甘食さんのマイページ

神作品

エキスパートレビューアー2022

女性甘食さん

レビュー数0

ポイント数12

今年度223位

通算--位

  • 神0
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0
  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 特典
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

超〜〜良かった!!

ちるちるの一般小説だけどBL風味?みたいな最近のニュース記事で教えてもらった作品。好みのどストライクでした。ちるちるさんありがとう。

分厚い上下巻だし、ミステリーとしても重厚だし、魅力的な女性もたくさん出てくるし、男女の絡みもあるしBLとは決して言えないんだけど、主役は麻生龍太郎と山内練で2人の愛憎溢れる複雑かつ皮肉な運命の関係がこのシリーズの主題だと思うのでそういう点では立派なBLだと私には思えます。BLみたいに甘い関係ではないけど絆はそれよりも太いとさえ思えます。

なのでミステリーとしても優れているけど、BL面に重きを置いた感想、行かせていただきまっす!忘れちゃいけないのが捜査四課、いわゆる組対という警察でも1番荒々しいイメージの課に属している及川。攻めで捜一の麻生とは大学剣道部の先輩後輩の仲でそれ以上の元彼みたいな関係でもあったらしい。ここにものすごく萌えた。皆の前では名字なのに2人きりの時は今だに龍、純、と名前で呼び合う仲。ギャー萌える!しかも当時は麻生が受けだったらしいよ。

しかし本編最大のエロカワヒロインは受けの山内練。彼の数奇な運命、優秀な大学院生→刑務所で2年間色々な男のオンナにされる→出所後ウリセンバーで男娼→最凶ヤクザに拾われ愛人になる→元の頭の良さを生かしヤクザの関連企業の社長に。元はといえば本人に全く非はなかったのに坂道を転がり落ちるような怒涛の人生です。しかし白檀の香りがする体臭を持ち男を狂わせる魔性の美青年の面も持っているなんて一般小説でこんな美味しい設定のキャラクター…あざっす!としか言えないですね。

麻生×練が公式カップルですが及川が練を抱いてるシーンもあるし、練も可哀想な運命だけどやられっぱなしの性格ではなく、頭が良くボクシングも強いカッコいい受けです。及川が麻生に今でも片想いってのが萌えポインツ。ある意味麻生も魔性の男。3Pしちゃえばいいのに、なんてつい思ってしまいます。このキャラクター達の出てる関連作も早速買ってしまったので楽しみです。

ヤクザBLのBL成分が多いと英田サキ先生の作品みたいになるし、ヤクザ成分が多いと今作みたいになるのかな?と思いました。どっちも大好きさ!

読んで良かった!

読んだきっかけは山藍紫姫子さんがたくさん書かれている出版社なので似たテイストで他にエロいのないかなと探していたら、なんと大好きな海外翻訳もののBLがある!と歓喜して早速購入。

1970年にアメリカで発行されたベストセラーで1985年からJUNEで連載されていたそうです。ゲイの作家が自伝的な部分も入れて赤裸々に書かれた作品なので、リアリティ半端ないです。時代背景は第二次世界大戦前のアメリカが舞台なので当時のゲイに対する世間の目とかも描かれ、ゲイ歴史小説という面もあります。

攻めのチャーリーと受けのピーターが初めて出会ったのは21歳と19歳の時。金髪碧眼で双子のように美しい2人は一目で恋に落ち夏休みの間中ニャージャージー州の祖母の家でセックスに浸ります。しかしニューヨークで同棲生活を始めてからは2人の気持ちはすれ違い始めます。

攻めのチャーリーは許しがたいくらい酷いヤツ。世間体や祖母の目を気にして、自分をひたむきに愛してくれるチャーリーを家から追い出して女と結婚します。この女も酷いヤツでチャーリーはのちに大変な目に遭わされますが(局部から流血騒ぎ)、自業自得だザマーミロと思ってしまいます。

対して受けのピーターは見た目も心も美しく、ニューヨークで1番美しい青年・エンジェルなどと周りの男に言われています。チャーリーに捨てられたために一時は男娼のような生活をして色々な男に抱かれていたけど、不思議と清潔さを失わない人。身勝手すぎるチャーリーを最後に助けてあげるなんて本当に天使みたいな人。しかしYMCAに若い男が泊まったら滅茶苦茶にされるなんてハッテン場みたい…と妙にリアルに感じました。

最初のチャーリーとピーターの別れの場面は涙無しに読めないくらい可哀想でしたが、ストーリーは面白くて読み応えがあり読んで大正解でした。チャーリーのお祖母さんが最初は味方みたいだったのに段々ホラーなラスボスになってきて怖かったです。

