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男性ぴれーねさん

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溺愛部分は最高です

アーサーシリーズのスピンオフで、「アーサー・ラザフォード氏の揺るぎない愛情」にも登場のエドワード(攻めの兄)が主役になります。
今作だけで問題無く読めます。
ちなみに、既読の方は、例の記憶喪失事件の裏側なんかが読めて、とても楽しいと思います。

ところで、このエドワードですが、個人的にお気に入りでして。
彼がまた読めると、今作の発売をめちゃくちゃ楽しみにしてたんですよね。
いやあ、期待に反せぬ溺愛ぶりに過保護ぶり、そして残念っぷりを発揮してくれて、大変笑わせていただきました。

そんなワケで、もうひたすら甘々!って言いたい所ですが、今回、二人のスレ違いが結構痛々しいんですよね。
また、受けの好き嫌いが分かれそうな気もする。
一応、彼は真面目すぎるがゆえに、融通が効かないのよ。
思い詰めちゃうのよ!と、名倉先生の書く攻め並みに受けに甘い私は、思ったりするんですけど。
とりあえず、このへんで引っ掛かりそうな方は、ご注意下さい。

内容です。
中堅の製薬会社で秘書として働く千紘。
アメリカの大企業ラザフォード・コーポレーションに会社が買収されますが、本社の副社長・エドワードに目を掛けられ、彼の下で秘書として働く事に。
慣れない海外での日々に戸惑いつつも、優しく気遣ってくれるエドワードに淡い想いを抱くんですね。
そんな中、従兄である哲也から、ある頼み事をされて・・・と言うものです。

今回の主役になる千紘ですけど。
控え目でよく気が付き、仕事に対しても真面目な美人受け。
ただ、早くに両親を亡くし、伯父夫妻の元で育てられたんですね。
で、そこの一人息子で従兄である哲也が初恋。
この哲也が相当悪い男なんですけど、寂しい時に救ってくれた彼をなかなか切り捨てられず・・・って感じでしょうか。

これ、先に書いた受けの好き嫌いが分かれるかもですけど。
なんと、この哲也に脅される形で、エドワードから機密情報を盗もうとするんですよね。


エドワードですが、日本でアテンド役を引き受けてくれた千紘に離れがたい想いを抱く。
そして、彼の寂しい過去を知れば、衝動的に抱き締めてしまう・・・。
で、これが恋だと気づく。
そう、しつこいですが、名倉先生お得意の溺愛スパダリ攻めなのです。
千紘の愛らしさにメロメロなのです。
好意を隠す事も出来ず、世話を焼きまくりなのです。

この溺愛部分だったり、二人の初々しい恋模様がめちゃくちゃ萌えるんですよ。
えーと、まるで中学生のような、可愛らしいデートを繰り返してたりして。

ただこちら、繰り返しになりますが、スレ違い部分が結構痛々しい。

なんかね、そんな彼の好意を利用する形で、千紘が情報を盗もうとするのが、読んでて苦しくて。
また、千紘ですけど、哲也から色仕掛けでエドワードを籠絡するよう、命令されるんですよね。
すると未経験の彼は、身体で落とすべく、行きずりの相手でセックスの練習をしようとする。
なんで、なんで、そう行っちゃうかなぁ!

この件でですね、千紘が性欲解消の為に行きずりの男と遊んでいるんだと誤解したエドワードが、嫉妬から暴走しちゃうんですよね。
千紘を激情のまま犯してしまうんですよね。
で、冷静になると、自分をひどく責めるんですよね。

いや、読んでて痛々しい。
エドワードがやたらかわいそうだし、千紘は哲也の言いなりになるんじゃなく、もう少しだけ強くなれなかったのかと悲しくもなる。
こういうパターン、作品として読み応えはあるんだろうけど、個人的にはしんどいのです。
ここで、決して千紘を責めず、信じ続けるエドワードには胸が熱くなるんですけど。

まぁそんな感じで、名倉作品にしては痛い部分があるお話だと思うのです。
思うのですが、この部分さえ乗り越えちゃえば、あとはひたすら甘くてキュンキュンでして。

いや、この従兄の件にケリがつくと、今度は千紘が真面目すぎるが故の、そしてエドワードが過保護すぎるが故の、王道スレ違いが待ってるのです。
えーと、自分達が別れたんだと思ってる千紘に、恋人同士だと思ってるエドワードみたいな。
ただの社員として一線を引いた関係を意識しつつも、寂しさを感じる千紘。
そして、傷ついた恋人を思いやりつつも、早く愛し合いたい(エッチしたい)!と悶えるエドワードみたいな。

もうひたすら焦れった~い!
そして、キュンキュン。
えーと、いい年して二人とも、何やってんだ!しか出て来ないんですけど。
誤解が解けて気持ちが通じ合う瞬間には、萌え転がっちゃうんですけど!
これぞ、名倉作品の受けと攻めですよ。

ちなみに、私は受けが好きすぎて、残念な感じになっちゃってる攻めと言うのが大好きでして。
エドワードですが、千紘と想いが通じ合うと、どんどんこの残念化が進行。
千紘のアナルを凝視しながら、「ああ、チヒロ・・・美しい・・・」とかやってるのに爆笑しました。
千紘はどこを賛辞してるんだと恥ずかしさに悶えてましたが、私はどこに話し掛けてるんだと笑いが止まらなかったですよ。

最後になっちゃったんですけど、従兄である哲也。
彼に大した制裁が与えられなかったのが残念。
彼にはもっと、罰を与えて欲しいですね。

攻め、ダメだろー!!

こちら、英国を舞台とした、甘く切ないオメガバース+シークレットベビーものになります。

個人的に華藤先生のオメガバースものは大好きなんですよ。
胸が捩れそうなほど切なかったりするんですけど、とてもドラマチックで、熱い感動と萌えを与えて貰える。
その、ストーリー性の高さも魅力です。

ただ今回、攻めの行動がどうにも許せなくて、素直に感動する事が出来なかったんですよね。
完全に、好みの問題なんですけど。
あと、丁寧に書かれた前半に比べて、後半が急ぎ足に感じちゃって。
展開の速さについていけなかったと言うか、攻めが手のひらを返したようにしか見えなかったと言うか。
これ、二段組みにするとか、2冊に分けるとかした方が良かったんじゃないのかなぁ。

ただ、すごくドラマチックで情熱的なお話なので、感動される方も多いと思います。

内容です。
アルファの英国貴族である父と、日本人ベータの母親の間に生まれた尚央。
アルファである彼は、名門貴族のアルファしか入学出来ないパブリックスクールに編入したんですね。
カースト最上位、帝王と呼ばれる従兄・イーサンを追って。
そこには、二人の幼い頃からの約束があってー・・・と言うものです。

