お互いに気持ちを確かめ合って恋人同士になった2人。
でもまだまだかわいらしい関係の2人。
豊の誕生日とお花見、上田父も交えた4人で過ごすことがすっかり自然に感じられるようになっています。
巻頭からもう心にじわじわしみて涙目になってしまう温かさです。
おいしいものを食べたときにその嬉しさを共有したくなるのって、愛、だな、と感動します。
味噌汁の鍋を両手で掲げて夜の街を走る豊、それを迎える父子3人。
ほんわかしたエピソードなのに、とっても目頭にも胸にも染み入ります。
恋人同士としての関係が少し進み、お互いへの愛しさもさらに深まったところで、穣の元彼?登場。
やたらからむし、豊に嫌味を言うし、人生に不満があるのかな、何がしたいんだ、とイライラさせられます。
人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んでしまえ、という言葉が脳裏に浮かびます。
気にする豊と、豊に嫌われたくないから、と事情を話したくない穣。
お互いがお互いを大事に想っているからこその言動が切ないです。
上田家の祖母、父、弟、豊の兄、それぞれの家族とそれぞれの立場、気持ち。
起承転結で終わってめでたしめでたし、ではなく、つながって続いていく終わり方だったのがとても素敵でした。
1巻の最後に入っていた種高校生版になるまで、ゆっくり年を重ねてたくさんのエピソードを読ませてほしいです。
偶然の出会いをした3人。
けっこう突拍子もないエピソードだけど、運命の出会い、という気がします。
ちょっと不器用な若者2人と、愛情をたっぷり注がれて育ってきたであろうことがうかがえる全力全身で相手に好意を向ける種。角と角がある若者2人が種という存在によって丸みが出てきてつながっていくような、そんな気がしました。
早く会いたくて1時間以上も前から玄関で待ってたり、ずっと名前を呼び間違えたままで会うなり飛びついたり、おかえり、ただいま、と言い合ったり、優しさがあふれていて涙が出ます。
おだやかにやさしくお話が続いていきつつ、豊の、穣の、それぞれのつらい過去も明かされ、それらをお互いに共有しつつ、お互いへの気持ちが育ちつつ、2人の、3人の、関係が続いていきます。
ドラマチックに盛り上がるわけではない、積み重ねていく穏やかで優しい幸せの様子が素敵です。
そして穣の、豊の、それぞれの告白がとてもかっこいいです。
激しい感動や勢いはなく、ただただひたすらに穏やかで優しい作品だと思います。
ときどき、読み返しては味わい、心がささくれ立っているときは慰めてももらっています。
あと、夜中に読むとお腹が空きます。ほっこりして涙もろくなって、おなかもすいてしまいます。情緒がとても動かされます。
巻末の「僕らのそれから」
高校生になった種くんに、同居人となった豊がお弁当を届けるシーンから始まります。
もうこの1ページだけでも幸せいっぱいで、「それから」からの幸せをもらいました。
英田サキ先生原作で西本ろう先生が作画という素晴らしいコンビによる作品でまだまだ続きを楽しみにしていました。
英田サキ先生のご逝去から、続きをどうするのか西本ろう先生と関係者の方々がきっとものすごく悩んで迷って終了をお決めになられたのだろうと思います。
巻末に収録されている草案があれば、最終話まで描き切ることも可能なはずなのに、あくまでも英田サキ先生のご意見、お考えを反映しての漫画化ということを大事にされた結果だと思います。
まだまだ広がりを見せていた本編、草案、小説版、インタビュー、多くの材料を読者の心に残してくださった2巻でした。表紙の2人の表情もとても印象深く心に刻まれています。
英田サキ先生のご冥福を心よりお祈りするとともに、虚空の月をずっと心の中に大事にしていこうと思います。
郎のバイト先の女の子が見事な煽り要員になっています。
当て馬にもなれない女子の哀れさよ・・・
郎が女の子にしつこく誘われているのを見た陽向が笑顔で先帰る宣言。
バイト先でスーツ姿で待っていたのも、笑顔で一言放ったところも、陽向の気持ちがかわいすぎます。
痴話げんかにならず、郎がちゃんと陽向の気持ちをほぐして気持ちよくしてあげて、軽いぎくしゃくからの激しい仲直りエッチ、翌日、ぐったりしちゃうところまで、意外性がない展開ながら、だからこそ素晴らしい展開だと拍手を送ります。
