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How to melt コミック

末広マチ 

年下ワンコはこうあって欲しいの理想形

恋愛不信にある年上先輩の凝り固まった恋愛観を、年下ワンコ後輩が一途さと健気さでゆっくりと解きほぐしていく癒しと救済の一冊。
丁寧に紡がれる好きの過程と、どんどん大きくなる愛情の掛け算ラブに、萌えゴコロがキュンキュン疼きました( ´∀`)

年下ワンコ攻めはこうあって欲しいをたくさん詰め込んだ"理想のワンコ攻め"、ここにありです。
人好きする性格に、フットワークの軽さ。それに、人懐っこさとシゴデキのポテンシャル、爽やかなビジュアルも追加して、難攻不落な恋を応援したくなるようなキャラクター像でした。
尊敬する先輩で、しかも恋愛にトラウマがある深雪を攻略するのはかなり手強かったと思います。本人を目の前にして攻略を宣言しても、ガツガツもしないし、変に焦ることもしない。深雪を振り向かせる過程においてもマイペースに楽しみながらの攻略スタンスは好感度大でした♪

ナチュラルかつストレートな気持ちの伝え方に芽吹のカッコ良さが全て詰まってます。話す言葉1つ1つ、伝える想い1つ1つに誠実さが見え隠れしていて、そんなちょっとしたことにもトキメキいっぱいでした。
そんなアプローチをされるわけですから、深雪が絆されていくのも時間の問題です。芽吹に気持ちを傾けていく深雪の心には、恋愛不信の大きな壁が立ちはだかりますが、そんな壁すら乗り越えていくほどの恋心を芽吹に抱く恋愛過程は大きな見どころでした。

深雪の戸惑いや不安が、次第に安心に繋がっていく終盤は一気に甘い景色が広がるのでお楽しみ下さいね。深雪のデレにしても嫉妬心にしても、いいモノをたくさん見ることができて、良き読後感でした( ´∀`)
物語は終わってしまったけど、2人の恋愛は実はまだ始まったばかり。スタートしたばかりの2人の恋愛が、より盛り上がりを見せていくよう願っています。

愛されしカップル2人のジレモダ恋は、こんなにも尊い

っとに、この2人はよー…とツッコミたくなる可愛い2人が主人公の作品です。

恋人同士ではない。でもラブラブ。
親友ではある。でもヤルことヤッてる。でも恋人同士じゃない。

……はて?(・Д・)
この2人の関係って一体何なんだろう…?

一見するとセフレみたいな関係ですが、2人の心内はしっかりとお互いにベクトル向いてます。しかもガチガチに。
攻めのイツキの方は、女好きのチャラ男キャラが災いして、チカへの本気度が伝えきれてない自爆型恋心。受けのチカの方は、一見クールに見えるもののイツキへの想いが一途なクーデレ型恋心。こうも噛み合っていないと、2人の恋心がズレまくっていくのは必至です。
イツキ視点だとチカの態度はつれなく見えてしまうし、チカ視点だとイツキのふわふわした恋愛観に不安になってしまう。これは両視点ストーリーじゃないと分かりにくい繊細な心情描写なので、両者の気持ちが同時進行型で展開していく恋愛模様はグッジョブでした。

ずーっとクールなチカの気持ちが露わになると、そういうことだったのか…と納得。同時に2人の気持ちのズレが修正されていく物語の最大の見どころです。
チカはずっとイツキの行動も言葉も大事にしてきたし、信じてきた。素直すぎるが故に、だからあんなにも塩な感じだったんだなと思うと、イツキの自業自得感が沁みると思います。イツキには大いに反省してもらわねば^ ^

基本的に当て馬とか、ややこしい人間関係に取り込まれていくのはないです。まぁ、彼ら自身が、勘違いからヘタレマインドまで自分たちで状況をややこしくしていたこともあり、2人の感情の揺れ動きがメインだったのは有り難かったかな。
好き同士なのに、なぜかすれ違っているモダモダ感にやれやれでした。

ラブラブ。なのにどこかしょっぱい。
近い距離なのに、心が遠くに感じる複雑な2人の距離感や心情にたくさん浸って下さいね。心も身体も伴った2人の甘さは極上でした(*´︶`*)

