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静寂と静謐と。

加東セツコ先生の作品の、白と黒。コントラストの効いた絵は、緊張感を煽る。
絵は静謐なまでにひたひたと静かで。
確か2作品ほど前は、ホラーめいているらしく、ビビリーの私は手に取れなかった。
本作は記憶喪失というミステリーめいた展開。
リーマンの生雲は、事故で頭を強く打った衝撃で、部分的な記憶障害となる。
一人暮らしの部屋に染み付いている、恋人が居たらしい痕跡。
自分に懐いている会社の部下、事故以前にも頭痛の治療をしていた医師。
イケメンの管理人。この3人の中に果たして恋人は居るのか。
何故、恋人は生雲の窮地に見舞いにも来ないのか。
白と黒のコントラストは、読み手側に異常な緊張感を強いる。
「恋人だけが思い出せない」のでは無い。
自分に関わる恋人以外の人も思い出せないのだ。コレはズルい。
私は最初、生雲がとんだクソビッチで、3人もの恋人がいるのかと思ってしまったよ。
実際には、生雲が隙だらけのせいで、ウッカリ後輩に唇を奪われてしまう、とか。
『合意を確認されたら拒絶していた。』と思っているのに、流されて管理人に身体を許してしまってたり、とか。
ビッチの素養がアリアリなのだ。大体、仕事を助けて貰ったお礼がしたいのなら、外で食事をご馳走すれば良かっただけの事。何故、部屋に招き入れる事がお礼なのか。元々特別な好意を抱いているだろう後輩が、その気を出しても仕方がないだろう。
思い出せないという不安から、優しくしてくれる主治医が恋人なのかと、その気持ちを疑ってみたり。
何なら事故なのに、親戚に連絡もせず、甲斐甲斐しく世話を焼く課長も生雲に気があるのかと疑ってしまったよ。
子供の頃に両親を亡くし、面倒をみてくれていた叔父に、生雲は淡い思慕を抱いていたんだろう。年上の男が好きだというのは、それが発端なのだと匂わせてもいる。
真相を暴くというよりも、なし崩し的に真相は解明される。
日名川は余裕のあるフリをしていたつもり、だったみたいだけど。
生雲から父親の様に頼られる事も、恋人らしく甘やかせる事も。両方の役割でありたかったという熱烈な気持ちを「描き下ろし番外編」で明かしている。
では何故。意地を張って素知らぬフリをしていたのか。よく辛抱していたな。
生雲は、男の庇護欲を我知らず掻き立てるのだという。
やっぱりビッチの素養はアリアリなのだ。

加東先生の絵は、これ見よがしに局部を描いたりはしない。覆い被さる身体だけだ。
それでも。生雲は何だかエロいし。管理人もエロい。清潔感ある医師もめちゃくちゃエロい。やっぱり全員とお手合わせして頂きたかったなぁ。

これで完結してしまうなんて!

思うに。全ての回収が済んではいないんですよ!(哀しみ。)
もっと、もっと、と楽しみにしていたんです。
絵の粗さに言及されていた方もいたかと思うんですが、私としては、この硬さというか、
ギクシャク感は、コレはこれでアリ!だったのですが。結末を急いだ為か。硬いというよりも、その粗雑さが目についてしまいました。

1巻の終わり、飲み過ぎて酔ってしまったジュンヤは、ダリウス騎士団長に押し倒されてしまう。
しかし、ヤリチンだと言われたダリウスも、ジュンヤに本気なせいか。大事にしたいと思ったのか。抜き合いで終わる夜。いやー、ここで純潔を散らされてしまうと、ジュンヤは神子でなくなってしまいますからね!そう、水の浄化を行なう神子は処女である筈なのだ。
異世界召喚に巻き込まれてしまったジュンヤこそが本物の神子。
折りしも、神子だと見込まれていたアユムに浄化の力が無いことに気付いた神殿は、ジュンヤを攫って、貯水池の瘴気を浄化をさせる。ジュンヤこそが本物の神子だと認めた大司教は、ジュンヤに謝罪するが、ジュンヤはアユムの立場を慮って、自分は浄化は行なうが、あくまでも影に徹して、アユムを神子としてこのまま立てておいて欲しいと伝える。
良くある召喚モノと違い、力の無いアユムも天真爛漫な男の子。神子の立場にしがみ付く様な卑怯な子では無い。そして後に、アユムにも浄化以外の「創造の力」が発動する事になる。残念ながら希望していたBL的逆ハーにはならなかったアユムだが、異世界に来てからずっと側に居たアリアーシュと恋仲になり、ひとりの人と恋をするという大事な事に気付く。
神子であるジュンヤこそが逆ハーエンドのモテモテになる。
貯水池でジュンヤと神官が見た「穢れ」は、それで終わったわけでは無い。ジュンヤは王子や騎士団長、神官に守られながら浄化の旅に出る。というところで物語は終わる。
えええー⁈
「穢れ」は故意に作られた「呪い」だと言う。一体誰が?何の為に⁈とか。
現王は、アユムを神子だと信じていたので、ジュンヤを敵視していたが、実はジュンヤが神子だと知ってどう思ったのか。とか。
大体、男好きでアユムにセクハラかましてた現王は、アユムが処女だと思ってたから触る程度で済んでたと思うけど。勝手に裏切られたと思って報復するか、これ幸いと襲うかしそうなものだけど、2巻ではさっぱり登場しないので、動向も分からず。

