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エキスパートレビューアー2025

女性ぱるりろんさん

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待っていた2巻!(でも完結は3巻のようです)

2巻を待っていました。1巻の終わりが、ここで終わりなの?という衝撃的なものだったからです。
ちなみに次巻の3巻が最終巻のようです(9月発売予定とのこと)。気になる方は完結してからまとめて読んでもよいかもしれないです。2巻の終わりは1巻ほどそこまで衝撃は受けませんでしたが、続きが大変気になるのは確かです。
1巻ではうっすらぼんやりと語られたナギの正体について、2巻ではかなり明瞭です。昔話などでも、人間と人外は約束したり約束を違えたりして今の世の中が成立しているのが常ではありますが、ここ湯富日も例外ではありません。しかもかなり卑劣なやりくちを何度か目の当たりにすることになるので、元から幸也に寄り添って読んでいるこちら側としてはお祖父さんや温泉協会によい感情を持てるはずもないのですが、前述の来し方を踏まえると、なるほどなあと同情も禁じ得ないという。主人公の敵対側であると同時に、人外に対する人間側という両面を持っているからなのですが、その辺りの描き方に唸りました。
もうBLという範疇は二の次で、このお話がどういう風な着地点にたどり着くのか見届けたい気持ちです。
巻き込まれた恰好の依田くんが、幸也の声に従ってハンドルを切ってくれたことにお礼を言いたいです。(でも後で怒られるんだろうなあ)

子供の時の思い出の続き

幼馴染みの再会もの。
子供の頃、家庭内暴力に苦しみ不眠症でもあった凪が可哀相で可愛くて、家に泊めて一緒にお風呂に入ったり抱きしめて眠ったりしていた圭一。家の都合で引っ越しすることになり凪と離れて10年、会社員となった圭一が偶然再会を果たす、というお話。
調べて訪ねたわけでなく、本当の偶然の再会です。
絵柄も丁寧ですが、とても理性的で終始落ち着いたトーンで展開します。
子供の時と同じ感覚でぎゅっとする、というところから、だんだん少しずつ気持ちに変化が出てきます。特に圭一の方ですね。凪は明確に「好き」という気持ちがあって、これがグルーミングなのかナントカ症候群なのかはもう分からないですが、少なくとも凪にとって圭一は最初からずっと絶対的な存在。
それまでは圭一の家で、子供の頃の続きのように眠っていた二人でしたが、初めて凪の家に泊まったときに圭一が感じた戸惑いがスイッチだったのかなと思いました。とはいえ年上の圭一に罪悪感が芽生えるのは自然なことで、その葛藤の解消には時間が必要かもしれないです。ましてやこんなにべったりになってしまったら、組んで一緒に働くのは難しいんじゃないのかなと老婆心です。
それと影を落とした暴力父の存在が中途になっているのが恐怖でもありました。

両思いになったのに何故かうら淋しい

1巻で思いが通じ合って(というか元から両思い)恋人同士になった二人のその後。
お互い仕事で忙しい中、時間を作って家に行ったり外でデートしたり、それでも思いは募るばかり、というある意味ラブラブな日常なのですが、終始漂う寂寥感。自分のことを本当に相手は好きなのか。結婚しているわけじゃないから何かあったときに自分は蚊帳の外なのではないか。また、去られたら自分は一人で生きていけるのか。そういう思いが溢れているので、え、このあと何かあるの?と思いつつページをめくり、いや何もないわ、変わらない両思いでむしろ感情重くなってるわ、と認識した一冊でした。
1巻との違いは、絵が丁寧になったことと(背景のせいか画面が盛られている)、崇晴が素直になったことでしょうか(これでも)。あと文が経営者の手腕を発揮してもっと金持ちになっている。
崇晴の相棒である染谷がいいキャラなので、1巻よりも出番が少なくなって個人的には少し淋しかったです。

両片思いでセフレの二人

刑事の崇晴とホスト店店長の文は高校の同級生で元恋人、現セフレ。本当は今でもお互いが好きなのに言えないまま身体の関係だけ続けている、というお話。
両片思いでセフレの場合、思いを告げて晴れて恋人同士になるのがゴールとして、そこまでの紆余曲折を楽しみたいという気持ちがあります。紆余曲折でぐいっとのめり込んで大団円で盛り上がりたい。
それが本作はあまり盛り上がれなかったです。読みながらお互いがお互いのことを好きだというのは分かるけれど、刑事の崇晴が今の関係をやめようやめようとしている理由があまり伝わってこなくて、もしその理由が、振られたら自分が傷つくからだというのであれば、共感はし難いしで、無邪気に追いかけている文が気の毒にすらなりました。
文は分かりやすいです。無邪気と書きましたが、実際には分別をもって色々抑え、崇晴の前で無邪気を装っている、というのが正確でしょうか。苦労性かもしれません。それだけに感情移入はしやすかったです。
物語の鍵になる事件についても、最初から匂わせていたりすればもう少し印象は違ったかも。
(初出を見ると、元々は単発で、その後1~3話と4~5話の掲載年が離れているので、1冊にまとまっていても連載時期が異なっているようなので、そういう仕掛けはしづらかったかも知れないですが)

