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女性chikakumacoさん

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メインは「血の婚礼」だと思ってたんだがな。

卯坂 × 在須 とか。イワノフ・ナイトとか。突然投入されて来た脇キャラエピソードに流れて、何となく嵩増しをするだけ。あっちこっちスピンオフされてるだけ、の様相を呈している様にも見える。チュン太 × 高人さんを浮き彫りにさせるどころか、遠のいて行くようで。あまり散らかして欲しくないんだけどなぁ、と思っていたので。イワノフの話がここいらで終わってくれてホッとしました。
イワノフの「望み」を叶える為に、人気シリーズの主演に据えて。ドラマをめちゃくちゃにしようとした牛頭原組の思惑も、高人さんの機転で何とか回避。どうしてもイワノフの為にチュン太を捕獲したいと、あさっての方向に頑張る牛頭原組若頭・フミは、高人さんを拐ってみたものの。結局はチュン太の馬鹿力で救出。イワノフは天然なだけで、そんなに悪いコでは無く。めでたく退場。後に黒幕の沼田制作局長も卯坂プロデューサーの働きで排除される。
この事件があって。何故か絶賛レス中だったチュン太は、久しぶりに高人さんを抱き潰す。高人さんが焦れる程、チュン太が己を我慢していたのかは、イマイチ不明。一応、これまでが「欲しがり」過ぎたから、という理由みたいなんですが。始まりが陵辱からだったから。これから恋人らしく振る舞う様になるのかな。「デートしましょう。」というチュン太のセリフからは、次巻、甘あまな「普通の」恋人同士らしいシーンが見られる予感。

本作は卯坂プロデューサー肝入りの舞台、「血の婚礼」がメインだと思ってたんだけど。それは後半になってから。何というか、前衛的というか、アートっぽい舞台で。物語の進行を追うというよりも、鬼気迫る2人の詩的な台詞の応酬、情熱的なフラメンコを魅せる舞台だと思うので、大きなコマを使って、存分に堪能させて欲しかった。多分迫力ある舞台の筈。これまでの映画やドラマよりも作者的にも思い入れがあった様なので、それは少し足りない気がしました。

私としては、もっと2人にフォーカス当てて頂きたいので、もぅ脇キャラエピソードは要らないかな。また新キャラが出て引っ張られる様なら焦れてしまいます。
それより5巻以降お休み中の「ネトラレトライアングル」の続きが読みたいと思うのでした。

ジリジリと胸を焦がす夜。

番外編、ありがとうございます〜、な短編を2篇。
まだデビューなんて程遠い頃の宗純と、まだライブハウスでバイト中の新。
2人で同棲スタートしたものの、自由人の宗純にはバイトが務まらない。
新と同じライブハウスでバイトするのが一番妥当なのに、渋る宗純。
新は知らない。宗純が、新以外のギターを聴きたくなんかないという事を。
頑なな宗純の秘めた想いが切ない。
そうは言ってもやっぱり2人でちゃんとしたアパートに引っ越したい。
エチの声が多少響いても、隣の住人に迷惑かけたくない。というか壁ドンされたくない。
だから、いつか2人でライブをする為に。今はバイトを頑張るのだ。
宗純の夢のスタートはここから。

後半はもっと前。まだ中学生の宗純を野外フェスに連れて行く新。
夜は2人で宿泊。驚いた事に、新は既に宗純にムラムラしているものの、中坊を前に、鋼の意思で押し止まる夜。新、偉い!