こちら、ストーリーとしてはとてもドラマチックなんですよ。
主人公である尚央ですが、本来生まれるはずが無い、アルファとベータの間の子供になります。
そのせいで親からは愛情を与えられずに育ち、どこか感情が麻痺した少年に育った。

で、そんな彼と幼い頃に屋敷で出会い、現状に甘んじず這い上がる道を示唆したイーサン。

尚央ですが、初めて自分を真っ直ぐ見つめ、一人の人間として対等に扱ってくれたイーサンの存在により、麻痺していた感情を甦らせたんですよね。
そして、彼と同じパブリックスクールに入学する事、上に這い上がる事を目標に、人生を歩み始めた。

前半で二人の出会いから、幼い頃の特別な時間、そして血のにじむような努力の果て、パブリックスクールへと入学した尚央と言うのが語られます。

こう、尚央と言うのは、すごく一途で健気であると同時に、とても激しい気性の持ち主なんですよね。
また、イーサンもですが、熱く真っ直ぐな男で。
それこそ、互いに熱く激しく求め合う二人の情熱的な恋が描かれ、ドラマチックでうっとりしちゃうんですよ。
とても丁寧に綴られた、この前半部分は最高だと思います。

が、ここから急転直下。
尚央ですが、なんとアルファからオメガへと変わってしまうんですね。
えーと、思春期特有で、アルファに強く惹かれると起こり得る現象・・・と言う設定があって。

ヒートを起こした尚央と激しく愛し合うイーサン。
将来を誓いあいます。
しかし、彼はその直後、海外で事故に遭って行方不明に。
そして、お腹にイーサンの子を宿したと気づく尚央。
お腹の子供を守る為、従兄と契約上だけの結婚をして・・・と続きます。

いや、う~ん・・・。
ここから、尚央が怒涛の不憫さなんですよね。
契約結婚の相手からは使用人として扱われ、目を悪くするも、子供を守る為に隠し通すしか無い。
その為、失明の恐怖と戦いつつ、必死で毎日を生きる。
辛い。
読んでてめちゃくちゃ辛い。

これな!
これまでのイーサンですが、愛情を疑いようが無かったんですよ。
その為、安心して甘く切ない二人の恋に酔えた。
それが、この後登場すると、すっかり変わっちゃってまして。

えーと、命を狙われて大事故に遭いつつも、何とか助かったイーサン。
しかし、尚央が結婚した事を知り、裏切られたと強い憎しみを抱くんですね。
で、事故当時助けてくれた女性と結婚し、再び英国へと戻ってくる。

これが、残り1/3程度でギュギュッと詰め込まれる。

いや、深く愛するが故に、憎しみが暴走しちゃうのは分かる。
分かるけど、目も見えない、それでも必死に子供を育てる尚央に、辛く当たるのに死ぬほど腹が立つ。

またこちら、しつこいけど、残り1/3程度でギュギュッと詰め込まれてます。

このスレ違いから、あっという間に誤解が解けて二人は結ばれる。
いや、真実に気づいて尚央を抱き締めるイーサンと、普段ならめちゃくちゃ感動する場面なんですよ。
なんだけど、展開が早すぎて、どうにも唐突感が否めない。

そもそも、イーサンって、すごく頭がキレる有能な男のハズじゃん。
何故、尚央が裏切るなんて思うのか。
これまでの彼を思えば、自ずと答えなんて出るはずじゃないか!
実際、終盤ではアッサリその答えにたどり着いてるじゃないのよ!
と、イラついてイラついて仕方ないんですよね。

もうちょっとページ数があって、この時のスレ違い、イーサンの心情が丁寧に綴られれば、素直に納得が行くと思うんですよ。
でも、どうにも、イーサンの態度が手のひら返しにしか見えなくて、彼がしょうもない器の小さい男に思えてしまう。
いや、完全に好みの問題なんですけど、受けを傷つける攻めって、許せないのです。
ついでに、オメガ化した尚央。
オメガであれば共に居られると言う事は分かるんですけど、イーサンが「俺限定のオメガ」とか言うのにも違和感を覚えるよ!と。
性別って、そういうものじゃない気がする。

まぁそんな感じで、どうにも後半の攻めにイラついて萌えきれませんでした。
ただ、とてもドラマチックで感動的なお話なのは確かなので、愛ゆえに憎しみが暴走しちゃう攻めがお好きな姐さんなら、萌えまくると思います。

完璧じゃない二人の、完璧な恋の話

どうでもいい話ですが、一人「渡海月間」で、既刊を片っ端から読み返してる真っ最中だったりします。
渡海先生ですが、こういう普通だけど普通じゃない恋を書くのがとてもお上手ですよね。
どこか欠けた完璧では無いキャラを、滑稽に、でも愛おしく描くのが巧みと言うか。

タイトルが「完璧な恋の話」ですけど、裏テーマとなるのが「完璧じゃ無い貴方でも愛してる」になると思うんですよ。
人って、相手が完璧だから、誰より優れてるから、とても心が美しいから、好きになるワケでは無いんですよね。
むしろ、完璧じゃない無様でダメな部分こそ、愛しいと感じちゃったりする。
そんな、とても優しくてあたたかいお話。

もう、恋って本当にややこしい。
でも、最高に素敵。
って事で!

ザックリした内容です。
周囲から完璧だと目される、サラリーマンの森吉。
実際には八方美人の見栄っ張りなだけで、全然「完璧」では無いと言うのが自己評価なんですね。
そんな彼が密かに「本物」だと認めているのが、後輩の組木。
周囲とどこか壁がある彼が、自分にだけは親しみを向けてくるのが嬉しくて、悩んでいるらしき組木の相談に乗ると、突然告白されてしまいー・・・と言うものです。

で、持ち前の「いい顔しい」から、ついつい付き合う事を了承してしまう森吉。
しかし男と付き合うなど無理な彼は、素のダメな自分を見せて、組木の方から幻滅してもらおうとする。
でも、染み付いた「格好つけ」から、無意識にいい顔をしてしまい・・・と言う流れ。

まずこちら、王道の片思いものになるんですね。
攻め>>>>受けの。

で、面白いのが、受けのキャラクター。
いや、最初こそ、周囲にいい顔ばかりしては自分の首を絞めちゃう優柔不断男に思えるんですよ。
それが、博愛主義の誰にでも優しい男→どこか欠けた所のあるダメ人間へと印象が変わってゆく。