色んな"最高"がギュッと濃縮した絶品作

BLゲームの悪役キャラに転生する系の作品は、これまでたくさん読んできましたが、数多に存在する同設定内容の作品にも埋没しない面白さでした!
見た目的にはキラキラ系のファンタジー作品だけど、中身的には主人公のイヴォンが死ルートを回避するために汗かいてるのが笑っちゃう。そんなところも推せる理由です^ ^

悪役返上して、攻略対象キャラの中の1人とラブになっていく手の内はちゃんと分かってるんですよ。でもそれが分かっていても、読み入ってしまうのがこの作品の素敵ポイント。思いがけない方向から恋愛が育っていくのが楽しくて、ページをめくる手が止まりませんでした♪

BLゲームの主人公・アオイの恋愛の芽を潰さないと自分が死ぬ。命が掛かってるから必死になってアオイの恋愛ルートを潰していくイヴォンの根回し術は、まー大変です。とにかくアオイが攻略対象者たちと結ばれなければいいわけなので、そのためなら自分の身を駒にしても厭わないイヴォンのなりふり構わないやり方がストーリーを面白くさせています。
結果、みんながイヴォンを好きになるルートが出来上がってる気がしなくもないですが(笑)、そんな予期せぬルート改変が更にストーリーを盛り上げてくれているのがGOODでした!

監督指揮官のようにキャラクター1人1人の動きに気を配るイヴォンの采配は、元のゲームエンドを知ってるからこそなんですが、そんなイヴォンでも行動が読めなかったのが、騎士団長のオウギュスト。イヴォンを嫌っている彼が、イヴォンにオチていく別ルートはこの作品の本線であり大きな見どころとなっています。

イヴォンを嫌いな堅物の騎士団長が、どうやって好きルートに転じるのか。
ゼロどころかマイナススタートの好感度が、どうやって100に…いや、120にまで押し上げられていくのか気になりませんか?^ ^
常日頃からちゃんと周りのことをよく見ているオウギュストだからこそ、イヴォンの本質を見抜けたのかなと思います。悪役はあくまでもイヴォンのガワの部分。一緒に討伐の旅をしていくうちに、イヴォンが清廉潔白なことを自分の目で見て確かめていったオウギュストの誠実さが恋愛の萌芽に繋がったのは言うまでもありません。

して、この堅物男の面白いところは、ムッツリさんだということですね。(←ココ重要 笑)
表向きはクールな態度を決め込んでいても、中身はイヴォンへの執着心がみっしり。魔力供給(ディープキス)の権利を誰にも明け渡さない独占欲と下心にヒャッホウでした(//∇//)!
良い意味でも悪い意味でもイヴォンを意識していた男の気持ちが、むくむくと膨れ上がっていく瞬間瞬間をお楽しみ下さいね。
普段は公明正大なオウギュストも、恋心の前ではイヴォンを独り占めしたい1人の男。俺が俺がと主張する大人気ない騎士団長の姿にご注目頂きたいなと思います♪


BLゲームのバッドエンド死ルートを見事に回避しながら、愛する人と幸せになっていく大円団にほくほく大満足でした!
甘みもイチャイチャも申し分なし。色んな"最高"がギュッと濃縮したストーリーの良さをたっぷりと堪能して下さい。

しっとりとした想いが沁みるエモーショナルな一冊

このお話を描くのにどれだけ設定やバックボーンに力を入れたのだろうかと驚きました。

ピアノや音楽の専門性にしっかりとアプローチしていることによってよりストーリーが深く沁みる読後感でした。
私は音楽にもピアノにも造詣が深くありませんが、物語の世界に深く没入してしまう重みが心地よかったです。ピアノへの愛とか情熱とか、2人のBLを語るのに欠かせない大事な絆の部分がものすごく丁寧に描かれているストーリーが素晴らしかったです!