過去に何かがあって、(親が側室と不仲とか言ってたアレ?)恋を諦めていたエリアス王子は、すっかりジュンヤの虜。
エリアス王子は、ジュンヤを神子として処女のままにしておかなければならないというので、口淫させる。
ノンケの筈のジュンヤは、エリアス王子のキスで乱されてつい。王子の王子を口へ。
何と。浄化後の疲労は、エロく欲しがり、それで快復する仕組みらしい。処女なのに危なかっしいシステムである。神子を庇護する者の精気なら良いそうなので、ジュンヤを護りたい男共にとってはウハウハである。
私としてはエリアス王子と結ばれて欲しかったところだが、ダリウスも諦めてはいない。
ツンデレの神官マテリオの心にも火が点りそうだし。騎士団の面々もきっと皆んなジュンヤが好きだよね!心優しき侍従のエルビスとのエピソードも欲しいところだし。
ジュンヤがモテてモテてモテる!イベントをそれぞれもっと楽しみたかったです。
全然足りない‼︎
短いエピソードを連ねた番外編が32ページもあるのは嬉しいけれど、それぞれ、「部下の教育に苦労するラドクルドと、ダリウスの悪影響ぶりに苦労するエルビスとの苦労性同志の友情」とか。「元の世界の漢字を書いて喜ばれるエピソード」とか、「ジュンヤの乱れ姿が可愛いと言い合い、マウントを取り合う王子と騎士団長」とか、他愛の無いものばかり。
浄化が終わり、いよいよ処女喪失のジュンヤ!とか。浄化にまつわる色々な問題を解決して、タイトル通りこの世界でジュンヤが「自立を目指す」ところまで見てみたかったです。

鬼畜とドM?拗らせ合いの焦らし愛。

捕食者と餌。ただそれだけの関係だ!などと言ってみたり。
早々に絆されてラブラブしてみたり。
従兄弟が登場すれば、牽制した挙句、翼を突き放す澄也。
1巻から通して読んでみると。どうも支離滅裂なんである。澄也にしろ、翼にしろ、情緒不安定なこと、この上無い。翼を突き放したところでフォローも何もしないものだから、カッとなった翼は、やはり澄也に弄ばれて飽きられたと思い込む。
いや、何で⁈ 君らイチャイチャと常に一緒に居て、勉強見てもらったり。
部活動に入れない翼の為に、生徒会に入れる様に配慮してくれたりしたよね⁈
「好き」ってどういう事か分からない、などとクヨクヨする翼。そのクセ、迫られれば憎まれ口を叩きながらアッサリ気持ち良くなって抱かれてしまう。
澄也に「淫乱」と言われても、これは致し方無い。

悪意のある誰かの仕業で、ホルモンバランスを整える薬を失った翼は、自身の身体に異変を感じ始める。性モザイクと呼ばれるその身体に澄也の子供を宿したかもしれない、というところで次巻へ。ロウクラスと結婚なんかしない、と言った直後に「お前と結婚する」と翻す澄也。ああもぅ!そりゃ動転するよね。

