波津彬子さんのレビュー一覧

銀のレクイエム 小説

吉原理恵子  波津彬子 

深い情は凶器にもなる

中古本の価格に驚いた
銀のレクイエム (角川ルビー文庫) を購入しました、350円
Amazonの中古本を探したら、銀の鎮魂歌(レクイエム) (KAREN文庫Mシリーズ:イラスト小島文美 )の価格にびっくり。1万円以上の値がついている。。。はやく電子書籍を出して欲しい。買占めはティッシュだけにとどめて欲しい。
内容に応じた価格が付いているのなら、仕方ない。名著なんでしょうね。

★まず、…

1

紅かんざし 小説

深沢梨絵  波津彬子 

電子書籍として復刊されました

明治時代の、横浜の遊郭を舞台とした、若主人と男娼の悲恋ものです。波津彬子さんの表紙絵に惹かれて購入しましたが、小説のイメージによく似合っています。
著者の深沢さんのツイッターによりますと、もともと十代のときに書かれた作品だったそうです。
初出は『小説June』の1985年12号〜13号とのことで、加筆修正して1994年2月に勁文社より単行本化されました。その後、版元がなくなったため絶版本となっ…

5

玻璃の柩 小説

嶋田純子  波津彬子 

匣の中の熱

20余年前に刊行された耽美小説、と聞いて
あなたはどういうイメージを抱かれるでしょうか。

格式ばった?とっつき難い?濃密?

この作品には多分それ等の形容詞は似合わないで
あろうと評者は愚考します。
かなり言葉を選んで構築された耽美小説ですが。

そう、この小説は耽美小説として世に出ました。
版型もサイズこそ現在のノベルズ版と同じですが、
ハードカバーでありなおかつしおり紐…

2

鬼火 ホラー競作集 小説

花郎藤子  吉田珠姫  峰桐皇  美樹静  波津彬子 

神評価をつけたいところなのですが

とても読みごたえのある短編集でした。
これ一冊で長時間かなり楽しませてもらいました。
タイトル通り、ホラーをテーマにしたBLで、どの作品もしっかりしていて面白い。一つ一つがどれも引き込まれるストーリーでした。
お話として楽しめたという意味では神評価でも遜色ないのですが、萌えたかどうかというと萌えを重視では書かれていないと思います。
そういった意味で星4評価にしました。

「七番目の恋人…

2

銀のレクイエム 小説

吉原理恵子  波津彬子 

目から涙の大洪水

BLという枠組みからはちょっと外れそうな感じです。
本を読んでいるというよりは、良質の舞台のお芝居でも観てるみたいな錯覚を起こします。

愛と憎しみは紙一重

と使い古された言葉のようによく言われますが、まさにその紙一重を体現しております。それも徹底的に容赦なく。
ここまで容赦ない攻って、BL界広しといえどそういないかと……。
おまけに究極の勘違いとすれ違い。
受の流転の末の結末が…

1

葡萄の宝石 小説

藤原万璃子  波津彬子 

BLの枠におさまらない題材だと

フランスのとあるシャトーが舞台の、ワインを題材にした作品です。

シャトーとは日本で言うと造り酒屋のようなものでしょうか…。(ぶどう畑まるまる持ってる分規模は違いますが)
私はワインは全く飲めないので、その魅力や味をわかった状態で本を読めないのが残念でしたが、登場人物も作者さんも本当にワインが好きなんだなあと感じる作品です。
登場人物らは文字通り、ワインに人生をかけています。

フラン…

2

9つの夜の扉 コミック

波津彬子 

上質のシルクのような

波津彬子さんといえば、一昔前のJune界には欠かせなかったイラストレーターさんではないでしょうか。
しかしご本人の作品では、BLはほとんど描かれてないかと思います。
私もこちらの一冊しか存じ上げず…。
このなかには全9話ありますが、
うち5話が小説麗人等に掲載されたBL色のある作品、
他は主に各々の大人と幼い子との心の交流を描いた作品になります。

ご本人も巻末で言われてますが、

3

鬼火 ホラー競作集 小説

花郎藤子  吉田珠姫  峰桐皇  美樹静  波津彬子 

レベルの揃ったホラーアンソロジー

花丸文庫の中でもこれは珍しく4人の作家によるホラーアンソロジーです。
これがですね、実に出来が良いんですよ。
ホラーというテーマのチョイスがいい具合に働いていて、各作家の色と持ち味がよく出ていて、夜寝る前に1話読んで寝るにはぴったりな一冊。
文中に挿絵が一切無いんですがこれはむしろイメージを膨らませる効果に繋がっていてそこがいい!
その代りイメージフォトと各話の前に黒地に白文字で作者の言葉…

0

銀月と云ふ男 大正青夢譚 小説

秋月こお  波津彬子 

仄かに香る時代浪漫

時は明治から大正へと移り変わるまさに変革の時。
高等学校進学の為、父の遺した僅かなお金を持って
上京した16歳の小太郎。縁あって書生として
身を寄せることになったのは本屋を営む室井家でした。
時勢の移ろいも目まぐるしい中、
時の流れの止まったような室井家での穏やか日々と
純粋無垢な小太郎が巻き込まれることになる政治絡みの
事件との明暗が徐々に浮き上がってきます。

折しも実在の文…

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慕情恋情 大正青夢譚 小説

秋月こお  波津彬子 

ちょ…続きまだー?

『銀月と云ふ男』の続編です。
時代は大正。

もう、めちゃくちゃ面白かったです。
秋月さんって富士見シリーズばかりが有名だけど、絶対にそれだけじゃない。本当に、どんな設定の話も上手いです。スゴイです。

主人公の小太郎が、ついに恋愛面に絡んできました。
優しくて前向きで働き者の小太郎は、ひねくれてねじ曲がった周りの男たちに、いい意味で影響を与えまくってる、それがじんわりとあたたかいんです。いいなァ…

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