須賀邦彦さんのレビュー一覧

情牙の爪痕 小説

義月粧子  須賀邦彦 

Vシネマのようで・・・

「破壊の爪痕」の続編。
着流しの日本画家・遠山と、元やくざ・梁瀬のその後のお話。
前作で一難去ってやれやれだったわけですが、今作では遠山の元カレ、華原組組長・一乗寺と、公私にわたり世話になっている遠山のいとこ、二階堂修司社長にかき回されて、(まぁ、もっぱらかき回しているのは二階堂だけなのですが。)梁瀬が身を引こうとして・・・

アマアマラブラブなシーンからはじまって、不穏な空気をまとってき…

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運命を喰らうとき 小説

義月粧子  須賀邦彦 

なんでこう、受けが悲惨なのかしら

受けが悲惨という意味では、義月さんの小説にかなうものはめったにない気がします。
なにせ、攻めがヒドイ。
誤解とか勘違いとかじゃなく、単純に攻めがヒドイんですよ。
で、攻めにムカつきつつも、受けに感情移入して、もどかしい気持ちを持て余しながら読み進むことになります。

ストーリーについては、もう少し丁寧さが欲しかったなァと思います。
主人公ふくめて不思議な能力を持つ男たちが登場する軽いSFなんですが…

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恋に落ちる記憶 小説

義月粧子  須賀邦彦 

見た目に似合わず、甘えん坊

ガタイが大きいので、可愛い系の受けを探しているように見えるけれども、本当は大人の攻めに甘やかされたい!っていうゲイの子が受けです。
今回の受けは冷たい扱いをされていないのですが、精神的に子供すぎて受け付けなかったです。

広告クリエイター・坂根 S攻め×アパレルメーカー事務・成末久人(25)M受け
ゲイのパーティーに、前から憧れの人だった坂根が来ていて、ドキドキする久人。
どうせ友達の可…

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白皙 小説

五百香ノエル  須賀邦彦 

一途な愛

息苦しいような濃密な愛です。
二人の間に将棋があったことが、より事を複雑にしていたような気がします。

美貌の天才棋士・藤沢朱莉 執着メガネ攻め×新人棋士・嘉村葉司 ヤンチャ受け
田舎にいた頃から朱莉は憧れの存在で、目指して自分が倒す人だった。
世間の誰もまだ認めてはいない葉司を認めて、ライバルとする。
朱莉から肉体を求められて、3年間も関係を続けてしまう。

朱莉がちっぽけな…

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機械仕掛けのくちびる 小説

  須賀邦彦 

本気の台詞ならもっと・・・

女も男もとっかえひっかえな攻・風間。
クールで美人受・相沢。

風間とは大学で勧誘され、そのまま学生会(企画部、みたいなもの)に入ってからの付き合い。
行動力も統率力も企画力もある風間だが、細部には大雑把。
そのフォローをしている間に、いつの間にか2人は名コンビ。

風間はとにかくモテます。
飽きっぽいのか頻繁に恋人が変わる。
しかも相手は女だけじゃなく、男もいる。

相沢も…

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溺れる彼の恋心 小説

義月粧子  須賀邦彦 

甘えた受けの成長物語

自信家な中華料理店オーナーの竜二×一哉(真面目受け)
『アリバイ』のリンク作品
攻めが前妻との間に子供有、前妻をめぐっての騒動有、受けの性格が初期はネガティブなどが苦手な方は、ご注意。

つきあっていた高校生・亨から本命の恋人(男)がいるから遊びだったと言われて振られて、勤めていた飲食店も腕に怪我をしていて居づらくてやめることに。
ゲイの人達が集まる店で気晴らしをしようして竜二に会って、…

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破滅の爪痕 小説

義月粧子  須賀邦彦 

着流しオヤジの懐の深さ

着流し攻めのヤクザ受け(作者曰く)です。
期待が高まっていたんですが、意外とあっさりと終わっちゃった感じがしました。
ストーリーよりシチュエーションで読むといいのかもしれません。

組の資金繰りを担っているインテリヤクザの梁瀬は、自分に流れるヤクザの血を嫌悪しています。
いきつけのバーで知り合った寡作の日本画家・遠山は、以前から梁瀬にモーションをかけているのですが、飲み友達の付き合いだけ…

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センターコート(3) 小説

松岡なつき  須賀邦彦 

ついに完結です

智之に惹かれながらも、死んだ恋人を忘れられないブライアン。
自分の愛に応えられない彼を理解し、例え愛されなくても、
ブライアンを好きでいたいと願う智之。
二人とも不器用すぎて、切ないです。
そんな揺れ動く二人を、とある醜聞が襲います。

最終舞台はウィンブルドン。
恋する二人の葛藤とテニスに賭ける情熱。
臨場感あふれる試合シーンが怒涛のように絡み合い、
読者を一気に感動のラストへ…

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君だけがたりない 小説

松岡なつき  須賀邦彦 

平凡な作品

メキシコで強盗にあった雄太と、それを助けたエドアルドのラブストーリーです。
雄太をひたすら口説くエドアルド。
雄太はその気持ちを疑い、さらにホモになってしまうことの不安から、なかなか受け入れられない。
雄太のグルグルした悩みにまったく共感できなかったので、楽しめなかったです。
エドアルドの内面の孤独をかたちづくった過去も、凡庸な気がした。
もう一捻り、意外性が欲しかったです。

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銀盤を駆けぬけて 小説

春原いずみ  須賀邦彦 

華麗なるスポコンもの

ノシ ノシ ノシ ←拍手がしたかったんです。ブラボーって言いたかったんです。最後のシーンに。

男子フィギュアが舞台のお話です。春原氏がマニアだと言っているくらいなので、背景がしっかりとしていて安心して読めます。(但し、書き下ろしなのに、時々前出のことについてもう一回説明したりしているので、そこのところはマイナスポイント)

とにかくスケートのシーンが多いんですが、それがヴィジュアルとして…

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