麻生海さんのレビュー一覧

真音 3 小説

谷崎泉  麻生海 

いぶし銀の魅力

この巻で完結です。
実に派手さはなく、決して甘くなく、あくまでも淡々と、ともすればスルーしてしまいそうなほどの大きな事件もなく、言ってみれば地味な作品ですが、それは良い意味でのいぶし銀の魅力として渋い輝きを放っています。
これが谷崎作品だという特徴がよく出ていたような気がします。

一巻では、進藤と槙原、富樫の出逢い。
二巻で、進藤と富樫の過去が見え、
そしてこの巻で、彼らの未来への道…

8

唇にキス 舌の上に愛 ~愛と混乱のレストラン 3~ 小説

高遠琉加  麻生海 

人間は、愛とメシでできてるんだぜ?

もう、なんと言っていいのかわかりません。
BLというよりも、男同士の恋愛と言うよりも、壮大な愛の物語だったと思いいます。
男同士うんぬんではなく、人間同士の深い愛の物語でした。
このシリーズを読み始めた当初は、ただのレストランが舞台のラブストーリだとばかり思っていましたが
そんな甘っちょろいもんではなかったですね。
登場人物の背負っているものが深く、特に主人公である理人の過去は壮絶であり…

10

唇にキス 舌の上に愛 ~愛と混乱のレストラン 3~ 小説

高遠琉加  麻生海 

幸せを共感する物語

 
 既に素敵なレビューがいくつも上がっているので多くを語るつもりはありませんが、かといって脳内で処理するには愛が余りすぎたので(笑)若干今更ながらレビューさせて頂きます。

 このシリーズは、三巻丸々を使って二人が愛し合う過程を描いているので、BLとしては比較的展開の遅い方だと思います。特に受けである理人がいつまで経っても自覚しないので、とにかく焦れったい……! 読み手はもう親になったつも…

5

甘い運命 小説

高遠琉加  麻生海 

家で読んでたら、泣いていたと思う・・・

「愛と混乱のレストラン」シリーズ番外編、パティシエの一のお話です。
電車の中で読んでいたのですが、泣かないようにするのに努力が要りました。

母親に虐待されていた過去を持ち、早く自立したがっていた寡黙な少年・樫崎一が巻き込まれた事件と、その後高3のときの担任・湯原とその姪・海と擬似家族として暮らしているエピソードがほとんどです。

自分の中に潜んでいるかもしれない暴力の種に怯えている一と…

0

甘い運命 小説

高遠琉加  麻生海 

こんなおじさんの体を触りたいなんて、、、

あああ萌え!じゃない神!

元々すごく期待して待っていた作品だけれど、帯見て、
「ああ、これはやられる。」
と読まずして判断致しました。

『こんなおじさんの体を触りたいなんて、君、本当にどうかしてるよ』

案の定、悶えました。
悶えすぎて、本を持ちながら体がよじれました。
*一の生き方、考え方にシンクロする部分が多々ありまして、ボロ泣きでテンションがおかしくなっていたのかもし…

2

甘い運命 小説

高遠琉加  麻生海 

幸せということ

『愛と混乱のレストラン』のスピンオフです。無口なパティシエが主人公。本編は良作だと思うのだけど、狙いすぎな感じがして、感想はスルーしました。が、こちらは本気で泣きました。
虐待された子供が一人暮らしをして、隣に住む人のために初めてお菓子を作り、そして少年院に入り、高校の先生と同居するようになり、子供を育て、居場所を作っていく。本当の家族ではなくて、壊れそうなのに幸せで、失いたくなくて自分の気持ち…

1

甘い運命 小説

高遠琉加  麻生海 

無口なロマンチスト

「愛と混乱のレストラン」でのパティシエ・一のお話です。
……やっぱり高遠さんはすごいです。

お話は一が高校生だった頃からスタートします。母親との確執がすべての切欠となり、とどめの傷害事件が起き、どこにも居場所のなくなった一。冬の夜の公園で元担任・湯原と再会し、そのまま湯原宅へ住むようになります。
それから始まったのは、湯原の亡くなった姉の子ども・海との3人の同居生活。この3人での日々が、…

3

甘い運命 小説

高遠琉加  麻生海 

これからは、甘~い生活

「愛と混乱のレストラン」の短編で2人の話を読んだときから、どんな関係なのか気になっていました。

本編での一は、”異常に自制心の強い人”という印象だったのですが、その理由が、幼い頃より母親から受け続けた虐待のせいであったとは、1人の親としてもショックでした。一母のおかれた環境・状態を考えると、そういう行動をとってしまう気持ちも解らなくはないのですが…

そんな育成歴を持つ一にとって、隣室の…

3

甘い運命 小説

高遠琉加  麻生海 

物語としての力

このシリーズは本当に再生と救いの物語なんだなぁと改めて思ってしまいました。
優しくて深い言葉の数々に一くんと先生と一緒になって心を慰められたり勇気づけられたりしてしまいました。

生きるって難しいけど、どうにか明日も元気出してやっていけそうっていうか。

海ちゃんは本当にかわいくて癒されました…。
子供の存在って素晴らしいなぁ。

一くんは大好きなキャラだったんですが、どうもオヤジ…

3

甘い運命 小説

高遠琉加  麻生海 

胸が痛かった

「愛と混乱のレストラン」パティシエ・一のお話待ってました!
本編でチョロっとほのめかされていた少年院に入っていた話。
先生との同居の理由。
そしてその先生とはどういう関係なのか。
実に10年近い年月をかけてゆっくりとゆっくりと綴られた本作品、もう胸が痛くて締め付けられて。
無口で地味な二人だけに、その深さはウルっとくることしばしばでした。

一の家族の、特に母親との関係が彼の性格をつ…

4
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