とても読み応えがありました

面白かったです。お仕事BLでありヒューマンドラマです。
コンビニ本社で商品開発を担当している佐伯は、レストランで食べたデザートに感動し、コンビニの新作スイーツでコラボレーションをお願いしたいとパティシエに依頼する。その男が自分の離婚原因である、妻の浮気相手だと発覚するところから始まるお話。
なのです。主人公と、元妻と、元妻の浮気相手、この3人がメインキャラです。元妻がメインキャラなんて珍しくないですか。わりとBLは女性キャラはメインに立たないことが多いですが(BLで女性キャラは色々な意味で難しいと思います)、本作の元妻・千夏はバリキャリで、大酒飲みで、性格も大ざっぱ。BLにおいて主人公の妻がほかの男と浮気するというシチュエーションがある場合、いやな女、むかつく女として描かれることが圧倒的に多いと思うんですが、千夏については全く苛々することはなくて、読み進む分だけ好感が増していきました。自分でもとても不思議です。みつけてしまったある物についてストレートに切り込んだり、言動のいちいちが可笑しくて、離婚したあとも普通に佐伯と友人づきあいが出来てしまうのも納得。
千夏に限らず、この作品に登場するキャラ、脇キャラも含めて、人物がとてもきちんと描かれていると感じました。生まれてから今ここにいるまでの人生も想像できるというか、キャラに厚みがある。普通に生活して、仕事や恋や家庭に悩んで、前を向いて進んでいます。そのことにとても共感しますし、励まされます。
お仕事BLと前段で書きましたが、それだけではなく、佐伯がこれまで向き合うことを避けていた実家の問題についても、社会に出て築いてきた年数分だけ大人になっているからこそ今この段階で立ち向かえたのだと思えました。また、お父さんもお母さんもお姉さんも皆よかったです。表立って描かれていないですがみんなあの老舗と周辺の土地や親戚その他に囲まれて、どんな風に過ごしてきたのか、長男である佐伯をどう思ってきたのか伝わってきました。
ずっと書いてきて思ったのですが、ドラマとか映画に向くかもしれないですね。とても読み応えがありました。

一番の被害者

東京で慈英と照映が酒を酌み交わす、ある日の夜のお話。
本編がずっと臣視点で、慈英側の状況が明らかではなかったので(想像は可能)、御褒美のようなまさに特典といったところです。
内容は、本編2本目の「彼らの周辺で起きていたさまざまな事柄」の中に混ざっていてもおかしくないような小品ですが、主役の一人である慈英視点というところで特別感があります。
全然長野に帰ってこられなかった状況や、当初の慈英の思惑も詳らかになり、本編が少し厚みを増した感じです。本当は彼が誰よりも臣のそばに居たいはずなので、一番ストレスフルなのかも知れません。ということに思い至った作品でした。
冗談で言っていたトークショーがもしも開かれたら倍率すごそうですね。

おかえりなさい

慈英×臣シリーズの最新刊。帰国編でした。
帰国編と聞いて思い描いていたのと、実際の本とでは、厚さがだいぶ異なっており、また、目次を見て1冊まるまる表題作ではないことにも驚きました。
波乱含みにスタートしたものの事件は起こらず、穏やかな短編でした。爆破予告と熊、という不穏ワードがでてきましたが、回収されたのは熊だけでした。
この二人のシリーズ、特に長編は、当然のように事件が起こり、そのかわりに短編は日常で甘くて、というイメージができあがっていたので、本の厚さだけ考えればその通りですが、「帰国編」でそうなのか、と意外に思った次第です。
もっとも日常で甘いお話も、これだけシリーズが長くなってくると、キャラクターや過去のエピソードも一を聞いて十を知るような有様なので、様々なつかしく感慨深いものもありました。
それだけに2本目「彼らの周辺で起きていたさまざまな事柄」、各CP等のSS集が楽しいです。
そして、何年たってもいくつになってもこの二人の本質は変わらないなあと胸熱になったところで濃厚Hが来て、やっぱり変わらないや、と思うなどしました(笑)
あとがきを読んで、私が感じていた上記の戸惑いも咀嚼できました。てっきり爆破予告がその後関わってくると思い込んでいまして、そうではなかったことに納得できました。
彼らも年月を経て、性格だけでなく組織におけるポジション、社会における役割も変容していっている。でもまたかつてのような、事件含みの長編も読めたらなあと願っています。