節足動物と融合して進化した人類、なんてSFから。その起源の種による、厳しいカースト。その棲み分けは、何だかオメガバース臭くなり。
未成年の妊娠⁈ と、盛り盛りの設定。一応勉強をしている風で、学年1番だ3番だと言ってはいるものの。タランチュラ等肉食の捕食者は、セックスばっかりしている。
セックスばっかりしている高校生…。うーん。もうちょい勉強してくれ。
文化祭とか体育祭とか、もうちょい青春してくれ。忘れそうになるけど、彼等は高校生なのだ。

物語後半で、心無い生徒たちの罵声に抗う翼の言葉をそっくりそのまま返したい。
「そんなくだらないことに人生使ってる時間、もったいないと思わないのかよ!」
お前もだぞ、翼 ‼︎
セックスに溺れてクヨクヨばっかりしていないで、勉強をしろ!
たまに威勢のいいところを見せる健気な翼。実はドMなんでは?と思い始めてもいる。
このまま拗らせ合いとすれ違いでジレジレ引っ張るのなら、続きを読むかは悩ましいところ。

お人好しは美味しく頂かれてしまいました。

タイトルがもぅ。BL界で連綿と続いた出オチ感満載。何だったら結末だって分かっている。逆に言うならこの王道過ぎるテーマを如何に楽しませてくれるのか?という期待しか無い。うふふな展開を楽しみに読む。
お人好しを絵に描いたような彩くんは、うっかり行き倒れたのを啓斗先生に助けられ、色んなところを触診された挙句、結構な所まで許してしまう。ホンットにスピード展開。これはレディコミだってTLだって、男性向けエロにだって。良くあるものだ。そこでハタと私は気付く。なし崩し的にヤラレてしまう事に悦びを感じる、というファンタジーを信じている男が一定数いる事を。女性性にとっては恐怖でしか無い事を、「女は無理やりヤラレてしまう事が好き。」と信じているバカがいるという事は、こういう漫画の刷り込みに依るところが大きいらしい。なので。男同士、というのは理に適っていて、もはや説得力しか無いのだ。(屁理屈)と、言うわけで。彩くんは哀れ、定石通り、啓斗先生を好きになってしまう。自分の、主に身体を悦ばせてくれる啓斗先生を想って、いそいそと準備まで始めてしまう。
啓斗先生が実家の大病院を出て、小さなクリニックを経営しているのは、家族にゲイバレしたからだと思っていたが、そうでも無く。単に家族と折り合いが悪かったから。父が倒れたというので、大病院の為に、啓斗先生を家に戻そうとする兄に、彩くんは脅されたり、説得されたりするものの。それ程の大ごとにならずに一応の解決と相成る。
この兄と啓斗先生が対峙する121ページの下のコマ。クリニックの受付前に居る2人の兄寄りに「受付」の「受」が見えるのが可笑しい。もしスピンオフがあるのなら、兄は確実に「受け」なんだろう。

トントンと進んで行くので、それ程の山場も無し。技師で、モサ男の守矢さんは実はイケメン!とかいうエピソードも無く。イケおじ看護師の佐伯さんも活躍する事も無く。
啓斗先生と彩くんだけで物語は終わる。
彩くんの乳首に一目惚れしたという啓斗先生は、迷う事なく彩くんの全てを好きになっている。そもそも乳首にそれ程のこだわりは無さそうな。啓斗先生のいい身体に小粒な乳首、という方が萌。
修正は肝心のところがホワホワ白抜き。なので、啓斗先生の啓斗先生はとっても大きく見えます。

人を愛する物語。

民族BL、堂々の完結編。
表紙のルーイが幸せそうで嬉しい。良かったね、ルーイ。
ここに至る物語をまた最初から読み返して、物語世界に没入する。
大きな事件は覚えているものの、この「世界観」に浸るにはやはり。一巻からの一気読みは欠かせない。というか。「狼は恋に啼く」から連なるサーガをまた読み返さずにはいられない。
運命に翻弄されながら、温かく、時には激しく。交わされて来た愛の叙情詩。彼等の民族としての歴史。生きて行く術を。麗しい文化を記した絵と共に味わう幸せ。
終わってしまう事の寂しさ。