絵の儚げな雰囲気、物語の切ないテイスト、陰りのある2人のキャラクター性、全てが良い相乗効果を生んでいて、ため息の出るようなエモさがグッときます。
近い距離にいるのに、心はどこか遠くにあるような2人の独特の距離感にはしんみり……。罪悪感によって繋がっているような2人だけど、実はそうじゃない。"そうじゃない"ところを早くオープンにして、心から結ばれてくれよと願いながら2人の恋愛模様を見届けました。

当真には弟が、依鈴には父弟に加えてその道の重鎮たちがどしっと脇を固めるキャスティングがとにかく圧。2人の関係を邪魔するようなしないような……ピアノの道も恋愛の道もハードルが高いのがやるせません。
足踏み状態にある依鈴が今の状況を抜け出せるか否か。当真の存在が依鈴の足枷になっているのかどうかも含め、当真と依鈴の関係から目が離せない恋愛模様でした。
依鈴が出す決断は?当真との向き合い方は?また、当真の依鈴への想いは?などなど、どんな着地点になるのか最後まで見届けて下さいね^ ^

2人でピアノの鍵盤に向き合う最後のシーンは、ジンとくる感動のワンシーン。美しい音色が聞こえてきそうな絵画のような一枚が素敵でした。
2人の輝かしい未来に期待しています♪
(できることなら2人のその後をぜひ!)

おとぎ話のようなワクワクの訪れを楽しみましょう♪

おとぎ話のようなワクワク感と、敵に果敢に立ち向かっていくハラハラ感を最大限に魅せていくファンタジーな一冊です。
アンデルセン童話の「みにくいアヒルの子」っぽさをマルに重ね見てしまうせいか、親しみや懐かしさで応援したくなるような物語でした(*´︶`*)

何といってもシマエナガがモデルとなっているマルのキャラクターがとっても可愛い!
丸っこいボディ(鳥の姿のとき)と、「あい。」の返事に庇護欲がそそられるプリチーチャーミングな守り鳥がこの作品の主人公。もちろん人の姿をとっていても可愛いので、マルのビジュや素直な可愛さにどっぷり浸かることができるのはこの作品の推しポイントです。
見た目も喋り方もこんなに可愛いのに、この世界ではなぜかみそっかす扱いなのが信じられません。
誰の目に留まらなくても卑屈になることなく献身的に頑張る姿や、明るく前向きに生きる健気さ、些細なことに幸福感を感じるピュアなハートがまずもうたまらん。見た目を裏切らないマルの素敵なキャラクターにすっかり虜になりました。(トリだけに… 笑)

そんな中、王弟であり騎士団長のルーカスに見初められ、マルもついに守り鳥デビューの夢が叶う大きな転機が訪れることになります。みそっかすのおチビちゃんにも一生のパートナーが出来た、しかも相手はこの国の最高ランクの男……!
美麗な他の守り鳥には目もくれず、マルを自分のパートナーにしたいと望むルーカスの固い意志にはトキメキと期待が最高潮でした。
王弟(権力)、騎士団長(能力)、マルを名指し(溺愛・執着)、スピード感のある身請け(財力)、……そして当然のように顔がいい(ビジュ最強)。最高スペックの王子様に見初められるシンデレラストーリー的展開は楽しさ冷めやらぬ一幕でした^ ^

いや、しかし。物語は王弟に選ばれて終わりじゃありません、むしろここからがスタートです。
ルーカスの守り鳥になってから始まる冒険の旅こそがこの作品の主軸の部分。国の守り神のような存在である光鳥に関する手掛かりを得るため、ルーカスと共に旅に出るマルですが、旅の途中ではシリアスな場面に遭遇したりもします。
被害に遭った村人たちを癒すマルの神秘的な能力は、この物語の鍵です。
他の守り鳥たちと違う見た目であったこと、マルには癒しの能力があること……これらのことを考えるとマルと光鳥との関係性が自ずと分かってくると思います。
「みにくいアヒルの子」だって、あっと驚く素敵なオチでした。みそっかすのマルにももしかしてそんな訪れがあるかも……?^ ^
その答えは、本書の中でぜひ確認下さいね。

更にといってはなんですが、マルの真の姿が明らかになってからも(もう答えを言ってる 笑)、そこからまた色んな波乱があるので見せ場が常に上積みしていく面白さを体感して欲しいと思います。
ルーカスとの関係はその中でも一番の見どころです。2人の恋愛がどう着地していくのが最後まで見届けていきましょう( ´∀`)

