おまけ付きRenta!限定版
性感エステ、俺にシてください。
ちるちるさんのインタビュー記事、作品紹介ページでの「“普通”に拘る病気」というセリフがとても気になって、読んでみました。
大学生の成瀬コウジ(受)は、ノンケの男に恋しては振られ、同性愛への偏見に傷ついてきました。コウジがノンケの男に拘るのはどうしてだろう。自分がゲイで普通(=大多数)からはじかれてしまったことが悲しかったからなのかな。ノンケの男は性癖を隠す必要がなくて、のびのびしているところが良かったのかな。コウジの気持ちは想像するしかないのだけれど、普通に拘ってしまうコウジがすごく切なくて。
そんなコウジの気持ちを受け止めたのが、女性専門性感エステの出張ホスト・片桐圭(攻)。自分が普通からはみ出していると感じるのは、それだけ感受性が豊かだからなんだよと、コウジの苦しみを肯定してくれるのです。すごく人間が大きいなあと感心したのですが、コウジの「愛されたい、受け入れられたい」という真っ直ぐな気持ちに触れて、圭の感情も揺さぶられていきます。圭がコウジをリードしていたはずなのに、いつの間にか互いに必死に相手を求めていて。エロシーンはかなり濃いめですが、二人の気持ちがどんどん近づいていくのが伝わってきて、とてもよかったです。
ホテルを出て、二人は駅のホームまで手をつないで走ります。そして、圭はコウジに「自分らしく生きることをあきらめないで」とエールを送り、姿を消してしまいます。なぜちゃんと好きだといわないの?と思いましたが、短い回想シーンと今までの圭のモノローグを読み返して、圭は仕事を懸命にしてきてずっと誰も好きにならなかったから、どうしていいか分からなくなってしまったのだろうと思いました。自分のことになると、途端に不器用になってしまうのが、じれったくて。
追いかけてきたコウジと圭を引き合わせて背中を押す社長さんが、粋でいい男です。余裕なく赤面しながら、コウジに「好きです」という圭が、可愛いです。二人が愛を誓う場面まで、最後は息つく暇なく読ませます。
愛し愛されたら、きっと“普通”なんてどうでもよくなってしまうのでしょうね。幸せそうな二人を見て、そう思いました。
重いテーマの話なのに、ギャグがテンポよく挟み込まれ、一気に読んでしまいました。コミカルなキャラの絵も可愛くて、ほっこりしました。カバー下の二人の設定も楽しい。ぜひ、続編を読んでみたいです。
突き抜けたギャグトーンで始まる本作、よもやこんなに泣かされるお話に展開していくとは。
新人作家様ならではの勢いと熱量に心揺さぶられる感覚と、ストーリーそのものに泣かされる感じが合わさって、3話目から思いっきりボロ泣きでした(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
笑って泣いて、読み終わる頃には心がカラッと晴れ渡るような感覚。
共感できるセリフ、いっぱいありました。
特に私の中で印象的だったシーンのことを。
それは二つの“こぼれる”シーン。
一つはナルちゃん(受)の心のダムが決壊するシーン。
ナルちゃんは今にもこぼれそうなんだけど表面張力でギリギリこぼれずに保たれているグラスいっぱいの水の上に立っている。そこに圭(攻)の言葉が優しくヒビを入れてあげて、グラスは割れる。当然水は勢いよく流れる。
このシーンだけならよくある表現かもしれません。でも次に出てきたもう一つのこぼれるシーンでどうしようもないほどグッときてしまったんです。
それは圭がマッサージオイルの入ったビンを倒すシーン。
ハッキリとは描き示されてはいないけど、これは圭の心のダムの暗喩だと思うんです。
ナルちゃんとは違い、圭のダムはあのビンの中身のように倒しでもしない限りはこぼれないくらいに減っていたんだけど、それでも倒せばこぼれるし、こぼせるんです。
ここにすごいハッとしてしまった。
そこから圭が一気に心の内をぶちまけるシーン、ナルちゃんのシーン以上に涙無くしては読めなかったです。
この作品の良いところは、「普通じゃない」ことをセクシャルマイノリティに限定していないところだと思います。
ナルちゃんはノンケの同性を好きになってしまうから恋愛を諦めてるんだけど、圭の方はまた別の理由で恋愛を諦めてる。
そういう2人が出会った、ということが2人にとって意味があった。
そして、ナルちゃんのようにギリギリの状態で自分には無理なんだから諦めろと言い聞かせて諦めてる人もいれば、圭のようにすでにそんな葛藤すらも失くして諦め切ってる人もいる。
「普通の恋愛」は出来ないから、諦めざるを得ない。それは仕方がないことだと思っている。
諦めなきゃいけない人たちを生み出す「普通」って何なんだろうね。
ナルちゃんの「愛されるってこういう感じ…なのかな」ってセリフが突き刺さりました。
その後に描かれる、ナルちゃんがこれまで向けられてきた好奇の目を圭が身を以て知る場面が苦しいです。ああ、こういうことかと、本当の意味で圭は知ったのでしょうね。
欲を言うなら最終話の前にあともう1,2話欲しかったなぁ。3-4話の盛り上がりから一気に終わってしまったのがちょっともったいなく感じました。
とはいえ迷わず神付けたい面白さ!
