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男性ぴれーねさん

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優しいお話なのに、何故か強烈に切なくなってくる

電子限定特典となる、その後の二人を綴ったショートストーリーです。

これ、これな!
内容的には優しいお話と言ってもいいもののはずなのに、読後感が強烈に切ないんですよ。
なんかいつまでも心に残っていて、無性に泣きたくなってくると言うか。

そもそも本編ですが、「めでたしめでたしのその先」がテーマとの事なんですね。
異世界に召喚された主人公が運命的な恋に落ちて、まさにめでたしめでたしの結末を迎え、その幸せが一生続くと信じて疑わなかったー。
その先のお話。

で、まさにこれも「めでたしめでたしのその先のお話」なんだろうなぁと。
本編で二人は結ばれハッピーエンドを迎えたワケですが、だからといって「永遠に幸せ」とは限らない。
悲しくて心が張り裂けそうな時もあれば、苦しくて眠れない夜もある。
でもそうやって、人って生きていくしかないんですよね。
夜明け前の暗闇の中、抱き締めあって眠るそんな二人の姿に、無性に切なくなってくる。
なんかこうして思い出すだけで、じわっと涙が出てきちゃうんですけど。
や、私が今とにかくバタバタしてて、疲れが溜まってるからこれだけ涙もろくなってるだけかもしれんけど。
とりあえず、このSSがあると無いとじゃ、作品の深み自体がぐっと変わってくると思うんですよ。
ぜひこちらも読んでいただきたい。

で、内容ですが、本編終了後。
圭視点で語られる後日談になります。

過去の苦しい経験を夢に見て、魘される圭。
目を覚ました彼は、隣に眠るテスが髪の毛を撫でているのに気がついてー・・・。
って感じでしょうか。

テスですが、圭を苦しめる全てのものから守りたいと強く願いながらも、実は自分自身がその「苦しめるもの」の一つだったんですよね。
そして、その過去にそれこそ苦しんでいる。

また圭は圭で、そんな自分を責めるテスの姿に心を痛める。

それぞれが後悔や心の傷なんかを抱えていて、たとえ恋人であろうと、それを拭い去る事は出来ない。
自分の中にあの頃の痛みが残っているように、相手のそれもまた、消え去る日は来ないんですよね。
きっと。

それでも、自分は選んだ。



これ、夜明け前の一番暗い時間なんですよ。
その暗闇の中、それぞれの想いを胸に抱えて、抱き締めあって眠る二人の姿が書かれたお話なんですね。

何だろうな・・・。
悲しみ苦しみも喜びも、そのまま全て丸ごとの彼を包み込みたいと抱き締める主人公と、本当にすごく優しいお話なんですね。
でも何故か強烈に切なくて、無性に泣けてくる。
いや、情景描写が上手いからなんかなぁ。
とりあえず、すごく深みのある素敵なSSだと思います。

めちゃくちゃいい話! 心に沁みる、めちゃくちゃいい話!!

小説投稿サイト掲載作品からの書籍化で、嫌われからの溺愛ものになります。

ある日突然異世界に神子として召喚されてしまった主人公。
その国の王子と恋に落ちますが、やがて王子の愛は冷め、主人公は一人王宮を去る事に。
しかし逃げるように入った神殿で待っていたのは、責務も果たさず恋愛にうつつを抜かしていた神子への周囲の冷たい視線でー・・・と言ったものになります。

私は元々作者さんのお話が大好きでして。
実はこちらもすでにムーンライトノベルズさんの方で既読だったりするんですけど、めちゃくちゃ心に沁みる素敵なお話なんですよ。
えーと、何だろう。
いわゆる異世界転移ものから想像する派手派手しい展開なんかは皆無で、至極地味なお話なんですよね。
主人公は世界を救ったりはしないし、魔物と戦ったりもしない。
そして特別な力を発揮して、周囲から神性視されたりもしない。
それどころか、若さ故の未熟さで手痛い失敗をして、周囲から嫌われどころか憎まれた状態で、ただただ毎日を償いの為に生きる・・・。
そう、めちゃくちゃ不憫だし気の毒な主人公なんですよ。

これね、そんな気の毒な主人公が召喚されてから八年後ー。
23歳になった彼の周囲との関わりだったり、攻めとの関係性の変化だったりを、彼の神子としての日常を通して丁寧に綴ってゆくお話なんですよね。
冬から始まり、春を経てやがて秋へー。
季節の移ろいと共に。
で、それがとても優しいし、とにかく心を打たれるし、ついでに攻めとの恋愛には萌えまくりだしと、すごくすごくあたたかくて素敵なんですよ。

えーと、私が元々作者さんのお話が好きな理由なんですけど、単純に設定やストーリーの面白さってだけじゃなく、その深みのある人物描写でして。
主人公も、お相手となる攻めも、関わりを持つ神官達も、そして主人公を捨てた王子さえも、当たり前の生きた人間として存在して、それぞれ弱さだったり愚かさだったり、逆に優しさや強さと言うものを抱えて生きる。

主人公が右も左も分からぬ異世界で優しく接してくれた明るい王子に恋をして、王宮で彼との幸せな毎日に浸った事。
王子の心変わりを受け入れられず、ただただ自分を憐れんでいた事。
逃げるように入った神殿で、初めて神子としての務めや自身の責任を知った事。

