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エキスパートレビューアー2021

女性Sakura0904さん

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普通の恋人らしさは謳歌して欲しい一方で

 甘さあり、シリアスあり、ほのぼのありとバランスの良い雰囲気で描かれた後日談でした。姉崎目線で、今の幸せが刹那的なものにしか思えない、長く続く愛を信じられない葛藤や不安が軸になっています。御門が常にどんと構えていてくれるので、読者としてはあまり不安は感じないのですが。

 ただ、前巻と比べると、やはり元から続編ありきで練られた作品ではないからか、やや勢いが失われたというか御門と姉崎という組み合わせならではの魅力が若干失われた印象でした。それだけ少なくとも表面的にはカップルとして安定したということなので、良くも悪くもなんですが。前巻では互いに喰っては喰われたり、御門が年上の姉崎を一喝したりする、「年齢差」「上司と部下」「ノンケとゲイ」という要素が絶妙に作用したやりとりが魅力的だったので、その点で今回は少し物足りなかったかなと。仕事のシーンや吾妻も入ったシーンが多ければ、また違ったのかもしれません。穏やかな私生活での2人を見たいという方は十分満足できると思います。

なぜ彼だったのか

 藤亜のような人ってきっとそう少なくないんでしょうね。「好き」や「愛してる」は一見崇高な気持ちのように見えて、実は相手を束縛・独占したいという醜い気持ちだということもままある。自由を奪われたくなくてそういった気持ちをなるべく遠ざけたいという感情、けっして分からなくはないなぁと思いました。

 ただ、やはりそういうスタンスの人を愛するのって結構難しいんじゃないかと思うんですね。なので、次郎が藤亜に執着し続けた理由が分かりにくかったかなと。彼のような人には、それこそリュウのような素直なタイプが一番合っているように思えて。次郎はどうして藤亜のことがこんなに好きなんだろうと考えてしまって、濡れ場に萌える余裕があまりなかったです。

同情と好意は紙一重なこともある

 今まで読んだ木下先生の作品の中で一番好きかも。本当に安直なシーンがまったくなくて、ノンケで親友だった同性に一方が告白した後、2人の関係性がどんな風に変化していくか、3巻に亘って丁寧に描き出されていました。どちらかがより悪く見える描き方でもなく、どちらの心情にも共感できるようになっていて、質の良いBLを読んだなぁと非常に満足です。

 保孝の隙を突いて積極的に攻めることを決めた陸郎。でも、保孝を悩ませたいわけじゃなくて。負の感情を昂らせる彼の姿を見て迷いが生じ、やはり自分は恋人にはなれないと身を引こうとする。一方で保孝は、関係が進むにつれて自分の鈍い所がより相手を傷付けていることに気付く。鈍いのは性質だから悪いことじゃないけれど、気付いた時は弁解したり、相手をフォローしたりすることも必要かもしれませんね。それはそれ、だけど、保孝が自分の好意をまったく信じないところも問題。最後は保孝の方から動き、10年分の片想いとの垣根を超える。彼の台詞が真っ直ぐで、とても印象的なシーンでした。一番の親友でありながら恋人。2人なら上手くやっていけると思います。

待ってましたの展開

 陸郎と保孝のやりとりにBLファンタジー感が一切なく、自然に描かれているのが素晴らしかったです。一番の親友に告白されてショックを受けつつも、前向きに考えることを約束した保孝。その言葉通り、陸郎からの誘いは滅多に断りません。ただ、毎回下心を正直に告げられると戸惑ってしまう。当然ですよね。でも、急いで逃げ帰るような態度はとらず、その戸惑いを保孝も正直に伝えるところが好きだなぁと。

 陸郎の心情にはこの2巻で大きな変化が訪れます。今までは、とにかく保孝を傷付けないように、彼に嫌われないように、自分の気持ちはなるべく押さえ込んで接してきた陸郎。でも、自分ほど真剣でないと思われる他の男女に、今まで何度も保孝を奪われてきたことに気付き、自分のとってきた態度を馬鹿馬鹿しく感じるようになって。多少嫌がられても、どんどん積極的に行動していくことに決めた彼に思わずガッツポーズ。保孝が完全に恋人としての陸郎を拒絶しているわけではなく、少しは受け入れる余地があると見抜き、そこを攻める陸郎に保孝のことをよく見ているなぁと感心しました。最終章がとても楽しみです。

どちらにも共感でき応援したくなる

 木下先生の描く、ほぼ同じスペックのリーマン同士の恋愛も素敵だなぁと思いました(攻めの方がスペックが高いことが多い気がするので)。性格も保孝の方は割とずけずけものを言う感じで、惚れた弱みもあるのか陸郎の方は落ち着いていて控えめという印象でした。陸郎は職場でもあまり変わらないようなので、根っからの常識人なのかもしれませんね。

