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エキスパートレビューアー2025

女性muuebaさん

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どろどろとした重たい暗闇がさらにどろどろと広がっているような展開

読了し、まだ続くのかと、深いため息をついています。
前科一犯、仮釈中の辰巳と、児童相談所の社会福祉士の大地。

男性同士だから、ということとは別に、それぞれの立場、関係者、環境から、大っぴらに恋人同士として過ごすのは難しい2人。
辰巳の過去からいろんな亡霊が、辰巳を暗闇に引きずりこもうと顔を出し、警察官のはずなのに違法手段を取る男との駆け引きもあり、ささやかながらも穏やかで優しい時間を共有できていた2人の目の前にどんどん黒さと大きさを増す暗雲がたれこめてきています。

少しだけ謎が明かされ、さらに暗雲が広がったところで3巻は終わり。
アンハッピーエンドになってしまうのでは、と思ってしまいますが、2人が幸せになる結末を願いながら読み続けています。

どろどろとした人間の奥底を描いている

2026年1月現在、3巻まで発行。
不穏な展開が続いている作品です。
絵が綺麗、登場人物が多様で豊か、物語の展開がドラマチックです。

大波乱と事件を経て、恋人同士となった2人。
前科一犯、仮釈中の辰巳と、児童相談所の社会福祉士の大地。
一般の恋人同士のような甘さはありませんが、強くて重たい情を交し合いながら日々を送っています。

子どものころに同じようなひどい体験をしているのに、片や前科者、片や社会福祉士、真逆のようにも思える立場になっています。
いくつかの事件、事柄を乗り越えて、ようやく共に生きられるようになったのかと思いきや、辰巳の過去を掘り起こし、巻き込む人たちなどが、それぞれの思惑を持って次々に関わってくるようになります。

1巻でも犯罪行為が描かれていますが、2巻はさらにひどい犯罪行為が描かれていて、読んでいてかなり心がしんどくなります。
緊迫感が続き、劇的な展開になったところで2巻は終わります。

今のところ、ハッピーエンドになれそうな要素がほとんど見当たらないのですが、2人が幸せになる結末を願いつつ、読み続けています。

家族や社会や人の情、愛、などいろいろなことを考えさせらえる作品

2026年1月現在、3巻まで発行。
不穏な展開が続いている作品です。

BL作品で、男性同士の恋愛要素はありますが、家族や社会や人の情、愛、などいろいろなことを考えさせらえる作品だと思います。
絵が綺麗で、キャラクターの顔ぶれが多彩で個性豊かな面々による、予想のつかない展開が楽しめます。

大学生の弟・大地が姉の婚約者、井川に出会い、心惹かれて、食事や遊びを重ねるようになっていく背徳感のある展開。
井川は実は結婚詐欺師で、姉を傷つけられ、自分も傷ついた大地が、追いかけ、再会し、歪な関係を持ってしまうようになります。

それぞれ家庭環境が複雑で、井川も大地も、虐待されてきたという過去を持ち、過去も今も未来も、明るい要素がひとつもないのですが、大地のひたむきな恋心だけが、ほんのりと温かく感じられる物語です。
1巻だけだと、かなりしんどいのですが、この先の波乱万丈な展開も、さらにしんどいです。
でも、とても不思議な魅力があり、もう続きを買うのをやめようかなと思いつつ、新刊が出ると入手して読み返し、2人が幸せになる結末を祈っています。

まだ完結していないので、もろ手を挙げておすすめはできませんが、いろんな気持ちに揺れ動かされるすごい作品だと思います。

裏社会とファンタジーの水と油以上に相性が悪い組み合わせなのに、すごく調和していた

原作既読、
同じ世界線のシリーズ、NIGHTS BEFORE NIGHT、MODSは裏社会、またはグレー社会に生きる人間がメインキャラクターにいました。
同じ世界線にある新作なのに、いきなりファンタジー要素が入っており、驚きましたが、違和感がないのがまた驚きでした。

松田健一郎さん演じる源慈の、ぶっきらぼうで、とにかくぶっきらぼうで、そして優しいところが、素敵でした。
阿座上洋平さん演じる琥士郎の、勢いがある元気な若者のところと、猫科っぽいところと、見事に共存して調和しているところがとてもかわいくて素敵でした。
田中貴子さん演じる琥士郎の幼少期は、小生意気で元気で、とにかく愛らしくてかわいくてとてもキュンキュンしました。

家主と居候、人間と保護猫(猫科の獣)、の関係が、琥士郎が発情期を迎えたことで変化していく様子と、源慈の過去と今、琥士郎の今と未来、が絶妙に交差し、絡まり合っていく様子が、原作の雰囲気そのままに、またはそれ以上に、情感たっぷりに描かれていました。

後半一気にファンタジー色が強くなりますが、人と人の情、というものを丁寧に描いていて、前作からつながる設定、世界線がありつつ、まったく違和感なく、物語に引き込まれました。
メインおふたりの声のバランスもとてもよかったし、前作、前前作のメインキャラたちがわずかでも出演していて、とても豪華だと感じました。