何だろうな。
圭ですが、ごくごく普通の青年なんですよね。
彼のこれまでを知れば、納得もいくし仕方のない部分の方が多いんですよ。
それでも、周囲からは男にうつつを抜かした恥知らずな神子でしか無いんですよね。

そして、そんな圭に憎しみをぶつけたのが、彼付きの神武官となるテス。
圭との初対面で「神子として認めない」と告げ、それ以降は会話一つ交わすでも無く、ひたすら冷たい態度で接する。

これね、そんなマイナスから始まった二人が、いかにして誤解を解き、どうやって結ばれるのかー。
ここが見処の一つで。

圭が過去の過ちを深く悔い、そのせいで完全に萎縮しているなら、実はテスはテスで、噂を鵜呑みにして圭を深く傷つけた自身の言動を悔やんでいた。
そして不器用な彼は、圭にどう接すればいいか分からず、ぎこちない態度は冷たいものにしか見えなかった・・・。

実は割と早い段階で二人の気持ちは通じあい、そこからは彼等が恋人同士として距離を縮めて行く様がじっくり語られと、序盤を除けばひたすら甘酸っぱくて可愛い展開なのです。
最初に嫌われからの溺愛と書いたのですが、気持ちが通じ合ってからのテスは、とにかく甘いしあからさまに独占欲とか見せるし、ついでにわりとムッツリだしと、結構愉快なヤツで。
ただ、それが甘くて可愛いだけに終わってないのって、しっかり掘り下げられた主人公の心情描写だったり、深みのあるストーリーにあると思うのです。

主人公が自身をしっかり見つめ、過去に縛られ続けるのでは無く、勇気を出して一歩を踏み出す事。
そんな彼の変化を促したのが、攻めから与えられた愛である事。
また、攻めは攻めで主人公から、本当に欲しかった大切なものを貰っている事。
めちゃくちゃ素敵ですよね。

そして、主役二人だけじゃなく、圭を裏切った王子にもまた後悔があったりと、一人一人にドラマがあるのが本当に素晴らしい。
人って失敗もするし、思い出すだけで恥ずかしさに転げまわっちゃうような愚かな行動をとってしまう事もある。
だからこそ、成長出来るし、少しはマシな人間になれるのかもなぁと。
本当、心に沁みる素敵なお話なんですよ。

ちなみに、web掲載時から加筆修正ありですが、書き下ろしがめちゃくちゃ良かったです。
この書き下ろしを含めて、物語は完結してると思う!
圭は誤解からの嫌われと辛い6年間を過ごしたワケですが、この背景に隠れた意外な真相が語られるんですよね。
二人の愛にめちゃくちゃ感動なんだけど!
そして、超スッキリと気持ちいいんだけど!!


あと、今月末に出る「春になるまで待っててね」もめっちゃいいお話だったりします。
や、作者さんですが、ラブコメから切ない系から大人の恋愛までと、すごく作風が幅広いんですよ。
で、こちらはひたすら癒し系。可愛いすぎて転げまわるわ!
それにしても、次に書籍化されるなら絶対アズラエル家だと思ってたのに、全然されませんね。
なんでや・・・。
兄弟(義理)で3Pで主人公は淫魔のハーフでと設定だけ見るとエロ特化だけど、家族愛とか自分の存在意義とか綴った、笑えて感動してめちゃくちゃ萌えて、ついでにエロエロなとても素晴らしい作品なのに!

最後になっちゃいましたが、エロ時の二人のズレにはひたすらニヤニヤしました。
や、経験者である自分がリードしないと!と、妙な責任感を発揮して頑張っちゃう圭と、その事に過去の男の気配を感じて、嫉妬から暴走するテスてな具合で。
初々しくて可愛い恋愛を繰り広げてる二人なのに、このズレのせいでエロは濃厚なのをかましてくれます。

じんわり来ちゃう、あたたかいSS

電子限定特典で、本編後日談。
レオリーノがアマンセラ(牝馬)と再会するお話になります。

本編の特に3巻ですが、もうひたすら辛く苦しい巻。
いや、多少ほのぼの甘々部分もあるんですけど、印象としてはとにかくしんどかった。
のたうち回りましたもん。

で、このSSですが、そんな頑張った読者へのご褒美とも言える、幸せいっぱい甘々話なんですよね。
や、書き下ろしの掌編2作も甘々ご褒美話でしたが、こういう甘い話はたくさんあればあるほどいいって事で。
ぜひこちらで不足していた糖分を補っていただきたい。

ちなみに、本編のレビューでは字数オーバーで書けなかったんですけど、あとがきで語られるテーマと言うのがすごく深いんですよ。
「自己肯定のありか」に「持てる者と持たざる者の対比」。
そこから、前世との乖離に苦しむレオリーノと言うキャラが生まれ、端から見れば恵まれていても、決して幸福では無いグラヴィスと言うキャラが生まれた。

