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表題作絶望に啼け 下

内海曳斗,課長補佐
赤嶺栄人,課長

その他の収録作品

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あらすじ

「偽りの恋人関係はおしまいだ」

ーー復讐は続く。
内海は、弄んで捨てるため
失恋に苦しむ赤嶺を献身的に慰めた。

計画通りなはずが、
想い人の代わりにされるたび心は軋む。
最奥をむさぼり尽くしたあと、我に返った内海は
赤嶺が好きだと思い知ってしまった。

そんな倒錯的な繋がりを失って
ようやく内海から向けられた
感情の名に気づいた赤嶺はー…。

傷に名がつき、絆になっていく。
相互執着関係の結末。

作品情報

作品名
絶望に啼け 下
著者
紫能了 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
電子発売日
ISBN
9784396785192
3.2

(191)

(64)

萌々

(27)

(31)

中立

(33)

趣味じゃない

(36)

レビュー数
32
得点
554
評価数
191
平均
3.2 / 5
神率
33.5%

レビュー投稿数32

ストーリーも良いが、エロも良い。

『絶望に啼け』の下巻。続きものなので上巻未読だと理解できません。

会社のデータを抜き取ったの誰か分かった、というところまでが上巻で描かれていましたが、その続きからになります。上巻のネタバレも含んでのレビューになります。ご注意ください。






データを抜き取ったのが赤嶺だとバレたことで会社にいられなくなった赤嶺ですが、それを明らかにしたのは誰でもない、内海だった―。

そんな衝撃的なシーンで終わっていた上巻。
赤嶺に心を許したように見えた内海。それは虚像だったのか―。

データ云々、は上っ面でしかなく、この犯罪の真相はもっと根が深い。
そういった部分で武骨な展開を持つ作品です。が、今作品は紛れもなくBLであり、恋愛ものであると思いました。

赤嶺がデータを盗んだその理由。
赤嶺が内海をレイプした理由。
内海が、赤嶺をとことんまで追い詰めた、その理由。

愛情は、裏を返せば憎しみになるんだなあ、と。
愛憎は、表裏一体なんだなあ、と。

深い。
めっちゃ深い。

愛したから、受け入れてほしかった。
自分で自分の感情がコントロールできない。それほどまでに愛した。

不器用な男たちの、そんな彼らの想いと深い愛情に萌えが滾って仕方なかった。

あとねぇ、これだけは言いたい。
エロが素晴らしい。
めっちゃ綺麗。
体つきも、表情も、ナニからナニまで。
トーンのはり方が上手なのかなあ…。艶っぽさとか淫靡さとか、マジでヤバいのでじっくり堪能されてください。

はじめに書きましたが痛いシーンも多く、読み手を選ぶ作品かもしれません。けれど人の愛情とか、その裏とか、そういった心情を深く掘り下げた良作でした。

文句なく、神評価です。

11

画力テロ!!

上下巻読了。
上巻で赤嶺が睨みつける視線の先に、内海のあの表情があるんですよ!!下巻の表紙の表情がとても素晴らしかったので、こちらにてレビューいたします。

赤嶺のレイプの動機は意味不明。内海が会社のトラブルに便乗して赤嶺を陥れようとする陰謀は濃ゆい内容で、私の残念な理解力ではなかなか難しいお話でした。

でも兎に角、紫能了先生の画力がハンパない!!こんなレビューはもしかしたらマイナスイメージになってしまうかもしれませんが、好きなイケメン俳優が出てたら好みじゃないジャンルでも観てしまう的な?

本当にどこを読んでも、どの角度から見ても、素晴らしい画力!!!見たことないアングルだし、見たことない美しさ、見たことない表情!賛辞しか思い浮かびません。

何度でも拝みたい。そして何度も拝むときっと私の理解が追いつくはずだと思います。

10

私は好きでした

愛情の反対語は無関心なら
愛の同義語は憎悪だと思います
内海が6年間その憎悪に取り付かれていたと思います
まぁ取り付かれますよね
なぜ赤嶺はあんなことをしたのか
この理由について何も書かれていないのがこの物語のブラックボックスですよね
無自覚のバイだった赤嶺が無意識的に好みだった内海を蹂躙した
のかな?
と赤嶺を擁護するつもりは1ミリもないのだが
そう思うことで物語を読み進めることにしました
あえて先生はこの点について答えを出さなかったんではなかろうかと思っています
何もかも行動に答えはないし
この物語の端々には答えがない男たちの愚かな行動が描かれているからです
人間は時々信じられない位愚かなことをします
それはもうびっくりするような

すごく挑戦的な物語だと思います
感情の流れは全く素直なものではなく
互いにとらわれている状態に共感できるかと言われたらちょっと違う
でもこの2人どうするんだろう
どうなるんだろうと最後まで読んで
この2人が出した結論は2人を取り囲んでいた状況のことを考えるとかなり上等な着地点だったと思っています
男の作家さんが描くハードボイルドよりもえぐいかも
でも私はこんな男同士のお話を読みたかったのでとても満足しています

9

表情に語らせる

って本当に画力がある方でないとできないですよね、!
何様だよって感じなのですが、本当にこの作家さんの表情作りがすごいんです!
目元ひとつ、口元ひとつでこれだけ感情が伝わってくるなんて。
デビュー作である前作でもすごかったですが、今回は話の内容も相まって、素晴らしさが際立っていました。大好きです。

上下巻で一つのお話なので、総評で神評価です。
表現力もさながら、何と言っても、ストーリー展開が唯一無二だったのではないでしょうか。
確執、事件、陰謀、そして恋愛にエロまで。
怒涛の展開に、ジェットコースター並みにグワングワンと情緒を振り回されるのはとても楽しかったです笑

好きだからこそ、自分を貶めた相手が憎い。
でも、どれほど憎めど、元を辿れば相手への愛があって。
内海が、膨れ上がる憎悪と根底にある好意の板挟みに葛藤する様が、いい意味で生々しかったです。
お綺麗な感じではなく、その場その場の感情で動く登場人物にすごく人間味を感じました。

確かに、疑問が残る部分が無くもなく、少し本筋のために強引な設定付けをしてしまっているのかもとも思いましたが、それを以てして余りある表現力とエンターテインメント性だったと思います。
私はあまり細かいところを気にせず読めるタイプなので、本筋の二人のストーリーをハラハラドキドキ楽しく追わせていただきました。
最後も、二人の中ではしっかりと過去への踏ん切りがついた上で幸せそうなのでオッケーです!

9

表情の変化が魅せるハイカロリー劇画

13ページと、1枚めくった15ページの内海の瞳の変化が素晴らしいんです。真っ黒な瞳と、光を取り込んだ瞳の感情の変化が映画的で眼福です。
彼が赤嶺を呼ぶ際「お前」から「貴方」へ早々に呼び方が変化するのが好きでした。

表情や紙面の明暗がとにかく劇的で、しかも語り過多めとハイカロリーな作品、読後疲れます。
お話の粗は目立つのですが、一度助けてくれた人への拭い切れない愛憎入り乱れ、自分の存在の無意味さに愕然とする様が泥臭く描かれているところが好きです。
カッチリしたスーツを着た男が情けなくなったり、恋で涙するウエットな演出はグッときます。
身体のやりとりも男らしくガッッチリでエロ。
その割にお花を配するのはちょっとクサいかな。美しいのだけど。

9

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