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女性chikakumacoさん

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“Hold me baby!”可愛いは、この世界を幸せにする♬

コロナ禍で、今年の夏休みも何処へも行けそうに無い事を思うと。
本作の冒頭は癒し。あああ。Hawaii 行きたい!海行きたい!アラモアナセンターでお買い物もしたいし。パンケーキも食べたい。
小さな子供を連れている宗吾と晶なので、海も、小さな子供が目の届くホテル前のビーチだろうし。そこまで満喫もしていないのだが、充分旅心はそそられる。
彼等がひと時のバカンスを楽しんでいる様子が嬉しい。
幼ない翔太もご機嫌で、パイナップルを口一杯に頬張っている。可愛い。
都合の良い事に、宗吾の姉夫婦も同行しているので、翔太を預けて、宗吾と晶は2人きりの大人の時間を楽しんだりもする。晶が現地で買ったエッチな下着を着けて誘う。恥じらいながら、というのがもぅ。宗吾には効き目あり過ぎ。ハネムーンベイビーもそりゃ授かるよね。

楽しく浮かれていた前半とは変わって。後半は、ちょっとだけシリアストーンへ。偏見の塊だった宗吾・父、宗司の苦い恋の想い出と現在。何だか枯れたエロさを醸している保育士、小原先生は、かつて宗司の叶わぬ想い人だった。
ちょっぴりオメガバースチックな獣属という設定は、そもそも優秀な種を後世に遺す為に作られた、今風の言葉で言うと『ゲノム編集された』ベイビーだった。宗司は当時、何も迷わず。優秀な種を遺す為に結婚する事を自分の義務だと受け入れていた。恋が苦しいものだとは知らずに。
年月を経て。息子、宗吾は立派に育ち、病院を継ぎ、孫も生まれた。種としては中途半端な晶との結婚を最初は反対したものの。今では許している。そして、妻にも先立たれた。
独り身の今、宗司の止まっていた恋の時間は動き出したのだ。
結び直された縁は深くて、強い。

ラストには、新たに双子のベイビーが。翔太はお兄ちゃんになる。
生まれたての双子には揃ってケモミミと尻尾。ほぼ猫ちゃんである。
このファミリーストーリーも何処まで続くのか。全部追っかけられるかなぁ。
そろそろ巻数を付けて頂きたい。
宗吾姉、栄子さんの息子・陸くんと翔太は従兄弟同士だが、凄く仲良くて。この子らにフラグ立つならば、相当先まで続きそう。私の読みでは、翔太、年下ワンコ攻めの陸くん、美人受けに成長しそうである。
何かと晶に構う看護士の桐ヶ谷くんは黒崎先生に食われそうだし。スピンオフフラグも立っている。

煙に巻かれて、ふわりと着地。

秘めた片恋を葬り、職を失くし、Wで落ち込んで泣いていた蒼は、静養中の薫さまの執事見習いの職を得る。慣れない新人の蒼を揶揄ってばかりの薫の思惑とは?と、ワクワクする冒頭なのだが。諸々煙に巻かれて、ふんわりと終わる。終わってしまうのだ。えっ⁈と、読者は置いてきぼりの気持ちになってしまう。散々っぱら立てられたフラグは、寂しくも置き去りにされ。私たちはとにかく2人のこれからを祝う事しか出来ない。

薫は、届かぬ恋に泣いていた、という蒼に、共感したと思っていたのだ。それでも前向きに生きると呟いていた蒼を好ましいと思っていたと言うのだから。養子ながらグループの後継者となった義兄に薫も恋焦がれていた、というなら、あるあるだったりするんだけど。義兄がノンケだったりしてね。ところが、そうでも無い。義兄とは仲が良いと言う薫には、それ以上の気持ちは無さそうなのだ。ただ、義兄は血の繋がった跡取りでは無いと言うので、親戚筋は姦しい様で。薫はその事に心を痛めている。叔父は、腹黒く。薫が住んでいて、おそらく愛しているであろう屋敷を乗っ取ってしまう。追い出されても、薫には財産があるので平気ではあるが、その心中を察すると切ない。薫はタワーマンションでの蒼との新生活に浮かれているので、そこら辺はどうでも良くなっているのか、以降屋敷については描かれる事は無い。
マンション住まいで執事も無いだろうから、蒼をホテルグループの一員として働いて貰う、という。蒼の立場で言うと、職も恋も得て良かったね、なんだが。煙に巻かれた様な終わりなんである。

