芸能ものBL、アイドルものBLは数多くありますが、Kiss me cryingは日韓どちらもの芸能界、アイドル業界を、幻想的に、かつリアリティを持って描いており、唯一無二感が強い作品です。
日本でのデビュー、成功を経たJiN。
乃亜のがんばりによって芸能に関してもJの恋人としてでも成長、安定してきて、甘々萌え萌えの展開とはならず、Jが活動拠点を韓国に移すことを決意し、乃亜にさらなる試練がやってきます。
JiNデビュー後にSNSだけでなく直接、間接、どちらでも数多くのひどい言葉を投げつけられ、実力、経験不足を埋めようと努力しつづけた乃亜が、ようやく穏やかに過ごせるようになっているのを安心して見ていたい気持ちと、JiNの、Jと乃亜のそれぞれの挑戦と活躍を見てみたい気持ちと、相反する期待で複雑な気持ちになりました。
乃亜がまたしんどい思いをするのは嫌だなと思っていると、親切にダンスレッスンに付き合うことを申し出る韓国アイドルが登場し、思惑の読めなくてまたハラハラ...
Jとのこともありハラハラ...
合間、合間に2人の濃厚かつ愛情たっぷりなセックスシーンが入り萌えますが、5巻ははらはらするほうが多かったです。
2人の恋愛模様と、JiNの活動、両方を追いかけて応援する読者に変化したのを、感じた5巻でした。
待ちに待った続編!
わくわくしながら読みだしたら、あれ?いちゃいちゃメインの短編集?と萌えつつも、残念に思っていたら、1作目、2作目と同じく、クライムものの風合いがしっかりありました。
最初に甘々で幸せな2人で温めてくれて、それからひりひり、はらはらする展開、やられた!と思いました。素晴らしいです。
2作目ではアンナとその周りの人たち、バイターとネクターのことが主に描かれていましたが、3作目はみつるの職業である記者側の世界が描かれています。
都市伝説のようなバイターを信じ、追いかける記者に接触されるみつる。
以前の自分と同じ立場の記者の関心はわかり、しかし、今は自分がその記者が追い求める都市伝説のようなバイターの世界側にいるという複雑な立場になってしまいます。
共生契約をしたことでアンナもみつるも、お互いのことを深く大切に想いつつ、運命共同体であるがゆえの悩み苦しみもあるため、考えて良かれと思って行動したことで訪れる危機。
危機を乗り越えてさらに2人の結びつき、愛が深まるハッピーエンドでした。
そしてこの世界に新たな人物が加わり、ますます広がりを見せてくれました。
現在、スピンオフ含めて4冊の作品が発表されていますが、本編の続編も、新たなスピンオフも、どちらにも期待しています。
まだまだスモーキーネクターの世界に浸っていたいと思わされました。
幼馴染で、バイターとネクターという関係の2人が、想いを伝えあい、運命を共にすることを誓い合い共生契約をした、その後のお話です。
都市伝説のようなバイターを追い続けていたライターのみつるが、今は、その世界の一員となっています。
職業的な好奇心もあり、恋人となったアンナへの愛情もあり、自分と恋人の共生契約への興味も尽きず・・・
幸せラブラブが主な続編ではなく、再び事件に巻き込まれて行きます。
1作目もクライムものの色合いが強く、それが魅力に思っていましたが、2作目もクライムものの色合いが強くて、かつ、2人の恋愛もかなりしっかり描かれていて、はらはらとどきどきとわくわくが止まりませんでした。
バイターとネクターの設定、詳細がより明かされて、もっともっと知りたくなりました。
現在、スピンオフ含めて4作が発表になっていますがもっともっと世界を広げて続いて行ってほしい作品です。
3作目が発売になったので読み返しました。
BLと吸血鬼は相性がいいと思いますが、今作は一風変わった吸血鬼もので、クライムものです。
バイター、ネクター、という名称と設定も興味深いし、謎の殺人事件がからんでいるのも見事です。
当初は1冊完結だったのが、好評で続編制作が決定したそうですが、本作では、2人の恋愛模様もほのかに香りつつ、謎の吸血殺人事件、都市伝説のようなバイターという存在、というクライムものの色合いが強いです。
吸血鬼「バイター」の謎を追い続けるライターの羽瀬川みつると、お金持ちのお坊ちゃま、不動産業の安仲有生(アンナ)、幼馴染の2人の仲良しのやりとりと、謎を隠してのぴりぴりするやりとり、どきどきしながら物語を追う楽しみがありました。
バイターの描写、身体能力、が力強く生き生きと描かれており、二次元なのに動きを感じました。
そして2人の選択、は、恋愛以上の文字通し運命を共有するという決意で感動しました。
2人が交わるシーンは、色っぽさがありつつ、神々しさもありました。