どこまでも応援したくなる神カップル

イケメンの人気者男子と平凡男子のSNSから始まるピュア恋ストーリー。

……萌えがたぎりました!\(//∇//)\

『第1回ずっと見守りたい♡BL短編コンテスト』優秀賞とのこと。そんな釣書に誘われて購入したけど、買って大正解のポチリでした。
イマドキの高校生らしいSNSでの出会いが純粋な恋物語を演出していて、密やかに恋心を育みながら距離を縮めていく2人の距離感にドキドキの嵐です。
写真をSNSに上げるのが趣味の熊谷の日常に変化を与えるのが、クラスの人気者の葛西。熊谷にちょっかいを掛けてくる葛西のアプローチが分かりやすくてド直球で、これぞ攻めのポテンシャルと言わんばかりでした。

学園ものの良いところは、こういう接近戦がクラスの小さなコミュニティで繰り広げられることでしょう。無意識に向けられる熱い視線を感じたり、「おはよう」の挨拶から「一緒に帰ろうぜ」をコミュニケートし合う2人の近さが、ジワジワと萌えゴコロをくすぐります。
相手は人気者ですし、クラスの注目を浴びる効果も手伝って、熊谷が特別な存在であることをしっかりとアピールする牽制力はGOODポイントです。葛西があまり周りを気にする性格じゃなく、熊谷熊谷とワンコのようにくっ付いて回るゴーイングマイウェイなスタンスも良いんですよね。
葛西に気のある肉食系美人女子の誘いをバッサリ拒否する塩対応は、スカッとして小気味が良いので必見です。この一連のやりとりを近くで見守りたくてウズウズたまらんでした(笑)

そんなやりとりをしつつ想いを交わし合っていく2人ですが、実は付き合ってからの話の方がボリュームが多いです。恋人になるまでの尺で3割ほど、残りは付き合ってからのエピソードになります。
そんなわけで交際中のお話がメインとなるわけですが、その景色はラブラブかつすれ違いの恋愛模様です。
熊谷を守りたいがあまりに臆病になってしまう葛西のヘタレな態度は、付き合うまでのアプローチ攻撃とは打って変わって少々頼りない。熊谷に誤解を与えてしまうやるせない展開にはハラハラしましたが、反対に熊谷がめちゃ頑張ってくれるので、悪いことばかりではないことを知って欲しいです。
恋人同士になって不安になる葛西の臆病な心情描写と、交際によって強く前向きになっていく熊谷の心情描写の対比が面白く、重めの葛西の好きに熊谷も負けていない相思相愛の恋人期は見どころがたっぷりでした。お互いに悩みや不安を抱えながらも、問題を解決して更に愛を深め合っていく2人の姿に胸アツでした。

将来の展望を語り合う未来への広がりを感じさせる余韻は良い読後感に繋がりましたし、どこまでも応援したくなる素敵カップルでした。
あと、BeLuck文庫レーベルさんの作品にしては珍しくエロのシーンがしっかりとあったのが個人的には推しです。好きな人と繋がることが出来て嬉しい気持ちが乗ったハジメテのシーンはジンときちゃいました。

因みに私は電子買いですが、電子限定のエピソードも最高に良かったです!
2人のあまあまをもっと楽しみたい方は電子をおすすめします^ ^

もうすっかり恋人としての安定感

2巻の終わりで登場していた、ガクの写真を持っていた思しき外国人のカレ。
イケメンで、何かを起こしそうな雰囲気がある青年でしたが、予想通りタカラとガクを翻弄する台風の目的なキャラクターでした。

もしや、ガクが外国生活していたときに親しくしていた友人がいたとか言っていたけど、あの彼では…?と思っていたら、ビンゴ!!そうです、ガク母がタカラに雰囲気が似てるコがいたと言っていたその彼です。
ガクと友人以上の親しい関係にあったらしいその彼・レオが日本へ来たということは、つまり三角関係のピンチが……?∑(((゚Д゚)))
レオの登場によって、ハラハラドキドキの展開は避けられそうにありません。

天才ピアニストでもあるレオは、ガク父(ピアニスト)を頼って来日したのか、ガクに会うために来たのか、他に何か理由があって来たのか……などなど、レオからはミステリアスな香りがプンプンします。
何か意図があってガクに近付くレオをタカラが警戒するのも無理はなく、レオが2人を巻き込んでいくのは紛れもない事実。ガクと仲違いしてるかと思いきや、ガクと仲良さげにしてるやりとりもあって、レオが何を考えてるのか分からなくて少々混乱しました。