蒼が密かに想いを寄せていた、母の恋人は、母と結婚していて義父になっている。父というより、兄にしか見えない悟さんは、大人である蒼に「父さん」と呼ばれたがっている。幼ない妹はまだしも、蒼には「悟さん」と呼ばれても良いじゃないかと思うんだけど。家族として迎え入れられてるのだから。蒼がこの恋を想い出として静かに仕舞ったのを、悟さんは生涯知らずに終わるだろう。それはそれで良いけれど。何だかやるせない気持ちも残るのよ。

修正は白抜き。やや早急に両想いになる2人が抱き合うのは最後の最後である。

「…ヤリまくりたく…。」なるのは常時。

山本くんの可愛さは、思えば学生の頃から。小林くんは理解してた筈なんだけど。
その『気が利くし、かわいいし、真面目だし。』『勘はいいし、かわいいし。』と、蔵元の皆んなが思ってる事を知って、気が気じゃ無い。
今回は、ハッキリとした当て馬は出現しないまでも。山本くんの預かり知らぬところで、小林くんは、ぶんぶん振り回されているのだ。愛するが故の独占欲。しかし、彼の執着は心地いいままだ。決して山本くんを傷付けない、身体も心も。と、決めている。

身体の相性が最高で、気持ちいいとは言っても。性根は真面目で勉強熱心な2人。そもそもからして酒造の跡取りである小林くんは、酒に相応しい温度を言い当てる特技があったり。下戸のクセに『無駄に良い舌』を持つ山本くんは、酒造りに真摯に向き合っている。

家族と住んでいる家の中で、堪らなくなって。小林くんは山本くんを抱く。襖一枚を隔てて、隣の部屋で何となく聞き耳を立てていた弟の翔太は、平和な思い違いをする。行儀の良い天然の彼は、唐突に襖を開けたりしない。兄と山本くんが打ち解ければいいと思い、山本くんが小林家の家族になってくれたら良いと願っている。
弟があまりにも山本くんを誉めたり『かわいい』と言うので。小林くんの方は『ブルータス、お前もか…。』などと心の中では猛々しくいきり立っている。努めて平常心を装いながら。

一人前になるまで。同棲はしないと言う、真面目な山本くんとは、そうは言ってもほぼ半同棲な暮らしをしているものの。いよいよ、共に暮らす事になるだろう。いつの間にか、優しく家族になって行くだろう。麹が柔らかく醗酵して行く様に、甘くて優しい匂いをさせながら。幸せの予感をさせている。

一巻、二巻、という巻数こそ付けられないが、結構なところまで進んで来た彼等の話は何処まで続くのかな。番外編を挟みながら進んで行く彼等のその後を見届けたい。
修正はいつもの様に、やんわり白抜き+うっすらトーン。ほぼ見えている。様な気がしている。

彼等の痛みは激痛か鈍痛か。痛みが常態化するとどうなるのか。

ちるちるのインタビューを読んだら、気持ちが塞いでしまいました。
ほんのちょっと紹介されたページを見ても。ザワザワと苛む痛み。
本編はずっと、もっと、痛い。
タイトルが示す様に。彼等の救済を描いてくれる事を信じて待ちたいと思う。

はらだ先生の「ハッピークソライフ」と同様に、いやそれ以上に。千紘とケイトは底辺に生活する若者達だ。レビューで、他の作家様の作品を引き合いに出すのは一種の禁忌ではあるけども。私は両作品を比べようとするものでは無い。本作に描かれた若者たちの底辺度の具合に、そのエピソードに、表裏一体を感じてしまうのだ。タイトルも然り。「ハッピー・オブ・ジ・エンド」。彼等の「クソライフ」のエンディングは何処へ向かうのか。

