穂波ゆきねさんのレビュー一覧

うそつきな瞳 小説

朝香祥  穂波ゆきね 

BL風味?のサッカー小説

瑞紀はスポーツの盛んな私立高校にサッカー推薦で入学したサッカー馬鹿。
ある日公園でチンピラに絡まれているところを、抜群のコントロールでボールを蹴った少年に助けられる。
たったそれだけで少年のサッカーセンスに惚れ込んでしまった瑞紀は、サッカー部に勧誘するために必死で少年を捜した。
灯台元暗し。少年の正体は瑞紀と同じ学校の後輩、朝生だった。
本場イギリスでプレーしていた朝生はなぜかサッカー部へ…

2

凛! -RIN-(2) コミック

神奈木智  穂波ゆきね 

淡々と、強く在る

この巻は新章の始まりであると同時に波乱の巻でも
あります。
桂を廻る恋の鞘当にしてもそうなのですが、それに加え
桂に八つ当たりをする後輩の登場もあります。
八つ当たり?ええ、八つ当たりです。
その後輩君は自分の力で自分に勝とうとしてませんから。
強い誰かに自分を重ねて勝ったつもりになりたがっている
だけですから。
そう言う状況に揉まれながら背筋を伸ばして強く在ろうと
願い、強くな…

3

凛! -RIN- コミック

神奈木智  穂波ゆきね 

静かな水面の様に

実は、本作を評者は敢えて遠ざけていました。

偶然の一致なのだと思いますが、緊張を解きほぐす為の抱擁、
と言う一挿話を他の穂波さん作画作品で先行して観ていた為
冷静に味わえるかどうか猶予が欲しかったのです。
これはきっと偶然の悪戯でしょう。細かい設定は違いますし。
そう言う訳で、味わってみる踏ん切りがつきました。

恋心を自覚してから、その恋心に恥じない様に強く在ろうとする
桂の…

6

凛! -RIN-(3) コミック

神奈木智  穂波ゆきね 

水面は時に静かに在りて

シリーズ最終巻となりました。
普通の作品なら甘い空気に惰性で流されそうな設定も
桂、草、そして恋敵の香一の人としての成長譚が軸に
ある為、軽快ながら実に歯応えのある物語に仕上がって
います。桂は二巻に登場した八つ当たり後輩を人間と
しての実力で黙らせましたしね。
番外編が同時収録であるとは言うものの、これは実質
第十話であると考えて差し支えないでしょう。
ここで最後?の一波乱として…

4

その時ハートは盗まれた コミック

金丸マキ  穂波ゆきね 

表題≦短編

私にとって手放せない本の1冊です。
その理由は、短編『接吻スキャンダル』の存在。
ゲイの政策秘書ポールと、バイの下院議員コリンの話なのですが……
このページ数の短編でよくここまでまとめているものだと感服します。
フィクションなのにリアル。かと言ってリアルすぎない、重くない。
ハッピーエンドの映画的なまとめ方で、安心して読めるけれど深読みもできる。
「狡猾と純情は同居できるって、言っても…

3

育生&国立シリーズ(2) 2.14事件 小説

菜槻さあり  穂波ゆきね 

恋愛以外の要素も盛り込まれた作品

 前作を読んだのがもう、ずいぶん先なので記憶が薄れたまま読み始めましたが、なんとかなったかな? という感じ。
 前作では、無理矢理やられてしまった育生ちゃんでしたが、今作では気がつけば随分ラブラブになっていてびっくり! 育生ちゃんがちゃんと国立先輩に焼きもち焼いてるよ! って感じだったんですが。
 最後、こんなラブラブな感じに終わってたっけ? と、思わず記憶を辿ってしまいましたが、定かではあり…

0

凛! -RIN-(3) コミック

神奈木智  穂波ゆきね 

弓道を通して描かれる心の強さ

この巻でラストだと思うとちょっと残念。
できれば大学生になった桂も見てみたかったです。

香一は桂をまだあきらめたわけじゃなかった!
親友か、恋人か、どっちを取る?
そう聞かれて困る桂。
香一は実らない恋と解っていてもあきらめないし、桂に無理強いもしません。
人間として大人です!
草は反対に、新しく出現した高遠というライバルに心中穏やかではありません。
嫉妬するする!
桂もちゃ…

6

凛! -RIN-(2) コミック

神奈木智  穂波ゆきね 

二人に進展

弓道部では3年生が引退。
カリスマ的な存在の兄と草が抜けると、部長の香一と副部長の桂に重圧がかかる。
まとまらない後輩達を引っ張っていく力に欠ける二人。
まるでしまりのない香一と、責任感だけで空回りしている桂。
心配する草にも、頼りないと思われたくなくて冷たい態度を取ってしまう。
そんな時、一人の後輩の反抗的態度が香一の態度を一変させる。
実力の差を見せつけ後輩を威圧した香一は、見事に…

5

凛! -RIN- コミック

神奈木智  穂波ゆきね 

おまじない効果

大事な場面で、このおまじないがないと成果が出せない桂は、そろそろ草のおまじないから自立しないと…と思う。
草が自分にしてくれる行為は、ボランティアだと聞かされ自立の決心を固める。
しかし草の代わりを桂の親友・香一が名乗りをあげると、なぜか余計に草の事を意識してしまう。
それから草に抱きしめられると、落ち着くどころか動機が激しくなってとても穏やかでいられない。
草も本当は桂が好きなんだけど……

6

ヤバイ気持ち コミック

鹿住槇  穂波ゆきね 

違いの判らない男

涼司が優先させたのは、友情よりも一瞬の欲だった。
透が優先させたのは、一瞬の欲の向こうにある何か
だった。

涼司の感覚では、友情と欲は並立できるものだった。
でも透にはその感覚が理解できなかった。
徐々に欲求に対して狡猾になってゆく自分に目覚めて
しまったから。

透を開花させたつもりの…多分今でもそう思って
いる涼司は、自覚なきままに違いを先に判った透に
育てられた。

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