こうして2人で時々、拗ねたり慰めたりしつつ、いちゃいちゃ仲良く年を重ねていく未来が見えるようでした。
甘くてうれしい後日談でした。
蜜果ファンの腐敗度高めの腐女子の夢と希望と欲望を詰め込んだような小冊子です。
あるあるネタだけど、かわいさがとんでもないです。
そして既視感があると思ったら、幼児化のおかわりでした。
読者サービスがすぎる・・・。akabeko先生、どうもありがとうございます。
幼児化、でも、小型化、でもなく、ちっちゃくなった、という表現が似合うチビ希雄。
表情もお尻丸出しでころんとしちゃうところも、そして舌足らずのおしゃべりがとんでもなくかわいいです。
ちゅなまよおにぎり
まれちゃんたびれないっ
おじしゃん
可愛さが爆発しています。
貴宏がはいはい、という感じで扱っているのもまたかわいい。
おもらししちゃったまれちゃんへの返事が、さすが貴宏、という感じで違うタイプの笑いも頂戴しました。
小6貴宏のおかわりも、愛らしさ倍増でした。
希雄の貴宏くん呼び、お兄さんがずっとそばにいてやるからなっという保護者対応、素晴らしいです。
いい子だあ。
商業番外編も番外編も購入済だったので、重複になってしまうと入手すべきかかなり迷いました。
1冊にするためのページ数が必要だったのでしょうが、ほとんどのファンがすでに購入済なはずの作品を掲載して販売するのは出版社さん、ちょっと怠慢じゃないの、と思いました。
宣伝用にSNS掲載した短いお話や、販売先別で違うバージョンにしたおまけ漫画とか、ページ数を揃える方法はほかにあったんじゃないかと思います。
家族が増えた2人のお話と、天星の兄・皇佑のスピンオフが読みたかったので購入しました。
天星の兄・皇佑はΩになってから登場が少ないのに、謎が増えていたので、こういうことだったのか、とわかることができてよかったです。
α時代の、相変わらずの嫌な奴臭ぷんぷんの言動もまたよくて。
そうそう、こういうやつだったよ、と思いながら、ワンナイトの相手のはずのαにいいように翻弄されていく様も小気味よく感じながら読みました。
今作独自の設定とその表現がまたすごくいいです。
二次元なのに、三次元にも四次元にも感じられる表現でした。
すごい迫力でした。
その2人の出会いについて、姪っ子たちに寓話、と表現して語るという形で綴っているのがまた素敵です。
そうして家族で過ごしているところに、入ってきて番になろうと全力で口説き、口説かれているというのにも萌えました。姪っ子ちゃんたちの将来の恋愛、番のハードルが上がりそうだなと心配してしまうほど、素敵でした。
天星とレイの修学旅行エピソード、お年頃の若者たちが集う場で、性欲や性への興味が絡んだいろんな思惑が垂れ流されている様子が、青春だなあ、という印象でした。
2人してムラムラしちゃって、電話越しでお互いのことを感じながら自慰をしてしまう、というのは、やりすぎなような気がしますが、修学旅行という場と雰囲気で、気持ちが盛り上がってしまったのだろうことが伝わります。
体育祭でも文化祭でもなく、修学旅行というエピソードであるからこその、非日常的ななかのとっておきの気持ちが通じたエピソードだと思います。甘くて切ないです。
どちらも回想という形をとっているところも萌えるポイントでした。
2巻の巻末エピソードの前後のお話。
双子誕生後、家族4人のラブラブ生活を楽しむ天星とレイですが、シッターには慣れず、父親は腰痛で子守りができないため、2人きりのラブラブ時間をとることができません。
子どもも大事だけど番相手も大事、そんなピンチを救ってくれるのがΩ化した元悪役の天星兄。
一緒に過ごす時間が短いとは言え、帰宅した父親、天星を見て泣いてしまう双子が、その兄を見るなり満面の笑顔を見せるというのは、血のなせる業なのでしょうか。
そんな兄がよろよろになるまで体力を削りまくってベビーシッターを引き受けてくれたからこそ、2人でゆっくり熱い夜を過ごせるようになるとは、不思議で複雑、でも、素敵だと感じました。
2巻の巻末で、双子を育てながら、次の子どもをよく作れたなと思っていたら、こういうことだったのか、と腑に落ちる補足補強のエピソードでもあります。