レビューを入れている現時点で、このシリーズ3冊、スピンオフ1冊が発売されていますが、この世界の物語、もっともっと読みたいと思いました。
デジタルで商業版が発売になったので大喜びで購入しました。
両想いになった2人がいちゃいちゃするお話。
ラブラブな2人はお互いへの想いがあり、若さもあり性欲もがっつりあるのが、生々しくて、肉肉しくて、情熱的でよかったです。
両想いになってめでたし、めでたし、ではなく、性的なことも話し合って、すり合わせをしていくのが素敵だと感じます。
神田くんがちょっと計算して甘えているのがかわいいのです。
上野くんが戸惑いと嬉しさでない交ぜになりながら、神田くんを甘やかすところもかわいいです。
上野くんの表情が豊かになっているのが、両想いになって心が安定していることがうかがえてほっこりしました。
本編読了後も思いましたが、ますます続編が読みたくなりました。
原作未読。
メインの声優おふたりの組み合わせがおもしろそうという理由だけであらすじもレビューも読まないまま聴取しました。
終始、にやにやが止まらない、一風変わったオフィスものでした。
三木眞一郎さん演じる年上上司、袴田俊樹が目覚めたらホテルの一室で裸の年下部下、森川智之さん演じる池田優作が隣に寝ていた・・・
なんとも強烈な始まりです。
上司を慕い、口説くかわいい年下男性を森川さんが演じているのがすごくいいです。
森川さんと言えば攻め、なのですが、こういう年下のかわいい系は珍しいのでは。
好きな年上上司に、下の名前を呼んでもらって喚起するところなど、相当にかわいいです。
聴いていてくすぐったく感じるほどのかわいさでした。
袴田を演じた三木さんのけだるげで、単調な話し方もとてもよかったです。
年下の部下に言い寄られ、振り回される様子、AV女優をしていた元同級生に妊娠したと騙されて結婚、騙して結婚させたくせに夫の言動が気に入らないと離婚をつきつけるめちゃくちゃな元妻に振り回され、戸惑うシーンは多いのですが、全体的に淡々としている、低温な感じが、池田優作の元気さと対比してとても似合っていました。
そうかと思えば、元妻と一緒にいたときに突っかかってきて口汚く罵った元同級生の別の女に水をぶっかけ、勇者と言い出す奇天烈さもあるところが、少々気持ち悪く伝わってきたりもしました。
俺じゃだめですか、という1900年代の某学園ものトレンディドラマに出てきたセリフを彷彿させる池田優作の申し出には、袴田俊樹だけでなく、もれなく全聴取者がきゅーんとさせられたと思います。
両想いになってからのセックスシーンは、さすがBL帝王、森川さん、という感じで、年下ながらなかなかのガツガツ攻めで素敵でした。
原作未読。
森川さん攻めの作品を探していて見つけた旧作。
いい意味でひと昔前の荒唐無稽の大活劇という感じでおもしろいです。
紙の地図や、固定電話同士しか手段がない国際電話、などなど小道具から時代を感じるのもいいところでした。
石油の権利入札のためにアラブの王国にやってきた若き日本のサラリーマンが、現地の皇太子に気に入られ監禁、寵愛を受けつつ、同時進行で国宝の盗難事件にも巻き込まれるお話。
事件に巻き込まれあっちでもこっちでも振り回されっぱなしの日本のサラリーマン、高垣圭一を鳥海浩輔さんが演じています。
人はいいんだけど、頼りなくて、考えが足りなくて、翻弄続け、最後に急に悪者たちを出し抜いたりする様子がめちゃくちゃなのですが、鳥海浩輔の声と演技がよくあっていて、突拍子のなさをやわらげ、ないない、と白けることなく楽しんで最後まで聴けました。
石油で豊かなアラブの国の権力者で、実際になんでも思うがまま、シェイク・アサド・ビン・ハッサン・アル・カマルディという長い長い名前の王子様を森川智之さんが演じています。
これぞ森川さん、さすが森川さん、という感じの大当たりの役柄で、最初から最後まで、すっごい王子様で聴いていてとても楽しかったです。
舞台も事件も派手な要素がたっぷりで、ドラマCDでもとても楽しめましたが、視覚に訴える要素が多いのでアニメにしたらきっともっとおもしろいと思いました。
聴取しながら、いろんなシーンが脳裏に浮かんで楽しめました。
脇役の声優も豪華で聴いていて楽しいです。
原作既読。
年下夫の潤也を山下誠一郎さんが、年上夫の啓司を加藤将之さんが演じています。
2人の声のバランスがとても良くて素敵な組み合わせでした。
恋人同士で同棲しているのに、お互い愛しているのに、素直になれない2人の複雑な心情、あふれ出す愛情、滲み出す嫉妬、など奥底の感情が声色に話し方から伝わってきました。
たつもとみお先生の作品は粘度高め、濃厚な世界観があると思いますが、今作もかなりねっとりしていて、ドラマCDになるとさらにその粘度が高まった印象を受けました。