こう書くと主人公が相当ダメ人間に見えるんですけど、一応、自己評価が低いだけで、本当に仕事も出来るし目端が利く有能な男だと思うんですけど。
後輩である組木が「本物」だと思っても、妬んだりせず素直に凄いヤツだと認めと、性格だって決して悪くないですし。

これね、個人的に一番萌えた部分なんですけど、そんな誰にでも優しい、逆を言えば誰も特別では無かった受けが、攻めにより、初めて本当の恋をすると言う所でして。
いや、組木ですが、スマートなのにグイグイ来てと、森吉にかなり強引に近づくんですよね。
で、そんな彼と過ごすうちに、これまでには無い嫉妬だの独占欲だのと言う感情を経験し、戸惑ったりオロオロしたりする森吉がめちゃくちゃ可愛いのです。

またこちら、両視点で語られる所が上手くて。
えーと、実は組木ですが、最初から森吉の欠けた部分と言うのに気づいてたんですよ。
それでも、どうしようもなく森吉に惹かれた組木は、なんとしても彼を手に入れようとアタックを開始する事にした。
そう、「完璧じゃない貴方でも愛してる」ですよ!
いや、組木は組木で過去の経験から恋愛に対してトラウマを抱えていてと、決して森吉が思うように完璧な男では無いんですけど。
ここに組木のトラウマの原因となった元彼が絡み、二人の恋愛は混迷の様相を極めて行くワケですけど。

とりあえずですね、読み終えての感想ですが、スレ違いや誤解の妙が最高だよ!ですかね。
しつこいですが、森吉がダメ人間なんですよ。
組木から見た彼と言うのは、自分を思わせ振りに翻弄する小悪魔なんですよ。
それがそれが、クライマックスで分かる本当の森吉。

ただの天然じゃないか!!
組木じゃないけど、なんて恐ろしい男・・・!と言いたくなっちゃうんですよ。
ええーー!
もう、なんて可愛い生き物なの!?と。
そしてポンコツなの・・・。
や、そんな森吉を世界一可愛いと思ってる組木にもまた、萌えまくっちゃうんですけど。

と、そんな感じで、主人公のキャラやスレ違いの妙が可愛すぎる作品になるんですけど。
いやもう、最高ですね。

ちなみに、ここまでが雑誌掲載作。
この後、書き下ろしで二人の後日談になります。

この書き下ろしですが、しょうもない誤解からスレ違う二人が、コミカルに書かれています。
笑った。
そしてエロ魔神と化した組木にニヤニヤした。
もう、勝手にやっててちょうだい!って感じになります。

ところで、表紙にスーツの男が二人並んでると、それだけで異様に滾っちゃのは私だけですかね?

まさに奇想天外オメガバース!

夜光先生初のオメガバースで、溺愛+ファンタジーのラブコメになります。

こちら、スパダリ攻めに平凡受けが溺愛されるのね~と楽しみにしてたんですけど、その認識は完全に間違ってました。
受け、全然平凡じゃない。
何と言うか、かなりの面白キャラですよ。
いやもう、思考回路とか突拍子も無いんですけど、男らしいしめちゃくちゃ格好いい受けだと思うんですよね。
イケメンでスパダリでアルファである溺愛攻めが霞んじゃうんだけど。

とりあえずストーリーとしても、笑えてキュンキュンしてと最高なので、溺愛ものや明るいラブコメ好きの姐さんに、ぜひオススメしたいです。


内容です。
綺麗な顔に目が無い、ド平凡なβリーマンの佑馬。
仲がいいイケメン同僚でαである人見を、推しとして崇める日々。
そんなある日、何故か人見から突然、プロポーズされてー・・・と言うものです。

で、自分のようなモブキャラとは釣り合わないと拒否するも、人見からは猛アプローチ。
調理師が夢である佑馬は、とりあえず従業員として人見の実家の旅館で働く事になるんですね。
しかし、その旅館は普通では無くて・・・と言う流れ。


まずこちら、主人公である佑馬ですが、平凡なβ。
・・・と、本人は思ってるんですけど、結構な変人と言うか面白いキャラでして。
えーと、攻めである人見が大好きな、モブ根性のキャラと言うんでしょうか。
こう、親友である人見を見ては、「ああ、今日も人見はかっこいいなぁ。尊い・・・。神・・・」とかってやってるんですよね。
また、ここがキモになってくるんですけど、嘘がつけない正直な性格でして。
そのせいで言わなくていい事まで言っちゃって、人間関係でトラブルが絶えないんですよね。
まぁそんなワケで、現在の接客業(旅行会社)が自分でも向いていないと分かってるのです。
そこで、転職も考えていた所に、渡りに船で攻めの実家で働く事を決意した。

また、そんな主人公を溺愛するのが、イケメンαである人見。
えーと、今回、攻め受け共に、夜光先生のキャラでは珍しい印象なんですよ。個人的には。
こう、キラキラしくて優しくて穏やかで、ひたすら溺愛の攻めに、平凡な受け。

これ、そんなスパダリ攻めに、受けが溺愛されまくってるのが楽しいなら、受けの斜め上にズレた反応も面白くて面白くて。
人見からプロポーズされれば、喜ぶのでは無くて「お前みたいな国宝級のイケメンが、俺みたいなモブキャラにプロポーズなんて! 頭がどうかしたんじゃないのか!?」みたいな。
また、それでも攻めがめげずに、手を変え品を変え猛アプローチするのにニマニマしちゃって。
こう、すかさず作戦を変更し、「俺と結婚したら、好きな顔を一生眺めていられるんだよ?」みたいな。
これでアッサリ丸め込まれちゃう受けに、これまた笑えちゃうんですけど。

これ、人見が策士なのか、佑馬がチョロいのか、どっちなんでしょうね?
両方なんでしょうかね?