これって、すごく身近で誰しも抱えてる葛藤の一つだと思うのです。
私にとってレオリーノもグラヴィスも、全然共通点なんてない遠いキャラなんですよ。
なのにこれだけ感情移入して共感しちゃうのって、彼等が抱えているものが誰しも持つ普遍的なものだったからなんだろうなぁ。
これらを踏まえて読み返してみると、本編では一貫してこのテーマが語られてるんですよね。
そして素晴らしいのが、ちゃんとそのテーマにキャラなりの決着がつけられている事なのです。
本当に正解なんてないんですけど、自分なりの答えにたどり着く事は出来るし、ありのままの自分を認めてあげる事も出来る。
そこに、愛する存在があれば。
前置きが長くなってしまったんですけど、このSSでの二人の姿に、それを感じてすごくあたたかい気持ちになるんですよね。
ただ単に甘くて可愛いってだけじゃなく。
ぜひこのテーマも踏まえて、「その後の二人の姿」を見て上げて下さい。

で、内容ですが、以前競り市で出会った牝馬・アマンセラとの再会を語ったものになります。
レオリーノがアマンセラと会う為、グラヴィスとヨセフと共にルーカス邸を訪れー・・・って感じでしょうか。

アマンセラとの再会の後は、小柄で大人しい別の馬に乗馬してみるレオリーノだったり、ヨセフとルーカスの乗馬での競争と言ったエピソードが語られます。
もうこれ、ひたすら甘いしほのぼのなんですよね。
珍しく声をあげて笑うグラヴィスが見られたり、いたずらなレオリーノが見られたり。
でもこれが、自分なりの答えにたどり着いた二人なんですよね。

そんな感じで、単純に読めばほのぼの甘々なあたたかいSS。
これまでのストーリーやテーマを踏まえて読むと、すごく深みある感慨深いお話になります。
なんだか、じんわり来ちゃう読後感でした。

※当初「萌2」で評価しましたが、作者さんの呟きから「神」に訂正しました。
申し訳ありません。

こちら、2巻のレビューでチラッと書いたグラヴィスの「生涯に一度でいいから愛する者と陽の光の下で・・・」とレオリーノの「グラヴィスを生涯笑顔に」と言う願いが結実したお話でした。
以前は二人が笑顔だわ~とかって微笑ましく読んでただけなんですけど、それを踏まえて改めて読むと、もうダーッと涙が出ちゃいますね。
めちゃくちゃいいお話だった。
めちゃくちゃいいお話だった!
気付いて無かった自分のアホさ加減にもびっくりだった。
一応、何回も何回も読み返してるし、作品に対する愛なら溢れんばかりにあるんですけど。
足りないのは頭だけ。

ツヴァイリンクの夜明けです。

三ヶ月連続刊行の第三弾で、完結巻となります。
これまでで一番辛く痛い巻です。

今までの苦難が鼻で笑えちゃうほど、厳しい展開なんですよね。
二人に訪れるあまりに過酷な試練に、まさに驚愕の真相。

もうね、輪廻転生ものって萌える~!とかって喜んでた過去の呑気な自分からは想像もつかない場所に、物語としては着地するんですよ。
ものすごくしんどくはあるものの、でも同時に、言葉にならないほどの感動を与えて貰える。
まさに圧巻としか言い様のないラストなのです。
通しで読むと、しばし呆然としちゃうんですけど。

愛が憎しみにも、それに狂気へも、また破滅にも導く。
そして、救いにもなると思うのです。
この二人の愛って、そう言う意味ではまさに希望ですよね。
ファノーレンの。

ちなみに今回の表紙ですが、そんなまさに希望を表したものになります。
そう、ツヴァイリンクで夜明けに立つ二人ですよ!
もう、表紙だけで泣いちゃいそう。
えーと、読了後にこの表紙の意味が分かるので、そこで大いに感激して!と。

内容です。
ディルクにエッボにルーカスにヨセフ。
信頼の置ける仲間に秘密を打ち明けた事で協力者を得て、いよいよツヴァイリンクでの悲劇の真相と、その裏に隠れた真の犯人の正体に迫るレオリーノ達。
そんな中、敵国との戦の幕が切って落とされてー・・・と言うものです。

で、こちら、繰り返しになりますが、もうくっついてるから甘々~ってワケには行かなかったりします。
今回、割と深刻なスレ違いが起こるんですよね。
手厚く保護して危険から遠ざけたいグラヴィス。
そして、自分も共に戦いたいレオリーノ。
二人のこのズレで。

レオリーノの中で、イオニアの存在って未だすごく大きいんだと思うのです。
だからこそ、イオニアのように共に戦えない事に、強い焦燥を持ってしまうんだろうなぁ。

またこちら、グラヴィスはグラヴィスで、レオリーノに対して極度に過保護になってしまっているんですよね。失う怖さから。
そこで、とある事件をキッカケに、レオリーノを離宮へと閉じ込めると言う行動に出る。

これな、実の所、より悪いのはグラヴィスじゃないかと思うのです。
一人で勝手な行動に出たレオリーノも悪いけど、彼は立派な関係者と言うかこの件に関しては中心人物と言えるのに、あとは任せておけで納得行かないだろうと。
まぁ、正直、この時のグラヴィスの言動と言うのには萌えちゃいもするけど。
だって、背筋がゾクゾクするほどの執着を見せてくれちゃうんですよ。
どれだけレオリーノが泣こうと、ひたすら抱き潰しって感じで。