千紘は、二股男の真意に気付かないピュアっ子だったりする。ゲイである事を家族に受け入れて貰えない。家族の温かさを知らない。男の嘘に縋るしか無い心細さを抱えていて。辛いからと、好きだったカメラの仕事を放り出し、ヒモをしてみたり。要は、楽な方へ楽な方へと流れているつもりが、底辺にまで堕ちてしまった、困ったちゃんだったりする。
ケイトのそれはもっと業が深い。奔放に生きてきた、もしくは生きる事にのみ必死だった中国人の母親に産み落とされてからというもの、やはり生きる為と、身体を売り、SMというには度の過ぎた客の暴力に耐え、それは仕事と言えるのかも分からない事をして生きて来た。母は薬物の為に記憶も怪しく、それでもまだ街頭に立って春を売る。正気かどうかも、本当にケイトの母親かどうかも分からない彼女に、金を渡し続けるケイト。
ケイトに戸籍というものがあるのかどうかすら怪しい。
そんな2人がドン底生活の中で出逢う。身体の痛みには慣れた筈の。ケイトの心の痛み。
束の間の千紘との生活の中で。それでも「生きたい。」と涙する、彼等に貰い泣き。
ラスト周辺の、ほんの擦り傷の痛みに涙するケイトの痛々しさにも涙。
もっと凄い痛みにも耐えて来た、というよりも。鈍化していた筈の心と身体に、初めて得た痛み。死ぬのも怖い、千紘を失うのも怖い。ケイトはジ・エンドを自ら回避する。
少なくとも、2人で生きる事を選択するのだ。

おげれつたなか先生がインタビューでお話されていた様に。加治さんがいい。
2人を見守る兄貴的な、オカン的な彼もまた、夜の女たちを送迎するドライバーで。女の子に誑かされてはバカをみているお人好しだ。彼の登場はホッとさせてくれる。
巻末には小さく「to be continued」…物語はまだスタートしたばかり。

「俺、食べられに来ました‼」︎ 日和の変化は恋の成長⁈

表紙の出オチ感がもぅ。笑えます。1巻で怖がって怯え、逃げてた鬼ごっこ。
2巻で、捕まりゾクゾクする日和。そして。何と3巻では、何やら挑戦的な表情で、巨ツノを触ろうとしている日和。物語は何処まで続くんだろう。日和のエッチなゾクゾクが続く第3巻であります!

前巻で、穂高に喰われ過ぎたせいか。いわゆる感じ易い身体になってしまった日和。
それが振り切ってしまうと、どうやら自ら喰われたい欲望に抗えなくなった様です。エッチ過ぎますよねぇ。穂高は、日和に「好きなら我慢出来る筈!」と言われつけているので。彼なりの愛情表現として踏ん張っているのですが、日和の方からこう煽られては堪りません!
日和もこの堪らない感情は「好き」という気持ちが伴っている事に気付いているものの。恥ずかしくて素直になれないというツンデレっぷり。一線を越えるどころか結構な事までやっているのに、ここに来てのジレモダっぷりには笑わせられます。
何やってんだ⁈っていう。
さらにさらに、オメガバースでも無いけど、朱型鬼に付けられたマーキングの副作用とかで、日和は穂高に喰われたい気持ちが昂まるという。そんなものが消えていても、日和の「好き」は消えなくて。穂高を欲しがってしまうという恥ずかしさに、堪らない。もうとっくに完全な両想いなのに。七転八倒する日和が可笑しい。

弟可愛さに愛情の重い、日和兄も登場。彼のスピンオフも気になるところ。日和兄の、徹底した(でも実はゆるゆる)の鬼牽制は、自身の経験によるものか。彼も巨ツノにヤラレまくりのヒトなんでしょうか。兄弟揃って「受け」‼︎ 感満載です。