別売りだけど、2巻を持っている人は必読の素敵な番外編だと思います。
2人のウニバデートのお話。
女性2人連れに声をかけられたり、耳付きカチューシャを買ったり、デートらしさ満載でわくわくします。
マスコットキャラクター(かな?)のグッズに組み合わせ自由の首輪もあるバース別クマが売っているのがおもしろいです。暗闇だと首の紙跡が浮かび出る仕様になっていたりと、細かいところまで設定されていて感心しました。
タイトルが巣作りなのにウニバデート?と思っていたら、着替えを全て洗濯されてしまって巣が作れないレイがウニバで買った熊を抱きしめていて耐えている、という構図、すんごくすごーくかわいいです。
天星がそんなレイを見て、冷静にふるまおうとしているのにも萌えます。
わーってわけがわからなくなるヒートのぐちゃぐちゃエッチもいいですが、こういう温度感の2人のエッチも素敵です。
ウニバのクマが単なるヒートエッチのアイコンという扱いではなく、ラストでちゃんと大事にされていて、番まで一緒にされているのにほっこりしました。
ヒート休暇を利用してハネムーンを楽しむ2人。
アロハシャツに花飾りを2人とも身に着け、1島1リゾートの2人だけの空間、ハネムーン感全開でとても楽しそうです。これぞ漫画の非現実的な豪華な世界観、わくわくします。
日焼け止めを塗る行為はエロさを連想させやすい行為ではありますが、手と台詞と効果音だけなのに、すごい濃厚さと重厚さがあるやりとりになっていて、きれいな空を青い海を目に前にしている2人とのギャップがたまりません。
ハネムーン仕様のベッドでの熱々の交わり、そして翌日のウェディングフォト、お互いのダーリン呼び、幸せエピソードがこれでもか、というほど重ねて、続けて繰り出されてきて、萌えすぎて身もだえしそうになりました。
性別が変わる、というこの作品独自の設定に新たな要素が加わります。
再会した同級生からの伝聞、思惑のある言動、義兄の変異、不安を抱く要素が重なり、2人の未来に暗雲が立ち込めます。お互いのことを愛しているからこその悩み、苦しみ、とても切なくなります。
天星の揺るがない気持ちから発せられる強い言葉がとても素敵でした。
天星は生まれからずっと変わることないαで、後天性Ω症候群でβからΩになったレイの気持ちがわからない、感じられないところがあるのかもしれません。しかし、それだけではない確固たる。強いものがあるのが伝わってきて感動しました。
ラストの家族写真、そして描き下ろしのさらに2年後の家族の様子。
レイの悩み苦しみ悲しみを見てきたからこその、より一層の幸福感が伝わってきて読んでいる目が幸せになりました。
イケメンアイドルもののドラマのようなきらきらエピソードが満載でかわいいです。
前作ではあれこれあった売れっ子ホストの2人が一緒に暮らすようになってから、恋人同士になってからの糖度高めの甘くて優しいお話です。
イケメンとイケメンが愛し合ってじゃれ合って、外出先では女子から熱い視線を向けられて声をかけられて、お楽しみエピソードが多くて楽しいです。
帰宅後のいきなりエッチとか、ロマンチックであり、リアリティが少なめのところが、この2人のやりとりらしくていいです。アイドルはトイレに行かない、くらいのリアリティのなさがあっていい2人だと思うからです。
そんな2人が仲良く働くホストクラブに、大阪でNo.1のホストが、なぜか参戦。
わけありな雰囲気だしまくりで、下品な言動を続けて店内をかきまわしていきます。
あからさまなライバル視や、ルール違反連発、さらに、うっかりな2人のいちゃいちゃ目撃からのちょっかいかけ、顔だけで売れてライバル視した相手に負けて逆恨み、など、事件展開させるためのエピソードを動かすためだけの要員、そういったエピソード重視で人物の中身がないように感じられて、残念でした。
売り上げ勝負で、そういう薄っぺらいやつには負けない、とホストたちが言葉を口にして、叩きのめした感があったのにはすっきりしました。
描き下ろしは、賃貸契約書でわかった本名、と、それに対する2人の気持ちが言葉になっているエピソードです。ホストだから源氏名があって本名があるわけだけど、どちらの名前も大事にして、意味を考えて、お互いに愛情を向け合っているところが素敵だと思いました。