ルーイの母国、と言っても「半陰陽」と蔑まれたルーイは、ほぼ幽閉されていた記憶しか無い。西の国と開戦した「狼の国」は、アズラクを生きたまま引き渡す事と引き換えに休戦となる。休戦の報告を受けたゼスは、帰途、敵に襲われ、重傷を負う。ううっ。せっかく休戦したのに。無傷で帰って欲しかった。その傷は、永遠にゼスの顔に遺り、左眼は失明する。
だが。命は取り留めたのだ。共に生きたいと願うルーイの願い。ゼスのルーイへの想いの強さの為か。
そのどさくさに紛れ、2人の結婚を認めていなかった父王は崩御する。政務を取り仕切っていた兄、ハシの采配で、旧い因習に囚われていた「狼の国」は、文化を継承しながらも新しい国を目指して行くと誓い、ゼスとルーイ、ユルールも新国王を支えて生きて行く。
という一応の「めでたし!」で終わる。
何かと傲慢で、気味が悪い悪役、「西の国」ザハブ王が成敗されたり、死んだりする事が無く。そこはモヤる。勧善懲悪はここには無い。「西の国」は揺るが無い大国のまま。
ルーイのトラウマになっていた兄・アズラクもまた、愛の為に生きていた事を知り、彼は「西の国」に引き渡される事も無く、生きて逃れている。まぁ、アズラクも可哀想だったから、それは良いんだけど。
ザバブが何ともなって無い、というのが如何ともし難い。
もしそれを描くなら、とてつも無い大作になってしまうだろう。完結編がパタパタと片付けられてしまったかの様な寂しさは残る。
それに。狼の末裔と言われる王族の周りに常に侍っていた狼達の描写が少ないのも寂しい。
もふもふと大きな体躯をした狼達は、常に彼等の守護の様だったのだから。

「半陰陽」と呼ばれて、子を成せるのかどうかもわからない、と言われたルーイは無事に子供を授かる。下世話な事を言ってしまうと、体位的にはBLのソレっぽいんだけど。ゼスはソッチにも挿れたのかね?という疑問は残る。
子供はルーイに瓜二つなのも、少し寂しい。ルーイの子には王位継承権は低くても、サヤに分かりやすいゼス要素はあって欲しかった。

「限定版小冊子」は、「狼は恋に啼く」や「狼は花の馨り」他、に収録された1ページ漫画を収録しているので、既刊を遡りたい気持ちになるのは必至。ループ読み。
「描き下ろし」には、ルーイの従者で、アズラクを生きて逃したマルジャのその後のある日。誰に傅く事も無く、全くの自由になった彼のその後にも幸あれ。

大切にしたくて。それだけで生きている。

一難去らずにまた一難。もぅ、これ「ララ(ラムダン)の冒険譚」だよね。
互いに激しい愛を交わし合ったウルジとラムダンは、ブルクティーン家に戻るなり、
父・ブルクトの怒りを買い、愛するウルジを想うラムダンはまた。家を出る事になる。
ラムダンは、ウルジを愛している。「2人で生きて行こう」というウルジを、振り切ってまで。逃げるラムダン。ウルジには沢山の人々の生活を守るという、当主としての重圧がある。そこにラムダンが出来る事は無い。子を生み、育て、家の繁栄を繋いで行くという事。
でもね。ウルジは、養子を迎える手筈も整えていると言っているのに。
どうして。何故。ラムダンは飛び出してしまう。それでこそラムダンだとは思うけれど。
そして何だか。ウルジは今度は追わない。「ラムダンはオレを愛さなかった、それだけだ。」と言うその背中は切ない。ウルジの愛が重過ぎて。きっとラムダンにこんなにも愛されているとは思っていないのかも。ううっ…。切ない。
早く帰って来て、ラムダン!

一方で、美しき遊牧民・グリナザ族が自分のルーツかも知れないと聞かされていたラムダンは、呑気な旅人・ルカを道連れに、旅をしようとしたのも束の間。海賊の様な貿易商・アウラの船に攫われる。いやもう。目まぐるし過ぎる!
その間にも差し込まれる、現当主のブルクトの若かりし頃のエピソード。婚儀の日、嫁から「もう少し、お美しい方だと思っていて…。」と言われている様子が可笑しい。ポロポロ泣きながら酷い事を言う嫁を、それでもずっと大切にしていたという彼の、意外な優しさ。
父・ブルクトも、冷酷なだけの男では無かったのだ。

体調が悪くて療養中だというララに、ラムダンは会わずに旅立ってしまった。
私はララは懐妊してるんじゃないかと期待してるんだけど。違うのかな。
ララが産む子供が、ブルクティーンの後継者として迎えられても良いと思うんだがな。
この一巻にはとにかく情報が多過ぎて。息が詰まる。新キャラもドンドン増えて行く一方だし。
とにかく、恋人達の行く末をハラハラしながら楽しみに待っています。