あとこちら、ストーリーとしてもとても面白いのです。
実は佑馬が働く事になった旅館ですが、客は人外ばかりと言う妖怪専門旅館だったんですね。
そこでケガをして休暇中の料理人に代わり働き始めるワケですが、初っぱなから調理場はゴミ溜め、女将は個性強烈って感じで。
そんな中で、様々な厄介事に見舞われながらも、主人公が料理人にとして奮闘するのが楽しいと言いますか。

また、こちらオメガバース。
佑馬はβのはずですが、何故か客であるタコのバケモノに襲われた後、Ωのように激しい発情を起こします。
そこで、佑馬のフェロモンに抗えず、抱いた上に番にしてしまった人見。
果たして、二人の恋の行方はー?
って感じで。

いや、う~ん。
実は序盤ですが、受けのキャラに引っ掛かったんですよね。
正直なのはいい事だけど、社会人としてどうなのかって感じで。
それが、読み進めるうちに、どんどん彼の魅力にやられちゃって。

えーと、女将がキツイと言うか、良く言えば裏表が無い、悪く言えば自分勝手ってタイプなんですけど、そんな女将に佑馬もズバズバ返す。
や、間違ってる事は間違ってると、しっかり言ってくれるのが気持ち良くて。

あと、自身がΩになってしまった事、番になってしまった事でショックを受け、旅館を辞めて実家に戻った佑馬。
ここからのオチが、最高に滾っちゃって。

いや、繰り返しになりますが、主人公はめちゃくちゃ男らしいと思うんですよ。
マジで思考回路が突拍子も無いと言うか、ある意味一貫してると言うか。
いや~、こう来るかと言う結論に、爆笑。
普通、感動して萌えまくるシーンのはずなのに、爆笑。
これまた、「最後まで良く分からない・・・。幸せにする」と言う人見の返事にも爆笑しちゃいましたよ。
なんか、笑って萌えてと、読者としても忙しい。

最後になっちゃいましたが、受けだけで無く、攻めのキャラも大変魅力的でした。
いやね、本当に受けを大切にしてて、健気でもあるんですよ。
彼が佑馬をこれほど好きな理由も、しっかり書かれてるのが素敵でした。

ちなみに、なかなか強烈な女将ですが、個人的には好きでした。
問題ばかり起こしてくれるんだけど、どこか憎めないんですよね。
でも、自分の姑にはゴメンだけど。

めっちゃいい話! もう、めっちゃいい話!!

あらすじからてっきりギャグだと思ってたら、思わずホロリとさせられる、すごく素敵なお話でした。
めっちゃいい話!
もう、めっちゃいい話!!

こちら、最初こそ、雑草系庶民派リーマンが宝くじに当たった事から巻き起こす、ドタバタ系ラブコメの様相なんですよね。
いや、ハイスペの親友(攻め)に「当たったら山分けだ!」とか言ってたくせに、当選したと分かった途端、バレちゃ大変!と、独り占めしようとする。
また、何故か当選くじが行方不明になってしまい、ゴミあさりまでして必死で探す羽目になり・・・みたいな。
うん。
このテンポの良いストーリー運びだったり、ちょいシュールで笑えるエピソードの数々だったりが、すごく上手いし何より面白いですよ。

で、これだけだと単なるラブコメで終わっちゃうんですけど、この「宝くじ狂想曲」の裏に隠れた、主役二人の不器用で切ないジレジレラブがとにかく良くて。

「宝くじに当たった!」と言う悦士視点のギャグから一転、今度は攻めである玲視点で、彼の七年もの片思いが丁寧に語られます。
丸々一話使って。

人より恵まれた存在である玲。
そのおかげで努力と言う程の事もなく、欲しいものが手に入ってきたんですよね。
いや、何だろう。
多分、玲と言うのは、どこか高い所で生きてきたんですよね。
別に周囲を見下してるって意味じゃなくて、何でも出来るからこそ、上からしか存在出来なかったと言うか。

それが、日々を雑草のように逞しく生きる、地べたに近い人間である悦士と出会った事により、毎日が輝き始める。
よく地に足がついたとか言うんですけど、悦史と過ごす日々を「俺も一緒に草むらに腰を下ろした気分」と玲が表現するのが、すごく印象的なんですよ。
そして、何だかとてもあたたかい。
えーと、失礼ながら、攻めがいつ受けを好きになったのか良く分からんって作品がわりと多かったりするんですけど、10ページ足らずで、玲にとって悦史が特別な存在になっていってるのが、良く分かる。

バイクと野宿での、二人だけの帰省旅行。

二人で草むらに寝転がって、見上げた満天の星空。
1分にも満たない間、そっと繋いだ手。

ただ、その思い出を大切にしながら、悦史の幸せを友人として願う玲が、とにかく切ないんですよね。
や、片思いって元々切ないけど、玲が最初から決して手に入らないものだと諦めてるのが、より切ないのです。

で、ここから現在。
就職して、環境が変わって、友人としても少しずつ繋がりが薄れてきた二人が、再び「宝くじ当選事件」をキッカケに、濃密な三日間を過ごす。

実はここまで読んでの印象ですけど、完全に玲の片思いだと思ってまして。
悦史は完全なノンケで、玲の事も親友でしか無いんだろうなぁと。

それが、ここからひっくり返るのに、とにかく萌えちゃって。
いや、悦史がですね、当選金を独り占めしようとしたり、無くなった当たりくじを血眼で探したりと、ここまで七億(当選金)に固執する理由ー。
彼がずっと心に秘めていた思いが明かされ、すると何だか泣けちゃうのです。

う~ん。
ある意味、この「三日間」って、正気じゃなかったんですよね。
理性とか常識とか全て忘れて、そうしたら望む事は至ってシンプルだった。
逆を言えば、正気じゃないからこそ、自分の正直な気持ちを、自制出来なかった。
そして、抑えきれなかった。

いや、上手いなぁ。
宝くじ当選ってギャグみたいな設定を、こう持ってくるのが上手い。
七億なんて手に入ると分かれば、そりゃ理性のたがも外れるよ。
そうなってやっと、本当に欲しいものが言えた不器用すぎる二人に、その七年間に、なんか泣けてきちゃいますよ。

ちなみに、宝くじのオチですけど、まぁそうだろうと思ってたよ!って感じだったりします。
でも二人とも、それより大切なものが手に入ったんだから、すっごい幸運ですよ。
もう、最後のページが、とにかく感動ですよ。

他、巻末の描き下ろしでその後の二人が読めます。
宝くじ購入時で出てきた、チビオヤジ。
再びの登場に吹きました。
これな~。
初詣のオチがここで来たかって感じなんですけど、なんともあたたかい気持ちになる、素敵な短編でした。

そんな感じで、とにかく萌えてジーンとくる、素晴らしい作品でした。

爆笑ものでした

「豪華客船の王子様 ~溺愛パレス~」の電子特典SSになります。

こちら、ジーク(本編の攻め)のお兄ちゃんが主役になるんですね。
本編では二人の仲を邪魔する悪役ポジションの彼ですが、このSSで本当の姿が語られちゃったりします。
これが、完全に予想外の愉快な男でして。
いやいやいや、お兄ちゃん、面白すぎるわ~と。
そもそも、弟が大好きなお兄ちゃんってのが、私にとってのツボなんですよね。
本編だと、彼は堅物なまま終了の為、本当のお兄ちゃんをみんなに知って貰いたいよ!って事で、レビューさせていただきます。