これ原書では2人の10年後、20年後のストーリーも出されていたとか。くぅーー読みたかったぜ。原書ももう絶版みたいですが、なんとかならないんですかね。モノクロームロマンス文庫で続編出してほしいなあ。

風流な江戸時代物

久々に剛しいらさん作品を読みました。やはり引き出しが多い。何を書いても読みやすく面白く仕上げてくれます。BL時代劇ドラマを見ているような気分でした。イラストが葛西リカコさんで、葛西さんの和風時代物って珍しくて、美麗イラストに眼福でした。

受けの環は不幸な生い立ちだけど、健気で欲がなくて可憐な受けです。陰間になる一歩手前で新さんに出会えて幸せになれて良かった。数えで14歳から16歳の花の若衆時代を新さんはたっぷりと味わったのね。今で言ったら義務教育中の年齢なので完全に犯罪ですが、江戸時代だしフィクションだし気にしない。青年っぽい骨格に成長しても一生添い遂げてほしいものです。

攻めの新さんは生き別れの双子の武士のお坊ちゃんがいて、プラトニックですが惹かれ合っていたという双子萌え設定もあり読み応えのある一冊でした。

これが2009年作で前回レビューした英田サキさんの「デコイ」が2008年作。BLながらストーリーもシチュエーションもバラエティに富みながらもクオリティの高いこんな作品群がひしめいていた2000年代って(2010年前後?)BL小説界の黄金期で作家さんにとっては激戦時代だったのかなとも思います。今の小説も面白いのは面白いけど似たようなのじゃなく色んな設定の話が読みたいな、と切に願います。レーベルも小説家も減ってるから難しいとは思うのですが。

追記…私は受けが敵の懐に潜入してスパイみたいな始まりだったけど潜入対象に惚れてしまいミイラ取りがミイラになるという話が大好きだという事に今さら気付きました。

よく考えられたお話

シリーズ上下巻読んでの感想です。この小説は作りが凝っていて、殺し屋・火野×刑事・安見カップルと加賀谷×那岐のヤクザカップルの話が平行して進み、他にも記憶喪失設定・人身売買問題など色々なものを詰め込んでるのにゴチャゴチャせず2つの話が上手く交わり、きっちりと2冊にまとめきっています。ヤクザや警察物のスリリングBLには英田サキさんあり、と言いたくなる存在感。10年以上前の作品ですが今も全く色褪せない名作です。

英田先生のすごい所は事件のシナリオも興味深く読ませるのにBLの肝であるLOVEの部分も一切手抜き無しで楽しませてくれる所。火野×安見の愛憎渦巻く感じはBLならではのパッションで萌え滾りました。短髪の刑事受けめっちゃ好みだし!ヤクザカップルの方は逆に一途な純愛で「長年の愛、実らせました」って感じが良かったです。

14年前の事件の真相や真犯人との決着もハラハラドキドキ楽しみました。BLの枠を超え第一級のサスペンスとして面白かったです。最後に登場した篠原刑事とデコイをつくる喫茶店マスターのシーンも最高でした。カッコいいオヤジ達に全て持っていかれた感じ。こういうハードボイルドBL小説をもっと読みたいのに、最近の日本の作品ではなかなか出会えないのが寂しいです。

大好きなシリーズ

上下巻2冊合わせての感想です。ラブネストシリーズの方はカップル2人の絆はもう揺るぎないので今回で終了のようです。寂しい!今回は旭×匡人カップルは痴話喧嘩程度で家を出て行くような大喧嘩はなかったですが、なんだか涙腺がゆるみ最初から最後まで泣かされっぱなしでした。それぞれの家族と向き合うテーマがじっくり描かれていたので。最後は大団円なのでスッキリします。

匡人のママが初めて登場するけど美人すぎてびっくり。まだまだお若い。泣けるストーリー+色々笑わせてくれる要素もたっぷりで面白かった。1番はナル様の愛人…じゃなくて恋人?3名が見れて良かった。絶対ナル様総攻めだし。「いばらのオッサン姫」発言も良かった。最後まで最高の脇役様でした。

サヨナラゲームのカップル、郁&要佑もラブネストでは素敵すぎる脇役状態です。郁は主役じゃなくても相変わらずキラキラした太陽っぷりで無駄に明るさを振りまいてるし、要佑は郁以外の人間には塩対応すぎて面白すぎだし、頭に何度もキノコ生えてるし!もはやギャグキャラと化しています。

旭と匡人は色々家族の問題はあったけど概ね夜の性生活は全編通して絶好調です。エロかったです。これで2人とも180センチは超えてる大型カップルだから迫力あるんだろうなあ。萌える!