描き下ろしには。実はマーキングは、鬼圧に圧され無い様にと願掛けの様な効果があるらしく。運動部の友人たちが穂高に噛んでくれと頼んで来たりしていて。穂高は親しい友達には応えてやっているという。でもマーキングだよ、指先を噛むんだよ。エッチだよね。もちろんヤキモチを妬く日和。そんな日和に煽られる穂高。バカップルイッチャイチャ。

巻を追う毎に増えて行く鬼設定や、「ツノ出しっぱなしの露出狂」などの何だかエッチな言い回しや、個人情報ならぬ「個鬼情報」などの用語等。楽しみは幾つも。
何処までも続いて行きそうで、次巻も楽しみです。

全世界公認!僕だけのスーパーアイドル de 王子様。

月村奎先生の、この手の甘くてハッピーなコミックスの画は樹要先生っぽい、と勝手ながら思っていたので。この度、麻生海先生の作画によるとの事で、新鮮に感じました。ええ、樹要先生×月村奎先生のタッグも大好きなんですけども。

ゆるく微笑む慎之介がもうエロい。郁翔がことさら子供っぽく描かれているのもあって、とても大人っぽくてセクシーな雰囲気。それもその筈。慎之介は意外と苦労人だし、若くして成功したスーパーアイドルなので、それなりに老成せざるを得なかったのかも。そんな大人である事を期待された、ソツの無いアイドルでありながら。郁翔の前では、ふにゃふにゃに甘えん坊の、等身大の高校生でいられる、そのギャップが可愛いです。
郁翔の方も、大好きで憧れていたアイドルの素の姿を見て、最初こそ残念だと言い放つものの。どちらの姿も本物の慎之介である事を知って、もちろんどちらの慎之介も好きだと気付く。物語は2人だけの世界では無くて。郁翔は、いつも比べられては劣等感を抱いていた双子の兄、拓翔とすれ違っていた気持ちを解いて行ったり。短い間で成長を遂げたりもする。
恋をする事で、ちょっぴり前進するのだ。
双子だけに、拓翔も可愛いかったりするので。少々ご都合主義も過ぎるかもしれないけど。
慎之介の相方、蓮と何とかなっても良かったのになぁ、なんて。
蓮は良き相棒であったり、アシストするかと思えば要らん情報を郁翔に寄越したり、と。微妙な立ち位置なんですが。もうちょい活躍して欲しかった。でもラスト周辺の、キスマだらけの郁翔を見て、「今日は赤飯かな。」と、真顔でいうところは好きです。蓮の正しい使い方だと思いました。常からクールな蓮の恋を見てみたい。

アイドルの新之介のキラキラシーンは少なめ。月村奎先生も書き足りないとの事で、小説でスピンオフを書いていくとの事。楽しみですね。

恋愛初心者は背中を押されたい。

『わっくん』ことナレーション『枠』が視える様になった副成は、慌てふためいたものの、この不思議な状況とナチュラルに共生して行く様になる。この、ト書き、あるいは副音声のお陰で、柴咲の気持ちが分かる様になって。副成さんは恋をする事になったのだから。文字通り、受け入れたのだ。前巻で、お付き合い(仮)する様になった、柴咲と副成さんだったが。がっつきがちのワンコ柴咲は、冒頭では絶賛反省中。甘えた感じで、副成さんを見つめるものの、押しては来ない。そんな柴咲に焦れる副成さん。ところが。ナレーションはご丁寧にも、「待ってるだけの乙女か⁈」と、副成さんに檄を飛ばす。背中を押してくれるのだ。
副成さんの「抱けよ。」(顔真っ赤)が、可愛くて。
そりゃたまらんよね。ワンコ柴咲も「幸せすぎて…。」いっぱいいっぱいなのが、見て取れて。くすぐったい気持ちになります。
しかも。若くてバッキバキの柴咲の為に。ジムに行って身体を鍛えようとする、健気な副成さん。んもー。愛されてるなぁ、柴咲。
自分で体位変えながら『(BL)漫画みてぇなこと言っちまってる…‼︎』とカァァと恥ずかしがる副成さんとか。
『わっくん』をスワイプしながら、柴咲の為にバレンタインのチョコケーキを作ってみたりとか。
副成さんの可愛いらしいとこいっぱい見れて、楽しかったです。