バルト海に浮かぶ小さな島国・バルティア王国王太子であるリヒト。
二人の弟王子と二人の妹王女、そして宝物である一人息子・グランツを持つ。
妻に先立たれた悲しみは未だ尾を引いているが、それも家族の愛情で少しずつ癒えつつある。
そんな彼が、執務室で書類に目を通していると・・・。

「王太子殿下、お伝え申し上げます。先ほど、クイーンバルティア号が無事に、ギリシャ港に着いたそうです」

(うおおおおーっ! やったな、ジーク! まずは航海の前半をやり遂げたか! さすが我が弟・ジークフリード・ヴィルヴァルト・フィルスシェルナ・パルティア。『バルト海の黄金の獅子』と異名を取る男!)  
「そうか、それで何かトラブルは?」
(ないよな? ないと言ってくれ、神よ・・・!)
ハラハラして手が震えそうですが、精神力で何でもない表情を作るリヒト。

「そう言った情報は入ってきておりません。ギリシャでは歓迎されてるそうです」
(良かったーー・・・!)

「そうか。他には何か?」
「ございません」
(ないのか・・・。そうか・・・。だが、便りが無いのは元気な証拠と言うしな。ジーク念願の処女航海だ。私に私信を送ってる場合では無い事は分かる・・・。そうか・・・)
「分かった。報告ご苦労」
(ああジーク、本当に良かった・・・。お前の航海の成功を、心から祈っているぞ・・・!)
リヒトは心の中で十字を切り、神に祈ります。

「おとーしゃま、ごこうむ、おちゅかれさまでした!」
わーと駆けてくる天使を両手を広げて待ち構えるリヒト。
(おおお! 私の宝! この世の至宝よ・・・!)
「グランツ、ただいま」
両手で抱き締めると、小さな息子はぎゅーっと抱き返してきます。
(おおおふわふわほっぺ。私のましゅまろちゃん。どうしてこんなに愛らしいのだ。食べてしまいたいぞ! チュッ!)
「今日はどのように過ごした? 世話係を困らせなかったか?」

息子との至高のひとときを過ごすリヒト。
深い喜びを感じます。

その翌日の事ー。

執務室でいつものように仕事をこなすリヒトの元に、側近が衝撃の知らせを持ってきます。
ジークフリードが、バルティアの滴のサイズ指定をしてきたとー。

(・・・・は?)
頭が真っ白になるリヒト。
(何を言っているのだ。バカバカしい!)

「何かの間違いだろう」
「それが正式な手続きに則って、バルティアの滴の指輪を宝物庫から持ち出すよう、指示があったとの事です」

(はああ~~?)
混乱の極みに陥るリヒト。
何故なら、バルティアの滴を贈ると言う事は、ただの婚約では無いからです。
一生を添い遂げる覚悟の、特別な事なのです!

リヒトは側近に指示を出し、状況を把握するよう命じます。
そして、その情報が正しいと分かると、強いショックを受けるんですね。
家族に、私に紹介もしてもいない相手にバルティアの滴を贈るなんて!
リヒトはそんな男じゃない!

そして、恐ろしい可能性に気づきます。

まさか、ハニートラップ・・・!
騙されてしまったのか?

そこで、強く決意をするんですね。

「私が目を覚まさせなければ・・・!」

後日、ジークから歩途を紹介されるリヒト。
彼が、恐れおののいた事とは・・・。


と言うお話。

本編でのリヒトですが、堅物だけど愛情深いお兄ちゃんって印象で終わったんですよね。
それが、こんなに愉快な男だったか!

や、このタイプのキャラが好きで好きで仕方ないと言う、個人的好みから来てるんですけど、とにかく楽しくて仕方ないよ!って事で、ひたすら笑い転げちゃいまして。
お兄ちゃん、最高だな!と、鼻息も荒くレビューさせていただきました。

彼は息子が結婚する時も、大騒ぎしそうだなぁ。

とにかく激甘なのです!

「豪華客船の王子様 ~初恋クルーズ~ 」続編になります。
前作ですが、主役二人の(ズレた)やりとりがとにかく面白くて、この続編も楽しみにしてたんですよね。

タイトル通り、溺愛っぷりやイチャ甘っぷりがハンパなくって、もうひたすらニヤニヤしながら読ませてもらいましたよ~。

ちなみに、ここからでも読めるように書かれてるんですけど、完全な続きものである事、前作での伏線の回収等もある事から、単独では分かり辛い部分があると思います。
ご注意下さい。

で、内容ですが、憧れの王子様、ジークフリードと紆余曲折の末に、想いが通じあった歩途。
ジークフリードから、プロポーズの証としてバルティアの滴を差し出されー・・・と言う所からの続き。

ここから、このプロポーズの顛末。
更に、前作ラストでジークフリードが受け取った意味深なメッセージ「バルティアの滴は、大海原に滴り消える」の伏線回収。
あと、今回のキーマンとなるのが王太子リヒト(ジークの兄)なんですね。
二人の結婚に大反対のリヒト。
そこで、ジークの伴侶として認めてもらうべく、あれこれ奮闘する歩途の活躍が語られ・・・と言った感じになります。

この、前回ラストで意味深に投下された「バルティアの滴は、大海原に滴り消える」と言うメッセージですけど。
ジークに敵対する相手からの「クイーンバルティア号を沈めてやるぞ」と言う脅しで、なんとクイーンバルティア号が火事になり、海に沈んでしまいます。

・・・みたいなストーリーを勝手に予想してたんですけど、全然違いました。
私の予想、かすりもしませんでした。

実はこのメッセージですが、王家に伝わる慣用句のようなもので「相手を見誤ると宝は失われる」という意味だったりします。
そう、どこの馬の骨とも分からない歩途と結婚しようとするジークに対して、リヒトが忠告をしたと言うのが真相。

まぁそんなワケで、リヒトから認められるべく、持ち前のポジティブさで様々な行動を起こす歩途の奮闘ぶりだったり、恋人同士となった二人のひたすらイチャ甘が今回のメインでしょうか。

いやこれね、「結婚は認めません」と、小姑のようなリヒトの横やりはあるんですけど、印象としてはひたすら甘々なんですよ。
こう、恋人として思う存分イチャつく事が出来るようになったジーク。
彼が暇さえあれば、すかさずイチャイチャモードに突入。
もう、これが激甘も激甘。
「お前は本当に可愛い事しか言わないな。実は天使だろう」だの、歯の浮くようなセリフを大量投入してまして。