話が逸れましたが、そんなワケで、ここでのグラヴィスにはいかがかと思う部分もあるのです。
萌える萌えないは別として。
ただ、ここから彼の内面が明かされると、もう今度は苦しくて仕方なくて。

や、グラヴィスの愛ですが、すごく苛烈なんですよね。
愛する人を閉じ込め、自分以外誰一人触らせず、ひたすら腕の中で囲い込みたい・・・。
それが今回、レオリーノが危険な目に遭った事をキッカケに暴走してしまった。
またこれね、この行動の根底にあるのは、彼の心の傷だと思うんですよ。
それだけ、彼にとってイオニアを失った痛みは大きかった。

こう、グラヴィスってわりと大人の男って感じで、何でも出来るしいつも正しいって印象だったんですよ。
そんな彼のこうして弱い部分を知ると、なんかグッと来ちゃうと言うか。
こんな追い詰めるような愛では無く、誰より優しく愛したいのは彼自身だろうに。

また、この手痛いスレ違いを経て、二人の気持ちは本当の意味で通じあったと思うのです。
ここでレオリーノがグラヴィスに対して告げるセリフに、めちゃくちゃ感動しちゃって。
このスレ違いは、必要だったんだろうなぁと。

ちなみにここから、展開としてはまさに怒涛のものになります。
敵国との戦の幕が落とされ、更に裏切り者の影で糸を引く、黒幕の本当の狙いが明かされる。

これね、レオリーノが受ける仕打ちと言うのが、凄惨なものなんですよね。
今作の中で、私はここが一番しんどかったんですよ。
暴力部分が苦しいなら、なんとしてもグラヴィスの元に帰ると言う、レオリーノの悲壮な覚悟が切なすぎて。
ただ同時に、レオリーノの行動にひどく心を打たれるんですよ。
彼は彼の方法で、精一杯戦う。
今ここで、憎しみの連鎖を絶ちきる為に。

こう、レオリーノですが、戦う事が出来ないと言う自身の弱さに、ずっとコンプレックスを抱いて来た。
でも、ここでのレオリーノを見ていると、彼は確かにイオニアの魂を受け継いでいて、そして一人の戦士なんだと感じるのです。
その戦う方法は、あまりに悲しいんですけど。

また、黒幕の真の狙いと、彼の真実。
これが本当に驚愕なんですよね。
ツヴァイリンクでの悲劇の裏に、こんな凄まじい愛憎劇が隠されていたのかと、ただただ呆然としてしまう。
人の心ってとても複雑だし矛盾もしてますよね。
愛しながら、憎しみを抱く。
そして、憎しみは憎しみの連鎖を呼ぶ。
だからこそ、グラヴィスとレオリーノ、二人の純粋な愛が希望になるんだろうと。
もうマジで、ツヴァイリンクの砦に立って夜明けを眺める二人のシーンに、感無量なんですよ。
この作品の全てを象徴する、素晴らしいシーンだと思う。

それと書籍化にあたり、かなり修正されてます。
セリフの細部が変わったり、無かったセリフが増えたり、構成が変わってたり。
書籍の方を読むと、よりキャラ達が身近に感じられる。
ここまで手を入れるのって、本当に大変だったと思います。
小綱先生、お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。

最後になっちゃいましたが、ルーカスとイオニアの邂逅シーンがとにかく素晴らしかったです。
やっと、あの言葉を言えたね。
そしてイオニアの魂は、ようやく眠りにつく事が出来たのかな。
何だろう。
登場人物紹介ですが、3巻にしてイオニアが笑顔なんですよ。
その笑顔に、もう言葉にならないです。

大人の男の不器用な恋です

イタリアを舞台にした、甘く切なくしっとり読ませる大人の男のラブストーリーです。
上下巻合わせての感想になります。

こちら、8年前に連載を開始されたそうですが、途中で作者さんの闘病、雑誌の休刊を経て、このほどようやく完結。
上下巻同時での発売に至ったそうです。

で、私は元々藤河先生の作品が大好きなんですけど、今回は特に良くて、ひたすら萌えちゃうしうっとりしちゃうしキュンキュンしちゃうしで、最高でした。
もう本当に良すぎる。
そして、イラストが美しすぎる。
ついでにエロも色っぽすぎるー!

初出が8年前って事で、イラスト・作風共に結構雰囲気が違うんですよ。
率直に言うと、その最初の方は若干萌え不足なんですよ。
サラッと読めちゃう感じで。
ただ、尻上がりにどんどん良くなって行きます。
後半では、萌えすぎてゴロゴロ転がっちゃうくらいです。
上巻で止めちゃわずに、絶対下巻まで読んだ方がいいと思う。

で、内容です。
老舗の工房・美杉カバンの優秀な営業である直純。
売れ行き低迷に悩む彼は、世界的ブランド・オルシーニとの提携を目指して企画を持ち込むんですね。
そんな直純の姿に目をつけたのが、オルシーニの若きCEOであるカルロ。
美杉カバンへの融資を条件に、直純を自身の専属秘書へと就任させますがー・・・と言うものです。