ところで。この不思議なナレーション、『わっくん』は、柴咲と副成さんの恋の成就と共に消える。副成さんは『成仏しちまったのか…⁈‼︎』と、独りごちるんだけど。
成仏って。やっぱり精霊みたいなものだったのか。ヤツの正体は分からぬままである。
タイトル通り、副成さんはBL漫画のヒロインだったので。彼には、も少しBLあるあるを体感しまくって欲しかったかも。

修正は真っ白抜き。エチの方も、副成さんには色々やってみて欲しかったかもー。

副音声はうるさい、それはもう十二分に。

『柴咲は副成にホレている。』
そんな身も蓋もないト書きが視える様になってしまった副成は、いわゆる『人の気持ちが聴こえてしまう』のと同じ状態。BLは好きだが、自分はゲイでも無ければ、男の人を好きになれるとも思っていないので。あたふたと慌てまくり。結果、柴咲の寄せる想いに応えてしまう事になる。ジタバタラブコメディ。
無害そうなワンコっぷりの柴咲の、実は下心ありまくりなのもいい。
BL編集という現場も、どちらにとってもフラグ立ちまくり。
副成が好むであろうシチュエーションなのか、と早とちりして強引にキスをかましてみたり。そもそもコレがBLなのだから。もぅ副成は逃げられない。
ナレーション枠がどうして視える様になったのかは謎のままなのだが。当人同士の会話無きまま、気持ちを知れてしまうのは、物語の色んな醍醐味をはしょってしまう様な気もしていて。例えば。副成が、そもそも17年前、柴咲少年と出逢う「Episode 0 」をナレーション枠にほぼ強制的に『見せられて』しまうシーン。副成自身も最初は抵抗する。
「けど、そういうのって本来、こういう知り方するモンじゃねーだろ。」
ところが。ここは劇中劇の様なもの。不思議な現象の筈なのに。私達もまたナチュラルにそれを『見せられて』しまうのだ。この、マトリョーシカの様な構成に、クスッと笑わされてしまう。読者には自明なのだ。副成の、下まつげ。殊更自身をおっさんぶるくせに、たまに見せる、ぱぁっと花咲く大きな笑顔。ああもうあなたは受けちゃんね、と誰しもが思うだろう。
柴咲少年のひたすらな想いは、とりあえず成就。エッチは妄想のみでおそらく次巻に持ち越され。

「コミックパーティワンダーラブ」のスピンオフ。雷蔵先生、TOS先生も友情出演。
けど、本作単体でも成立してるので、前作未読でも問題無しです。

恋愛初心者は小賢しいことをしたい。

男にのみ、やや暴力的に迫られてしまうと言う平良さんの特異体質は治った。それからの、甘い筈の後日談。
平良さんは、初めて出来た恋人の愛情に溺れて、デレデレが止まらない!
好きな人にだけモテたい!という平良さんの願い叶っての現在、だけど。そもそも呪いやら祟りやら関係無く、無防備に可愛らしい平良さんは、普通に愛されキャラの筈。
やっぱり司くんは気が気じゃ無い!
今回は、平良さんが高校時代、男にモテモテというか、狙われまくりで、おちおち普通の生活が楽しめなかった頃を良く知る同級生・辻さんが現れ、司くんが嫉妬の嵐でギリギリするという。攻め様には独占欲を思い切り発揮して頂きたい!のが好物の私にとっては歓迎すべき設定なのですがー。いかんせん、無防備過ぎる平良さんは、そんな事よりも。司くんしかほぼ見えていないので。部屋の合鍵を司くんにどうやって渡そうかとタイミングを測っては逸するという。空回り。
何とも生ぬるい感じで展開して行きます。司くんの嫉妬もそこまで迸る事も無く。
辻さんもそこまで、というか、当て馬でも無く。
ゆるゆると平和。結局恋愛初心者の平良さんが小賢しくも色々考えたとて。実際のラブさには追いつかないって事で。