宗純のバブみ炸裂のショートストーリー、ご馳走様。

目つきと態度と性癖の悪い、一途な彼氏。

最初に読んだ時はド衝撃でした。世界広がるというか。その後、これが碗先生のテーストなのだと理解しましたが、最初の衝撃度もあって、先生の作品群の中では一番のお気に入りだったりもします。
碗先生らしい可愛いめのリーマン葛本は、ひょんな事から世界の違う人種である、ヒップホッパー系のチャラ男に愛され、執着される。地味で、会社でも平穏に過ごしたいと愛想笑いと真顔の2種類しか無かった彼が、驚き、困惑し、必死にならざるを得ない。予想も付かないコマの言動と態度にブンブン振り回されてしまうのだ。
ああ、ここまで酷くは無かったけれども。私も新入社員の頃は大概だったな、と思い出して笑ってしまう。服装が自由な会社だったので、カッコいいと思って、ブーツを履いた足を机の上に上げて電話していたり。社長に「チャオ〜!」と挨拶(⁈)していた。
先輩方はとても優しくて、叱られたりしなかったので、本当に自由にのびのびとやらせて頂いた。そしてたまに諭されては、コマが「うス」と素直に聞く様に、「はい!」と素直に何でもやっていた。この先輩方のお陰で今がある。
これはBLなので、やがて恋のお話になり、コマが仕事で大成したのかは謎だけれども。
恋をしたお陰で、引きこもりから脱して、仕事をするまでになったのだから未来は明るい。
激しい、激し過ぎるエチは先生のフェチなので致し方無い。
愛ゆえとはいえ、受けが怖がる様な事は出来ればして欲しくないけども。
「理解できない彼」達は、実は何処にでも居る。誰だって自分とは違うのだから。
異種間交流は常に試されている。
そういった基本的な事をカリカチュアした様で味わい深くもある。
シュールで本質的な物語だったりもするのだ。
サイドストーリーの、コマの父親もいい。詳しくは描かれてはないが、コマの母親もきっと多分良い。世のいい大人達が、いい意味で皆んなコマの父親の様であったらな、と思う。

同時収録にはこれまた碗先生の世界線にある、「鬼が見ている」
村祭りで、厄落としの為に現れる鬼に扮した大人が怖くて、お漏らしをしてしまった千雅。
鬼はとても怖かったけれど、優しかったのだ。けれど小学校の高学年にもなってお漏らしをしたという恥ずかしい記憶は千雅を苛む。
大好きだったユギ兄の顔もいつかまともに見れなくなっていた。
そんなある日、高校生になった千雅は、村から鬼役を仰せ付かる。自分の他に鬼役になった学生に聞かされた言い伝えとは…。
村祭りが繋ぐハッピーエンド。なんだけどー。そこは碗先生。幼ない千雅に文字通り「鬼」執着しているユギ兄のヘキがヤバい。まぁ、ショタの千雅を前に忍耐強く我慢していた事は評価に値するけども。幼ない頃、ゲームや泳ぎや、勉強や、いじめっ子の回避の仕方等、何でも「初めて」を教えてくれたユギ兄に、エッチな「初めて」をその身体に教え込む、というのも幼馴染の醍醐味。

「俺だけを見てて。」濃密過ぎる4ページ。

軟禁されているマレーネをアレンを通じて、ひっそりと会いに来たリリー。
着衣のまま、リリーに被さり腰を振るマレーネのイッている様子が、下で喘いでいるリリーよりもエロい!エッチぃです!リリーの奥深くに突き立てているであろうそれが、咆哮が、まざまざと感じられて。束の間を惜しむ様に抱き合う彼等の悦びが。
とてもとても濃厚なんです。
アレンに快く協力したキャスリンさんは、ドアの外から夕食を用意したと声をかけるものの、決してドアを開ける事は無い。
そして凄いな、と思うのは、軟禁されているとはいえ、結構大きな屋敷に閉じ込められているマレーネの部屋はスイートになっていて。食事をするリビングの奥にベッドルームがある。戸口の見張り役には、中で行われている音は聴こえてないかもしれないが、食事を運んで来たキャスリンさんには、声やベッドの軋む音が聞こえてるんじゃないのかなぁ。と、ひっそりほくそ笑んでしまう。

「俺だけ見てて。二人だけの時間を邪魔されたくない。」
切羽詰まった様なマレーネの表情も甘い。切なくて、甘い。

何を捨てて、何を優先すべきか。すべてを手に入れる事が難しくても。

人狼狩りが激化する中で、ガーランド解体を目指すキーファー等、ヴァラヴォルフ達の決戦前夜にも当たる本作。いつ、その火蓋が切られるのかと。ハラハラして、マレーネとリリーの束の間のラブシーンも、愉しむどころか。もぅ、鼓動が早鐘を打ち、手には汗。
とても落ち着いて読んでいられません!