こちら、カルロが自信家で華やかなまさにイタリア男。
直純が、生真面目で不器用なメガネ美人でしょうか。

カルロですが、仕事を精力的にこなす傍ら、女性との奔放な付き合いって感じで、何だろう。
こう、人生を謳歌してる感じなんですよね。
更に、わりと傲慢な所もあって、欲しいものは手段を選ばず手に入れるみたいな。

で、そんなカルロとは正反対の直純。
真面目で情にあつくて、でもどこか無防備で純粋な所もあってと、こう、一生懸命な所が庇護欲を誘う。

基本的には、社長であるカルロと秘書の直純。
職場での仕事描写を通して、二人の距離が縮んで行く様が語られって感じなんですね。
藤河先生と言うと、豊かな表情でキャラの心情を表現するのがお上手なんですけど、今回も、互いに無いものに惹かれて合って行く二人の姿と言うのが、とても自然に描かれています。
何気ない日常の触れ合いで、相手を男として意識してしまうー。
そんな主人公の戸惑い、気持ちの揺れなんかがとても丁寧に綴られていて。
しつこいけど、ホント表情で語らせる~。
って感じで。

で、こちら、ハーレクインBLを目指されたそうで、カルロがCEOを追い落とされそうになったり、日本人である直純が侮蔑の目を向けられたりと、ドラマチックで波乱の出来事なんかが訪れます。
愛し合いながらもスレ違う二人と、切なくも萌えさせてくれるんですよね。

実は私が一番萌えた所ですが、カルロの心情の変化なんですよ。
繰り返しになりますが、カルロと言う男はわりと傲慢な部分があった。
直純に対しても、美しい彼に興味をそそられたから。
ただ単純に欲しいと思ったから、多少強引に手に入れた。
それが、彼と共に過ごして色々な表情を知るうちに、どんどん本気になってしまう。
そう、本当の愛を知らなかった男が、受けと出会って初めて「愛する」と言う感情を知る。
でも彼は、その傲慢さ故に直純を深く傷付ける行動をとってしまうんですよね。

何だろうな・・・。
自信満々で強気そのものだったカルロが、直純に去られた事で、見る影も無くうちひしがられる。
すごく情けなくて格好わるいんですけど、こう、必死に過ちを謝罪し、許しをこう姿に、ものすごく高揚しちゃうんですよね。
ちょい攻めザマァの気持ちが味わえて。
何でこう、完璧な男の情けない姿ってのは萌えるのかと。
受けだけが、ヤツをそんな風に出来るって事に興奮するんですかね?
いや、自分でも何故なのかよく分からんけど。
まぁとりあえず、切ないけどすごくドラマチックでうっとりしちゃうんですよ。

ちなみに、上巻はほぼエロ無し。
しかし下巻はひたすらエロエロ。
藤河先生のエロシーン、ものすごくエロいし色っぽいのに、下品にはならない所が好きなんですよ。
くっ、互いに溺れるように抱き合う二人の姿に、もうめちゃくちゃ萌えまくりだよ。
これは大人の男同士でしか、出せない色気ですよねぇ。

と、そんな感じで、甘くて切ない大人の男の恋。
めちゃくちゃ良かったですよー!

ここで「愛してる」は止めて!!

暴君竜シリーズ十作目。

最終決戦とある通り、この巻でツァーリとの対決にひとまずの決着がつき、シリーズとしてもとりあえず一区切りとなるそうです。
ちなみに、暴君竜シリーズはまだ続くそうなので、ファンの皆さんご安心下さい。

で、前作ですが、ツァーリの元に帰してしまったミハイロ少年。
今回はそこからの続きで、我が子である彼との再会を望む潤達。
そんな彼等にツァーリが出した条件。
それは、潤と子ども達だけでエリダラーダを訪れる事でー・・・と言った感じになります。

前回ですが、潤と可畏はそれぞれの立場や考え方から気持ちの面でズレが生じて、二人とも大変悩んだし苦しんだんですよ。
や、受け史上主義で潤がとにかく大好きな私は全面的に彼の味方だったけど、それでも可畏の苦悩にはグッと来るものがあった。
いつものように絶対的な強さを誇る格好いい可畏では無く、弱くて情けない可畏だったけど、前より更に好きになって。

で、今回、そんなこんなで苦悩した分、一回り成長していい男になった彼が見られるのです!
そう、暴君竜復活なのです!

えーと、詳細は省きますが、色々辛い状況の中で、可畏はひたすら我慢するしかなかったんですよ。
ツァーリの脅威に、我が子や潤への愛情。
自身の感情をグッとこらえて、潤を送り出すしかなかった。

これ、もう読んでて辛くて仕方なくて。
二人の願いが我が子を取り戻す事と共通なだけに、ここで家族がバラバラになってしまうと言う、その現実に。
もう前作から引き続き、ずっとずっと苦しい。
苦しいのですが、ここで可畏がやってくれるんですよ!
そう、しつこいけど、暴君竜復活なんですよ!