実は前作ですが、そんなキザな口説き文句を言いまくる攻めと、天然すぎて(口説かれてると)全然気付かない受けとの、ズレたやりとりと言うのが最高に萌えたんですよね。
でも、今回は恋人同士。
いくら鈍い歩途でも、恋人からの甘いセリフには頬を染めるでしょー!的に思ってたら、これが全然変わってないんですよ。
えーと、ジークから「この布の下に、極上のご馳走(歩途の身体)が隠れてるんだぞ」と言われれば「ありがとうございます」とトンチンカンな返事をしてムードをぶち壊し、お風呂エッチで「想いもくちづけも、あの時よりずっと熱い」と言われれば、「お湯もです」と、これまたズレた返事を返す。
いやもう、ジークかわいそう。
前作に引き続き苦労が絶えないジーク、マジでかわいそう。

や、この二人はもう、延々とこんな調子でやっててくれればいいと(個人的には)思うけど。

ちなみに、熱々の二人なのでエッチもめちゃくちゃ甘いのですが、歩途がその天然さ故に、やたらジークを煽っちゃうんですよね。
不意討ちの言動で煽られたジークが、「お前は・・・っ!」とかって理性を飛ばしちゃってるのが楽しいなら、「いい、気持ちいいっ、気持ちいいっ!」「歩途、歩途・・・」と、バカップルそのもののやりとりをしてるのも楽しい。
そう、しつこいですが、とにかく激甘なのですよ。

また、ただただ甘いだけではなく、手痛い失敗なんかもして落ち込みつつも、一生懸命前を向いて頑張る主人公の姿には勇気を貰えるのです。
ついでに、ミリ単位ではあるんですけど、歩途の恋愛方面での成長が見られるのも微笑ましくて。
良かったね! ジーク!!と。

まぁそんな感じで、前作ファンとしては大満足の続編でした。

ところで、二人の結婚に大反対のお兄ちゃん・リヒト
愛し合う二人を引き裂こうとする輩は大嫌いな為、彼には苦々しい思いを抱いてたんですよね。
が、電子限定での特典SSで、そんな彼が主役でして。
いや、彼の内心と言うのが語られるんですけど、あまりに愉快な男ですっかり毒気が抜かれちゃいましたよ。
彼はただの、弟を溺愛する兄バカでしたよ。
このSS、爆笑ものなので、お兄ちゃんが気になった方はぜひ読んでいただきたいです。

愛と笑いと感動の、世直しオメガバース!

オメガバース+中華風ファンタジーになります。
ちなみに、雰囲気は似てるけど「皇子と偽りの花嫁」とは全く関係ないお話になります。

で、こちら、小中先生お得意のラブコメになるんですけど。
いや、表紙や帯だと「狂おしく惹かれ合う運命の番」とかって、若干切ない雰囲気を醸し出してるんですよね。
でも、コメディ。
しかも、細かいギャグが随所にブッ込まれていてと、完全に笑わせに来てます。
もうね、何回も吹きましたよ。

とにかく、小難しい事なんかは考えなくて良くて、ただただ笑えて萌えてキュンキュンしてと、ひたすら読者を「笑顔にさせる」事を最優先に書かれたんじゃないかと思うんですよね。
こんな時期だからこそ。
先生の思いは伝わりましたよ!と、私も目一杯楽しみながら、読ませていただきました。
こうして一時、大変な事や不安な事を忘れさせてくれて、その世界に没頭させてくれる。
物語の持つ力って、凄いですよね。
てか、作家さんが凄いのか。

内容です。
ベータでありながら、唯一上級官吏として登用された瑞春。
そんなある日、憧れの存在である帝からお召しがかかるんですね。
なんと、放蕩者と噂の弟皇子・淑英が創設する研究機関の侍従長(秘書役)に抜擢されてー・・・と言うものです。

で、その研究機関(香林書房)ですが、身分や性別に関係なく優秀な者を集めて、腐敗した宮中の改革をしたり、新しい時代に対応出来る国策を行えるよう目指すと言うもの。
そう、言うなれば、淑英直属の先鋭部隊でしょうか。

主人公である瑞春ですが、敬愛する帝の役に立つべく彼等のまとめ役を引き受けるものの、研究者(香斎侍従)逹は奇人・変人の集まりで、何かと振り回される羽目に。
更に、上司である淑英とは馬が合わず、彼の態度に怒り心頭で・・・。

と言うのが大筋でして、ここから如何に主役二人が心を通わせて行くか。
また、自身がベータだと信じて疑ってない瑞春。
彼の本当の性別とは?
そして、淑英が探し続けている運命の番の正体とは?
と言うのが見処になります。

こちら、大筋だけ見ると、主人公が如何にもマトモに思えるんですよね。
が、彼もまた、なかなかの変わり者でして。
そう、この作品の魅力の一つですが、主人公のキャラにあるのです。

いや、瑞春ですけど、すっごい努力家で頭の回転も早く、更に「雪佳人」と周囲の噂になるほどの美貌と、もうこれだけ見るとパーフェクト。
ただ、その中身はかなりの帝ファンで追っかけに命をかけ(る勢い)、しかもやたら強気で図太かったりするのに、妙にズレてる所もあって、その上結構チョロい。
そして、国を良くするために身を粉にする覚悟と、熱い男でもある。
そう、周囲に負けず劣らずの変人と面白いキャラでありながら、同時にやたら肩入れしたくなる、魅力的な受けなんですよね。

また、そんな彼の上司になる淑英。
彼はですね、噂だと放蕩者なんですけど、実は有能で思いやりもあり、身体の弱い帝を陰で支えていたー。
そう、彼もまた、とても好人物なんですよ。

この二人での会話って、嫌味の応酬って感じでゲラゲラ笑えちゃうけど。
えーと、瑞春?
一応、淑英は上司じゃね?と。
まぁ、淑英の方が一枚上手で、いちいちやり込められて「くそぅ!」と、瑞春がジタバタする所までセットで笑えちゃうけど。
ついでに、愉快な仲間逹(香斎侍従)に瑞春が振り回されるエピソードなんかがコミカルに綴られていて、こちらもいちいち吹いちゃうけど。

あと、こちらですね、ストーリーとしても大変面白いんですよ。
こう、世直し要素がワクワクさせてくれるなら、突然発情してオメガである事が判明した瑞春。
その発情を促した、運命の番とは誰なのか?てな感じで。
いや、敬愛する帝に、何だかいい雰囲気になってきた上司の淑英、そして香斎侍従の伯雲。
一体誰なのよ!?と。
いや、伯雲は論外の単純バカだけど。

これね、オチとしては完全に予想がつくんですよ。
予想がつくんだけど、それが逆に面白さを盛り上げてると言いますか。
えーと、読者の期待を煽りに煽る形で進むんですよね。
で、目一杯盛り上がった所で、劇的に明かされる事実。
もう、「キャーーーーっ!!」しか出てこないんですよね。
そうだと思ってたのよ!と、興奮マックス状態なんですよ。
面白い!
面白すぎる!!