ヴァラヴォルフのアジトからガーランドへ戻され、軟禁状態のマレーネ。引き裂かれた恋人達は、さながらロミオとジュリエット。マレーネの理解者で、ガーランドの血生臭く無い方の、フロント企業に勤めるアレンは、恋人たちをひっそりと密会させる。この計画というのが穴だらけで、私なんかはヒヤヒヤするのだが、意外にもすんなりとそれは決行される。恋人たちは束の間、心ゆくまで愛し合うのだ。真っ最中に踏み込まれたりしたらどうすんのよ⁈ という私の心配を他所に、延々と続く、熱く燃え盛った恋人たち。うわぁん。とにかく。甘いだけに済んで良かったよ、ホッ。
ホッとしたのも束の間。ガーランドの人狼狩りは、リリーの大切な友人をも傷付けてしまう。ホローポイントを脚に打ち込まれ重傷を負うミミ。
この事が決定打になった訳では無いだろう、しかしキーファーは、ガーランド解体を実行すると宣言して、次巻へと続く。

座裏屋先生もちるちるのインタビューで語っておられる様に。中盤にはくだくだしく説明的な台詞が続く。描くべきかどうか悩まれたと言う。私はドミニクという男の胡散臭さを疑っていたのだが、彼はただの胡散臭い男では無かった。彼なりに群れを護る為に、政権側に潜っている。優秀な男なのだ。マフィアと深く繋がっている政権が、過去にガーランドのヴァラヴォルフの大虐殺を隠蔽し、未だにそれは悪しき結び付きを持っている。フーコ政権の孫娘だというデボラは恐らく正しく中立な人。ドミニクは彼女こそ政権を担う次世代だと期待している。
確かにこのくだりは長く、もちろん萌え所は無い。けれどこれを割愛されては、ガーランドとヴァラヴォルフとの長い確執は真に迫って来なかっただろうし、このくだくだしさを見事に、そして、簡潔に描き切っているかとも思うのだ。さすがだと言うしか無い。
そして、この一編で、ドミニクが実に魅力的な男だという事も分かる。ニクい!

一方で、人狼狩りを推進するサイモン・ガーランドは、迷信的にヴァラヴォルフの血肉を欲しがる連中に売り捌く為に、人狼を解体する工場を作ろうと血迷っている。この時点で、忠誠を誓うモレノは本当に実行するのかどうか。サイモン翁を恩人と慕う彼もまた狂っているのか。恩を感じているのなら、人としてモレノがサイモンの最期を見届けるというラストでもいいなぁ。さて、どうなる事か。

必ず恋人達に、輝く未来を。マレーネが願っている様に。心穏やかに暮らせる優しいハッピーエンドを予感しているけれど。本作のドキハラは止まない。

付き合う前に確かめたいこと。

「幼馴染だけど性的に好きです。」のスピンオフ⁈ と聞いて喜び勇んで買ってしまってから、ハテ?大嶋って誰だっけね?と、前作を読み返す。そうそう!私は前作の表題作が特に好きで、猛リピしていたんだけど、後半に収められていた「吉田兄弟」にはそれ程惹かれてはいなかったのだった…。当て馬でも何でも無いが、吉田弟にライバル認定されていたチャラ男、それが大嶋だ。ブラコン兄弟の間にスパイス的な役割を果たす。
そして、今度は彼の恋のお話。お相手は吉田兄の友人で、真面目でお堅い藤江。
ええ〜。蒼ちゃんと光希は出て来ないのね、そうなのね、と軽くガッカリもする。
真面目過ぎてツンツンな藤江に興味だけで近寄って来た大嶋は、程なく藤江の真っ直ぐさに虜になってしまう。
お試しで付き合う事に一応納得した藤江だが、大嶋のゆるゆると押して来る強引さに、抗えないクセに拒んでしまう。そう、一足飛びに身体を気持ち良くされそうになるのが怖いのだ。うん、あるあるですね。初めての恋は、ツンデレ、もとい、ヒステリック黒髪メガネ、じゃなくても、デートして。お互いの気持ちが近付いて行かないと!っていう。
読んでて、これがBLだという事を忘れそうになります。何かと親友の吉田兄にペラペラと相談する彼等ですが。男の子ってこんな、女子みたいに自分のことペチャペチャ喋らないですよね、違うかなぁ。何となくそこが違和感に思いました。
まぁ、そもそも吉田兄が女子っぽいってのもありますけどね。
付き合う前に、付き合い始めに確かめたいこと。「敬愛、尊重、信頼」それがあれば大丈夫。互いに恋愛初心者の彼らのお話でした。
さて。途中ふわーっと現れた、大嶋の元彼ですが、既婚者なのに、高校生に手を出したドクズというのもアレですが、大人の新川と付き合ってた時は、大嶋はネコだったんだろうなぁ。大嶋の、「別に俺がそっちでもいいけど…。」というセリフに垣間見ちゃいました。

