有馬かつみさんのレビュー一覧

愚か者の恋 小説

火崎勇  有馬かつみ 

最後にようやくスッキリ

丸ごと1冊表題作です。
美久(受け)の目線でストーリーは進んでいきます。

美久は親にも捨てられた自分を救ってくれた義兄の真意(攻め)をずっと好きです。寂しい年の離れた弟の演技をして計算どおりに同居に持ち込んだものの、真意に友人との関係を疑われたことをきっかけに、思わず迫ってしまい…という話です。

一番面白かったのは、美久の友人であるエロ漫画家の本橋とのやりとりでした。作品は全体的にシ…

2

わけもなく、もっと 小説

渡海奈穂  有馬かつみ 

肉食×鈍感、プラスもう1カップル

1冊丸ごと表題作です。

有佐家には、真子、克、裕真という姉兄弟がいて、末っ子の裕真(受け)が主人公です。克が行方不明になってしまい、会社をを辞めて実家の和菓子屋の仕事を手伝います。顧客の開拓中に、茶道教室を営む唐木(攻め)と出会いますが…という内容です。

主人公の裕真が良いです。
結局、唐木にも偉介にも、克の行方は知らないと嘘をつかれていたのに、その辺は余り尾を引きません。唐木には嫉…

1

彼は週末にドアを開ける 小説

ななおあきら  有馬かつみ 

三枝と三人の男

2006年発行の作品ですが、あとがきによると2001年~2002年に書かれた同人誌(全三巻)を加筆修正して単行本になったそうです。だからなのか、この物語はどことなく奥ゆかしく、懐かしく感じました。有馬かつみさんのイラストも今より丸みを帯びていて柔らかいです。

主人公・三枝に相対する男性が三人登場します。一人目は不倫関係にある他部署の上司・高田。二人目は長く疎遠だったが再会を機に仲良くなった同…

2

ただ一度の恋 小説

飛沢杏  有馬かつみ 

読点が多い

前半は悠生がとても頑なで、ちょっと允紘が不憫でした。悠生の仕事についてはあまり描写されておらず、保守的な社会で生きる故の同性愛の難しさを表現したかったのかなと思います。セックスの描写は濃厚で艶っぽいです。

「Eternal」のあるシーンのイラストがあまりにも素敵でドキッとしました。シンプルな構図なのにな~。

文体について。残念ながら読点がとても多く、私は読み辛いと感じました。

0

絶対服従 小説

水戸泉  有馬かつみ 

そもそもこれ‥

CDから原作へ。
CDを聴いたときにも感じた違和感だったのですが、
小説を読んで最初に感じたのは、
BLじゃなきゃいけない理由がわからない。
祐一がフツーに親から地盤を受け継いだ新人代議士(女子)であっても、
全然無理がない。
祐一のパーソナリティーも、恩師の役に立たなくちゃ感が、
プロデューサーあいてに枕営業する新人アイドルみたいで、
げんなりです。
しかも、それをステップにの…

1

ランドリーランドリー 小説

火崎勇  有馬かつみ 

イイ本です

丸ごと1冊、表題作です。
吉富の目線でストーリーは進んでいきます。

吉富(受け)は、コインランドリーの雨宿りで飛び込んできた上杉(攻め)が中学校時代に憧れていた先輩だと気がついて、声をかけます。勇気を出して、寒いなら珈琲を飲まないかと部屋に誘ったのをきっかけに、二人は親しくなります。上杉の色々な面を知り、改めて恋に落ちた吉富でしたが、上杉にとっては便利な友達扱い。それで満足していたはずなの…

3

迷えるドクターに愛のご奉仕 小説

四ノ宮慶  有馬かつみ 

節操なし攻め

初読み作家さんでした。先生ものに惹かれて呼んでみました。

受けの小児科医、千住はツンながらも抱かれると乱れまくってしまうと言うある意味典型で、ストーリーは基本的にはあまあま王道。でも、攻めが節操なさすぎるのがちょっとのめりこめなかった理由かな。

テイストは下町人情もの風で、攻めは近所のお好みや店主。患者の保護者な近所の人があつまるお店はいつしか千住の心の家に。でも体から入った二人の関係…

0

満月の狼 小説

火崎勇  有馬かつみ 

狼男モノではあるけれど

間違いなく狼男モノ(?)ではあるのですが、そのこと自体による恋愛の駆け引きやドタバタはあまりなく、破天荒なヤクザ×美人の刑事による重厚な大人の恋愛モノです。

序盤がかなり焦れったい展開で、鬼迫と一緒に少々ジリジリしつつ、いつになったら狼は出てくるのかな?と思いながら読みました。腹の探り合いのような二人の掛け合いは面白かったですが、小鳥遊が鬼迫に惹かれていく心情の変化がよく分からず、恋愛面での…

0

この愛で縛りたい 小説

英田サキ  有馬かつみ 

友人から

表題作と続編の中編2本と、短めの後日談が収録されています。

「この愛で縛りたい」
阿木の目線で進みます。
アメリカへの転勤を前に八年もの片思いを断ち切るべく、阿木(受け)は永瀬(攻め)を監禁し、五日間自分の自由になって欲しいと頼みます。最後の夜、阿木は永瀬に媚薬を使い…。

「この愛で守りたい」
永瀬の目線で進みます。
恋人同士になった二人。だが、そろって出席した同窓会で、永瀬の…

1

闇夜を歩く(1) 小説

谷崎泉  有馬かつみ 

萌えとは違うけど

谷崎さんの全三巻物。
やはり谷崎さんは複数巻向けの作家さんなのだなあと思いつつ、シャレード文庫さんにはこれからも出来れば単発でない谷崎さんの作品を出して頂きたい!と思います。

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メインの登場人物は三人。
未来を見ることが出来、纏う空気さえも清浄に感じさせる占い師の子春(李空)。
大物政治家・猪飼の第一秘書で、猪飼を首相にすべく動く野心家の永…

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