エチは前巻が激し過ぎたのと。本巻では2人がすれ違ってしまうので無く。描き下ろしで補填されている。優しく抱きたいと想いながらも、自制出来た事などある筈もなく。ウルジの絶倫っぷりに泣かされているラムダンも激しい。

オメガバースの永遠の命題、「運命」を乗り越えて。

そろそろ。運命を選び、恋を捨てた 誠臣 × 満留の方のスピンオフを描くと思っていて。それはちよっと胸クソだとは思っていたので。煌臣 × 旭 の続編(= sequel )と知り、嬉しく思いました。とは言え、物語中で誠臣と満留は新たに関係を築いて行こうと、番解消を進めている事が分かる。知らない人同士なのに、本能で結ばれてしまった彼等は、一旦番を解消して新たに絆を構築して行くんでしょう、という。まぁ、先が読めるソレ。
それはそれとして。本作では、旭の方に「運命」が現れてしまう。かつての恋人が「運命」と出逢ってしまった事で捨てられたという深い傷を持つ旭は、それを恐れていた。煌臣という番がいる旭には、「運命」だと縋る遊真のフェロモンは鈍く、捉え難いが、それでも衝撃を受けて昏倒してしまう。ううっ。遊真はやっと出逢えたという「運命」をどうしても手に入れたい。逃げる旭、追い縋る遊真。そして。絶対にその手を離さない煌臣!この煌臣の強さがいい!前作でもそうだったけど、彼の揺るぎ無い強さは抜群の安定感で、ホッとさせてくれます。もちろん。旭だって煌臣を想う気持ちは揺るが無い、揺るが無いんですが。旭にとって「運命」はただ恐ろしい。
そもそも。オメガバースじゃ無くたって。フェロモンだか何だか知らないが、よく知りもしない人と惹かれ合ったりするのはリアルでもよくある事。結婚していても、恋人が居ても、惹かれればズルズルと不倫関係を続けたり、平気で二股をかける奴だっている。
けれど。恋人や伴侶がいるからと束の間の快楽に引きずられ無い人だって現実にはいるのだ。恋人を悲しませ無い気遣いをする人だって。我々は猿では無く。理性を持った人の筈なのだ。という事を踏まえてみれば。「運命」と呼ばれるソレが実は本能的な情欲と何が違うのだろうか、と思い至る。
「運命」がどんなに強烈な衝撃を与えるのかは、数々のオメガバース作品で、これまでも描かれて来たと思う。それでも作品の中で、恋人達は力強くそれを乗り越えて来たのだ。
逃げてばかりいた旭も落ち着いて「運命」と対峙する。彼もまた、恋人である煌臣を一瞬でも不安にさせていた事を悔いている。
というか。彼等は、「運命」が幸せにしてくれるのではなくて。それぞれが「幸せ」を築き、育んで行くのだという真理に気付いて行く。
その真理にいち早く到達していた煌臣ってば、むしろ強靭な理性のヒトなのかも。

作者は優しい視点で、「運命」に拘る遊真にも理由があったのだと描いている。
彼が恋を知った瞬間に失恋する、というのは切ないほろ苦さだけれども。彼の幼馴染だという β の七星にフラグが立ってそうなので、スピンオフの予感。でもなー、「分かんないよ…、俺…β だもん。」という台詞が不穏過ぎる。彼は遊真の両親が β × Ω で離婚してるのを見て来てますからねー。β は、α 性やΩ 性と恋をする度に「運命」に怯えるというのはセオリーでしょう。それでも乗り越えて行くのが恋。

前作でもそうだったけど、主治医の先生が穏やかで、優しくて、良き。
Ω の巣作り、マーキング以外に「給餌」というのもあるのを知りました。可愛い。
エチはそんなに凄くは無いけど、太め短冊は無意味。ギチギチの結合部とふわっと描かれた旭のふぐりがエッチ。

恋なんてっ!言わばエゴとエゴのシーソーゲーム!