ただ。
レオに振り回されても、2人の仲は磐石ですのでどうぞご安心を^ ^
嫉妬のあまりすれ違うとか、嫌な方面に進まないのが2人の信頼関係の賜物かなと思います。
1巻のときのタカラは嫉妬で怒り狂った挙句、ガクに暴言まで吐いていた実績があったのでヒヤヒヤしましたが、タカラも大人になったということでしょうか。レオと柔軟に分かり合えるまでに距離を縮め、ガクのためにピアノ練習を頑張るタカラの姿勢は頼もしく見えました^ ^

今巻は学術祭のイベントも入り、青春の1ページを覗き見る上でも、またエンタメ的にも楽しさ盛りだくさんでした。
忙しい合間にも、ちゃんとイチャイチャあまあまの時間をとっているので、エロ的な見せ場もたっぷり。相変わらずちょい激しめの濃厚エッチの甘さが冴え渡っていました。
サクラちゃんも侑弦も相変わらず良い存在感でした。サブキャラの魅力を含めてこの世界観を堪能して欲しいなと思います。

遊び慣れ設定はなくても良かった

片想いを拗らせまくって、他の男とヤリまくっている主人公・ライルの奔放な性事情だけは私の萌えには刺さらなかったけど、寡黙な幼馴染と恋人となってから執着される恋人期は多くの見どころがあって良かったです。

言葉足らずのヘタレ攻めのカッコ悪いところもそれはそれで良い味を出していて、ジェイドのライルへの想いが分かりやすいようで分かりにくいところは物語の要の部分。恋人になったからそこがゴールじゃなく、むしろ恋人になってからがスタートする物語だと言っていいでしょう。
片想いのときもジェイドとの関係に悩み、恋人になってもやっぱりジェイドとの関係に悩むライルの心情をメインに動く物語ですが、ライル視点ということもあり、切なめテイストがしっとりと沁みますね。恋愛面の不安ももちろん、ジェイドのバディとして釣り合う男になりたいと焦るライルの気持ちからも目が離せませんでした。

仕事との絡みが多いストーリーということもあり、恋愛面でのアプローチは目立って多くはありません。何せ、攻めが寡黙で無口なキャラ。ジェイドの行動の端々からはライルへの気持ちが伝わるものの、あまあま好きの私としてはもっとおかわり下され状態でした(笑)
個人的な好みとして、臨戦状態にあるベッドシーンの甘さだけじゃなく、日常的なオフの甘さも見たかったです。

そういったことも含め、物語の尺の長さの関係なのかもしれないけど、もう少し話が膨らませたのではと思うところも多々ありました。
裏取引の潜入捜査のことも、ライルが同僚から妬まれまくってることも、皇女アデリーヌからしつこく執着されていることも、全体的にサラッとしていて読み足りなかったです。一つ一つのエピソードにもう少しフューチャーしていたら、ストーリーの背景がもっと深まっただろうし、ジェイドと仕事を通じて深まる絆みたいなものもより見えたと思う。簡単にまとまって終わったのは少し勿体ないなぁと感じました。
特に皇女は何であんなにもライルに執着してるのか分からないまま終わって軽く不完全燃焼です。

2人にしか伝わらない究極の愛のカタチがそこにはありました

"としのさ夫夫"の真髄を見た気がする。

究極の愛ってこういうことなのかなとか、永遠の愛ってこんな風に最期を迎えることなのかなとか、潤也が言ってることはかなり重いけどでも啓司にどこまでも誠実であり続ける姿には、ああ…もう泣けた……。
未来を語るだけなら何とでも言えるけど、潤也からは確実に自分が言ったことを実行するであろう本気度が感じられましたし、見送る方と見送られる方の立場から、あんなにも幸せそうに啓司との未来のビジョンを語る潤也の想いには心の奥底からグッときました。
さすがの啓司も潤也の言葉を婉曲して捉えることがないくらいの愛ある告白でしたよね、潤也の啓司に抱く真っ黒な執着を含めてものすごい愛の深さに感動至極でした。