や、これな、ただ単に開き直ったとも言えるけど、ここからの可畏の行動に、思わず「よっしゃあ!」と拳を振り上げたくなっちゃって。
そうなのよ。
二人は離れちゃダメなのよ!
例えどんな状況でも、絶対一緒じゃなきゃダメなのよ!!と。

ちなみにここから、潤と可畏と子ども達。
そしてツァーリとミハイロが共に過ごしてみてと、展開としてはとても穏やかなものになります。
共に過ごせなかったこれまでの時間ー。
戸惑いつつも、我が子であるミハイロと交流を重ねてゆく潤達の姿が、丁寧に綴られて。
とても優しい決着が来て、ああ、良かったね、みんな!と。

と、すっかり油断した所で、驚きの展開が来ます。
完全に油断しきってただけに、横っ面を突然張り飛ばされたぐらいの衝撃を受けましたよ。
マジで。

う~ん。
私は前作のレビューで、ツァーリをこき下ろしたんですよね。
気持ち悪いと散々。
それが今回、あれ、やっぱりいいヤツじゃん?と、ちょっと見直した。
見直したら、やっぱりクソじゃねーか!的な。
彼の驚きの狙いが明らかになりますが、こいつ、やっぱり自分しか愛してないと思うんですよ。
いや、ミハイロに対する愛情は確かにあると思うんだけど、それでもこう言う事をやるってどうなの?と。
親として、絶対やっちゃいけないと思うんですよね。

また、ここでの可畏がとにかく格好いい。
そして泣かせる。
派手なバトルをぶちかましてくれますが、絶対絶命のピンチ時の、彼のモノローグに涙が出ちゃいそうで。
もうさ、ここで「愛してる」は止めて。
普段は大好きなセリフだけど、この場合は絶対フラグだから止めて!みたいな。
えーと、一応、フラグじゃなかったのでご安心下さい。

最後になっちゃいましたが、結末としては受け入れられる方、ダメな方、両方に分かれると思います。

実は以前、「どんな結末でもそのまま受け入れる覚悟はしていました」と言うレビューを拝見して、目から鱗が落ちたんですよね。
どこで読んだか思い出せなくて、探しても全然見つからないけど。
とりあえず、その言葉に感銘を受けた私は、二人が選んだ結末なら、そのまま受け入れようと読む前から決めていました。
これだけ散々悩ん迷ってぶつかって、その上で二人が出した答えなんだからと。
でもそれが無くても、私はこれで良かったんじゃないかと素直に思います。
全てが丸く治まってはいないけど、とりあえずはハッピーエンドで。
とても素敵なラストだと思います。
こう書くと最終巻みたいですが、ちゃんと続くんですけど。

最後になっちゃいましたが、犬飼先生。
お忙しい中、こんなに早く刊行していただいてありがとうございました。

オリジナリティに欠けてる

巻き添えで異世界召喚されてしまったリーマン。
王宮で保護されますが、働かざる者食うべからずの彼は、自ら仕事を探してー・・・と言うお話になります。
特に巻数はふられてませんが、続きものなのでご注意下さい。

で、こちら、めちゃくちゃ好みのあらすじだったのと、元々作者さんのお話が好きな事から購入しました。
相変わらずイラストは大変美しいですし、ストーリー自体も好みです。
あと、攻めと受けのキャラも好み。
普段なら高評価を付ける作品だと思います。

ただこちら、キャラとか設定とか某作品に酷似してるんですよね。
えーと、受けが仕事でクタクタ、常に寝不足で顔色が悪い。
性格自体も、真面目で物事に動じなくて仕事好き。
攻めは攻めで、年下で騎士団所属の副団長で、面倒見がよいツンデレ。
あと、やたらチャラい同僚とか、女子高生の聖女とか、本当に細かいモロモロ。

えーと、勿論、受けの仕事が経理じゃなくて薬草園とか、獣人設定とか、違う部分はあるのです。
あるのですが、召喚の流れからキャラから設定からと、ここまで似てると某作品の方が常にチラついちゃって、素直に楽しむ事が出来ない。
その某作品、小説だけじゃなくてコミカライズ版も持ってるんですよ。
女子高生が召喚されるシーン自体も、めちゃくちゃ似てるんですよね。
魔素に耐性が無い受けとか、魔力酔いとか、それを治す方法とか、偶然と言うには重なりすぎなんですよね。
そもそも、赤子並みの耐性云々とか、この言い回しも既に読んでるぞと。
食が細い受けに、食堂で攻めがご飯を食べさせるとか、本当に細かい部分まで重なるぞと。
その時の攻めのツンデレぶりまで。

う~ん。
偶然の一致と言われればそれまでですが、あまりに似通っちゃってるんですよね。
オリジナリティが薄くて、どこかで読んだような話だと言う感想を持った事はあるんですが、ここまで酷似してると感じたのって初めてで。
多分、その某作品を読んだ事が無い方は楽しめると思いますが、既読の方はモヤモヤすると思う。
どちらにせよ、同じような作品なら2冊は必要無いですし、オリジナリティと言う一番大切なものに欠けてるので、この評価で。

もうひたすら萌えるー!