カバー下の情報によるとサヨナラゲームシリーズはなんとまだ続くそうです。素敵な2カップルにまだまだ会えるなんて嬉しい限り。甘いも切ないもエロいも、BLの楽しさを全て詰め込んだような素敵シリーズだと思います。もう7冊目だなんて感慨深い。

男同士の執着愛

話題のシチューBL。(本編にシチューは全く関係ありません)企業ミステリーというか裏切り者続出。ハラハラドキドキ読み応えのあるストーリーでした。受けと攻めは最初の関係からはリバになるけど、上巻はレイプされたらやり返す、倍返しだ!みたいな感じで男女ならありえねー展開。男同士のLOVEって感じで良かったです。2人共オス感が強い。ライバル同士のガチンコ対決みたいな関係大好きです。

どちらが善玉か悪玉かどっちが攻め気質、受け気質なのか上巻ではだいぶ惑わされました。過去に赤嶺が内海にレイプしたのは冴木先輩への報われない想いを酒のせいにしてぶつけちゃったのかな?人としてやっちゃいけない事なので仕返しされて当然。これで愛が芽生えるなんてBLの世界だけよ、と思うけどノリで読めちゃう。

シリアスだけどツッコミ所も色々あって面白かったです。社長がワル過ぎてこんな大企業ってある?とかどうしてここにちょうど都合良く鉄パイプがある?とか。でも勢いのあるストーリーなので全部ノリで読めちゃう!下巻ではなんとか甘い感じに終われて良かったです。好きにさせといて裏切るっていうBLで1番傷つくパターン何度も繰り返してましたから。

濡れ場シーンは2人のニンジンさんが白抜きとはいえなかなかご立派な様子が見てとれて眼福でした。さぞ美味しいシチューが完成した事でしょう。ホワイトシチューな!しかしシチュー持ってきたおじさんは本当に一体誰?(笑)

こういうのがもっともっと増えてほしい

アメリカが舞台で攻めも受けも脇役も全部アメリカ人。ファンタジーと違い、実在する地名や組織が出てくるのであまり適当にも書けないので大変だと思いますが、読む方としては色々検索して「クワンティコって所にFBIアカデミーがあるのかあ」とか「ニューオーリンズってこのへんにあるのかあ」とか妄想するにもリアリティが増して楽しさ倍増です。大好きなジョシュラニヨンさん作品とか柏枝真郷さんのホーリーアップルシリーズを思い起こさせます。

金髪碧眼の美少年7人が変態カルト教団に数年間監禁されていた事件があり、その14年後から物語は始まります。BL以外のミステリー部分もなかなか骨太で読み応えがありました。BL部分は試練ばかりの辛い人生を送ってきた受けが初恋を貫くというロマンチックストーリー。犯人は割と早くわかったのですが、吉田先生はメリバもたくさん書かれているし死人もたくさん出るような過激な作風でもあるベテラン作家なのでそういう意味でも最後までドキドキが止まらず楽しめました。

こういう海外が舞台で登場人物が欧米人という作品がもっともっと増えるといいな。洋画を見ているようなワクワク気分が味わえるので。

キャラクターが生き生きしている

エロエロ刑事シリーズ、5冊目にしてとうとう終了です。先生お疲れ様でした!…ってこれ20年前に終了してるんだった。でもこれ時代は確かに感じるけどキャラ達がエネルギッシュに魅力的に描かれてるので今でも横浜の街でこんな素敵刑事さん達が歳も取らずに活躍してるような気分になります。

前作の「竜は蘇るか」からの後編のようなストーリー。前作から作者のペンネームも変わり、掲載誌もゲイ向け雑誌からBL雑誌に変わりました。変更点は以前は文庫に中編3編ほど入っていて受けの冬木が拉致・陵辱されても次の話までにはケロっとしてたのが、前作から一冊丸ごと長編になり、冬木もいつも通り拉致・陵辱されても薬漬けにまでされトラウマになり、「刑事やめる。徹さんとも別れる!」と言い出しさあ大変。風巻も冬木が弱ってる間は浮気も自粛し、欲望は自分で処理して…ってのが1番変わった所かな。BLは浮気ダメ!絶対!な所あるから(笑)