大きな声で唄いたい「〜勇敢な恋の歌〜」。
思い出してしまう、有名過ぎるこの歌の歌詞をマジマジと見直してみれば。
ところどころ当てはまってしまう様に感じて。私は思わずウハウハと笑ってしまう。

タイトルにもなっている「シーソー」は終盤に実際に出てくるのだが。
恋は、想いは、「いつだって♪」シーソーゲームなのだと思う。上がったり、下がったり。
想いの重さに気付かされたり。忙しく、忙しなく。
彼等の恋の、それに振り回されて。ニマニマは止まらない!
見た目がもぅ、ほんわりした「受け」である千紘は、実はハイスペック。というのがくすぐったい。絶対に抱かれる側の見た目。(宮田トヲル先生作品調べ⁈)そして、どう見てもモテモテのハイスペ野郎に見える壱成が不器用年下攻め!この設定だけでイケる!ぷぷっ。
と思ったのも束の間。何も弱点の無い様に見えた完璧で人気者の筈の千紘には、人に言えないトラウマがあった。
一方で、不器用なだけで無く、物心ついた時から幼馴染の千紘に特別な気持ちを抱いているのに関わらず、自分の気持ちが何だか分かっていない恋愛初心者の壱成。大学で出来たばかりの友達から「赤ちゃん」と言われてしまう。
ちょっと見、信じられない程の拗らせた想いがあって。
この見た目で信じられない位のややこしい展開になって行くのである。うーん。
そうなるとこの出来過ぎた見た目が逆にネックになってしまう。綺麗な人にだってそれ相応の悩みはあるんでしょうよ。BLなんだから、麗しい見た目のBがLして欲しかったりはするのだよ。でもさー。でもね。
互いにこの見た目でここまで拗らせるかね。うーん。
途中から千紘がただの小悪魔に見えて来ましたよ。ひたすら「赤ちゃん」ワンコの壱成をブンブン振り回す小悪魔だと。
それを見て、千紘の(未通の)元カレとやらに、「お互いを消費してるだけ。」などと心無い言葉をぶつけられて。傷付く千紘。憤る壱成。ココは多分物語のヤマ場だとは思うんだけど。元カレの言葉もお門違いも甚だしいし。そもそも深読みすれば。世に居る恋人達が互いに消費し合っていないと言えるのか。もっと言えば消費し合って何が悪い⁈ などとも思ってしまう。
「恋なんてっ!言わばエゴとエゴのシーソーゲーム!」そう!あの歌の様に。
あの場面での元カレの言葉はそもそも合って無い気もするし。とにかく違和感だけが凄い。元カレはつべこべ言わずに千紘を押し倒していれば良かったんです。好きなんだから。嫉妬したんだから。そこを壱成が助ける!テンプレで良かったのに。
理屈臭い事言い出したものだから。読んでるこちら側もつい、理屈臭く感じてしまいました。
痴漢に遭って怖くて。人に触られる事に嫌悪する。それを克服してあげられるのは愛だけ。
男女ものでもよく見られるテーマだけど。
それを無理矢理盛り込まなくてももっと。この2人の気持ちをシーソーに喩えて、読めるものにはなったと思うんだよなぁ。楽しみにしていただけにモヤる気持ち。

「描き下ろし」には未だ叶わない「一緒にお風呂」。壱成が何故もこんなにお風呂に情熱を注ぐのかはさておき。お口でしてもらうのとお風呂エチは果たしてどちらがハードル高いのだろうかと。いつかアンケートとって欲しいなんて思う。
修正は意味あるのか不明の沢山の短冊。壱成の壱成は意外に細い。体格の割に細い。そこはBLファンタジーにしておいてあげて欲しい。

体感予報 コミック

鯛野ニッケ 

外面紳士が素になれる拠り所。 

作中で「顔面がいい!」と推される程に、瀬ケ崎の顔がいい!というか、これはもぅ、スタイルがいい!脱いでも良いけど、細っそりと腰の細いスーツ姿。如何にもしなやかそうな、無駄の無い筋肉。この細腰での絶倫っぷり。鬼畜っぽいオレ様攻め、且つ、ほんのりヤンデレ要素を湛えた執着っぷり。この我儘っぷりにブンブン振り回されてる様でいて。内心は、葉くんにデレデレ過ぎてヤバい。ヤバ過ぎて伝わってすらいないという。情けなさ。
葉くんは被害者ぶっては泣かされてはいるが、葉くんを好き過ぎて振り回されてるのは瀬ケ崎の方なのだ。
それでも。葉くんは言葉が欲しい。優しくされたい。自分たちの関係にいつも不安。
瀬ケ崎の方は、葉くんが自分を好きなのだと解っている。解っていて少し。意地悪をしてしまう。