同時収録は、「吉田兄弟」編。ラブラブのその後。愛する恋人と同じ屋根の下、暮らしているとはいえ、此処は両親の家。そうそうガッつくわけにも参りません。なので。両親の留守の間にヤリ倒すという「蜜月記」。
吉田弟がヤリたい盛りだというのは頷けますが、兄も相当です。

「身分差!からの生まれ変わり!溺愛萌え!」

あとがきの作者の言葉もキャッチーなこちらは、もう!表紙の2人の表情とタイトルで、盛大なネタバレとなっております。
そして、盛大にロマンティック!先生の、愛情漲る「溺愛萌え!」の連打です!

前世王子のルークと、その執事・ブライアンは、幼馴染として前世の記憶を持って出逢う。
惜しい。凄く惜しい。「身分差!からの生まれ変わり!幼馴染萌え!」でも全然可能なのに。この2人には因縁はあるが、恋人同士では無い。ちょっと残念。次は描いて欲しい!と、どうしても思ってしまう。王子だった頃の前世の記憶そのままに。イケメンに育つ広人。7歳の頃に、急激に前世の記憶が甦るのが可笑しい。最愛の恋人・ミカとのラブシーンの記憶…。7歳の子供には刺激強過ぎないか⁈ とにかく。非業の別れを経験していた広人は、いつか必ず逢えると信じてミカの再来を探していた。14年間も‼︎ 相当の執着です。
心移りしないのも凄いが、大学で法学を学んでいるというのも、国政に興味があったからなのか。そうして広人は大学の敷地内で、運命の人に生き写しの洸と出逢う。
洸はどういうわけか、前世の記憶が無い様だ。それでも広人は、優しくて美しい笑顔の洸に魅かれて行く。結構早めにガンガン洸を抱いてしまうのには驚かされます。抱いてしまってからの「恋人にしてほしい。」も笑えます。
そりゃ、広人にとっては探し求めてた恋人かも知れないですけど。広人が結構エッチぃので、驚かされます。そして前世の記憶無いのに、満更でも無い洸。君、流され過ぎ。
途中には、前世に何があったのかも明かされますし、洸にも前世の記憶が甦ります。
王子であったルークと、庶民であるミカとの許されない恋、というよりは、ルークの政策に反発する貴族の悪人に、ミカは間諜であると濡れ衣を着せられ、反逆罪で処刑されるというもの。えええー⁈
その前に、身分差とか、男同士とかの許されざる恋、にフォーカスしないんかい⁈ というまぁまぁの驚き。
最高権力を保ちながら、ミカ1人救けられなかった王子の不甲斐なさ。
そして、そんな王子の地位を保つ為に、ミカの処刑を見過ごした執事・ブライアン。
ブライアンは贖罪もあって、現世で、ルークの恋人探しに付き合ってたんです、という因縁も明かされます。んー。そしたらあの悪人貴族にも当て馬として出現して頂いても良かった様な。
とにかく。恋人を見殺しにしてしまったルークの後悔の念よりも、殺されてしまって尚、ルークの幸せだけを願っていたミカの、大きな愛情が2人をまた引き合わせてくれたのでしょう。
「前世で叶わなかった分まで」愛し合う2人にめでたし!です。
丸っと表題作なのですが、読後感はショートストーリーっぽく感じられました。
ほぼ2人の世界だったからかな。
広人の溺愛っぷりをエチ以外でも見たかったな。

秘め婿 コミック

芹澤知 

神は何故誕生するに至ったか。

「日本書紀」を少し齧った事のある人なら馴染みがあるだろう。卑弥呼の事は教科書でも学ぶが、私はそもそもあれは何処までも伝承と神話を引っくるめたものだと思っている。
かつて。邪馬台国と呼ばれた地域に卑弥呼と呼ばれる巫女が居た。
「魏志倭人伝」というのもあったわね。むしろこの、外から「倭人」を見たというこちらの抜粋の方が本作のリソースになっているのかも。
1000人の従者、たった1人の男の世話係、とかね。
いずれにしても「伝承」や「神話」には、不確かなところがあるからこそ、作家様の自由な発想が膨らんで行く。それがとても興味深く面白い。
卑弥呼は何処から来たのか。
ただBLだからと男女逆転にしたのでは無く。人ならざる者として、伝えられて来た儀式。
天気読みだけでは無く、供物を食す事も無く、生きながらえている事。
その神秘性も相まって、とてもロマンティックなのだ。
この精神性と神秘性を、次代に繋いで行かなければならない「宿命」。
先代がたまたまシキを見つけた時、どんなにか安堵した事かと思うと、胸を締め付けられます。
この赤い瞳を持つ子供に、過酷な運命を背負わせなければならない、という事と。これでやっと人に戻れるという安堵。それは少なからず罪悪感を伴う事でもあったと思うのです。