ところで、当て馬疑惑の辻さんは、恋人の瀬下さんと出逢ってから、タチ専からネコちゃんへと宗旨替えしたという。コレはスピンオフの予感。寡黙な瀬下さんの背景が謎に包まれており、作者も出し惜しみしてる感じなので。楽しみに待ちます。

あと、平良さん的黒歴史、迫られたり襲われたりするのに、護身する力を得る為に、入部してしまったという、男と密着する柔道部!の様子は想像するだに楽しいので、もっと描いて欲しかったです。

修正は白抜き。平良さんの足指が攣りそうな位、湾曲してるのがエロい。

止まったままの恋の続きを。

前巻の終わり。テンプレ的に降って来た豪雨を凌ぐ為に、渋川の家に泊まる事になってしまったマキ。キターッ!濡れた服脱ぐよね。お風呂借りるよね。それから…。と、思ってたのに。そこはセオリー通りには行かず。何も無く夜を明かす2人。
それも仕方ない。マキは伊勢崎と付き合っているフリをして、渋川を牽制するし。
渋川は、高校時代、マキを傷付けてしまったという後悔の為に。相当ヘタレているのだ。
止まってしまった2人の時間はぎこちない。それだけに。ゆっくりと解いて行くしか無いのだ。
伊勢崎は本当にマキの事を好きだったと思うから、マキの幸せを願っていたんだと思う。
女性と付き合えるノンケの渋川にまた。恋をして傷付くマキを見たくなかったのだと思う。
けれど。マキにとって伊勢崎はホントに友達以上では無くて。ほぼアウトオブ眼中。
ちょっとコレは気の毒過ぎて。何処かで救済してあげて欲しい。葛西とはネコちゃん同士だから何も無いのかと私は踏んでたんだけど。葛西のポジションは明かされる事も無く。
彼もまた、渋川とマキの良き友人のまま終わる。
渋川は、自身に薄っすらと芽生えていたセクシャリティに怯えて、「普通」である事にばかり気を取られていたので。結果、マキを傷付けてしまったのだと言う。
祖母に「孫を見せてあげたい。」という孝行をする事がプレッシャーになっていたのだと。
そして。田舎の狭いコミュニティの中で感じた息苦しさは、マキと同じだったのかもしれないと。
ちるちるの作者インタビューで、下條先生は、渋川が読者に嫌われ過ぎ無い様にと、気を配って描かれた様だけど。やっぱり私はちょっと嫌な気持ちになってしまいました。
伊勢崎が酔って怒ってたりするんだけど。私も大いに同意したいよ。
これからずっと。マキを大事に大事にしてくれないと。許さないからね!
なので。2人の甘あま後日談に、もっとページを割いて欲しかったです。読者を安心させて欲しい!
作者が執筆中に、実際に作ってみたというお菓子ももっと見たかったです。
若桃の水まんじゅうなんて。とってもそそられてしまいます。
コンビニスイーツに強気な単価を付ける高級志向も気になる。
カラーだったら涼しげで綺麗だっただろうなぁ。

最終話には、マキの久しぶりの帰省に。息苦しかった、早く出たかった、だけの田舎の。自然の美しさに、マキの気持ちの上での過去との訣別と和解、の様なものが描かれてもいて。それは些か唐突にも思えたりもしたので。もっとゆっくりと紆余曲折を描いて欲しかったなぁって、思ってしまうのでした。誰にも言えなかった自分の気持ちを、他ならぬ妹が察してくれていて。マキは重く、暗く、想い悩んでいたけれど。家族はきっと受け入れてくれるだろうという、温かな予感。