溺愛系主人とツンデレ美人従者による、ジレジレの主従ものになります。
架空の国みたいですが、個人的にはイギリスっぽい印象を受けました。

伯爵であるサミュエル。
従者のルカに想いを寄せていますが、彼からはいつも冷たくあしらわれていてー・・・って感じのお話でしょうか。

こちらですね、実はストーリーとしては超王道でして、展開としても先の先まで読めちゃうんですよ。
あと、時代もので身分差がキモになるんですけど、そのあたりの掘り下げがやや弱いと言うんですかね?
オチなんかでも、都合の良さが目立つと言うか。
上手く行き過ぎ感があると言うか。
そんなワケで、このへんが気になる方にはオススメしかねるのです。
しかねるのですが、個人的にはめちゃくちゃ好きなお話でして!

や、これな、とにかく攻めの受けに対する溺愛っぷりが半端ないんですよね。
受けは基本的にクールな態度なんですけど、それにめげずにひたすら甘いセリフを吐きまくりって感じで。
また、受けのツンデレっぷりが最高に可愛くてですね。
こう、サミュエルの愛情表現ですが、非常にストレートなんですよ。
そんな彼からの言動に、普段はクールなルカが思わず真っ赤になったり素の表情を見せちゃったりしてと。

もともと主従ものは大好きなんですけど、この二人のやりとりや関係性がとにかくツボなんですよね。
もうひたすら萌える~!と。
また、サミュエルは貴族としては結構な変わり者になるんだろうけど、ルカの為なら身分も何もかも惜しくない!みたいな情熱的な所にもうっとりしちゃって。
領主としての責任だの何だのはとりあえず置いといて、受けを全力で守る攻めって素敵すぎ!みたいな。
普段はおっとり浮世離れって感じなのに、ここぞと言う時は男らしいのも格好いいよ!と。
ちなみに、お約束ではあるのですが、ツンデレ受けが実はめちゃくちゃ健気って言うのもツボでして。
彼は(暴走した)サミュエルから襲われれば蹴り飛ばしと、予想外の言動を見せてくれるのも面白いよなぁ。

身分差から二人は引き離されそうにみたいな、少し切ない部分はあるのです。
でも基本的には、主従二人のひたすら甘くてキュンなやりとりを楽しむ作品と言うんですかね。
王道も王道なんですけど、個人的にはめちゃくちゃツボ作品で楽しく読めました。

ところで、作者さんのお話で読んだのは3作目になるんですけど、イラストがかなり変わってますよね。
前作あたりから。
初期の頃とは全然雰囲気が違うけど、今の硬質な色気を感じさせるイラストの方がより好みです。
特に、受けの美人っぷりにうっとりしてる。
エロが濃厚なのにもニヤニヤしてる。
修正だけ、何とかならんのかなぁ。
シーモアで購入しましたが、キレイに白抜きでしたよ。

このスレ違いなら永遠にやっててくれていいです

松雪先生、四年ぶりの新刊になります。
待ってましたーーー!!

で、こちら、乙女ゲームに転生してしまった主人公と、幼馴染みの王様による、王道スレ違いラブコメになるんですね。
二人のスレ違いに、設定が巧みに生かされた。

これね、スレ違いにも切なくて苦しいものがあれば、ひたすら可愛くて楽しいものがあると思うんですけど。
こちら、まさにその楽しくて仕方ないものなんですよね。
えーと、乙女で一途で臆病な受けは自分の恋心をひた隠しにして、親友として振る舞う。
で、親友でしかないはずの攻めは、明らかに受けに執着して独占欲を滾らせてる。
そう、端から見ると完全に両想いである二人の、甘くてエッチでちょっぴり切ない恋物語なんかを、読者はひたすらニヤニヤしながら見守るってお話なんですよ!
個人的に、このタイプのスレ違いがめちゃくちゃ好きなんですよね。
もう、このスレ違いなら永遠にやっててくれていいんですよね。
いや、やっぱ二人のイチャ甘も見たいから、適当な所で結ばれて欲しいか。


ザックリした内容です。
宰相の息子で書記官であるケイ。
幼馴染みで初恋相手である王様・エリアスに恋心を抱いているものの、男である自分には望みが無いと思いをひた隠しにして親友として振る舞っているんですね。
また、実は前世の記憶がある彼は、この世界が前世でプレイした事のある乙女ゲームの中だと知っていてー・・・と言うものです。

で、ゲームのシナリオ通り、魔女の呪いで皆が獣人にされてしまう事態に。
この呪いを解くには、ゲームの主人公・リナとエリアスが結ばれる必要があるんですね。
そこで、エリアスの幸せの為に、胸の痛みをこらえて二人をくっつけようと奔走するケイ。
しかし、ウサギの獣人である彼が強い発情を起こすと、何故か「手伝ってやる」とエリアスから強引に抱かれてしまい・・・と言う流れ。

果たして、無事に呪いは解けるのか?
また、主人公であるリナには一向に興味を示さず、ケイを朝な夕なに抱くエリアス。
彼の真意とはー?
と、このあたりが見処になると思うんですけど。

これね、受けであるケイ視点で進むんですよね。
進むんですけど、もう読者には、エリアスの気持ちがバレバレ状態と言うんですかね・・・。
気付いてないのはケイだけで。
まぁそんなワケで、グルグル思い悩む主人公を傍目に、展開としてはひたすら甘々。