また、ヤマトと言われるとどうしても私たちはあの「日本武尊」もしくは「倭建命」を思い浮かべてしまうが、彼もまた豪気で勇敢であった、という以外の逸話は「神話」の域を出ない。「魏志倭人伝」にあった「たった1人の男」と「日本武尊」を結び付けるのは些か強引かもしれないが、ああ、あの「ヤマト」ね、と何となく納得させられてしまうし、寧ろそうであって欲しいなんて思ってしまうのだ。
「神話」の時代、やんちゃで勇敢なあの男が、巫女にとっての「たった1人の男」であって欲しいと願わずにいられないのだ。
彼は、必ずシキを護るし、永遠の愛を誓う。

「魏志倭人伝」には、卑弥呼亡き後、卑弥呼以前にそうであった様に、邪馬台国はまた長きに渡る動乱の世を迎えた、とある。しかし、睦み合う彼らの傍らにまた、不思議を担う赤ちゃんが目覚めるという描写で締め括っている新たな夜明けを感じさせて、明るい。
他の方も触れていらっしゃる様に、ドーンと長編で描いて頂きたかったな、と欲望は募ります。これこそね、大河ロマンだと思いました。

絵も素晴らしい。ヤマトの凛々しい体躯に描かれる刺青。これはエロい。
景色や、細工の描写など。
天気読みをしている聡明なシキが、虹の麓に行けると思い込んでいたのが可愛いし、その虹の麓で口付けする2人にも惚れ惚れ。

「絶対に独りにはしねぇからっ!」双子の本気度魅せてくれます!でも。

前作で完結していたと思ってたんです。やたらと結婚、結婚、と連呼して、拘っていた双子たちですが、いよいよ、です。んんん⁈ もう結婚してた様な…。揃いのリングを買ったところで終わってましたかね。これまでにも結婚式を夢想するシーンも沢山あったので、今更感もあります。そもそも啓一が双子を保護した際に入籍しているらしいので、3人は法的にも家族ではあります。
ただ、3人がこれからを生きる為に、必要だった物語。本作は啓一のこれまでの半生が語られて行きます。啓一は、双子を保護して育てると決めた際、何故独りだったのか。
事故で亡くした唯一の理解者だったという姉以外の家族はどうなっていたのか。

啓一に仕事の場を与え、啓一と双子たちの生活を間接的に支えて来たゲイバーのママも知らなかった啓一の過去。それは。辛くて思い出したくも無い、双子たちにも秘密にして来た事だった。ゲイバーのママが新店出店を大阪に決めた事で、啓一は封印していた過去と向き合う事になる。
啓一は、高校生の頃にはもう人目を引く程美しかったのだ、と思う。
転校して来た大阪に馴染めず、自分のセクシャリティにも悩み始めていた頃、啓一は身勝手な教師に襲われた。そして、それを見ていたという生徒に有る事無い事吹聴された啓一は、家族にも罵倒され、この地を離れたのだった。
なんて事。
双子は、啓一の重荷を取り除いてやりたいと、実に鬼執着とも言える働きで、啓一の過去への清算を果たす。ところが。私は、啓一の噂を垂れ流した新田兄は、実は啓一に片想いしていて、嫉妬のあまり、などという結末を期待したんだけど、ただの異性愛者嫌悪という胸クソ野郎で、しかも和解では無く、双子による鉄拳制裁。啓一を罵倒した母親は離縁されて実家には居らず、優しい父親だけが独居していて。性犯罪者とも言える教師は、他の生徒にも手を出していたとかで、退職していたとの事。え?懲戒じゃないの⁈ という。何ともモヤァ〜とした生ぬるい案件なのだ。
そして問題は、その噂で苦しめられた「狭い」コミュニティというのが、何処かの片田舎、では無く。「大阪」なのだ。双子は、「こんなところ」に啓一を置いていけないと、新店のオープンをしばらく任せたいと言っていたゲイバーのママに断りを入れる。
佳門先生は、何故。件の場所を片田舎でも地方都市でも無く。「大阪」と明記したのか。する必要があったのか。確かに。一見人懐っこく、誰かれ構わず他人に踏み込む人の多い土地柄だと思う。かく言う私もそれが煩わしくて、この地を離れた。
私はもちろん啓一の様な目には遭ってはいないけれども。今でも。大阪に行くのは憂鬱なのだ。なので。「大阪」にはそんな一面がある事を知り得ている身としては、これを明確にする意味があったのか、と何やら探りを入れたくなってしまうのだ。
「大阪」を愛している人もとても多い事を思えば、多分これは炎上案件。なんて、深読みのし過ぎね。
そんなわけで。エチエチ多めのツユだくシリーズのこちらを手放しで楽しめなくなってしまった。双子はというと、生前、啓一の唯一の理解者で、自分達の母親になるかもしれなかった啓一・姉の墓前に、結婚の報告が出来てめでたし!としている。
前作までうはーって感じだったのに。何だか仄暗い気持ちになってしまったよ。しょん。
これにて完結、なのにね。