ちなみに、主役二人は運命の番になります。
幼い頃の出逢いに、運命のイタズラと言った感じで、これも誤解やちょっとした勘違いでのスレ違いにジレさせてくれる。
が、一番萌えたのは、実はこの後なんですよね。
いや、個人的に運命の番って大好きなんですけど、私にとっての一番の見処って「例え、運命の番じゃなくても惹かれた」でして。

えーとね、今作での「運命の番」のオチですが、逆説的なものになるんですよ。
こう来たか!って感じの。
でも、それにめちゃくちゃ萌えちゃって。
こう、淑英の出した結論にですね、ひたすらうっとりしてしまう。
そう、どうでもいいんだよ。
運命とか性別なんて!

まぁそんな感じの、とにかく笑えて萌えてキュンキュンしまくりの、素晴らしい作品でした。
痛さゼロに切なさ1ミリ程度なので、ただただ笑えて元気を貰える作品をよこしなさいよ!って姐さんにも、オススメじゃないでしょうか。

最後になっちゃったんですけど、二人の初エッチ時のやりとりが最高でして。(瑞春が発情した時のは除きます)
えーと、情熱を抑えきれずに、性急にエッチに進もうとする淑英に、展開についていけずポカンとする瑞春。
で、「やっぱり嫌なのか・・・」としょんぼりする淑英。
その様を見て、慌てて「嫌なんかじゃないです。でも初めてで・・・」と恥ずかしいセリフを言った挙げ句、男に二言は無い!と、エッチする事を承諾してしまう瑞春。
これは確かに、チョロすぎて心配になるわー。
淑英の「お前、可愛いな。だがチョロすぎて、今後が心配だ」に笑いと萌えが止まりませんでしたよ。

幼い日の約束は、永遠

穏やかで優しい雰囲気が魅力の、おとぎ話風ファンタジーになります。
茜花先生ですが、こう言ったお話がとてもお上手だと思うんですよね。
今回も茜花先生の持ち味が良く生きた、ジンワリ心があたたまる素敵な作品だと思います。

ちなみに、個人的ツボに「幼い日の約束」と言うのがございまして。
幼い頃に出会って、特別な約束を交わした二人。
そんな彼等が、大人になって「あの日の約束を・・・」みたいのがめちゃくちゃ好きなのです。
しかもしかも、(何らかの事情で)片方はその記憶を無くしちゃってたりして。
で、もう一人はそれを知りつつ、健気にそばで見守り続けるー。
みたいだと、更に最高なんですけど。

まぁそんなワケで、「幼い日の約束」系がお好きな方にも、ぜひオススメしたいですね。
口絵カラーがこれなんですけど、素敵過ぎてうっとりしちゃいますね。
この後に二人を待ち受ける運命を思うと、なんとも切ないですね。
や、わりと不憫な二人なので。

内容です。
半獣のうさぎで末王子の教育係であるリト。
国で唯一の垂れ耳である彼は、出来損ないだと身内から冷遇されているんですね。
そんなある日、病気で伏せっている第一王子の病状が悪化し、どんな願いも叶えてくれると言う“魔法の剣”を、末王子と共に探しに行く事に。
そんな二人の護衛として付き従うのが、鉄のアーマーを一切脱がずに素顔が分からない、風変わりな騎士・ロックでー・・・と言うものです。

まずこちら、おとぎ話風と言うだけあって、設定がなかなかメルヘンと言いますか。
えーと、うさぎとか犬とか様々な半獣達がそれぞれ国を形成して暮らしてるんですよね。
で、うさぎだけは、互いの長所を生かして協力する形で、人間と一つの国を築いた。

また、うさぎですが、はるか昔は皆が魔法を使えたんですね。
それが、いつからか魔法の使えない子供ばかり生まれるようになり、現在、彼等の魔法の力は途絶えてしまった。
今回、リト達が手に入れようとする魔法の剣ですが、そんな魔法を使えた過去の時代の遺物であり、はるか昔に滅びたうさぎの国に眠るとされる伝説になるんですよね。

まぁそんなワケで、快活で心優しい王子・クレイデルと、教育係であるリト、更に謎の騎士・ロックとで、うさぎの王国を目指して旅に出る。

こちら、失礼ながら、設定としては最初から疑問なんですよ。
病弱な第一王子に代わり、政務を執り行う第二王子シュリーチカに誘導される形で、二人は魔法の剣を探しに行く事になる。

いや、まだ幼い王子に、完全に文官タイプの腕っぷしとしては頼りない事この上ないリトに、頑なに鎧を脱がない妙な騎士。
この三人に任せる事自体が、おかしくね?と。
普通に、信頼の置ける有能な騎士数人を派遣するべきじゃね?と。

えーと、この事が後々、王宮内での陰謀なんかに絡んでくるんですけど、設定としてはちょっと強引だよねって感じで。

と、ちょい不自然と言うか強引な部分はあるのです。
あるのですが、大筋としてはとても好みでして。

いや、何と言っても、三人での旅パートが可愛いし萌えるのです。
こう、最初こそ、素顔を見せないロックに不信感や苦手意識を持つリト。
それがロックの不器用な優しさを知るに連れ、心を許して行く。
また、ロックが頑なに素顔を晒さなかった理由ー。

実はロックですが、うさぎ達の天敵、狼だったんですね。

狼だと言うだけで、本能的な恐怖を覚えてしまうリト。
それが共に過ごす中で、狼では無く、ロックはロックだと意識が変わって行く。

いや、何だろう。
そんな感じで、少しずつ少しずつリトの気持ちが変化し、二人の距離が縮んで行くのが丁寧に書かれてまして。
なんとも心あたたまるのです。

また、ロックですが、うさぎ達ばかりの中で、年中鎧で姿を隠してと不便な思いをしながら、それでもクローヴァで生きてきた理由。
これがですね、めちゃくちゃ健気。
いや、何て不器用な攻めなの。
そして、いじらしい攻めなの!と。
ちなみにこれが、幼い日の約束に関わってくるんですけど。