今回舞台がロスに変わっても結局冬木はいつも通り拉致され、中盤はほとんど服も着れずに縛られてたけどね!1番ショッキングだったシーンはフィストファックかな。受けじゃなくて攻めの!こんなBL見たことない。痛そうでとても可哀想でした。

この話は脇キャラも本当に魅力的で今回は冬木の元同級生の刑事・久世とそのオネエの彼氏ハリーが大活躍。ハリーはとてもいい奴で大好きになりました。オネエ攻めで受け攻め逆だったらもっと最高だと思うけど。あと水上署(海保じゃないのか?)の潜水上手な和製キアヌリーブス・藤木が大好き。丸々一冊彼だけの作品を読みたいです。

編集さんに「最後は甘々にしなさいよ」と言われて書いた書き下ろしの話がグロすぎてこの作家さんらしいな、と笑った。確かに主人公達はハッピーエンドだったけどさ。犯人サイドの末路が悲惨すぎる。

今どきのBLとは全く違うけど個性あふれるストーリーはとても楽しめました。このシリーズはグロいけどカラッと明るい所が良い。風巻のキャラのおかげかな。彼らにもう会えないのは寂しいけど時々風巻が浮気しながらも今でもきっと冬木と2人仲良く暮らしている事でしょう。

ゴールデンコンビの新作

ジョシュ・ラニヨンさんと草間さかえさんのイラストの事です。しーかーも!大好きなフェア・シリーズとマーダーズ・シリーズのキャラも出てくるといういわばFBIシリーズ。うんうんラニヨンさんと言えばFBIだよね。もう私は買う&読むという選択しかないわけで。

今回の主役FBIはアダム・ダーリング。セカンドネームの方を周りに茶化されウンザリしている金髪碧眼クールガイ。今回は攻めシーンが描かれてるけど、絶対受けの方が似合う人。リバあり。そっちを詳しく書いてほしかった。出世欲強いエリート受け大好き。

舞台はアメリカオレゴン州のニアバイって町でど田舎です。人口少ないのに夏の観光客だけ押し寄せる…そんな所。今回も脳内アメリカ旅行を楽しめます。少し北に行くとフェアシリーズのタッカーとエリオットの愛の巣があるシアトルが。アダムはなんとタッカーの元彼。タッカーはエリオットに出会って一週間で運命感じたらしい。ラブだなあ。アダムはタッカーと別れたばかりで傷心の時に攻め(リバあるから受け?)のロブと出会います。

ロブは都会暮らしは性に合わないと言ってるけど、広い家を買って料理上手で生活を楽しんでる感じのニアバイの保安官助手。でも仕事は優秀で最後にヒーロー的にカッコいいシーンありです。人に流されない心優しいしっかり者で私的には包容力ありそうな攻め気質に思えます。てか攻めであってほしい!

ラニヨンさんのストーリーの何がいいって、仕事の時はクールで優秀でめちゃカッコいい大人なのに、恋愛シーンになるとナイーブでどこか心細そうな少年みたいになるエリート受けが可愛くってたまらない。事件が解決して平和になったら攻めにベッドでたくさん可愛がってもらいなさいねって心境にいつもなります。

しかし最後のアダムの決断がラブストーリーとしてはドラマティックだけどいいのかそれで?ともちょっと思う。その後の2人のラブライフも覗いてみたい気がします。

エッセイなのに漫画がついてる!

1粒で2度美味しい一冊です。エッセイ部分で先生は犬の形態で身の回りのリアルな方々も皆動物形態。BLワールドのコミック部分だけちゃんと人間の姿。この方式も上手いなあと思う。

BL読者にとっての神であるBL作家の日常が拝めるエッセイ、大好きです。今市子先生のとかも面白いし。草間先生の萌えの原点とか嗜好とか感性が赤裸々に?描かれてます。小学校時代の話が好きだった。公園の6年生男子達の不器用な正義の行動に萌え。

リーマン2人のBL漫画もちゃんとストーリーも萌えもあってエッチシーンもしっかりあります。サービス精神が素晴らしい。草間先生は小説の挿し絵も大好きで、受け攻め両方大人の男の骨格なのに受けがなぜか色っぽくて可愛い。そういう作家さん、BL界にたくさんいるようでいて意外といらっしゃらないんですよ。貴重な存在。濡れ場での受けの表情がまた色っぽいんだよなー。

コミック部分の最後の落ちが激萌えでした。受けが年をごまかしてるけど、アノ時だけ「〜さん」呼びになっちゃうって…可愛すぎでしょ!