 10年もの長い間、保孝に片想いしていた陸郎。3巻完結のシリーズなので、告白するのはもっと後かと思いきや、1巻の中盤でもう好意を伝えます。落ち着いているけれど、保孝と後輩の話を聞いたからか、もう10年も耐えたしという思いからなのか、後半は気持ちを包み隠さず真っ直ぐ伝えようという意志が感じられました。保孝も、さすがに大親友の告白にショックを感じつつも、少し日を置いてから再び会話した時には一旦は考えてやると譲歩していて、誠意のある人だなと。近い存在だからこそ関係を変えるのは難しいでしょうけれど、2人なら親友という関係性も失わずにいられるんじゃないかなと思います。

女子の描写は好きだった

 掴みは面白くて、ここからどういう風に物語が展開していくんだろうとわくわくしながら読み進めました。結論からいうと、この作品に萌えや愛をあまり感じることができなかったかなと思います。終始淡々とした雰囲気を貫いていたことは気になりません。キスやセックスの描写がないことも。ただ、桂が栖に向ける感情が私には理解しきれませんでした。愛の薄い執着だけでも萌えた作品は多々あったけれど、この作品ではその執着心も根拠がふわっと曖昧な気がして。栖にのみ執着するのは分かったけれど、なぜ栖なのか? 5才の時に見た光景が別の人だったらまた違ったのか。栖も桂を受け入れることになぜここまで抵抗がないのか。単に母子家庭というだけでは理由として薄いような。理由に納得できたとしても、血を通じて繋がる関係を果たして楽しめたかも微妙かも。この2人に萌える要素を見出せられませんでした。

百と卍(4) コミック

紗久楽さわ 

攻め達は変われるか

 今までより万次と百だけではない、2人の周りにも焦点を当てた部分が多かった巻かなと思います。千の狂おしい恋愛事情だったり、百のいた陰間茶屋で人気だった少年の物語だったり。千と兆の関係性も、ここから変化があるといいなぁ。まだまだ続きそうなシリーズなので、この世界観に深みを持たせる良い構成でした。

 メインの万次と百については、この巻ではもう安定感たっぷりという感じで、互いの確たる気持ちの強さを見せつけられました。百を好きだという女性が現れても、百は一切の迷いもなく正直な気持ちを告げて、彼女と良い友人関係を築くくらいしっかりしている。百に掘り返されたくない過去と向き合わないかと提案された万次も、提案自体は渋りつつも、百を突き放したりはしない。3巻で契った2人の覚悟と想いは、並々ならぬものだったんだなぁと改めて感じます。百が強くなれたように、万次にも乗り越えるべき試練がある。それを百から提案できたことが嬉しかったです。

ここだけの話 コミック

こめり 

なぜかしっくりこない

 展開は悪くなかったんですが、なんとなく関係性に浸りにくいカップルだなぁと感じました。この2人が付き合うことが、どうも自然に感じられないんですよね。台詞やシーンは素敵なのですが、そもそも相手のどこに惹かれたんだっけ?と時折我に返ってしまうというか。2人が揃ってノンケとしての今までの人生を一気に覆されるような、強い理由を感じないんです。この人はこんなタイプに惹かれる人だろうか?となぜか考え込んでしまう。だから、甘いシーンや濡れ場が来ても、話が頭を素通りしてしまって。もう少しくっつくまでの道のりで、心情が細かく描かれていると良かったかなと思いました。

恋の口火 コミック

黒娜さかき 

もう少し燃え上がっても

 低温度でじわじわと焦がしていくような描き方の作品が多かった印象です。淡々とした空気感は嫌いではないし、そういう作品こそ無性に読みたくなる時もあるのだけど、ほとんどの短編がそんな雰囲気だったので萌えはあまり感じられなかったかも。1本くらいは熱めの作品が収録されていても良かったかなと思いました。そんな中でも表題作は一番好きです。幼馴染から恋人になれたにも関わらず、自分の性質、どうしようもない依存症に悩み別れ、偶然何年後かに再会した時には攻めがいい感じに歳を取っているんですよね。思い切った描き方と、2人の取り繕わないやりとりが好きでした。

ワリキリ コミック

中川カネ子 

ギャップの愛おしい2人

 笑いとエロと萌えがバランス良く詰まった、1冊で存分に楽しめる作品でした。中川先生の作品は久々に読んだのですが、行哉も柊も今までにあまりなかったビジュアルのキャラクターで、2人とも見た目だけでがっつり心を掴んでくれました。そして、お互いも認めていますが、セフレの時の性格ややりとりがまた魅力的で。割り切りと言いつつハマりかけている片鱗は覗いていて、でも、あくまで行哉は大人びた落ち着きを、柊はエロだけに積極的な素ぶりを崩さない。この低温での駆け引きが斬新でした。

 セフレから始まる物語といえば、お互い好きになりつつもやっぱりセフレ以上には思われていないんだろうか…とすれ違うのが1つの鉄板かと思います。が、行哉から柊に対してはそんな感情も抱えつつ、高校生とそこそこの地位の社会人という組み合わせや、脇役達の活躍によって、面白さや軽快さをまったく落とさずに見事に描ききっていて、その点も他にはなかなかない作品だなと思いました。行哉の一歩間違えれば犯罪だけど、なんだか憎めない行動力が素晴らしかったですね。最後に短髪になった柊も可愛かったです。