表題作は、白馬の王子様に見染められたら、という乙女の夢を具現化した作品。
小さい頃から王子エドワードの身の回りの世話をしてきたルイス。執事的な役割ですが、同年代として良い話し相手、幼馴染的な存在です。剣の腕前はルイスの方が上で、エドワードに指南するほど。
お互いに惹かれあっているのですがなかなか言い出せず、隣国の皇女との縁談絡みでようやく、というお話。
絵が綺麗で少女漫画のようにうっとり出来ますが、ようストーリーは昔話的に想像がつく展開でした。
他に、高校時代むっつりと地味だった高村がイケメン社会人になってキュンとするお話が入っていて、こちらの方が好きでした。
カッコよく成長しても、朴訥として一途な中身は変わっていない、そんな高村くん、素敵です。
読んでみタイトルの意味が分かりました。
どんな男性も虜にするというドラッグ的な可愛い受けと、伝説の素敵彼氏が出会ったら、というお話です。
どちらもお仕事なんですよね。
Hなビデオの男優さんたち。攻めの方は引退してレンタル彼氏をしていますが、相手をとことん甘やかす一級の彼氏という評判。受けさんは、お仕事のプロというよりは、スレてなくてウブで純情な無自覚魔性といったところです。
ところが、そんな二人が演技をすることになって、仕事抜きでマジ惚れしてしまうという展開でした。
確かに攻めがカッコよく受けがかわいいのは萌えなんですが、エピソードだけでなくお話の中で説得力を持って描かれるといいなあと思いました。
あと、お仕事でなく本気になるところも、何か一工夫欲しかったかな。
どんな人も虜にするプロ同士が出会うわけですが、実際想像通り虜になる、というのがころがちょっとストレートすぎたかなと思います。
リターンズ、とあるように続編です。
2カプの中編が2つ収録されていた本編ですが、どちらも登場して2度おいしいです。
さて、続編では、シゲが、もともと実態のなかったヤンキーのボスを降ろされ、代わりに執着攻めタマがボスになるという展開。
タマもケンカは強くないので、情報戦で自校、というより好きなシゲを守るという作戦に出ます。
色々な人の秘密を調べ上げているタマ、やっぱり不気味!
そしてシゲは相変わらずH。かわいくおねだりも出来てしまうのでした。
シゲを翻弄するパシリのボス?も登場。
また、伝説のヤンキー、タツオの仲間の過去も出てきます。特に雪路の変貌がすごい。こんな優しそうなお兄さんが、ゴリゴリスキンヘッドだったなんて。。
Hでコミカルな作品でした。
個人的にタツオさんカプ推しです。スーツがカッコ良すぎるタツオさんと、スーツを着ても可愛いコウヘイさんの素敵なカップル。
おまけの4コマもおかしくてお得感ありました。
巧みなキス〜、の原型がここにあるかも?
大好き作家さんのため心して読もうと返って積ん読してました。
手に取ってみると意外とさらりと読めました。比較的初期の作品かなと思います。
さて、ヤンキーたちのわちゃわちゃ。
伝説の兄を持つシゲ。それを傘に着て、弱いのに傍若無人で嫌われている。
一杯喰わせようと女性のふりをして呼び出してみると、なんとシゲはゲイで。。
クズで女性にだらしないかと思われたヤンキーのボスが、かわいい乙女だったという萌えでした。
シゲのことが好きな子分のタマが変人。お気楽そうに見えてかなり執着攻めで不気味ですらあります。
時代とレーベルのせいかH多め。
メインカプは中編ぐらいの長さで、他に伝説の兄のお話が収録されていて、こっちも面白い。
強すぎて数々の伝説を持つタツオが、今は子煩悩になったというギャップ萌えに加え、子供を預けている保育園の可愛いイケメン保育士さんにメロメロで、ちょっとズレた男気を見せるあたりがコミカルで好きでした。
メインカプとの絡みもいい感じ。
続編をあります。
殺人しないのかなー、と思っていたけどやっぱり殺してました。
というわけでやっぱり犯罪者として見てしまう。犯罪者の恋。
映画だったらそういうものとして見ると思うのに、なぜかBL漫画はすんなり受け入れられない。
いや、同じカテゴリでも、Hもラブもなくても人間ドラマやサスペンスになっていれば読めるので、多分私はホラーが苦手なんでしょうね。
ちょっと正視できないシーンもあります。
誰にも見つからないよう、ゾンビの食料として人を殺めながら生きる。最初は間宮の報復だったが、次第に極悪犯罪者を。。
佐田が最初に言っているように、どんな理由があっても人を殺してはいけない、その観念がはっきりしていて、二人の行動が受け止められませんね。
ラストはこうしかなかった、というシーンでした。
しっかりしたサスペンスストーリーと、しびれるような男3人の愛を描いたこのシリーズもついに完結の巻を迎えました。
寂しいような、ほっとしたような。。
作者さんが後書き(おしゃれ)で書いておられましたが、しんどかったと。。
これだけの骨太漫画を描かれるのは大変だったのだなあとしのばれました。
それぞれの思いはあれど、ついに黒幕にたどり着くシーンは緊張感がありました。
ただ、悪者だと思っていた人達が意外な顔を見せて、ちょっと拍子抜けした部分はありました。
それでも、ラスト、どの二人の関係をとっても強く揺るがない愛、そして3人でこそ成り立つのかもしれない不思議な絆を感じることが出来て。良かった。
大満足のシリーズでした。