原作はもちろん、NIGHTS BEFORE NIGHT、MODSとシリーズ全て読んでから聴くのがお勧めですが、今作だけでも楽しめる作品です。

古川さんと興津さんの声のバランス、演技が素敵だった

原作のシリーズ、たどるゆび、とろけるくちびる、全て既読。

古川慎さんの理久も、興津和幸さんの涼も、イメージぴったりで素敵でした。

前編でセフレから晴れて恋人同士になった2人が、わかりやすく浮かれて逢瀬を重ね、体力も気力も使ってしまって仕事に影響が出ている様子などは、大人なんだから、と思いつつ、浮かれちゃう気持ちわかる、楽しいよね、と萌えました。

お互い仕事が忙しくてなかなか会えない中、がんばって会いに行ったり、現場で会えるかもといつもより気合の入ったおしゃれをしたり、会えたら我慢できなくてキスしちゃったり、やることなすことすごくかわいいです。

そんな甘々を楽しんでからは、しんどいエピソードが続きます。
理久が何度も仕事に遅刻したことで、事情に気づいたマネージャーが相手の涼に直談判、釘を刺し、年上で業界のことをよく理解している涼が、別れるべきだけど好きな気持ちが止められなくて、悩み苦しむ様子には、とても心が痛みました。
チャラい感じのときも、社長のしっかりしているときも、理久に甘えているときも、いろんな表情を見せて(聞かせてくれる)興津さんの涼が色っぽくて素敵でした。

前作より心情表現が増えていて、2人の語りがたくさんあり、心に沁みました。

両想いになったけれど2人の先行きは不穏

欲望優先の適当なセフレ関係から、涼が理久への気持ちを自覚し、告白したことで関係が変わり、理久が考え、それぞれの立場も考えての恋人関係になった2人。
両想いになってからの、楽しいラブラブ期間、浮かれっぷりがよく伝わってくる2人の様子がほほえましいです。

しかし、理久のマネージャーに知られてしまい、恋愛に夢中で仕事がおろそかになっていることを知らされ、涼は遠回しな脅しをかけられしまいます。

大好きな理久のためにどうするべきか、身を引くべきか、悩む涼。
距離を置こうとしても、想いは止められず、仕事にミスをしてしまい、心身ともに疲弊してしまう様子がとてもかわいそうでした。
涼は、理久によく似た、ジェネリック理久との仕事をするようになりますが、その見た目を涼の仕事仲間たちは喜ぶけれど、涼は特に気にすることなく、その誠実さ、仕事ぶりには好感を持ちながら、仕事を進めていきます。

涼は理久と別れたくない、でも、将来をダメにしたくない、なってほしくない、から言い出せない、という悩み苦しみ、理性ではわかっているけれど、感情がついていかないつらさがよく伝わってきて、切なくなります。
前編のクズっぷりを彷彿させる暴言、騒ぎを起こしてしまう理久。
涼が大好きだけど、前編同様、若さゆえか、生来の性格か、深く物事を考えていないところが、事態を悪化させていきます。

途中からはとにかくハラハラ、これ以上、涼が苦しい思いをしないといい、と願いながら読み進めました。

覚悟を決めてからのハッピーエンドまでは、業界のことやマネージャーとのことに触れず、2人のことを主にさらりと描かれていたのが、とてもよかったです。

お互い大人だし、立場もあるけれど、恋愛もののフィナーレは、2人はいつまでに幸せに暮らしました、めでたし、めでたし、とおとぎ話のようになるのがいい、と思っていますので、素敵で気持ちの良いラストでした。

セフレからの本気の恋人

たどるゆび、のスピンオフ作品。

業界人同士の恋愛もの。
若手イケメン俳優の雨宮理久と、デザイン会社の社長の相原涼。
最初は酔っぱらった涼の暴言に面白がる理久、という出会い。
仕事で再会し、セフレ関係を楽しんでいたが、徐々に気持ちが育ってきてしまう涼と、涼のことは気に入りつつ、若さゆえか楽しいこと優先で2人の関係やそれぞれの立場について考えていなかった理久。
時間差の自覚、覚悟、からのハッピーエンド、がかわいいお話でした。

絵が綺麗で2人が違うタイプのイケメン、エロイシーンがたくさんあるのですが、2人が口喧嘩だったり、軽口の応酬をしてわいわいやっているのがかわいくて楽しいです。

理久の浅慮さ、適当さ、ズルさ、がけっこう引くレベルで描かれているのですが、そういうクズさをしっかり見せてくれたことで、涼に対してちゃんと向き合っていく様子がよりよく伝わってきて素敵でした。

原作も、ドラマCDも繰り返し味わって楽しみたい作品

原作が大好きで何度も読み返している作品です。

ドラマCDパート1作目から感じていましたが、メインの2人を演じている、佐藤拓也さんと斉藤壮馬さんが、本当にものすごく素晴らしい配役で、演技で、2人のバランスと雰囲気が最高です。
2作目、3作目、と重ねてきて、4作目でさらに2人の作りだす雰囲気、空気が素晴らしくなっていたと感じました。

