石原理さんのレビュー一覧

やがて鐘が鳴る 小説

日夏塔子  石原理 

誰と誰がくっつくのか最後まで目が離せません!

日夏塔子名義で出版された榊花月先生の作品です。
読むのがもったいなくて、行間を味わい、文章をかみしめながらページをめくるという体験を、時たますることがありますが・・まさに、この作品!
ちょっとくどいほどの複雑な人間関係ですが、まあしかたありません。「零」と主人公「遼」が、兄弟のようで兄弟でないという微妙さが、最期まで必要だったのですから。
兄弟だからこその、こだわりやら、愛情やらの微妙なニュ…

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禽獣の系譜 上 小説

花郎藤子  石原理 

せつなくて、涙なくして読めません

「黒羽と鵙目」でおなじみになる前の、こっちが元キャラです。
こっちには、お笑いは一切ない。切なく、切なく、切なく・・最後まで心臓をわしづかみのままです。
もうハードなやくざな世界です。はるは、「黒羽と鵙目」よりもこっちが好きです。主人公烈が思いを寄せる人が黒羽周次です。
組をつぶされるところを、関東の広域暴力団の傘下に入ることを勧め、烈のために組の名前を残そうとしてくれる黒羽。やくざな癖して…

5

葉月物語 小説

たけうちりうと  石原理 

健気な姿に涙して…

いやぁ、この話非常に泣けました。
瑠璃の境遇が非常に悲しくて切なくて寂しくて……。

泣けると書きましたが本来シリアスものではないような気がしています。全般を通して物語りは割と軽快に進んでいて、瑠璃のことを女と間違って惚れてしまう田舎侍の女池龍之進(めいけたつのしん)の朴訥とした感じが作中で良い感じに笑いを誘うので、決してしんみりと悲しい雰囲気は無く、むしろどちらかと言えば笑える話であるよ…

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