魔女と猫 コミック

黒井よだか 

残忍な強敵から逃げるハードなアクション物

良かったです。魔女と使い魔という特殊設定ありのお話で、最初はその設定に戸惑ったのですが、何回か戻って確かめながら読んでいくうちに、須藤と寿一の二人の生い立ちが胸に迫り、寿一に笑って欲しいと願う須藤の気持ちが痛いほど伝わってきました。成り行きとはいえ魔女と使い魔という関係になった二人が、生死をかけて追っ手から逃げながらお互いに惹かれ合っていくのも自然で、とてもよかったです。
彼らを追いかける夏美がものすごい強敵で、常に余裕があって、何度も二人が危険な状態に陥るので目が離せず、憎らしくすらなりました。夏美側の事情のエピソードをもう少し見たかったところですが、そうすると今回味わった脅威が薄れるような気もしますし、強敵だからこそのスリリングな展開というのがあるので、やはり現状が最適解なのかなとも思いました。
寿一の両親がとても優しくて、魔女狩りにさえ遭わなければきっと須藤のことも可愛がってくれただろうと思います。須藤の家庭環境が悲しく、寿一に会うことができて本当に良かったと思いました。
巻末のデートの描き下ろしがものすごく可愛いかったです。描いてくださって嬉しいエピソードでした。二人にはこういう時間をこれからも重ねて欲しいな。穏やかにやさしい日々を過ごしてもらいたいです。
それと、使い魔<猫>は夜目が効いて、<犬>は嗅覚。それなら<蛇>ってなんなんだろうなーなどと想像するなどしました。

幼馴染みで両片思いでセフレ

幼馴染みで両片思いのお話でした。
子供の頃から仲の良かった友達だからこそ、本当の気持ちは言えない。
好きな人がいると嘘をついて、その練習台として始めたセックスが、いつからかお互いに無くてはならないものになって、ますます二人の関係をたとえる名前が増えていく。
気の置けない仲だからこその遠慮の無いやりとり。肝心なことは黙っているくせに余計なことはストレートに口にするから喧嘩もするし、いつもどおりの空気が保てる。微妙であり絶妙なテンポ感。
両思いなのはこちらは分かっているので、いつのタイミングでこの歪でねじれた関係が本来のあるべき形に変わるのか、わくわくでした。
過去のエピソードもからめて二人がお互いを思いやる気持ちもよかったです。
最初こそ、顔の判別がつきづらくて、どっち?と戸惑ったりしましたが、だんだん見分けがつくようになりました。千鶴の友達のヨシくんがとてもいい奴でしたね。

読んでよかったです

 ※ネタバレも甚だしいです。未読の方は御注意くださいね。


「聖なる黒夜」から23年ぶりに続編が刊行、という触れ込みの本書。
実際には「聖なる黒夜」の続きにあたる物語は他にも複数出ていて、本書はそれらの続きにあたる、と思われます。
(花咲慎一郎の後半がいつぐらいなのかがちょっと不明。でも周辺の状況等でいつか照合できるでしょうか)
「聖なる黒夜」から本書にいたるまで、関連作品を9冊読んで、満を持しての「海は灰色」拝読でした。
「月神の浅き夢」のとき、練が39歳で麻生が46歳なので(推定。ちがったらすみません)、本書はそれよりも後なので、少なくとも練は40代。時の流れは怖ろしいですが、練のキャラはほぼ一緒です。
麻生が、別れた妻の影を追いかけて雪の温泉町まで足を伸ばす物語と聞いて、覚悟して手に取りました。
でもそこに描かれていたのは、私が見たかった世界でした。麻生と練のバディ感。遠く離れた土地で、二人が並んで夫婦漫才みたいなやりとりを交わし、事件の謎を解いていく。
これまで、麻生が緑子に一方的に練のことを惚気たり(「聖母の深き淵」)、長谷川環が花咲に練の唯一の弱みは片思いの相手だとばらしたり(「ア・ソング・フォー・ユー」)、そういう間接的な描写だけでもヒャァ~~と浮き立っていたのに、ここにきて二人が顔を合わせて語り合って、隣を歩いたり鍋をつついたり、なんの御褒美なんですか。麻生は当然のようにその存在を受け入れて、普通に「練」とか呼びかけるし、それどころか練の自分への妄執について人に話すし、尚且つもしも自分がこの場で命を落とすことがあれば間違いなく練が報復するだろうとか言うし、なんなのその距離感とその自信は!
そして、きっぱり離れようと思ったけど出来なかった、という麻生の言葉は、私がとても聞きたかったことでした。
色々思うところはあるけれど、バディ感を味わえたことは素直に嬉しかったのです。
もう、両思いだとかそういうことを軽く超越していると思いました。逆にそういう終わり方だったからこそ、これに続く第二部第三部がおそろしくもあるのです。幸せな二人じゃだめなんでしょうか。

それと、これは作品レビューではないのですが、
(でもひどくネタバレ。注意)
麻生は服役したので探偵事務所を開くことができず、浅草の事務所も畳んでいまは川崎に住んでいるらしい。なら「ア・ソング・フォー・ユー」でのあのときはいつだったのか? 「海は灰色」時点ではもう俺は警察官でも私立探偵でもない、と言っているので気になります。
それと、玲子はこの温泉町に2年間いたらしい。いまから3年以上前、だそうなんだけど、「今」が何年なのか、99年か00年?普通に考えると98年とかになってそれは合わないから違うとして(麻生の出所が98年冬)。切実に年表が必要。