キャストトークで、原作を読んでいてモノクロのページなのに、脳内でカラーで視認された、と佐藤拓也さんがお話されていましたが、ファン読者からすると、ドラマCDでは、カラーで、かつ動いている空気も感じることができました。おふたりの声が、演技が、そして脚本が、演出が、作品の解析度をさらに高くしたのだと思います。

今作では麻水の過去の話、家族の話が多く扱われていました。マネージャーさんも言ってましたが、人間味がないような淡々としたような麻水の、人間臭さが垣間見える部分でした。
麻水と麻水の家族、由岐と由岐の家族の温度感の違いは、原作で視覚で感じた以上に、温度差があるように伝わりました。
その後の由岐の誕生日のお祝いとその夜のエピソードにつながっていく、温度感の違いが素晴らしかったです。

学生時代の麻水と由岐の演技シーンは、ちゃんとうまいのですが、学生演劇というレベルに落として演じられていて、演じられた佐藤拓也さんと斉藤壮馬さんの演技のすごさに感心しました。

キャストトークも巻末トークもおもしろかったです。
佐藤拓也さんと斉藤壮馬さんの、作品の、それぞれの役の、解釈、掘り下げ、考察のほんの一部を知ることができて、より作品の味わいが深くなりました。

山瀬を演じた古川慎さんと、佐久間を演じた小松昌平さんの2人のトークもおもしろかったです。

三原を演じた福山潤さんが1人だけでお話されていて、ちょっとかわいそうでしたが、すごくがんばってお話されているのも楽しかったです。

作中の人間関係に準じたグループ分けのキャストトークも聴いてみたくなりました。
羽山と白崎と山瀬と佐久間、それから、羽山と白崎と三原、楽しそうです。

どたばたわいわいの冒険活劇BL

ストーリーよりもシチュエーションを楽しむ作品、だと思います。

佐藤拓也さんが1人3役(多重人格)を熱演。
設定が派手、展開も派手、で、大雑把、あれ?ん?ってところ多数あるので、途中まではもやもやしたけれど、終始そんな感じなので、中盤から、細かいことは気にしないで雰囲気と状況を楽しんじゃえ、となりました。

ざっくり3組の男性が出てきます。
幼馴染で詐欺師の2人、警察官の先輩後輩の2人、詐欺師の2人が昔、所属していたマフィアのボスとその稚児。
どんどん話が展開していって、だいぶ風呂敷を広げたなあ、どうなっちゃうの、と思っていましたが、多少、無理やりな感じはありましたが、大円満、という感じのハッピーエンドでした。
勢いがよくどんどん話が展開するのだけれど、ところどころ、シーンの変換、今のエピソードなのか、過去のエピソードなのか、場が変わったのか、混乱するところがありました。

明るめのアップテントのお話だと思っていたら、途中から2人の過去が明かされて、子どもを自分の欲求のはけ口、食い物にする大人が2人出てきて、それらのシーンがかなり胸糞悪いです。2人の関係に大きな影響があるエピソードなのですが、聴いててかなりしんどくなりました。

終盤に向かって八方ふさがりになってきたところで、3組の男たちが、それぞれの立場で関与して、どたばたわいわい、冒険活劇からのめでたし、めでたし、となりました。

ラストは、BLのご褒美的なねっとりしっとりの甘々エッチシーンでした。

メイン2人のバランスがよかった

原作既読。

高瀬修二を新垣樽助さんが、花村尚也を阿部敦さんが演じています。
原作のイメージ通りで、高瀬は強い俺様感のある男で、花村は憧れの先輩のためにとことん尽くし、人の役に立てたらうれしい、という純粋さと性格の良さがありつつ、一方で「自分」というものをしっかり持っていない弱さがある男で、というキャラクターが声から、話しぶりから、よく伝わってきました。

登場シーンは少ないのですが、佐井を演じた野瀬育二さん、すごいと思います。
浅学で、野瀬さんのことを存じ上げていなかったのですが、最初のうちは、優しくて頼りがいがありそうな上司っぽさがあり、後半は情けなくてずるい嫌な男っぽさがよく出ていました。
声優さんってすごいなあと思わされた表現でした。
原作できらいなキャラだったので、最初のシーンでいい人っぽく聴こえて、後半での変化が楽しかったです。

公私ともにボス、という感じの強い男、高瀬に公私ともに求められ、求め、心身ともに捧げてしまっていることに気づいた花村が、距離を置こうとして、好きになってしまって困る、と言い、それを受けた高瀬が、まだ(好きに)なってなかったのかよ、と返すエピソード、原作でも好きなシーンなのですが、とってもどきどきしました。素敵でした。

高瀬の元相棒、花村の元上司の登場により、2人の関係に変化が生じ、ひと悶着あったあとのハッピーエンド、高瀬が切る啖呵がかっこよくて痺れました。