瀬ケ崎が、元々ノンケの葉くんの、オタ友達の万さんを牽制しまくるところが余裕が無くて良き。牽制してるのは瀬ケ崎の方なのに、そんな瀬ケ崎を見てヤキモチ妬いてグズグズの甘えん坊になってしまう葉くんも良き。なんだ、ラブラブバカップルじゃーん、ってなもんですが。万さんは瀬ケ崎推しのオタクだけれど、フツーに旦那さんがいて、仲の良い夫婦だったりするというので。瀬ケ崎の牽制も、葉くんの嫉妬も、意味が無かったというオチなんだけど。それは可愛くて一番好きなエピソード。タイトルは正に。「日の出前、薄明の空の様子です」。

後半には、割とあるあるな瀬ケ崎の拗らせ人格形成と、葉くんとの出逢いが語られる。
ホントにこれはあるあるなので。も少し捻って欲しかった気もする。だって。外面紳士の拠り所なんて。本当にありすぎないか。そんなこんなでイケメンは簡単に落ちてしまうんかいっ!それなら単に「一目惚れ」で全然良いのに。なんて思ってしまう。

「明け方にかけてはにわか雨、恵みの雨となるでしょう」なんて。粋なタイトルで締め括ってはいるけども。本作はまだ続いて行くのかな。互いの本心をそれと知りつつも、まだ互いに「完全」では無い様子。まだまだ彼等の色っぽい「体感予報」の続きを、見届けて行きたいです。

いつまで経っても。両片想い。

なんと。表紙を見て、牛通堂と千散と。春日と木菜の話、だとは思っていたけども。
この2組も他のメンツと同様に、想いを拗らせまくっては、互いに一人相撲をしているのだ。
どちらかと言えば。物語は春日 × 木菜 に重点を置いていて、前作の続きとなっている。牛通堂 × 千散の話は据え置きに。残念。この2組もずっと。愛し合い、想い合いながらも、すれ違っているのは変わらず。

前作の終わりで、春日は自分が木菜に恋をしている事をようやく自覚したのだが。それまでに木菜にしてきた酷い仕打ちや、「ダサ眼鏡」などと馬鹿にして来た事を思うと、自業自得。木菜は持ち前の生真面目さと引っ込み思案から、春日に話しかけられるだけで嬉しいと思っているので。自分が相手にして貰えるなんて、露程も考えていない。周りの同期達も、春日の自業自得を疎みさえすれ、手助けなんてしない。ただ近しい間柄の牛通堂だけが、春日の後悔を聞いてあげている。
木菜も恋愛初心者であるので、無防備にも我知らず春日を煽ってしまっていて。
春日の気持ちは上がったり下がったり。大変なのだ。自分は以前とは変わったのだ、と主張したくても。木菜は春日に夢見てるとこもあるので、「いや、変わらないよ。ずっとあの時のままだ。」なんて、言ってしまう。木菜は春日を優しくて素敵な人だと思っているのに。
絶妙にすれ違っている2人。
それでも。何のかんのエチを「訓練」だと思っている木菜の希望を汲んだカタチで結ばれちゃう!一応のめでたし!本命童貞だった春日と、恋愛初心者の木菜の恋は、何だか初々しくて。ホントのハッピーエンドにはまだまだ道は遠い。
「描き下ろし」には、2人を見守って来た心優しい同期達が、これまでの春日にお灸を据えたくて、何かと邪魔なご意見番してるのが微笑ましい。

後半にはいよいよ牛通堂 × 千散 かと思えば。周りを気にせず甘える態度の千散に対し、努めてドライに振る舞っている様に見える牛通堂。一見モブの様で。その実、頼れる安定感の牛通堂。彼と千散の間に一体何があったのか。エピソードを楽しみに待っている。
突然登場した新人の松枝は、眞御たんの秘書見習いだという。眞御たんと常に一緒に居るのかと針生はソワソワ。そろそろ針生 × 眞御たんもまた新たなエピソードで読んでみたいところ。そして言わずもがな、BCの美しさには、新人の松枝も目を見張るばかり。こんなにも麗しい彼等のエピソード、まだまだ読みたい!楽しみよ、永遠に!