あとですね、三人は刺客に襲われたりしながらも、長い旅路の果て、伝説だと思われていたうさぎの国の遺跡にたどり着き、魔法の剣を手に入れます。
しかしここで、恐ろしい陰謀に気付いてしまう。
そして、帰国した彼等を待ち受けていた運命とはー?
って感じで。

とりあえずこのオチですが、とても気持ちが良いし、感動的なものでした。
いや、愛するものを守ろうと、強く立ち向かうリトにシビれるんですよ。
くっ、出来損ないだと(以前は)縮こまってたリトが、格好良いじゃないかよと。
そう、弱いと思っていた方のキャラが、本当は強かったんだよと言う展開に、ファンタジー好きはシビれるのです。

ところで、少しだけ疑問の部分。
病弱な第一王子って、どうなったんですかね。
あと、リトの真実の姿が分かり、家族との関係はどうなったんでしょう。
う~む。
これで手のひらを返されても腹が立つけど、多少は彼等のザマァ展開も見てみたいものです。

たった一人の、大事な人になりたい

「愛されオメガの幸せごはん」スピンオフになります。
今作だけで問題無く読めます。

で、今作ですが、包容力ベータ×半獣アルファの美人受けによる、偽装恋人モノになるんですね。

いや、思ったよりと言うか、すごく葵居先生らしいと言うか、結構切ないししんどいお話なのです。
でも、同時にすごく優しいお話でもあって。
もうさあ、受けのあまりの不器用さに、愛しくて愛しくて仕方なかったですよ。
そして、攻めがそんな繊細な受けを、これでもかと言う大きな愛で包み込むのが、嬉しくて仕方なかったですよ。
ついでに、攻めの愛が意外と重いものである所まで、最高でしたよ。
受けを閉じ込めて独り占めしたいとか思ってる攻め、大好き。
暴走しちゃわないように、そんな自分を戒めてる攻めは、もっと大好き。

ちなみに、1P目から「愛されオメガ~」の二人が(間接的に)登場してまして。
思わずニヤリとしました。
巻末に攻め視点のSSが収録されてるんですけど、そこでもこの二人が活躍してるんですよね。
幸せそうで、思わず「うふふ」となりましたよ。
「愛されオメガ~」もめちゃくちゃ素敵なお話だと思うので、未読の方はこの機会にぜひ!

内容です。
優秀だとされる半獣のアルファでありながら、落ちこぼれの凛一。
病気で入院する事になった兄を安心させる為、偽装婚約者を作る事を計画するんですね。
そんな彼が婚約者役として目をつけたのが、唯一親しくしてくれるベータの沖津でー・・・と言うものです。

で、婚約者役を承諾する沖津。
更に、自然な恋人同士に見えるようにと、濃厚すぎるスキンシップを仕掛けて来て・・・と言う流れ。

と、こちら、ストーリーとしてはすごく甘いですし、一見王道なお話なのです。
お話なのですが、実はとても深いし切なくもあるお話でして。

いやこれ、主人公となる凛一がですね、とにかく不憫だし、読んでて痛々しいんですよ。
えーと、彼は一見、無表情で口調も冷たくと、鼻持ちならないタイプ見えるんですよね。
が、それは彼の生い立ちに理由があって。
こう、威圧的な祖父に極端に片寄った教育を受けた事が原因なのです。
お前は出来損ないだと貶されながら、感情と言う弱味を見せる事を厳しく禁止されて育った。
そのせいで、人と上手く関われない、感情を無表情の仮面に閉じ込めてしまう、現在の彼が形成されたと言いますか。

こちら、凛一視点で進むのですが、そんな彼のこれまでや、現在の友達の一人も居ない、孤独な状況が丁寧に書かれてまして。
これ、本当の彼と言うのは、不器用で繊細で思いやりもある青年なのです。
でも、そのキツい言動と無表情のせいで、誤解されたり周囲から浮いてしまったり。
いや、めちゃくちゃ切ない。
本人の自己評価の低さも、切なさに拍車をかけてるんだけど。

こちら、一番の萌え処がですね、そんな受けが攻めに目一杯愛される事だと思うのです。
攻めの大きな愛により、祖父の呪縛から解き放たれる事だと思うのです。
そして、幸せを掴む事なのです!
そんなすごく優しくてあたたかいお話なのです!!

(偽装)婚約者として沖津とデートしたり、共に過ごしたりと、かつてない甘く優しい時間を過ごす凛一。
こう、初めての経験の数々に、戸惑ったり喜びを感じる彼の姿が、やたら可愛いんですよね。
いや、愛に飢えた受けが、攻めからこれでもかと甘やかされるエピソードなんかが大好きでして。
凛一、良かったねぇ!と。

また、凛一はわりと世間知らずな部分もあると思うんですよね。
明らかに、沖津は彼に惚れている。
そして、偽装恋人にかこつけて、凛一を落とそうとしている。
あれよあれよと誘導されて、キスだのエッチだのいつの間にかなだれ込んでるのに、ニヤニヤが止まらないと言いますか。
凛一、チョロすぎるよ!と。

あとですね、こちらオメガバース。
珍しいベータ×アルファのカップルになるんですね。
これ、沖津がベータの為、二人の間に「運命」というものは存在しません。
これの落とし処が、とても素敵でした。
そう、人を愛するのに、運命とか運命じゃないとか、関係ない。
ただただ、その人だから特別なのです。

他、祖父そっくりの、優秀で高圧的な凛一の兄。
彼もまた、不器用な男なんですよね。
例の祖父に育てられて、愛情の示し方がヘタクソな。
沖津の存在により、この兄弟が(ちょこっとだけ)分かりあえるのも、とても素敵でした。

最後にですね、沖津視点のSSが収録されていて、こちらで彼の内心と言うのが語られます。
彼もまた、ベータである事、そして家庭環境から「特別」な存在を求めてきたんですよね。
そう、受けが攻めによって救われただけじゃなく、実は、攻めも受けによって救われていたー。
すごく、素敵なお話なんですよね。
ちなみに、ここでの沖津ですが、凛一への愛を爆発させてます。
そして、重すぎる本音もチラッと洩らしています。
いやいや、暴走しないように、気をつけて。

と、とにかく優しくてあたたかい、とても素敵な作品だと思います。
若干、受けがグルグル悩みすぎて、ここで好き嫌いが分かれる気もしなくもないんですけど。
ただ、個人的にはそんな主人公の葛藤部分まで、とても読み応えがありました。
いや、受け尊すぎぃ!!