じました。一人で背負い込むのは同じで、たちが悪いのは前者ですが(周囲を騙すからね)、精神をより削っていくのは後者かなと。それでも差し伸べられる手を振り払ってきたジーノがカポの2人に打ち明けたのは、これまでとは違う、成長を見たような思いです。
早く5巻が読みたいです。

性具に興じる二人

商人リーから送られて来たのは日本の大人のオモチャでした。
なんだこれ、といきなりスイッチを入れるのがジーノ。取説を読むのがダンテ。一見反対そうなのに面白いですね。
うねうね動くのが蛇っぽかったようで、ジーノが怖れて壁に張り付くのが可愛い。蛇嫌いという設定はプロフィールで知っていましたがここに出てきました。
まあ、送られて来たものをとりあえず使用してみて、散々喘がされたジーノが激怒する、というお約束。「今度はてめーに使ってやる」というジーノの捨て科白が勇ましいのと、お気に召したらしいことが分かったのが微笑ましいといえば微笑ましい。なにも考えずに読める箸休め的な8P漫画でした。
裏表紙の、2頭身キャラの二人が泡もこもこお風呂に入っている絵が可愛いです。