ただ予想外だったのは、潤也の執着のレベルを正直軽くみていたこと。啓司の胃袋を掴むのが好きな料理得意男子じゃなかったことに衝撃でした。
啓司の食事管理することで、啓司の身体全てが潤也の執着対象だったことには、おわぁ…マジかぁ……(´⊙ω⊙`)でしたが、ここまでの執着領域にイッちゃってくれて嬉しいなとの思いもあります。
啓司の執着を受け止めるのは潤也しかいないし、潤也の執着を受け止められるのも啓司しかいない。モラハラととるか愛ととるか……外野からは分からない2人だけにしか伝わらない愛のカタチにジンときた夫夫の姿がそこにはありました。

甘さも格段に増し、啓司の素直さも増し、でもそのぶん潤也の独占欲も増し増しで、1巻より甘みと重みをたっぷりと賞味できて満足の2巻です♪
同居人でもなく、恋人でもなく、夫夫としての2人の絆の強さに酔いしれた最高の読後感でした。

読み始めたら最後。他のことが手につかなくなる没入感でした。

おおお……これはおったまげた!((((・∀・))))
すんごい面白すぎて、他のことが手につかなくなる没入感でした!

滝沢晴先生の作品って、いつも予想の上をいくストーリーが最高なんですが、この作品も例に漏れずキレ味最高でした。
・よくある話になってない高揚感 → ページをめくる手がとまりません!
・期待を裏切らない神展開 → 読むモチベーションがアガります!
・悪者をボコボコにするスカッと感 → 勧善懲悪キラーにはたまんない!
他にも個性的なキャラが多数登場したりと、まるでエンタメの宝庫な世界観です。
オメガバースだったり、冒険のファンタジーものだったり、再会ものだったりと、とにかく色んな設定が盛り盛りで、読む者を飽きさせないエッセンスのあしらい方が素晴らしいストーリーでした。

ヴィクトールに下賜されたことから始まる2人の恋模様も、実は10年以上も前に始まっていたことの経過地点に過ぎず、その背景はまさにドラマチック!2人の出会いと再会は、まるでおとぎ話のようなドキドキ感で、もう全ての展開が最高でした。
では何故今になって出会うことになったのか。偶然か?必然か…?
その裏事情を知ると、ヴィクトールのものすごい執念と執着が垣間見え、こいつは敵に回したくないやばいヤツだということを実感できるでしょう。もちろんいい意味でです(笑)
表向きは爽やかな美青年、でも敵だと見なしたヤツはとことん切り捨てる腹黒勇者の二面性をとくとご覧下さいね。リヒトに害をなす者への容赦ない制裁は、楽しくてしゃーないです♪

ウザさとキモさで言うと、聖女と国王が筆頭株ですね。
ヴィクトールと何が何でも寝たい聖女様に、リヒトを孕ませることに躍起になっている好色国王の悪行が酷すぎてウヘェでした。魔王が悪とされているこの世界において、聖女と国王もかなりのワルなんですが……どの口が魔王討伐とか言っちゃってるわけ?と言いたい。
国王の横暴や聖女の堕落、誹謗中傷でリヒトを傷つける国民の人間性などなど、"悪しきもの"とはなんなのかを根っこから考えることもこの作品の面白さでした。
因みに。リヒトへの中傷はヴィクトールがボコボコにやり返してくれるので、ものすごい爽快感が得られることを保証致します^ ^

悪役たちの華麗な制裁とは対照的に、ヴィクトールとの愛を育んでいくリヒトの幸せの増幅度は、100パーセント…いや。120パーセントです!!
オメガバースだし、2人が番になることが最高のゴールかといえば実はそうじゃないんですよね。この作品の本当のハッピーエンドは、リヒトの長年の夢を叶えることにある。そして、その夢を叶えるためにヴィクトールがどれだけ気を回しているか。待ち望んでいたか。
勇者になりたかったリヒトの夢を叶えるヴィクトールの愛が、はぁ…身体中に沁み渡りました…( ´∀`)

小さい頃に語り合った夢や交わした約束を叶える2人の最高の幸せに酔いしれました。
何度も読み返していたい、そんな素敵な作品でした。