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8/12(合計:120件)
河井英槻
snowblack
ネタバレ
なかなか本が出ない河井さんの新刊。 7年かけてまとまったそうだが、一貫した絵と作風に改めて 独特の魅力を持った作家さんだと思わずにはいられない。 仄暗くて繊細な魂の痛みを描かせたら、絶品の河井作品。 中二病とも言える世界観だが、一人一人のキャラに透明感があって、 脆そうに見えるけれど細くて折れない芯がある感じがいい。 舞台は、南米のどこか。 巨大なキリスト像がある街に北の国か…
クリボウ
ニコにとっての神様は…。 亡くなった父に似ている弟:ウィルのみに過剰な愛情を注ぐ母に愛情と同じくらいの憎しみを抱くニコは故郷を離れ遠い異国の地に辿り着きます。 3年の月日が流れ、ニコは安寧な日々を過ごしますが、ある日、ウィルが突然訪れたことから心がどうしようもなく波立ちます。 ウィルを見ることにより母に愛されなかった哀しくやるせない苦い日々を思い出し揺れるニコの気持ちを場面を過去エピ…
江名
「本編に入れたかったのですが、1話丸ごと使ってしまいそうで入れられなかった」 そう作者のコメントが付いているのも納得。 1枚ものの漫画ペーパーですが、素敵な雰囲気がギュッと詰まっていました。 4話目の直後に入るという、エリとニコがデートするお話です。 仕事が決まり、観光客相手にガイドの仕事もすることになるニコに、 「めぼしい観光スポット、案内してやるよ」 そうエリが言い出して、…
スズキ27
求めよ、さらば与えられん。信じる者は救われる。神さまはきっといるから。 これまで素通りしていた言葉に、振り返ってみようかなという気にさせられました。 諦めたつもりになったり、自暴自棄になったりすることもありますが、もう少し生き生きと生きてみようとしてもいいのかもしれない。 7年かけて1冊にまとまったというこの本に、衝撃を受けて感動するというより静かに火を点けられたような思いです。 …
Krovopizza
巨大な神の像がトレードマークの、とある外国の町の物語。 「求めよ、さらば与えられん」 という聖書の言葉が引用されていますが 描かれるのは、報われないと知りながらも愛さずにはいられない、切実な人びとの姿です。 故郷を捨て、異国の地で語学で生計を立て生きるニコ。 彼の、傷ついても傷ついても母親の愛を諦めきれない姿がとても切ない。 子供の頃から、勉強して成績を上げても、働いて母の日に…
ヒトヨ
表紙が綺麗だったのでジャケ買いしましたが、話がそもそもつまらない? というかテンポが悪い? 主人公の境遇には同情しますが心理描写の語りが多過ぎて逆に不幸自慢をつらつらしてるように思える。 萌えるポイントがない。 登場人物に感情移入できない。 ちょっとこれは買って失敗したかも。
マツオ
この作者は、孤独感を描くことにかけては天才的です。 主人公のニコの圧倒的な孤独を、異国の青年エリが時に乱暴に、時に極端に、時にそれとさとられぬように優しくゆっくりと包み込んでいきます。この辺りの、エリがとるニコに対する態度や心理描写は秀逸。 七年間という超不安定な連載であっても作品のテーマが一本筋通っているのは、孤独感を描かせたら右に出る者はない作者の真骨頂でしょう。 しかし………
母親から愛されることをひたすら望むも、 弟ばかりを溺愛する母からは酷い言葉しかもらえず、心に深く傷を負ったニコ。 彼が家族も故郷も捨て、死に場所を求めて彷徨ったあげく辿り着いたのは、 窓から大きなキリストの像が見える街、 そして、怪我をしたニコを助けてくれた、食べ物屋を営むエリという男。 この物語、時間が前後して進んでいくのがとてもいい。 話は、ニコが家を出てから3年後…
トーゴ
10代の少年の多感さと特有の正義感。 見渡せる世界だけが全て。 だからこそ、踏ん張って守り抜こうとする勇気と強さ。 触れれば壊れてしまいそうな危うさの中、水村が唯一縋ったのが九条だった。 1度だけ近寄ったら満足するつもりが、何故か九条に懐かれくすぐったい関係に気を緩める事を覚えます。 2人が近づいていく過程に、ひらひらと舞う蝶を追いかける様な言いえぬ楽しさを感じるのですが、祖母の死を…
楓花
ままならない現実へのもどかしさ、辛さ、苦しさ…大切な思い出が壊されてしまう痛み…水村の置かれた状況がとても厳しいです。 笑顔で隠して1人で堪えて…近所の人たちは見て見ぬ振り、町ぐるみの土地計画のため警察もまともな対応をしない、映画館を無くしたくないから家族にも言えず、どん底にまで落ちた昏い精神に刺した唯一の光…それが九条だったんですよー! 可愛らしい恋のキラキラした部分と、水村の家庭事情との明…