二輪挿しはたまに、の頻度にしないと色々ヤバそうなんだけど、啓一が欲しがるので結構ヤリ過ぎている様子。ますます若々しい啓一は、魔性の美しさなので、ガバガバにはならんと思うけども。これは誕生日の別々に1人ずつ愛し合う、では物足りない身体になってしまってるよね。

ヤリ過ぎ注意‼︎

仕事中に何やってんだ⁈社用車で何やってんだ⁈
いやぁ。「こんなリーマンはイヤだ!」2021年度メダル候補確実でしょう、これはっ!
幾ら付き合い立てホヤホヤの蜜月中なれど。
抱かれ過ぎて超過敏な身体になってしまった鳴海は、乳首をビンビンに尖らせて田那辺を煽るわ、田那辺は、絶倫過ぎて止まれないわ、終われ無い。エッチの無限ループにハマる2人。一応、前巻同様、濃密な「たった一晩」を描いてはいるんだけども。
田那辺のネチッこさと、一応視えない修正の結合部と、もはや何の液かも定かでは無い、びゅるびゅると飛び散る液で構成されている。商業なんだよね⁈ 先生、フェチ全開過ぎない⁈ と、心配になる程である。
仕事優先で生きて来た鳴海に訪れた初めての恋。夢中になるのは致し方無いんだろうけども。ほんのちょこっと、お仕事BLの体裁を保っていた前作に比べると、エチエチ全開の本作は、度肝を抜かれるとはいえ、物足りなく感じてしまう。
2人共に、仕事は優秀なんだから、たまに羽目外しても良いよね?って事なんだろうけど。
社用車でヤリまくっちゃイカンよ⁈
取引先のコテージで(しかも勝手に借りて、)ヤリまくっちゃイカンよ⁈
翌朝、会議だなんだとあると言うのに、「余韻」を楽しみ過ぎて 突然の午前半休にしてちゃイカンよ‼︎
と、真面目リーマンにあるまじき所業の数々。
ある意味、平和。
2人は身体の(激しい)関係から入った仲なので。気持ちがまだ追いついていないのだ、と言う。
同棲したい、と迫る田那辺に、色良い返事が即座に出来ない鳴海。焦る田那辺に、鳴海が聞かせる理由は、身体が感じ過ぎて堪らないから、という何ソレ、可愛い理由⁈ 煽ってんの⁈っていう。そしてまたエチエチ…。
通常作品では、割と「描き下ろし」でエチ補填があると思うんだけど、本編でヤリ過ぎなので、逆にホッとさせる週末の2人が。ま、この後どうせエチの無限ループに突入の予感をさせてるんだけどね。

佳門先生の作品にありがちなのは、ヤラレてる鳴海が年上なのに、コトの最中に 次第に子供顔になってしまうところ。鳴海、せっかくの男前が台無しに。これも先生のフェチなのか。田那辺が犯してるのが少年に見えて来て危ないんだよなぁ。
鳴海の身体が想像を絶する柔らかさってのもファンタジーなんだけど、鳴海の可愛いまあるいお尻を鷲掴みにしてイッてる田那辺の表情がとにかくヤバいです。