ユニークな作風ながらも解りやすく共感しやすい叙情詩的なところが良いんだろうな。
またお一方、今後を追いかけたい作家様がデビューなさいました♪
引き出しが幅広そうなので、次はどんなものを読ませてもらえるのか楽しみです!
最後にちょっと電子版のこと。
これ電子はオススメできないかも。
繊細で綺麗なトーン仕上げの肌なので無粋な白抜きに腹が立つってのもあるんですが、それ以上に、本作は「擬似恋人セックス」という設定がお話上大事な意味合いを担っているので、白抜きだとエロシーンっぽさばかりが強調されて印象を変えてしまっていると感じました。(紙版だと黒棒線)
白抜きされることでかえって要らない卑猥さが足されてしまうこのジレンマ、ほんと悩ましいなぁ~_~; どうにか出来んもんかねぇ。。
久々にこれは買ってよかったと思った!
もちろん作家買いの先生達の新刊は毎回買ってよかったと思うけど紫能先生はデビューコミックスで初めましてだったのでどうだろ〜と思いながらだったけど本当に笑った笑った!
笑えたし切ない。
あんなに笑ったBLは久しぶりすぎてみんなに見て欲しいと思ってしまった…
続編を希望したい。
女性専用デリヘルに偽って予約したナルちゃん(成瀬コウジ 受)が、仕事と分かっていながらもNo.1の圭(片桐圭 攻)と過ごした3時間をきっかけにして、2人で悩んで恋して答えを見つけるお話です!本当の自分が何者かわからない2人が、感情を互いにぶつける姿にすっごくグッときました(^^)一冊に濃縮された感動が涙腺を破壊し、非常に面白くて魅力的な作品でした!!超オススメです!
ノンケにばかり恋をするナルちゃんは、自分がゲイなのか分かりません。男性は好きだけど、女性のように扱って欲しいわけではなく、ただ好きになった人と恋愛がしたいだけ。片思いの経験がある方は分かるかもしれませんが、"何故自分じゃダメなんだろう"っていつも感じて、恋愛を諦めています。"普通"の、他の人が当たり前にしている"恋愛"がしたい。そんな事私自身感じたことがなかったので、ナルちゃんの話を読んでいて、共感ではありませんが切なくなり泣きそうになりました。自分の常識は他人の非常識、自分は他人の物差しでは測れない、まさにそんな感じです。溢れたナルちゃんの感情は純粋で美しくて、汚い欲深な自分が洗われるようでした。
そんな溢れたナルちゃんの感情が注がれた"大きな器"が圭のように感じました。自身を"病気"だと思っているナルちゃんに対して、"ここでは君は普通"だと優しく思いを受け入れてくれる圭。でも同時に、自分自身は空っぽで何もないということを自覚してしまいます。空っぽというか、仕事をする上で"自分の気持ちは邪魔"と思っていて、それの延長で、自分自身を大切にはしていなかった事に気がついたなと思いました。ナルちゃんと出会って満たされていく圭は、ナルちゃんが圭に救われたように、ナルちゃんに救われていたんですよね(^^)無い物ねだりじゃないですが、互いに無かったもの、心の隙間を愛で満たしてくれたんだなって感じました!
圭が勤めるデリヘルがなかなかナイスな演出をしてくれて2人は結ばれます。家庭の借金のために体を売る仕事を始めた圭、今までの人生も色々あったと思いますが、その色々な時間が彼の人柄を作り、信頼を得て、この素敵な演出が生まれたんじゃないかなって思うと、彼は自分の気持ちは邪魔とか自分は空っぽだなんて言ってましたが全然そんな風に感じませんでした。ラストまで泣かせる内容です!!
描き下ろしは圭がナルちゃんを自宅へ招き、ラブラブします(*´꒳`*)
すっごく素敵な作品なので、ぜひぜひ読んでいただきたいです(^^)!
他の方もレビューしているように笑って、泣けてほんとにいい作品でした!
帯から面白くて読んですぐ吹き出しました
( ^o^)<
でも物語が進んでいくにつれてシリアスな感じもしてきてほんとによかったです!
あと、絵が綺麗です!
途中で、ちょっと怖いシーンがあるんですけど、(←私にしたらですね笑)
圭さんが成瀬くんのことを引っ張って走るけど周りの目が気になってしまうというシーン。そこの絵のタッチがとても印象的で、成瀬くんの怯えるような表情や成瀬くんから見た周りの怖さ(?)だったりがとても伝わってきました。
デビューコミックスとは思えないほどで本当にこの漫画にも惹かれたし、漫画家さんにも惹かれてしまいましたヽ(*´∀`)ノ