ピリピリするところ、ドロッとしたところ、聴いていてちょっとしんどくなるほどでした。
金銭的に面倒を見て養ってあげているという自負と、だから恋人が離れていかないのだろうという自己肯定感の低さから、嫌な言葉遣いをしてしまいがちな年上夫の啓司。
年上夫の啓司が悩み苦しんでいることを知っていて、それをひっくるめて愛しているのだけれど、その悩み苦しみからは解放してあげられない、解放してあげようとしない、年下夫の潤也。
2人がお互いを想う気持ちと、複雑な感情、それによる言動が、愛しくもあり、切なくもありました。
愛だの恋だの、柔らかくて素敵なものだけではなく、人間の欲とか苦しみとか、奥の奥、見せたくない、触れられたくない部分にまで深く掘り下げて表現していた作品だと思います。
後半、年上夫の啓司がかすかに声を震わせながら、途切れ途切れ自分の気持ちを言葉にして伝えようとする様子がとても愛おしく感じました。
年下夫の潤也がそんな年上夫の啓司をやさしく上手に誘導して言葉をつむがせてあげる様子も素敵でした。
前半よりはるかに情感豊かな話し方になっているところにも感銘しました。
BGMが使われていましたが、山下さんと加藤さんの演技だけで、BGMなしでも十分に聴きごたえのある作品になっていたと思います。
いい意味で頭がおかしくなりそうな作品でした。
碗島子先生ワールド全開、変態色が他作品より強め、という印象です。
すごく変態ですごく愛が深い男、それが浅田くん。
山内くんの隣室に住み、生活音に耳を澄ませ、ごみをあさり、ベランダから侵入して寝顔をオカズにし続け、好きな相手の変態めいた妄想を楽しみ、本人に催促されてようやく好きと告白したものの、やはり彼氏ネタで自慰をするなど1人よがりな楽しみはやめられない、愛が深すぎるのか、変態が過ぎるのか、いや、両方なんだろうなと思わされました。
課長の言う、愛がくどい、という表現がぴったりでした。
うまい、と笑いました。
しかし、そんな浅田くんが、いつまでも一人遊びや一方通行の濃いめの愛情をぶつける理由が、実は、山内くんに「まだ好きって言って貰えていない」ことが理由だったとわかったときには、一気に浅田くんがかわいく見えました。
それまではかわいさ2割、気持ち悪さ5割、得体の知れなさ3割、という感じでした。
メイン2人以外の山内くんの兄とその友達の関係、いきなりぶち込まれた印象で、読んでいて慌ててしまいました。情愛と執念が濃く、地域伝承を絡めているのも深いというか、とにかく濃かったです。
この2人だけでも1冊できそうなのに、1冊に2組、2つの物語が描かれていて贅沢なつくりになっていました。
たくさんいろんなシーンで巻き込まれても、あまり動じない課長の姿勢と言動もおもしろかったです。
カーブが激しく、温度差も激しく、がたぴし揺れが激しいジェットコースターに乗ったような印象のある作品でした。
碗島子先生ワールド全開だけど、やたら濃いなと思っていたら、元が同人誌だったとのことで納得です。碗島子先生の商業作品、どれも濃くて強烈だと思っていましたが、同人誌だとこんなに濃くなるんだということを知れたのも、この作品によって知ることができたのも良かったです。
同人誌を商業販売した作品ということで、ありがたく入手、読ませていただきました。
本編とは違い、甘くて、優しくて、かわいい番外編でした。
まず表紙がいい!
穏やかで優しくて幸せな司の表情に胸が暖かくなりました。
突然の別れから10年の時を経て両想いになった2人。
お互い読んでいる漫画のネタバレをしてしまうところなど、高校生男子同士のようなわちゃわちゃを楽しんでいるところも素敵だと思いました。
友情と愛情、両方を感じさせてくれます。
2人が再会する前に特級αにむらがっていた女のマーキングのTバックを見つけてしまいもやもやする司がおもしろく、かわいいです。
高校時代の同級生であり、礼の仕事のパートナーであり、2人の味方で理解者の高橋さんが、身近にいること、相談できていることが、とても素敵だと思いました。
高橋さんは本編でも、言動がいちいちいいなと思っていましたが、恥知らずにも司のサイン会にやってきて無体なことをしようとした下劣教師に一撃くらわしたときには拍手喝采しました。
2人がこういう素敵な人といい人間関係を築いている様子が垣間見れたのもよかったです。
本編では描かれなかった2人の初夜もすごく素敵でした。
2人がそれぞれ気持ちを口にしながら交わる様子が甘く、また、ヒートの時期ではないときに初めての交わりを持ったところも素敵だと思いました。
本編を読んだ時も思いましたが、2人のこの先の物語も読んでみたいし、このオメガバース設定世界のスピンオフ作品も読んでみたくなりました。