や、攻めであるエリアスって、かなり独占欲が強いし、ケイに対してベタ甘なんですよ。
こう、何かと「俺はお前さえいればいい」みたいな口説き文句としか思えないセリフを言いまくるし、ケイに他の男が近づけば、血相を変えて飛んで来る。
そして、呪いのせいで異常な発情にケイが襲われれば、それを抑える為とかもっともらしい事を言って、毎日ケイを抱きまくる。
ついでに、リナとくっつけようとケイが彼女を誉めれば、逆に「お前はリナが好きなのか!?」と怒りをにじませる。

個人的に、こういう受けにベタ惚れの攻めの、独占欲バリバリの言動と言うのが大好きなんですよ。
またこの二人、かなり長い間、この楽しすぎるスレ違いを繰り広げてくれるんですよね。
もう、延々にニヤニヤしっぱなし~みたいな。
本当、楽しすぎるわ!

ちなみにここから、リナがエリアスに告白するのを聞いてしまうケイ。
二人の為に、身をひく覚悟を決めるんですね。
そんな中、エリアスが行方不明になり・・・と続きます。

これね、少し切なくはあるものの、基本的にエリアスと言うのはケイにベタ甘なんですよ。
こう、彼の気持ちは疑いようがないので、安心して読めるんじゃないでしょうか。
また、誤解が解けて二人の気持ちが通じあうシーンと言うのが、萌えるんだけど同時に笑えて。
そりゃエリアスも、「通じてなかっただと!?」と、キレたくもなるよねぇと。
一応ね、ケイは鈍いんじゃなくて、臆病なだけなんですけどね。
こう、傷付くのが怖くて、期待しないようにしちゃったんでしょうね。
あと、彼は一途で健気なゲイなので、エリアスの幸せを第一に願った。
自分と結ばれたんじゃ、呪いは解けないですもんね。
とりあえず、このオチもなんともハッピーなものなので、ご安心下さい。
全ての元凶である魔女。
まさにお騒がせ女だよなぁ。

ちなみに、ケイがウサギの獣人で発情があるって事で、エロ濃厚です。
毎日、朝晩エッチしてます。
もう、シチュエーションを変え、プレイを変えって感じで、二人はエッチしまくり。
やや天然が入ってるケイが、「付き合わせて申し訳ない・・・」とかやってるの、本当に笑えちゃいますよ。
いやいや、ここぞとばかりに美味しくいただかれてるから。

と、そんな感じで、クスッとして甘くて可愛くてちょっぴり切なくてと、とても素敵な作品だと思います。
若干、グルグル思い悩む受けが苦手な方には合わない気もするので、そこだけご注意下さい。

王と猫の秘宝 コミック

鰍ヨウ 

プロが自分で中途半端と認めるの、どうなんかなぁ

ハーフエルフである主人公が、魔術を使って様々な事件を解決して行くと言うお話になります。
コミカライズ作品で先に存じ上げていて、今回オリジナルを初めて読んでみました。

で、こちら、バッサリ言っちゃうとBLでは無いですね。
一応、クール美人であるハーフエルフの主人公と、彼が大好きなワンコって感じの人間の青年の組み合わせではあるのですが、恋愛の機微ってのは一生懸命かき集めても1ミリ程度感じられるだけです。
もう一組、カップルらしき主従も出てきますが、こちらも本当にほんのり匂う程度です。

これ、これな。
そもそも、お話自体がふんわりなんですよね。
作者さんの中では彼等の長い長い物語と言うのが出来上がっていて、そこから構成の一部を切り出して描いたのがこの漫画との事で。
どおりで、最初から意味が分からない展開の連続なワケだと。
続きもので、途中から読んじゃったのかと思いましたもん。
また、なるべく優しい世界を目指したとの事で、そのせいで全体的に中途半端だと言われればごもっとも・・・ともおっしゃられてるんですよね。
いや、プロでお金をとってるんだから、そこは「おっしゃるとおり」と頷いてちゃダメでしょと。

いや、う~ん。
これね、BLとして出されてるんですよ。
そしてそれ以前に、商業作品なんですよ。
こう、エピソードを一つに絞って、きっちり主役二人のラブを描いて欲しいし、伏線は回収して欲しい。
主人公が掛けられている呪いだったり、彼の回想に出てきた「親友」の存在。
そのまま流されてて、めっちゃモヤモヤする。
めっちゃモヤモヤする!

イラストが大変美しい漫画家さんで、特に表情一つで艶っぽい雰囲気を醸し出して萌えさせてくれる、すごい画力の持ち主なのです。
でもその武器が、全然発揮されてないじゃないの・・・。
主人公、終始無表情じゃないの・・・。
彼がちょっと艶っぽい表情をすれば、そこで一気にBL寄りになっただろうに。

この回収されてないエピソードからも想像がつくように、ストーリー自体はとても面白い作品なんですよ。
もし、少女漫画として評価するなら、星4つにはなると思う。
でも、私はBLが読みたかったからなぁ。

えーと、あくまで好みの問題なので、ふんわり優しいファンタジーがお好きな方は楽しめる作品だと思います。
でも、BLとしてのラブや萌えが欲しい方には、ちょっと合わないんじゃないかなぁ。